「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

◎「日本一新運動」の原点―218

                                 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

○「集団的自衛権」を解釈改憲で変更することは、核武装への道となる!

 安倍首相は6月11日(水)の『党首討論』で、「政府として立場を決定し閣議決定する」と、今国会会期中の決定について強い意志を表明した。対する民主党・海江田代表の討論内容には失望した。せっかく野党が問題点に切り込むチャンスを逃がした。

「集団的自衛権」については憲法上ふたつの問題点がある。

1)内閣の解釈改憲で行うことになると、立憲主義の否定である。憲法第96条に規定する国会の改正発議権と国民の改正権を内閣が剥奪することになるからだ。

2)憲法第九条(戦争放棄)の事実上の廃棄になる。安倍首相が憑かされたように「私には国民の命、平和な暮らしを守る責任がある。限定的なものなので問題はない」と言いつのるほど、戦争への危機は多くなる。

 だいたい近代国家の戦争で「これから侵略するぞ!」と言って始める戦争はない。近代戦争は「自国の国民の命や領土や平和を守る」との名目で「自衛権を限定云々」と称して準備するものだ。
太平洋戦争への道も満州や中国での「邦人の生命と財産を守る」という名目で、「事変」として始まっている。事変とは「国際間の宣戦布告なき戦争」と広辞苑にある。

 これらの憲法上の問題点を、海江田代表はしっかり認識していないことが党首討論の緊張感を減少させた。特に政府が公明党に示した集団的自衛権に関する15項目について、海江田代表は、「わが党は精査中」と発言したのは民主党の限界だ。限定的とはいえ、他国などでの武力行使を例記するのは、安倍首相の口三味線でもテロの犯行予告と同じような気がする。

 石原慎太郎維新の会代表と、浅尾慶一郎みんなの党代表の2人が、党首討論を行った。彼らは集団的自衛権の解釈改憲を断行しようとする安倍首相の協力者である。だからこそ海江田代表の討論は自己の憲法観を明確に示し「戦前に回帰しよう」とする安倍政権に楔を打ち込むべきであった。 
 朝日新聞・6月12日(木)の社説は「論争なき抜け殻の府」とまで国会を批判している。日本一新の会は2月に『違憲国会の葬式』を行ったが、加えて、大手新聞に「抜け殻」とまで貶められた日本の国会は世界の笑いものでしかない。

(〝核武装〟の可能性が見える日本)

 集団的自衛権問題は、わが国の憲法体系の基本中の基本である。これを内閣が解釈で勝手に変更することになると、わが国は憲法による政治を停止する一種のテロ、あるいは無血クーデターといえよう。国連憲章にある権利であるとか、平和のための仕組みだと安倍首相は宣伝するが、現実の国際政治では所詮、同盟国のための武力行使につながるものだ。ベトナム戦争などの悲劇を見ればわかるだろう。6月15日(日)の朝日新聞は、一面を「後方支援 独軍55人死亡」の大見出しで飾り、「我々の目的は一貫して後方支援だったが、そのために必要な手段は途中から、戦闘と根本的に変わらないものになってしまった」と独軍幹部の証言を紹介し、「戦争に『限定』なんてありえない」との小見出しを振っている。国連が主体となるPKO活動とは、本質的に性格を異にすることを知っておくべきだ。 

 集団的自衛権には憲法の壁があるが、これを突破すると次に出てくるのが、わが国の〝核武装〟である。昨今の東アジアの情勢を分析すると重大なことが読める。北朝鮮の核問題は、結局のところ条件付で米国は認めるようになるとの情報がある。仮にそうなると韓国がどうなるか、そして、日本では〝核武装論〟が噴出するだろう。その時米国は日本にどんな対応をするだろうか。
 私は、米国が最も恐れているのが「日本の核武装」だと思う。この予測の可能性は低いだろうが、国民性に加えて大量のプルトニウムを国内に所有し、固体燃料ロケット技術の性能は?、等々を思い浮かべると、必ずしも否定できないと私は思う。

〝核武装〟となると集団的自衛権と違って憲法上の問題は少ない。これまでの政府見解でも「一定の条件で違憲ではない」としている。国是である「非核3原則」も〝抜け殻国会〟だからとても守り切れないだろう。集団的自衛権の行使を、内閣の解釈改憲で断行することを容認するなら、わが国はなし崩しで〝核武装〟となろう。安倍首相に協力する国会議員よ、そこまで考えてのことか。日本が核武装となれば、中国どころか対米関係が混乱し、悪夢の歴史が甦ることになりかねない。


○『これでいいのか日本!』―全国縦断シンポジウム―へのご協力を!

 6月29日(木)午後6時(5時開場)から、憲政記念館で、『これでいいのか日本!』―全国縦断シンポジウム(第一回東京)が開かれる。発言者は森田実・平野貞夫・佐高信・菅原文太の4名で、司会は南丘喜八郎・『月刊日本』主幹である。なお、主催は一般社団法人「躍進日本! 春風の会」で、代表者に元参議院自民党議員会長・村上正邦氏が就任している。

 このシンポジウムの目的は、特定秘密保護法の成立や、集団的自衛権の行使の安倍内閣による解釈改憲などの動きが、戦前の軍国主義への回帰となることを危惧する人々が、思想・信条の違いを乗りこえて結集し、阻止することにある。主催団体の代表者が、元参議院自民党議員会長・村上正邦氏であるので、シンポジウムを開くに至った経緯を説明しておきたい。

 まず、村上氏と私との関係だが、一時期参議院自民党という同じ会派に属していた。村上氏は中曽根派の幹部で知られ、私は、小沢一郎氏の側近として、政治理念や政策が必ずしも一致していたわけではない。しかし、2人とも参議院議員を辞めた後、「日本はこのままでよいか」ということで、考え方を共有するようになった。平成19年には『参議院なんかいらない』、『自民党はなぜつぶれないのか』(いずれも幻冬舎新書)で、村上・平野・筆坂秀世で鼎談する仲となった。
 民主党政権が敗北し、安倍自公政権に交代したころから、日本の国会の劣化を2人で論じるようになる。平成25年の参議院選挙直前には、超党派の引退国会議員を集めて「老人党」の結成を呼びかけて話題となった。

 シンポジウムを全国の主要拠点で開くことになったのは、昨年の暮れに「特定秘密保護法」が成立した直後、私が「違憲状況の国会が違憲の法律をつくるようでは、この国は滅びる。違憲国会の葬式をやって、国会の再生運動をやりたい」と相談したところ、村上氏は「春風の会は保守派だが、同じ認識だ。国家の危機を多くの国民に理解して貰うため、公開討論会を企画中だ。協力していこう」となった。
「違憲国会の葬式」は年明けの2月22日(土)に行うことが決まり、春風の会も参加し、共催とする話も出た。大事なことは国民が「戦前回帰の政治を阻止」という大きな枠でまとまることが必要だ。右だ左だとか、保守か革新かで争う事態ではない。スタートは独自で始め、大きくまとめていくことになった。

「躍進日本! 春風の会」主催の『これでいいのか日本!』が、6月19日と決まった時期には、「集団的自衛権の解釈改憲」が政治課題となった。村上氏は打合せの席で「私は積極的な憲法9条改正論者だったが、現在の政治家どもは危険だ。護憲が大事と思う。集団的自衛権の解釈改憲など許されん。保守側にも同じ考えの人が多くいるはず。日本の真の姿はこんなことでは創れない。保守・リベラル・中道の結集だ」と語っていた。

(『これでいいのか日本!』発言者の横顔)

1)森田実氏 東大工学部卒の俊英で、現存する政治評論家の中ではもっとも論理性において頭脳がすぐれている。平成5年の非自民細川連立政権の前後にもっとも活躍した。平成10年代の中頃までテレビの政治番組で引っ張りだこであった。小泉政権以降、鋭い政権批判のためか少なくなった。小沢問題では論理に走りすぎて誤った論評もあったが、概ね政治理念は理解者である。

2)佐高信氏 慶大経済学部で同世代の小沢氏にシンパシーを感じていた。私には保守反動の政治家と烙印を押していた。自由党時代に徳島県知事選の街頭演説で、ドタキャンの小沢党首の代理で顔を出した私と一緒に演説することを拒否して主催者の仙谷徳島県民主党代表を困らせたことがある。原因は「通信傍受法」の成立功労者と思い込んでいたことだ。その後、佐高氏が主宰する『週刊金曜日』に度々執筆しているので、誤解は解けたようだ。

3)菅原文太氏 本年4月26日に初めて会った人物だ。5月30日には菅原夫妻と小沢さん、そして私の4人で快談した。夫人が小沢さんの小石川高校の一級下ということで盛り上がった。『いのちの党』を主宰していて、「ふるさと回帰運動」の実践者である。私も「いのちの党」に入党したが、念のため政治団体ではない。党利党略・主義主張にこだわらず、人間を大事にし、あらゆる「いのち」を守ろうとする生き方に感動している。
                                                      (了)
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