「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―384

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 時局妙観 (愛知私教連「夏期組合学校」講演要旨)


8月22日(火)、愛知県蒲郡市で開かれた愛知私教連の夏期組合学校での講演を依頼され、「政権交代への道を探る―『日本の議会政治』にはどんな問題があるか」を話してきた。その中で「挨拶に代えて」が、今回の講演依頼に応じた心境を吐露しているので全文を載せることにしたい。

 

 「挨拶に代えて」

 最初に、横田委員長からのお声がかりで、こちらに参上しました私の心境を申し上げてから、本題に入ることをお許しいただきたいと思います。

 私は、故人となった二人の人生の恩師からの宿題をそのままにしていまして、それがふたつの悔みとなっていました。

 第一の悔みは、高校時代の恩師で同和問題の研究で全国に知られていた美馬敏雄先生の影響で教師になりたかったのですが、その志を叶えることができませんでした。法政大学政治学修士コースのとき「60年安保」の前哨戦で、〝警職法反対闘争〟の時代でした。大学院自治会委員長として「デートを邪魔する警職法」という、今でいうキャッチコピーをつくったり、東京駅に〝特急つばめ〟などを止めに行ったりしました。

 高知県出身で警察庁の溝渕次長のブラックリストに載り、高知県の教職者には採用されない状況を自分でつくったのです。その後、郷里選出の大物政治家に大迷惑をかけたり、説教されたり、騙されたりして衆議院事務局に勤務するようになりました。

 第二の悔みは、衆議院事務局に勤めて13年程して、前尾繁三郎衆議院議長の事務秘書となります。前尾先生が議長に就任したときに『政の心』という本を毎日新聞社から出版し、調査やゲラの校正を担当しました。『政』という文字を語源学から分析して「政治は、現実と権力の上に立たなければならない。しかし理想と正義を忘れた政治は、もはや政治ではない」と論じています。

前尾先生はこの『政の心』で「人間性と政治」という項を設け、政治を良くするためには、「人づくりしかない」と述べています。そこでスイスの生物学者・アドルフ・ポルトマンの著書『人間はどこまで動物か』にある「人間の生理的早産」の理論を応用して、「人間は何故教育が必要か。人間的成長とは何か」と、教育論を展開しています。

 残念なことにこの本は難しい文章で書かれていまして、あまり売れませんでした。前尾先生は、ご自分の主張が世に拡がらないことを気にして、「中学生や高校生にわかる本に書きかえてくれ」と私に難題を出されたのです。国会が大混乱の時代でとても対応できませんでした。

 前尾先生は、議長を辞めて五年後の昭和五十六年に急死します。偶然でしたが二週間ぐらい前に神田の料亭に呼ばれ、前尾先生の後継者や政治理念などについて相談を受けたとき、『政の心』の中学生・高校生版を執筆して欲しいと、改めて話がありこれが私への遺言となっていました。私は〝自社55年体制〟の風雨に扱き使われてそのままになっていました。

 その後、私は小沢一郎という政治家に煽てられ、参議院議員を2期12年勤めることになります。引退して13年になりますが、政界という俗界から足を洗うことができず前尾先生の遺言の実現を諦めていました。

 美馬先生は、私が教職に就かず衆議院事務局に勤務してからも、教育問題に関心を持て、教職者と会えと言ってくれましたが、殆ど実行しませんでした。前尾・美馬という二人の恩師は保守本流と革新本流という対立関係でしたが、この二人から偶然、ある同じ言葉を大事にせよと教わっていました。それは、論語からのもので『忠恕』(ちゅうじょ)です。「忠は内なるまごころに背かぬこと。恕はまごころにより他人への思いやり」です。前尾先生は、これを「政治家のあるべき道」と語り、美馬先生は「教育者の道」と語っていましたが、保守でも革新でも、本流に位置する人間は共通の哲学を持っていたのが昭和の時代でした。

 私は、教職者になりたくてその準備をしましたが、政治の道に紛れ込んでしまい、恩師との約束を果たせなかったと申しました。しかし私は、政治を良くするためにどうすればよいか、いつも考えて行動してきました。その結果が、今日の政治の劣化です。今後どうするかという重大問題に対し、前尾先生のいう「政治を良くするためには人づくりしかない」と思います。そのためには、教育者のお力を拝借するしか道はありません。私は〝終活〟として、この場で前尾先生の遺言を実現する決意をいたしました。

 この機会をつくって頂いた方々に、心から感謝しましてご挨拶といたします。

 

○ 講演のポイント

1)激動が始まった政治状況

 安倍内閣改造の前日(8月2日)、自民党内では同じ派閥に属する福田康夫元首相は共同通信のインタビューで安倍首相の最近の政治に関し「国家の破滅に近づいている」と警告した。私も同様の認識である。

 今回の改造について感想を言えば、史上初がふたつあった。ひとつは記者会見で、冒頭の十数秒間お詫びと称して頭を下げたが、何を誰に対して詫びたのか、追求する記者がひとりもいなかった。「数々の嘘を国会でついたお詫び」なら総辞職すべきだ。もうひとつは閣僚・党五役25人の内15人の6割が世襲議員だ。自民党では世襲議員でないと出世しない文化か。平安末期の腐敗公家政治を連想する。

 

(改造の狙いはなにか) 私は防衛省の〝日報隠蔽問題の処理〟だったと思う。私見だが、隠蔽を指示したのは安倍首相だと推測する。稲田防衛大臣が辞任直後、滅多に見せない〝笑顔〟で心境を記者団に語った深層心理を読むと「私は安倍首相を助けたのよ」となる。今回のことは重大問題だ。軍事機密の不祥事をシビリアンコントロールで、国会や国民に公開すべき責任者が、隠蔽を促すという、アンチ・シビリアンコントロールとは・・・・。これだけでも総辞職ものである。


(解散・総選挙など政局の見通し) 次の臨時国会の冒頭に安倍首相は解散を断行したい気持ちだが、自民党内には福田元首相の指摘のように、安倍首相への不信が拡がっており、30%程度の可能性だ。加計問題で新しい情報が出始めており、これが解散を止める要因となる。解散できないとなれば安倍退陣の動きも加速し、政局は激動しよう。

 

2)北朝鮮危機から読めるミリタリーゲームの新資本主義

 連休直前から始まった北朝鮮危機は、8月20日現在の情況で、日本が米国から北朝鮮のミサイル攻撃に対処して、「イージス・アシュラー」などを爆買いするのが結論となった。8月17日の2+2協議で新迎撃システムを導入するため、当面1兆4千億円の防衛費が必要とのこと。世界のミリタリー・ゲームマフィアたちは、国家の枠を超えて闇の世界で何をやっているかわからない。間違いなくマネーゲームで経済成長を企む守銭奴たちは、ミリタリーゲームに足場を移した。北朝鮮のミサイルにウクライナが関わった報道があるが、先進国の技術もどんな流れ方をしているか、想定を超えたことが起こっている。ミリタリーゲームは、何時どんな切っ掛けで、国家がコントロールできない戦争となるか、誰

も読めない。日本国憲法第9条が集団的自衛権容認の解釈改憲によって、新軍事資本主義が地球をリンクさせることになったといえる。安倍政権の犯罪的行為だ。一日も早く退陣に追い込み、ミリタリーゲームを止める政権交代を実現すべきだ。野党側の認識が不十分であり、民進党の猛省を要請する。

 

3)その他の講演のレジュメは次の通り

○ 国会劣化の根本原因を考える

① 議会民主政治の基本である政権交代を理解しない日本人

② 議会選先進国での常識(嘘は御法度、多数決に限界あり等)

③ 健全な「議会政治教育」が急務

 

○日本人が健全な議会政治に馴染めない原因

①明治時代から続く、統治原理の二重構造(戦前=明治憲法と教育勅語による「天皇制従属症候群)。(戦後=新憲法と日米安保体制による「対米従属症候群)

②日本人の自立を妨げた「現人神」を利用した「教育勅語の呪縛」が原因

 

 以上が「愛知私教連・夏期組合学校」での講演概要だが、いずれ整理した上で「メルマガ・日本一新」紙上で紹介したいと考えている。結論として申し上げたことは、「日本人の〝自立心〟の養成が、政権交代ができる第一歩です。

もうひとつ重要なことは「新軍事資本主義」という認識は、現在、私だけですが、異常な資本主義となったのです。戦争は絶対にやってはなりません。そのためには人類の「共生」という理念を共有すべきです。「自立と共生」、これがこれからの日本人が希求すべき国家社会です。

                (了)

☆国会つれづれは休みました。

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   代    表 : 平野 貞夫
   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

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