「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―248

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

○デモクラテレビ〝永田町風雲録〟!(続)

 

 前号に続いて〝永田町風雲録〟第二部「戦後70年を考える」の議論を紹介しよう。出演は第1部出演の3人に加え、特別ゲストとして成田憲彦駿河台大学教授で、元同大学長を歴任された人物だ。

 冒頭私は「成田教授の人生を変えたのはこの平野である。誠に申し訳なかった」と、お詫びとともに50年にわたる成田教授との親交を紹介した。私が衆議院事務局職員から参議院議員に転じたのは、政権交代のための政治改革を実現するためで当時の成田氏は国会図書館調査及び立法局の議会政治課長で、与野党の改革は議員のブレーン役であった。

 

 細川非自民連立政権が樹立したとき、細川総理秘書官に参議院議員となっていた私を起用することが構想された。ところが、内閣法制局が国会議員の兼職禁止を盾に猛反対を主張したことから、私の親友である成田氏に、細川総理秘書官に就いてもらうことになった。成田氏とは、お役目を果たした後は国会図書館に復職するとの約束があったが、政治改革の成功に怒った自民党が復職を妨害し、やむなく駿河台大学に勤めることになった。脇道に逸れず、国会図書館に在職していれば、プロパーの国会図書館館長、第1号になれた人物である。

 

(安倍首相の年頭所感の矛盾と危険性!)

 

 毎年、新年になると天皇をはじめ。首相や衆参両議長等が国民に所感を発表するのが慣例だ。元旦の新聞で要約された安倍首相の所感を読んで、矛盾と意味不明さがあったので話題にした。

 前半は例年通り「先の大戦の深い反省のもとに、戦後、ひたすら平和国家としての道を歩み・・・・・」と正当な所感である。ところが後半になると「私たちが目指す国の姿を、この機会に世界の国に向けて発信し、新たな国づくりへの強いスタートを切る。そんな1年にしたいと考えています」とあった。

 どういうことかと質すと、早野氏が所感の全文を持っていて、結語は「日本を、再び、世界の中心で輝く国としていく。その決意を、新年にあたって、新たにしております」であった。成田教授ともども私たちは、「これには特別の意味を持っている、戦前回帰の思想につながる可能性があり、何故、このことが報道されずに放置されているのか」と意見が一致した。

 日本のマスメディアは安倍政権の先兵を担い、率先して戦前回帰への道をを歩み始めたのか。本年の日本一新の会と、デモクラテレビの役割は、メディアの佯(いつわり)を糺すことだ。 

 

(平成天皇の「新年に当たり」の衝撃!)

 

 その直後、「実はこんな重大な問題もあるんだ」と報道の怠慢ともいえる情報を提示したのは早野氏だった。「天皇陛下の感想(新年に当たり)が、3日現在報道されていない。宮内庁のホームページには掲載されているが・・・」と、配付された資料を読んで私は衝撃を受けた。そこには「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。(中略)亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切」なことだと思っています。」とあった。成田教授曰く「『満州事変に始まるこの戦争の歴史』とは15年戦争史観といわれる学説を紹介されたものだ。陛下は心から戦前に回帰してはならないとのご決意を表明されたものだ」。

 

 私はこの『新年に当たり』のご感想を発表するに当たり、宮内庁と官邸にかなりの緊張関係があったのではないかと推察した。安倍首相の「歴史修正主義」に対する正面からの批判と読めるからだ。このご感想は元旦が過ぎても何故か報道されることはなかった。安倍首相は年頭会見で、戦後70年談話を出し「積極的平和主義」を実現するために、安全保障の整備や改憲も含め、世界に発信すると発言した。

 その影響か、テレビ朝日は1月6日(火)の「Jチャンネル」と「報道ステーション」で、陛下の「新年に当たり」をきちんと放映した。さらに、陛下が天皇に即位するにあたり、「憲法を遵守します」と宣言された映像も同時に放映した。正月のテレビ番組で唯一良識に基づいたものと理解した。

 

 司会者・早野氏の最近の危惧は「日本はファシズム化するのか」という問題である。暮れの総選挙に関わった私に感想を求めたので「国民は政治不信から無関心を突き抜け、政治不用の心理状態だ。そこには、ファシズムを受け入れる素地が生まれつつある。責任は安倍自民政治だけではない。野党第一党の民主党の劣化にある」と答えておいた。

 

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