「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―76

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

(9・26登石判決に対する小沢氏の所見)

 小沢一郎氏は10月2日、市民団体が主催するインターネット番組で、9・26東京地裁の陸山会事件の登石判決に対して、初めて公の場で所見を述べた。報道各紙が義理のように報道したが、要点をまとめると、

     何の証拠もないのに、裁判官が独断で推測にもとづいて有罪を決めてしまうのは、民主主義国家では考えられない。一方的な意見だけで判決が左右されれば、本当に暗黒社会になってしまう。

     今までの体制で既得権を持ってきた人は、私を国政の先頭に立たせてはいけないという意識を働かせている。政権交代のスケープゴートにされた。

     私が不正な金を貰っているに違いないという前提で捜査が進められたが、1年以上調べても問題はなかったというのが検察の結論で、起訴に至らなかったものだ。

     国民の生命、財産、人権を最も守らなくてはいけない裁判所までが、そういうことになってしまっている。非常に心配だ。

 これらの小沢氏の発言を知って、私は感慨無量なものがある。平成21年3月3日の大久保秘書逮捕の際、私は、「政権交代による日本の抜本改革を阻止するため、貴方(当時民主党代表)は、既得権勢力から狙われている。これは民主主義のあり方の問題だ。議会民主政治を守るために国民運動を起こしたい」と主張した。そのことを正面から受けとめてくれたものだ。

 半世紀の間、私は議会政治の中で生きてきた。さまざまな政治の修羅場や腐敗を見てきたが、今ほど、わが国の国家統治の根本が狂ってきたことは想定外であった。
 太平洋戦争を除いて、例えば検察ファッショといわれた「帝人事件」(昭和9年)でも、軍国主義化する検察の暴走を東京地裁は抑えたのである。当時の学識経験者は正論で民衆を指導した。

 今回の登石判決は、人類が築き上げた基本的人権の根幹である「疑わしきは罰せず」という、民主主義社会の「公共財」を、いとも簡単に踏みにじったのである。裁判官として、司法の権威を著しく失わしめたという意味で、「裁判官弾劾法」の対象とすべく検討中である。

 この登石判決の狂気性を、残念ながらわずかの人たちを除いて、多くの国会議員が理解していない。これは議会民主政治の危機であり、国家の危機でもある。多くの国会議員がこのことを認識できないのは、巨大メディアの寄生虫となっている輩の俗論の影響である。

 

(加熱するメディアの小沢叩き)

 9・26登石判決の狂気さに気づいたメディアも数社あったようだが、10月6日の小沢氏の強制起訴公判に向け、メディアも狂気の小沢叩き記事を準備している。10月4日現在の代表的論評を取り上げておこう。

 まず、屋山太郎氏(評論家)のサンケイ新聞(10月3日)の正論『小沢氏よ、議員資格はないぞ』である。小沢氏について、「角栄の権力手法と瓜二つ」として、55年体制の昔話を、事実を曲げて述べ原稿を埋め込んだものだ。「田中角栄と小沢一郎の両氏は、日本精神を全くもち合わせていない。小沢氏の政治生命はもやは尽きた」と結論づけている。屋山氏は時事通信社の出身で、中曽根氏に取り込み、行政改革の太鼓たたきをやっていた。

 私も15年くらい前、新生党・新進党時代には親しく、横浜の屋山宅で日本の改革を論じたり、小沢新進党党首と、櫻井よしこさんを新進党から衆議院選挙に出馬させる話を屋山氏に要請した時代もあった。その後、脳梗塞を患ったという話を聞いたが、一時は言語障害もあった。もともと、思考は形式論理にこだわり、物事の本質を見極める力はなく、議会民主政治の本質や人権の重要さを理解する能力はなく、政治生命ならぬ評論生命の尽きた人物だ。

 次に、河上和雄氏(元東京地検特捜部長)の朝日新聞(10月4日)の〝耕論〟推認有罪『重要な証拠で大きく認定』のインタビューである。登石判決について「常識的に証拠を判断した判決」と論じている。その理由として「戦後に教育を受けた裁判官が主流になってくると、米国式の法廷中心主義が定着している。その流れの中で解釈すべきだ」とし、「主要な証拠を巨視的に見て認定しようという」こととしている。そして「判決が〝小沢事務所〟の〝天の声〟や〝建設会社からの裏金〟といった事実を全く無視することはできない」と語っている。

 ここまで語れば、何おか言わんやである。「主要な証拠を巨視的に見て認定」できる裁判を容認することは、暗黒政治を許すことだ。まして、「天の声」とか「裏金」の虚偽な話を事実として論じる姿勢は、狂ったとしかいえない。そこまでして「登石判決」を正当化するなら、弁護士資格にかかわること。河上氏は陸山会事件に関連して、「平野氏も逮捕される」と語っていたと、某誌に記事があったと思うが、そのレベルの人物である。

 実は、河上氏と同じ発言をテレビでしていた言論人がいて驚いたが、岸井成格毎日新聞特別主筆だ。10月2日(日)TBSサンデーモーニングで、「(登石判決)は常識だ」と断定していた。メディアの既得権を死守しようと論を張っている守旧派言論人だ。明日にも潰れる可能性のある毎日新聞でさぞかし苦労しているだろうと同情するが、自己改革を忘れて亡国の論調を何時までも続けることは、言論の自殺行為だ。

 

(民衆は「小沢問題」の本質を知っている)

 9・26の登石判決の直後から、私は4ヶ所で講演を依頼された。9月29日・大垣市、同日・岐阜市(いずれも時事通信社内外調査会)、演題「政治家小沢一郎について」。10月1日・秋田市、政策フォーラム、演題「政治情勢について―小沢一郎の動き―」。10月4日・東京都日野市税理士会、演題「政治資金と小沢一郎」であった。

 参加者の強い関心は、9・26東京地裁判決の違憲性、不法性、不当性であった。私は、平成21年3月3日の大久保秘書逮捕から今日に至る陸山会問題の経過を説明し、政権交代を阻止し、小沢改革によって政・官・財の既得権者と巨大メディアが生き残れなくなることを恐れて、政界から「小沢排除」を最優先課題としている現状を説明した。

 各会場で多くの質問と意見を受けたが、全員、現在の日本の危機的状況を正確に理解していた。民衆は「小沢問題」の本質を国会議員たちよりはるかに深刻に考えている。「法と証拠」を無視して、裁判で有罪とする不条理を「明日の我が身」と受けとめていた。質問の大勢は、小沢一郎という政治家が、これから政治の先頭に立って日本の危機に立ち向かうことができるのか、ということであった。

 私は「小沢さんは、他人を押しのけて権力のトップに就くような政治家ではありません。日本の統治機構の根元である立法・行政、そして司法まで狂ってきたことに、危機感を持っています。まずは、この改革を国民のためになし遂げていくでしょう。さらに東日本大震災・福島第一原発災害に悩む日本に、次に襲ってくるのは世界の経済危機です。これに対応できる政治家が小沢さんを置いて誰がいますか。国民と国家が必要とすれば、喜んで政治のトップに立つでしょう。

 年齢を気にする人たちがいますが、敗戦の混乱時に吉田茂が総理に就いたのが72歳、そして幣原喜重郎は74歳で総理になりました。少し古くなりますが、大隈重信が大正の政治危機に第2次内閣を組閣したのは77歳でした。福田赳夫は71歳で総理になりました。小沢さんは国家の危機を救うために、天命が温存している有為の政治家と言えます」と答えておいた。

 退廃・劣化した新聞の論説委員や、テレビでギャラ稼ぎに汗するコメンテーターより、民衆の方が現在の日本の危機と、政治や司法の劣化の本質を知っていることを学んだ。

 

(初公判での小沢陳述の歴史的意義)

 政治資金規正法違反という違法手続で強制起訴された小沢氏は、10月6日の初公判の陳述で、「主権者である国民から何の付託も受けていない一捜査機関が、特定の意図により国家権力を濫用し、議会制民主主義を踏みにじりました」と、司法ファッショの実態を指摘した。この公判では小沢氏の無罪を勝ち取るだけでなく、腐敗・劣化した国の統治機構、とりわけ司法制度の抜本的改革なくして、国民の福利も民主社会の実現もないことを、小沢氏は陳述の中で国民に提起したといえる。

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