「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―135

                                   日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

 11月12日(月)、東京高裁で「国民の生活が第一」代表・小沢一郎氏の控訴審判決が行われ、小川正持裁判長は小沢氏を無罪とした。一審・東京地裁判決を支持し、検察官役の指定弁護士による控訴を棄却した。

 判決後、記者会見した小沢弁護団の弘中惇一郎弁護士は「一審判決は若干すっきりしないところがあったが、控訴審ですっきりした。理にかなった判決だ。・・・(小沢さんだけでなく)この事件全体で犯罪がなかったとはっきり言っている」と、判決を評価した。さらに「そもそもの捜査自体が極めて問題だ」と検察を批判した。

 これからの問題は、検察官役の指定弁護士側が最高裁に上告するかどうかである。上告は、憲法違反や判例違反のほか、重大な事実の誤り、著しく正義に反する場合にかぎられるため、法治国家の常識では想定できない。しかし、この事件そのものが、民主主義国家、法治国家では許されない暴挙であったことを考えると、まだまだ十分な監視が必要である。

 日本国は3年9ヶ月にわたった「小沢問題」で、崩壊の過程に入った。それを回復させるためにも「小沢問題」は何であったのか、この機会に、その概要と問題を総括しておく。


(西松建設をめぐる政治献金問題)

①『政治捜査』の予感


 平成21年3月1日、私は千葉市で行われた知事選挙の事務所開きで、旧知の森法務大臣(当時)に会った。森大臣が、堂本知事に私を紹介したことばに、当時の小沢民主党代表への『政治捜査』を予感させるものがあった。「平成になって日本の政治を崩壊させた悪は、小沢民主党代表です。その背後で手伝っていたのがこの平野さんです」という趣旨だった。場違いな話に何が起きるのかと嫌な予感がした。政権交代の可能性が高い総選挙が、半年以内には実施されるという時期であった。

 2日後の3月3日、突然、小沢代表の陸山会事務所が東京地検特捜部によって強制捜査をうけ、大久保秘書が逮捕された。政治資金規正法違反容疑だった。翌4日、私はテレビ朝日のスーパーモーニングで、森大臣の暴言を踏まえ、「戦前の検察ファッショの再現で、議会民主政治の危機だ」と抗議の発言をした。


② 西松建設関係事件の問題点

 大久保秘書逮捕の容疑は、西松建設のダミーの政治団体であることを知りながら、寄付として政治資金報告書に記載したという「虚偽記載」だった。5日には、西松建設から同様の献金をうけた政治家も数人いることが判明し、漆間内閣官房副長官が同日夜の記者懇談で、「西松の捜査は自民党関係者には波及しない」と発言。首相官邸と検察が、小沢代表を狙った政治捜査であることを露呈した。

 これまでの「虚偽記載」とは、仮にあったとしても強制捜査をする前に、行政指導による対応をすることが慣行であった。それを、突如として異常な強制捜査を行ったのは、特捜部の狙いが公判維持より「小沢政権を絶対につくらせない」という検察のクーデターであった。


③ 捜査と裁判の実態と政治捜査の傍証

 特捜部は平成21年度末の多忙な時期に全国各地から検事を動員して、東北地方のゼネコン支社を強制捜査した。特捜部とマスメディアの共同作業で、小沢さんの人格攻撃を行ったが、「天の声」や「斡旋利得」の証拠はなかった。大久保秘書は3月24日に起訴される。小沢代表は5月の連休直後、民主党への政権交代を確実にするため、代表を辞任し鳩山代表と交代する。

 その後、大久保秘書の西松建設関係の「虚偽記載」の裁判は、検察側証人が「西松建設の政治団体はダミーではない」と証言して、検察調書の証言を翻し、裁判の体をなさなくなった。何のための強制捜査であったのか、検察は批判をうけることになる。

 この事件が麻生政権による政治捜査であったことを証明するもうひとつの証言がある。民主党への政権交代が行われた直後、私の友人で某財界人の話だが、「大久保秘書逮捕の数ヶ月後、森法務大臣と会食した時〝大久保秘書逮捕は私の指示でやったことだ〟と話していた」とのこと。私は政治捜査の傍証証言になると思い、一部のテレビや、「メルマガ・日本一新」で採り上げたが、司法の場でも、政治の場でも無視された。


(陸山会の土地購入問題)

 何としても政権交代を阻止したい麻生政権は、小沢さんの西松建設問題に続いて、郵政不正問題を捜査し、石井一民主党副代表を狙ったが不発に終わった。そのとばっちりで、厚労省の村木厚子局長が逮捕された。これは大阪地検特捜部の不祥事(フロッピーディスク書換事件)が発覚し、無罪となる。検察による事件の捏造が社会問題となった。

 それでも検察は、小沢さんに対する執念を燃やし続け、今度は陸山会の土地購入に目をつけて、性懲りもなく「土地購入に裏金が使われたシナリオ」をでっち上げた。検察は、服役中の水谷建設元社長から「小沢氏に、一億円の金を渡した」とするあやふやな供述をとり、それが土地購入の原資の一部とのシナリオだった。

 平成22年1月15日、特捜部は陸山会の土地購入について、平成16年の政治資金報告書に「虚偽記載」があるとして、元秘書の石川衆議院議員、池田秘書、会計責任者であった大久保元秘書の3人を逮捕した。土地購入資金の原資に不正がないことを知った上での、「小沢排除」の別件逮捕であった。

 特捜部は2月4日、石川議員ら元秘書3人を虚偽記載で起訴した。「記載ミス」といわれるものだが、会計士の多くは正当な記載であるとの意見である。小沢事務所の裏金を狙ったもので、またもや検察は全国のゼネコン約50社を強制捜査をしたが、証拠のかけらも出ることはなかった。水谷建設の話だけが目立ったが、社長と元会長の話が食い違い、「一億円を渡した」とする供述の信憑性が疑われるだけであった。裏金は勿論、秘書と虚偽記載の共謀の立証もできず、小沢さんは嫌疑不十分で不起訴となった。


(検察審査会の暴走と指定弁護士の暴挙)

 平成22年2月12日、「真実を求める会」という組織の実体が不明な市民団体が、小沢さんの不起訴処分について、検察審査会に審査の申し立てを行った。この「申し立て」は、石川議員を取り調べた特捜部の幹部が予告していたものであった。

 その後の流れは4月27日、第5検察審査会が1回目の起訴相当議決。受けて5月21日、特捜部は再び不起訴処分。10月4日、第五検察審査会は、9月14日付の起訴再議決を公表、翌23年1月31日、検事役の指定弁護士が小沢さんを強制起訴した。

 第5検察審査会が2度目の起訴議決を行い、小沢さんを強制起訴するに至った経緯は、菅政権内の小沢排除派が、法務省官房長や最高裁判事などを歴任した法曹界大物の、スキャンダル隠蔽と取引した疑惑がある。また、石川議員ら3人の秘書の公判で、検察側が小沢さんを検察審査会により、強制起訴に至らしめる「虚偽捜査報告書」の存在が判明した。

 さらに、村木元厚労省局長事件で受刑中の前田元特捜検事が、陸山会事件の公判で「この事件そのものが、一部の特捜幹部による妄想に近いものであった」と指摘した。この事件が特捜部の暴走であると同時に、暴走させた政治権力の関与を証言したものといえる。

 10月6日、小沢さんは東京地裁の第1回公判で、検察の捜査を「明確な犯罪事実と根拠がなく、特定の政治家を対象に強制捜査を行ったことは、明白な国家権力の濫用であり、民主主義国家、法治国家では許されない暴力行為である」と陳述した。平成24年4月26日、東京地裁は検察審査会の強制起訴に対して、無罪と判決した。その際、検察が虚偽の捜査報告書を検察審査会に送付していたことを厳しく批判した。このような経緯にもかかわらず、検事役の指定弁護士は上訴したのである。


(「小沢問題」の本質は何か!)

 一連の最大の問題は、法治国家として検察権が正常に機能していないことである。これについては、郷原信郎氏の対談著書『失われた正義 検察崩壊』(毎日新聞社刊)で、すべてが語られている。

 衆議院事務局33年、参議院議員12年間を務めた私の立場からいえば、「検察崩壊」をもたらした原因には、政治の劣化を指摘せざるを得ない。  

「小沢問題」の始まりは、麻生自民党政権が検察権を乱用しての議会民主政治の破壊であったが、その企みは失敗した。もっとも人倫に反した「おぞましい」行為は、菅民主党政権による検察審査会制度の悪用による「小沢排除」である。これらのことが、ほとんど解明されていない。

 崩壊したのは検察だけではない。小沢問題の3年9ヶ月は、国会の崩壊の道でもあった。また、政治の劣化を誘導したのは巨大メディアの不健全な姿勢であり、このままだと「国家の崩壊」となる。

 この機会に声を大にして私が言いたいことは、『小沢でなければ日本は滅ぶ』ということだ。

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いをよろしくお願い申し上げます。
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