「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―334

            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 安倍政治の行方を妙観すべし!

 

 何故かしら9月に入って、世間さまとの付き合いが多くなった。1日には柏市での社民党集会に顔を出し、2日には植草一秀さんの呼び掛けで親交のある弁護士さんや市民運動家と意見交換する機会があり勉強になった。3日には共産党に詳しいジャーナリス

トと情報交換した後、デモクラTVの「永田町フーウン録」で言うべきことを直言してきた。

 

 これら、いくつかの機会にさまざまなことが議論されたが、まとめると「安倍政治の行方を危惧する」ということ。そこで私がどのような意見を述べたか要点を整理しておく。

 

1)安保法制が次々と施行される事態となって、昨年と違って抵抗運動が弱くなった。原因は安倍政治に対峙すべき野党側にある。確かに戦争法が準備されたが、それを直ちに〝戦争だ〟と単純に国民に訴えてきたことに戦略上の過ちがある。安倍政権側の「中国・北朝鮮からの攻撃を抑止するための安保法制だ」との説明を、国民の多くは不安感をもって納得している。この現実を野党側は知っておくべきだ。

 

2)安倍政治の危険さは何か。事態の真相を人知を越えて正確に見通すこと。即ち「妙観」しておくべきだ。安倍首相の外交を妙観すると、米国・中国・ロシア等の裏支配者と阿吽の呼吸で通じていると観るべきだ。旧日本帝国のような異常国家を利用して、「戦争の抑止という名の武器産業の育成と拡大」を当面の目的としそれによる経済成長を企んでいるのだ。武器資本からいえば、国家や国民よりも金儲けが大事で優先すること。北朝鮮の核やロケット開発、世界各地のテロ戦争が解決しないのはグローバル化した武器資本にあるという観点を見逃してはならない。


 安倍政治が安保法制の整備を行ったのは、グローバル化した武器資本による日本支配を受け入れたといえる。社会保障費を削り、軍事予算を拡大して、格差を拡げる政策の根拠はここにある。軍事による抑止は必ず破綻するのが歴史の教訓だ。この事態の中で、

民進党の代表選挙が行われている。立候補した3人とも安倍政権に提案型の政治で協力しようとしている。 歴史の妙観を学んで欲しい。

 

〇私の「共産党物語」 19

(平成時代初期の共産党の変化)(続)

 

 平成3年4月3日の『赤旗』井上記者の来訪は、不破委員長の「米国草の根デモクラシー」や、「ジョン万次郎」の話だけではなかった。その時期、永田町で流されていた私のスキャンダルについて共産党が入手した情報を教えてくれたのだ。衆議院事務局の内部告発が相当あり、気をつけるようアドバイスを受けた。

 

 私は、平成元年9月に委員部長に昇格していた。この人事は衆議院事務局始まって以来の異常な人事で、永田町では〝私大出のくせに〟という批判・中傷の的になっていた。

 従前から、事務局先輩の多くは、人事や施設などの管理はできても、国会運営について政治家や政党の相談に対応できないのが実情だった。また、昭和50年代までは与野党とも国会運営に見識のある政治家がいて、事務局職員は〝電話番的事務能力〟で済んでいた。

 昭和60年代になって、政治家側は各党とも世代交代して行政や予算に詳しいのが政治だと錯覚する人物が多くなる。国会運営の手続や先例を政治家に理解させるだけでなく、政治判断と接触する部分で、非公式な相談が多くなった。そうなると正・副議長の秘書を併せて6年間務め、15年程は議院運営委員会の担当であった私に、与野党は集中して相談を持ち込む。委員部長に就任する前、庶務部と管理部などの職歴のないまま、ナンバーツーの委員部長になったので、文句が出るのは当然だ。

 特に、米ソ冷戦終結後、「抜本的政治改革」の必要性が国民的課題となり、事務局での前例に拘った仕事をしていると国会運営の破綻は時間の問題だった。そこで、議会民主政治の発展のためなら、いかなる犠牲も厭わないと腹を固めた。そのために昭和60年2月から日記をつけ、政治の実態を将来に遺すことにしていた。(『平野貞夫・衆議院事務局日記』平成25年・信山社から刊行)

 

 井上記者の情報の第1は、写真誌「フォーカス」の記事で都内の料亭の駐車場に衆議院委員部長の官用車が駐車しており、小沢自民党幹事長や、公明党幹部の密談に平野委員部長が同席、湾岸戦争対応を協議というものだ。もうひとつは、政界の黒幕といわれた四元義隆氏(元血盟団メンバー)の資金で、高知県知事選挙に出馬する準備をしている、というものだ。

 第1の情報は事実であり例え問題化してもきちんと説明できる。第2の情報は、その要請は断ったと説明した。ところがこの話を、自民党本部が6月になって蒸し返してきた。

「海部政権の政治改革に専念する」と断ることになる。ところが、これが切っ掛けで平成4年の参議院選挙で高知地方区から出馬することになる。運命とは恐ろしいものだ。その経過を若干説明しておこう。

 

 井上記者の情報によると、政界の黒幕・四元氏は疑惑の資金がマスコミから追及されていた。それを高知知事選に私を立候補させて活用しようという裏事情があった。事実、高知選出の山本有二衆議院議員(現農林水産大臣)などから何回もしつこく「四元氏と会うよう」要請されていた。疑惑の資金については私も知っていて何回も断り緊迫状態だった。四元氏側が諦めた話を小渕幹事長の名で蒸し返してきたのだ。

 実は、同年4月7日の東京都知事選で自民党本部と公明・民社が推した候補者が落選し、翌8日には小沢幹事長がその責任をとって辞め、後任には小渕恵三氏が就任した。5月になって自民党高知県連が推す川崎元副知事は選挙に向かないとして、党本部が私に出馬を打診してきた。中西啓介選挙担当副幹事長が、小渕幹事長や後藤田正晴氏らの使者として、何回も説得に来たが断った。

 6月7日、そのことで小沢前幹事長と口論となった。

 

〇小沢 知事選に出るべし。自民党有力者も期待している。考え直してくれ。

 

〇平野 選挙に出たがる人間には馬鹿が多い。

 

〇小沢 勝てる選挙に出ない方が馬鹿だ。あんたは以前から政治家を馬鹿にする癖があった。民主政治ではよろしくない。

 

〇平野 今、事務局を辞めると政治改革などの重要課題が残っているが、私がいなくて実現できますか。

 

〇小沢 そこまで腹を固めているのか。わかった。私も海部総理から政治改革特別委員長をやるよういわれている。頑張ろう。

 

 と、ここまでは良かったが、20日後の27日早朝、小沢氏は狭心症で入院し、政治改革どころではなくなる。海部首相は政治改革実現の公約を果たすため、与野党で反対勢力が多数のなか、8月5日から臨時国会を召集した。政治改革の元祖・小沢前自民党幹事長の長期入院で大混乱が始まる。最大の被害者は私であった。政治改革関連三法案が内閣から提出されたのが召集日の5日、これに与野党で最も反対したのがなんと与党自民党国対委員長の梶山静六氏であった。

 スッタモンダして、勝負は政治改革三法案を廃案とした後、どんな対応をするかが問題となった。梶山国対委員長の「オレの言うことを文書にしろ」との指示に対し、「私は自民党の職員ではない。小此木衆議院政治改革特別委員長の指示なら私の職務の範囲だ」と拒否した。口論となり「小沢と羽田とお前は水戸藩の書生派だ。自民党を潰す気か」とまでいわれた。

 海部首相は政治改革に失敗し退陣する。後継は宮沢喜一氏が政権を担うことになる。世論は政治改革を支持し、宮沢政権も実現を公約にせざるを得なくなる。そんな中、竹下元首相や野中広務自民党総務局長らが、翌4年7月の参議院選挙に高知地方区から私を出馬させる画策が始まる。経世会の政治的拡大に私を活用するためであり、私は応じなかった。

 そんなとき、小沢さんに呼ばれ「政治改革を実現するには事務局での活動では限界がある。騙されたふりをして竹下・野中のいうことを聞け。国民のために自民党を改革しよう。それができなきゃ自民党を潰そう」と迫る。

 

 これは断ることができず、年明けの平成4年1月9日に〝どんな選挙にも出ない〟という信条を返上し7月の参議院選挙に出馬することを決意した。

 2月28日に衆議院事務局を退職し、3月1日から参議院高知地方区に出馬すべく準備に入った。暴力団の「ホメ殺し」なども体験したが、保守系無所属(自民・公明推薦)として立候補することになる。選挙が公示されて驚いたことがある。高知放送テレビの政策討論会で待機している時だった。共産党公認で日教組で活躍した北岡照子氏から直接言われたことだ。

 

「平野さんの故里、旧幡多地方(四万十川・足摺岬・宿毛湾等)では、平野さんの親族や知人に共産党の支援者が多いので宮本共産党議長が〝自由判断にしろと指示した〟との噂があるんですよ。貴方が工作しているのではないか」

 

 勿論、私は否定したが、もしかして衆議院事務局での仕事の関係もあって、共産党本部にそんな配慮があったかも知れないと、今でも思っている。

                (続く)

プロフィール

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Author:nipponissin1
   代    表 : 平野 貞夫
   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

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