「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―377

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 時局妙観 (いわき市の市民集会にて)(続)

  非自民細川連立政権以後の状況


 海部―小沢自民政権が政治改革に着手した矢先「湾岸紛争」が勃発する。国連協力への課題を残し紛争終了直後、小沢幹事長は東京都知事選敗北の責任をとって辞め、時を置かず心臓病で長期入院する。海部首相は政治改革に挑戦したが与党内の反対で失敗し総辞職する。後継の宮沢喜一政権も、政治改革を国民に公約したが、与党内の抵抗で失敗する。平成5年6月の野党提出の内閣不信任案に、自民党内の羽田―小沢グループが賛成し可決、解散総選挙となり、自民党永久政権は38年で終わります。 

 平成5年8月9日に成立した「非自民細川八党派連立政権」は、衆議院に「小選挙区比例代表制」を導入する政治改革を一応実現し、政権交代を容易としました。しかし、自民党と社会党左派の抵抗で、当初意図した内容を骨抜きにするものとなります。その後、自民党の政権奪回戦略に社会党や新党さきがけが同調し細川→羽田と続いた「政治改革政権」は11ヵ月で崩壊し、村山富市自社さ連立政権に交代することになります。

 その後、橋本(自社さ)、小渕(自)(自自)(自自公)、森(自公保)、小泉(自公保)(自公)、安倍(自公)、福田(自公)麻生(自公)、鳩山(民社国)、菅(民国)、野田(民)、安倍(自公)と連立政権が続いています。細川連立政権後、21年間に13人の首相による政権交代が行われました。

 この中で平成21年九月の鳩山民主党を中心とする政権が国民が選んだ、日本で初めての国民主権による政権といえます。確かに、政権交代が容易になったことは事実ですが、小泉政権の5年5ヵ月と第2次安倍政権の4年7ヵ月を除けばきわめて不安定な政治状況でした。この原因を「小選挙区制」の導入との批判が与野党に強く残っています。

 現在の選挙制度が完全なものとは思いませんが、かつての中選挙区制より議会民主政治を機能させることができるものです。問題は政治家を含め国民全体にわたって議会民主政治の基本に理解が不十分なことに問題があると私は思います。日本は国政選挙の投票率が異常に低いこと、野党間の感情的もつれなどで、得票率が低くても自公連合が多数の議席を得るという逆転現象が続いています。これが政治不信を与えています。

 

3)安倍政権の「安保法制強行成立」等で目覚めた四野党共闘

 

 憲法9条の解釈改憲で「集団的自衛権の容認」を閣議決定した安倍自公政権は、翌平成27年9月「安保法制」を強行成立させました。憲法違反で立憲主義を冒涜したもので、保守リベラルから共産党支持者まで一致して安倍政権の打倒を要求し60年安保以来の10万人を超える国会デモを出現しました。

 志位共産党委員長は、これを機に歴史的大転換の方針を提案しました。「戦争法廃止の国民連合政府で一致する野党が国政選挙で選挙協力を行おう」というものです。自由党と社民党は時を置かずに賛同しましたが、民主党(現民進党)は5ヵ月遅れの、翌28年2月に同意します。民主・自由・社民四党の選挙協力は、同年7月の参議院選挙で実施され結果は新潟県を入れた東北7県(1人区)で、秋田を除き6県で勝利しました。しかし全体としては、与党に議席の3分の2を与えて、憲法改正の発議を可能としたのです。結果は4野党協力に重大な問題を残しました。

 民進党は蓮舫代表に交代し、4野党の選挙協力は継承することになりましたが、安倍政権が衆議院解散を煽るなか選挙共闘の協議は進展しませんでした。問題は安倍政権やその支援マスコミによる「野合批判」で、民進党や国民の中にある「小沢一郎と共産党に対するアレルギー」の増大でした。その対応として私は昨年12月に『野党協力の深層』―共産党の大転換・自由党の再起動(詩想社新書)を出版しました。

 一般のマスコミには無視されましたが、知られていない共産党の国会秘話や、小沢自由党代表が30年にわたって日本の改革にどう尽力してきたか、などが内容で、リベラルな市民層にはそれなりに面白がられました。そのせいで年明けから始まった「4野党協力市民連合結成会」に呼び出されて、千葉県を中心に15回ぐらい挨拶をしました。参加した市民の熱情に感動したのは4月頃までで、通常国会で「共謀罪法案」の審議が、与党ペースで進むにつれ、市民連合に結集する人々から「国会で協力できなくて選挙で勝てるか」との声が出るようになり、期待するほど野党共闘の行方は甘くないというのが私の実感です。

 

4)議会民主政治に対する日本人の意識改革が必要だ!

 

 6月15日(木)、安倍政権は憲法上の疑義を残し、国会法の中間報告の規定に違反して「共謀罪法」を強行成立させました。この暴挙を許すことは断じてできません。同時に4野党の責任も追及せざるを得ません。森友・加計問題、憲法をめぐる安倍首相の暴言が続く中で、4野党が「共謀罪法案」に対する厳しい認識を共有していれば廃案にできました。成立直後の蓮舫民進、志位共産党両党首のコメントが「監視社会化・思想良心の侵害」という弁護士感覚には驚かされました。国民と共にあると自認する政治家なら「治安維持法の再来で、戦時体制の総仕上げだ」と国民に訴えて抗議すべきです。憲法学者なども同様で、私は彼らが強く主張する「立憲主義の確立」の実現にも疑問を持ちました。

 政治家や有識者を含め、立憲デモクラシーに対する意識改革が必要だと痛感し悩んでいた私に解決のヒントを与えてくれたのが、三谷太一郎東大名誉教授の、『日本の近代とは何であったのか』(岩波新書)でした。そこには、「明治以降の統治原理は〝明治憲法〟と〝教育勅語〟のダブルスタンダードだった。昭和に入って教育勅語の〝天皇現人神原理〟が明治憲法の〝立憲君主原理〟の上位となり、軍部や官僚たちによって乱用され戦時体制となった」(要旨)との記述がありました。この論を私なりに発展させると、戦前の日本人は「天皇制従属症候群」という心理状態で、教育勅語から発信された現人神システムにより統治されたといえます。戦後日本の統治原理を考えるに、新憲法の三原理(平和・国民主権・基本的人権)と日米安保体制というダブルスタンダードでありました。米ソ冷戦中はやむを得ないこともありましたが、冷戦終結後は当然一定の自立が必要でした。

 それなのに、平成13年の小泉自公政権以降「対米従属症候群」が多くの日本人を犯すようになり、第2次安倍政権になって憲法9条を改憲解釈し、安保法制を強行成立させ、そして戦時体制化に抵抗する人々を弾圧するための「共謀罪法」を違法な方法で成立させたのです。これは憲法の3原理の上位に、日米安保体制という統治原理が強化されて機能しているからです。

 この構造は戦前の「天皇制従属症候群」と同じもので、その原因は、何かの権威に依存して支配を甘受するという「教育勅語の呪縛」にあると思います。

 そこで何をすべきかという問題です。日本の近代化と戦後民主主義のあり方を総括するため、第2回国会昭和23年6月に衆参両院で「教育勅語の排除・失効決議」を全会一致で行っていますが、これを再確認する国会決議を行う国会請願運動を私は提案しております。

ご協力をよろしくお願い申し上げす。                     (終)

 

(松久寛氏・著者進呈本『楽しい縮小社会』(筑摩書房)を読んで!)

 

 久しぶりに感動した著書に出合い、心から御礼申し上げます。私の人生の師・前尾繁三郎元衆議院議長(京都出身)は、逝去の5日前(昭和56年7月18日)の講演で「経済が低成長時代にならざるを得ない時代にどうするかの認識と対策を採るべきかを、いろんなところで提言しているのに、指導者たちにその認識ができていない」と嘆きながら他界しました。

 松久・森女史両氏の対談は、私にとって今は亡き、前尾先生への回答だと受けとめました。前尾氏は「経済が成長しなくても人間の精神(質)が成長すれば、社会は活性化できる」と語っています。「縮小・活性社会」の実現を、私の『終活』のテーマとします。

 

(東京都議会選挙にひと言)


「都民ファースト」の圧勝、「自民党の惨敗」というマスコミの大騒ぎで終わった都議選だが、「しかし皆さん、何か政治的にはもっと大事なことをお忘れではありませんか」と関係者には問いたい。それは戦線離脱脱走兵続出による「民進党」の衰退である。要するに、その本質は「第2自民党」の旅立ちといえる。小池知事がバーチャル政治家であるだけに、将来の日本がソフト・ファシズム化する傾向が妙観できます。

 現象はフランスの新しい流れに類似して見えますが、彼の地の、地に着いた「反既成政党化」とは異なっていることが、時とともに明らかになるのではないでしょうか。 

「国会つれづれ」は休みました。

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