「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―328

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇シンポジウム『田中角栄』の報告!

 7月26日(火)、憲政記念館講堂で開かれた「シンポジウム・田中角栄」は、約500人の参加を得て盛大に行われた。第一部のゲストスピーカーは小沢一郎・石井一・大下英治の三氏で要点を紹介する。

 

〇小沢一郎・生活の党代表

  安倍政権は従来の自民党政権とは異質である。自民党の本来の理念を変質させた。保守本流は富の公平な配分を理念として戦後政治をやってきた。批判もあったが、それなりに多くの人々を豊かにした。小泉政治の新自由主義以来、その理念が失われ反省すべきことだ。

 権力は国民のために行使すべきで、自己のための行使は厳に慎むべきである。昨今、安倍政治を批判するメディアはない。政府の言いなりの報道が続いている。何故か、政権が自己のためにマスコミを抑制しているからだ。田中時代にマスコミの批判を抑えることはなく、自分を守るために権力を行使することはなかった。

 今はきわめて危険であり暗い時代となった。政府批判を排除しており民主的な近代国家ではない。これを打破するには国民の力、即ち選挙で良識派が勝つしかない。日本人の多くは「長いものには巻かれろ」という悪しき癖を持っている。これが自民党の組織拡大が進まない中でも議席を拡大させる原因だ。その背後に権力による報道の自由の抑制がある。権力を万民のために奉仕させず自己のために利用したのがロッキード事件の時の〝自民党政権〟である。そして、現在の政権がそれをやっているといえる。

 

〇石井一・元自治大臣(石井氏は7月23日に産経新聞出版から『冤罪―田中角栄とロッキード事件の真相』を刊行したばかりで、出版の狙いと要点を話した)

 

1)田中角栄の政治家としての信条は米国に依存せず日本を自立・独立させることにあった。そのため、米政府首脳のキッシンジャーなどは、「田中首相を葬るべきだ」と、オフレコ発言している。そのために仕組まれたのが、ロッキード事件であった。

2)その米国の謀略を利用したのが三木政権であった。本来ならP3Cという自衛隊機の問題であったが、それを追及すると米国側を不利にし、日米関係の基本に関わることなので、民間機・トライスターで5億円のワイロが田中側に渡ったと問題をすり替えたのが真相だ。三木首相が、政敵・田中角栄を政界から葬ることで米側と一致し、日本の検察や裁判所も田中の信条を危険とし、「冤罪」となった。

3)米国の凄腕弁護士・ベン・ベニテ氏が、ロッキード事件でのコーチャンらの嘱託尋問などに陰謀があるとして、田中弁護団に参加する話があったが、田中本人が米国人に世話にならなくても無罪になるとして断った。

 

〇大下英治氏(田中角栄の私生活を中心に、目白での陳情団との対応や女性問題等、エピソードを語った)

 

 第二部のシンポジウムは、パネリストに佐高信・早野透・平野貞夫、司会は「月刊日本」主幹・南丘喜八郎で行われた。

 まず司会者から「いまなぜ角栄ブームか」について、パネリストに見解を問うことから始まった。佐高氏から「明治近代化以来、長州と薩摩の政治支配が続き、その最悪が安倍政治だ。民衆は、民衆に希望を持たせた田中角栄の『情の政治』を思い出している」と。早野氏は朝日新聞政治部田中番記者時代を中心に、思い出話を披露した。

 

 ロッキード事件について、児玉証人問題・嘱託尋問・日本の司法権(検察・裁判所)の劣化などについて議論が行われたが、当面話題になっている問題について私から説明した。

 

1)7月23日と24日に、NHKからロッキード事件が特集として報道されたが、私の著書とは真逆で中曽根の名を隠し、検察と裁判の行為に誤りはないと、角栄ブームに水をかけるもので、政治的意図を感じる。さらにP3Cなど自衛隊機について、児玉ルート資金が田中元首相に渡ったかのような印象を与えた。 

2)戦後の武器などのフィクサーはCIAとつながる児玉誉士夫で、政界では岸派と河野派だ。国産機生産を見直す話は、第3次佐藤内閣の沖縄返還交渉で、中曽根防衛庁長官時代の頃に固まっていたとの情報がある。
 

)今週発売の週刊朝日では「米政府に事件を〝もみ消す〟よう要請して、米公電に名を刻まれた政治家がいながら、それを隠しおおせた政治家がいた」(中曽根氏のこと)と報道している。ロッキード事件の真相を国民的に追及することが、権力の行使の健全化となる。

 

 

〇 私の「共産党物語」 13 

 昭和60年2月28日、田中元首相が脳卒中で入院した。翌3月1日、小沢一郎議運委員長が与野党の議運理事を極秘に集め、病状を「昏睡状態」と説明した。私に、田中元首相の秘書を続けていた早坂茂三氏から手紙が届いたのが3月8日、氏の心労が滲み出ていた。「生命に異常はないが政治活動は困難だ」とのこと。すべてのマスコミは「田中支配」の終わりに報道を集中させていく。 そんな時期、朝日新聞政治部のK記者から「『目白倒れる』の企画を担当したので知恵をかせ」と言ってくる。「良かれ悪しかれ、『田中支配』が今までの日本の政治にある種の秩序をもたらしてきた。そこが壊れて、与野党とも新しい秩序を求めて模索が始まった」と考え方をアドバイスすると、結語としてそのまま使った。

 3月中旬になると、与野党間で独自性を求める動きが始まる。権藤恒夫公明党国対委員長から「竹入委員長から『社会党と距離をおけ。共産党も含めて自由に話し合いをしろ』といわれるし、先輩国対委員長からは社会党に冷たくするなと言われるし、板挟みで苦しい」とのこと。「これまでの惰性でなく、きちんとした戦略と戦術を持つべきだ」と意見を言う。 

 共産党は国会運営で積極姿勢を示すようになる。この国会の重要法案に「補助金整理法案」があった。戦後の復興期から続けてきた各種の補助金制度を整理し、財政の健全化を狙いとするものだった。補助金に依存する日本中の自治体・団体・企業などが反対運動を行った。社公民は特別委員会を設置し、関係委員会のメンバーを参加させて徹底的に慎重審議を要求し、自民党は大蔵委員会に一括付託し集中審議を要求、共産党は撤回を要求した。

 共産党の東中議運理事から私に注文が付いた。「共産党の撤回動議を否決、社公民の特別委員会設置を否決したら、大蔵委員会への付託を採決せよ」という要求だった。事務総長は共産党の要求を、政治的立場から社公民が納得すればそれで円満にまとまるとの意向だった。以下、私が共産党の要求に反対して議論になった問題を述べる。


 私の意見は国会に提出された法案の付託は議長の権限だ(国会法56条2項)。議論があれば議運委で協議する。撤回を要求した会派が、議長の権限を採決の対象にせよとの要求は自己矛盾だ。補助金整理法案の提案理由は財政の改善と効率的運営だ。特別委員会設置が否決されれば、議長の職権で大蔵委員会に付託するのが議長の職責でありそれを議運委員会に諮ることは国会法に抵触することになる、というものだ。東中理事と何回も議論して最後
は納得してくれたが、東中理事は「共産党も事務局とこんな議論をするようになったのは、君が言う議会主義体制内政党になった証拠だよ」とのこと。

 補助金整理法案が大蔵委員会で議了した4月12日、社会労働委員会で珍事が起こった。共産党の田中美智子委員が、増岡厚生大臣に「メカケがいるのか」と質問して大騒ぎとなった。自民党は懲罰動議を出すと怒ったが、共産党が釈明して収まった。共産党も自由で軟らかな国会運営に慣れ始めたひとこまである。

 

(共産党幹部・上田耕一郎参議院議員と初めて会った時の話) 

 田中美智子議員の「メカケ質問」の翌々日、4月14日(日)に初めて「上耕」こと、上田耕一郎氏にあった話をしておこう。場所は忘れたが、私の従兄の長女が嫁いだ上田家の長男の結婚式が都内であり女房同伴で出席した。幾度も述べたが上田家と平野家は土佐清水市三崎平ノ段という百戸ほどの落人集落?を故郷としている。結婚式の当事者の上田家は上田耕一郎氏と親族関係であった。摩訶不思議なことに上田家と平野家は狭い集落で婚姻関係がなく、昭和30年に私の従兄の長女が前述した上田家に嫁いだのが〝600年以来〟と古老たちが無責任な噂をしていた。

 披露宴のセレモニーが終わり、出席者が自由に席を立つ時間になって、私の席に和服姿の女性が見え、「貞ちゃん、私のことを憶えている」と話しかけてきた。女房が怪訝そうな顔をする中、「どなたでしたか?」と問うと、「そうね、戦時中のことだから無理でしょうね。三崎に疎開していた時一緒に遊んだ高子よ。お父さんに、母も私も病気のとき、お世話になった高子よ。上田耕一郎と結婚したのよ」との話。気がつかなかったが「上耕さん」も来ているとのことで、挨拶に行くことになる。 

(続く)

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   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

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