「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―348

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            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇「平和フォーラム」での〝オリーブの木〟勉強会

 

 11月30日(水)、「平和フォーラム」の有志が〝オリーブの木〟について議論する場をつくってくれた。衆議院解散・総選挙が年始にも行われるとの政局の中、イタリアで政権交代を実現させた方策が、日本で現実のものとなるのか、との実務的な話を要請された。その勉強会での私の説明を報告しておきたい。

 

1)「オリーブの木」とは?

 

 平成6年(1996年)、イタリアの下院総選挙で15の政党が「中道左派連合」という政党連合を結成して、ベルルスコーニ首相(中道右派連合)を倒し、政権交代を実現させました。その15の政党連合「中道左派連合」の名称が「オリーブの木」でありそれが世界的に話題になった事情を知っておく必要があります。

イタリアはきわめて多数の政党によって、議会政治が行われている国で知られています。従って政党が連合・協力して政治活動を行うことに抵抗が少ない。これまで「中道右派連合」を率いて政権を握っていたのが、ベルルスコーニ首相という人物でイタリアの巨大メディアの支配者です。わかりやすくいうと読売グループの長・渡辺恒雄氏が総理大臣をやっているような状況でした。

 相当に問題のある政治を続けていたため、イタリアの国民から政権交代が熱望されていました。しかし、「中道左派連合」(オリーブの木)だけでは勝利できないため、かつて共産党が左派民主党へ大転換したとき分裂して結成された「共産主義再建党」が、ベルルスコーニ政権を倒閣することに限定して、「オリーブの木」には参加せず、全選挙区で候補者の統一に応じることになるわけです。

 下院選挙の結果は、ベルルスコーニ首相派の「中道右派連合」が40・2%、「オリーブの木」が38・7%、「共産主義再建党」が2・6%の得票率で合計得票率41・3%の僅差で、ベルルスコーニ政権を倒すことができた。イタリアでは共産主義再建党ほどの原理派政党ですら、悪政を続ける政権を打倒するために全国的な候補者統一に応じるだけの現実的判断力を持っていたとして話題になったのです。

 さて「日本版オリーブの木」はどうなるのか、本年7月の参議院通常選挙で小沢一郎氏の提唱で野党側で検討されたが不調でした。それを次期総選挙で成功させなければなりません。

 

2)最近の日本における総選挙の基本動向

 

 まず過去3回のわが国での総選挙で、有権者がどのような投票行動をとったかを理解しておく必要があります。その場合、サンプルとして活用できるのは「比例票」の動向です。小選挙区での得票は立候補する政党が制約されているので適当ではありません。

 

1 最近の総選挙の基本状況について

 

 第1のポイントは第45回・第46回・第47回総選挙とも、有権者数は1億3百90万人台で大きな変化はありません。

 

 第2のポイントは第45回は投票者数7千2百万人台、投票率69・27%でした。この数字は「小選挙区比例代表制」を導入した第41回(平成8年)総選挙以来最も高い数字です。平成21年8月30日の第45回総選挙は民主党へ政権交代が行われた時でした。念のため第44回(平成17年)の総選挙の投票率は、67・46%でした。第45回に準じて高投票率であり、理由は民主党と自由党が合流した直後で、政権選択選挙として有権者が意識したことにあります。

 

 第3のポイントは第46回(平成24年12月)の野田民主党政権による解散・総選挙です。投票者数が6千百万人と1千万人も減じ投票率も59・31%と10%の減少しました。民自公の与野党による消費税増税の合意や民主党の分裂などが原因でした。この総選挙で安倍自公政権に交代します。

 

 第4のポイントは、第47回(平成26年12月)の安倍政権による解散・総選挙でした。「消費税増税凍結解散」と安倍首相は名づけたが国民から「理由なき解散」と言われました。投票者数は5千470万人台、投票率は52・65%でした。有権者の約半分しか投票しておらず、議会民主政治の正当性が問われました。

 第45回の民主党政権となった総選挙と比較すると、投票者数で1千726万751人が投票していない。投票率で16・6%の減である。これは政治不信状況といえます。この最近の3回にわたる総選挙で主な政党の得票状況を検証する必要があります。

 

2 最近の総選挙比例における主な政党の得票状況

 

 第1のポイントは、現在の安倍自公政権を構成する自民・公明与党の得票状況です。第45回(自民党得票数1千8百万人台・得票率26・73%、公明党得票数8百万人台・得票率11・45%)。第46回(自民党得票数1千6百万人台・得票率27・79%、公明党得票数7百万人台・得票率11・54%)第47回(自民党得票数1千7百万人台・得票率33・11%、公明党得票数7百万人台・得票率13・71%)でした。

 自民・公明両党の得票状況の特長は、投票率が高くても低くても大きな差はないことです。両党とも投票率が低いほど得票率が高くなり、投票率が低いことで政権がつくられ維持されているといえます。

 

 第2のポイントは民主党についてです。政権交代した第45回総選挙で、なんと2千980万人台の得票数で42・41%の得票率でした。それが野田民主党政権解散総選挙で960万人台と約2千万人を減少させ得票率は16%となりました。第47回でもその数字はほぼ変化がなく低迷を続けています。党勢回復のため平成28年3月に「維新の会」の一部と合併して「民進党」を結成して7月の参議院選挙に臨みましたが、投票率は54%と有権者の意識に変化はなく、民進党は民主党の低迷を継続したままです。

 

 第3のポイントは第46回総選挙で民主党から離れた約2千万人の票の行方です。前述したように自民・公明票が投票率の高低に拘わらず、ほとんど変化しない状況から、約2千万票は自公には行かず大部分が棄権しているといえます。そして民主党や民進党に戻っていないことと、現状の民進党では戻る見込みがないことです。政権の受け皿ができなければ、この異常事態は続くことになります。

 

 第4のポイントは、共産党・自由党(旧生活の党)・社民党の状況です。共産党は第45回で得票数5百万票に近い成果となりましたが、第46回で約130万票を減じたものの、第47回では6百万票台に躍進しました。国民生活の現実に着目した日常活動によるもので、11・37%の得票率となり、今後の国政選挙で10%台の得票率は確保するものと思われます。

 第46回で消費税増税に反対し民主党から離党した生活の党が、「未来の党」として挑戦しましたが民主党などからの妨害で敗北します。その後、小沢一郎氏が代表となって「生活の党」を復活させましたが、第47回では停滞したままです。小沢氏が政権に関わる見通しがない状況のためで、大量の棄権もその影響と思われます。本年11月に自由党に党名変更しました。

 社民党は第45回で3百万票台の得票で、民主党と連立政権を組みましたが、沖縄辺野古基地をめぐって連立を離脱しました。第46回、47回で半数以下の得票で低迷しています。

 

3 次期総選挙で「日本版オリーブの木」を成功させるべし!

 

 わが国で「日本版オリーブの木」を具体的に提唱したのは生活の党代表の小沢一郎氏でした。本年7月の第24回参議院選挙で、民進党・共産党・社民党・生活の党の四党による選挙協力の要請です。地方区の1人区で4党の統一候補を擁立させました。32の1人区で11人を当選させ、特筆すべきは東北七県(青森・岩手・秋田・山形・宮城・福島・新潟)のうち秋田県を除く6県で4野党の統一候補が当選したことです。この部分では成功でした。

小沢氏は民進・社民・市民連合による比例区での「オリーブの木」を提案しましたが、民進党が了承せず不調となりました。これが実現できていれば、参議院で与党3分の2の憲法改正ができる議席の阻止ができたと思います。

 さて、次期総選挙で政権交代をすべく小沢氏は「生活の党」の党名を変え「自由党」を再起動させました。保守良識票対策です。衆議院の全小選挙区で4野党が統一候補を擁立することになれば、60%の議席を得ることは可能です。比例区で民進・自由・社民・市民連合で統一名簿方式を提出することになれば、共産党が統一名簿に参加しなくても、非立憲安倍亡国政権を交代させることができると思います。                   

(了)


最近の総選挙比例区における政党得票状況                                               

              第45        46        47

  民主    29,844,799    9,628,653     9,775,911    失われた2千万票

  自民    18,810,217   16,624,457   17,658,916

  公明     8,054,007    7,116,474    7,314,234

  共産     4,943,886    3,689,159    6,062,962

  社民     3,006,160    1,420,790    1,314,441

  みんな   3,005,199    6,245,586

  国民     1,219,767       70,899

  日本       528,171           

  大地       433,122      346,848

  維新            12,262,228    8,382,699

  未来                  3,423,915

  生活                         1,028,721

  次世代                   1,414,919

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