「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―112

日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

 

(小川敏夫法相は罷免されたのと同じ)


 6月4日(月)、野田首相は第2次改造内閣を発足させた。その中で小川敏夫法務大臣が突然に更迭され、滝実氏が法務大臣に就任した。

 小川前法相は退任の記者会見で、「民主党の小沢元代表の政治資金を巡る事件で、事実と異なる捜査報告書を検察審査会に提出していた検事への捜査を徹底させるため、指揮権の発動を決意したが、野田首相の了承が得られなかった」と述べた。

 小川法相が、野田首相にこの方針を伝えたのは5月11日(金)であった。野田首相は小川法相の決意を理解しなかったようだ。いや、拒否したといえる。小川前法相は「検察が身内に甘い形で幕引きすれば、国民の信頼回復は得られない。検察が内部のことに消極的な場合、指揮権発動はふさわしい」と考え、「場合によっては、再度、説明(指揮権発動の要請)をしようと考えていた」との趣旨の発言をしている。

 一連の経過から考えれば、小川前法相の決意は司法権、ことに検察権の正常化にとって欠かせないことである。野田首相がこれを拒否したことは、「小沢陸山会問題」に関係なく、わが国の統治機構の改善・正常化を妨げるもので、残念でならない。小川法相を留任させることは、自民党政治の中に安住しようとする野田首相にとって、致命的になるとして、実質は罷免行為であったといえる。

 

(小川前法相の見識と野田首相の不見識)


 小川敏夫前法相の記者会見については、ネットで「称賛」の声とともに「そんなシンプルな話ではない」などと、小川前法相はこの問題で「やる気がなかった」と手厳しい市民グループもいる。それに、小川前法相にとって低級なマスコミからのゴシップ報道もあり、政治家・小川敏夫氏の実像はあまり知られていない。

 実は、私は小川敏夫という政治家をよく知っている、というより親しい友人といえる。立教大卒で、司法試験に合格して検事・裁判官を経験して弁護士となり、平成7年の参議院選挙で国政に参加した。私は3年早く参議院議員になっていたが、物事をバランスよくとらえて公平に判断できる人物で、初対面から気が合う仲間となった。司法試験合格者といえば、立場にこだわりと癖があるが、小川氏にはまったくこれがなく、セントポールという学風のせいかと感心していた。

 小川氏が法務副大臣に就任する前には、しばしば会う機会があった。私のところに市民から持ち込まれた問題の相談に気軽に乗ってくれた。事件の実態を正確に捉えて論理的に解決するという、きわめて常識を大事にする人物である。法務副大臣になってから、私は小沢氏の陸山会事件もあり、誤解を受けてはいけないと思い、距離を置いていた。まして、法務大臣となるとそれなりの制約があり、小川氏の持ち味がどれだけ生かされるか、権力の中枢での悩みも多くなり、小川氏の人間性がどんな変化や成長をするか観察していた。

 小川氏のことだから機会を見て、何かの動きをするだろうと期待をしていた。それが退任にあたっての記者会見だったのだ。しかし、彼の良心を呼び起こしたのは、多くの無名の市民たちのアピールであったと思う。所謂小沢問題をめぐって、全国にわたって自然発生した市民運動の輪が、小川法相をして「検察正常化のための指揮権発動の決意」を促したことは間違いない。

 それに比べ、小川法相の決意を無視・拒否した野田首相の対応は、不見識そのものといえる。野田首相は検察正常化の唯一のチャンスを逃したといえる。小沢一郎という政治家の立場は別にして、検察の正常化は現在のわが国の統治機構において急務の課題である。

 情報によれば、現在、検察の内部では正常な検察を確立しようとするグループと、旧体制を続けようとするグループが激突して、壮烈な争いが続いているとのこと。捜査報告書を偽造したとされる田代検事の処分をめぐっての問題である。

 小川法相の指揮権発動の決意が、検察の正常化のスタートになることである。野田首相の判断は検察を旧体制のままにしておくことになる。検察をこのままにしておくことが、国民のため国家社会のためになるのか、常識のある人ならわかることだ。野田首相には猛省してもらわなくてはならない。

 

(小川法相の指揮権発動の決意を生かそう)


 小川前法相の決意を生かすため、私たちがなすべきことは沢山ある。まず、真っ先に行うべきことは、新法務大臣の滝実氏に、小川前法務大臣の決意を理解してもらうことである。滝法務大臣は東大法学部から自治省に入り、消防庁長官や奈良県副知事などの経歴でわかるように、官僚中の官僚である。小川氏とはひと味もふた味も違う。個人を説得して理解を求めることは困難である。

 第一に、国会の関係委員会で志ある国会議員から、滝法相に質疑で小川前法相の決意を理解させることである。さらに、野田首相に反省を求め、小川前法相の決意の正当性を国民に知ってもらい、世論づくりを行うことである。

 第二に、滝法相や野田首相が小川前法相の決意を理解しない場合はどうするか。個人事務所に陳情することになろう。出来るだけ多数の陳情が必要である。

 第三は、第二の運動を制度にのせるとするなら、衆参両議院の法務委員会に「検察の捜査調査書の偽造について、法務大臣に指揮権発動を促す請願運動」を展開することである。請願紹介の国会議員が必要であるが、これに協力してくれる国会議員はいよう。

 仮にこの請願運動が何十万、何百万人と拡がっていけば、請願は採択されなくとも国民運動として、検察の正常化と健全化に役立つと思う。

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