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原点-78 平野論説の参議院法務委員会の質疑

第132回国会 法務委員会 第7号

平野代表が質疑したロッキードの件を抜粋して上部へ転記。
それ以降に、全文を転記しました。

○平野貞夫君 平成会の平野でございます。

 去る二月二十二日に最高裁でロッキード事件に関する判決が出まして、十九年ぶりでございますが、その判決で、当時非常に問題となりました嘱託尋問調書の証拠能力が否定されたわけでござい
ます。そのことに関連しまして若干のお尋ねを法務省当局と最高裁にしてみたいと思います。

 なお、誤解のないよう念のため申しておきますが、私はここで裁判の批判をするつもりはございません。あるいは、有罪になった人たちをかばうつもりもございません。大変、日本の司法制度あるいは司法行政の中で議論のあった点でございます。当然それを所管する法務委員会としても、ひとつの問題の整理をここでしておく必要がある、こういう認識に立った上のことでございます。

 そこで、まずお尋ねしたいのは、刑事免責を与えて調書を入手するに至った、簡単でよろしゅうございますので、経緯といいますかその手続、そういったことについてちょっと念のためお伺いしたいと思います。

○政府委員(則定衛君) お尋ねの点につきましては、今回、御指摘の最高裁判所の判決にその概要が判示されておりますので、正確性を期するためその該当箇所を、いささか早口になりますけれども、読み上げさせていただきたいと思います。

 東京地方検察庁検察官は、東京地方裁判所裁判官に対し、被告人檜山廣外二名に対する贈賄及び氏名不詳者数名に対する収賄等を被疑事実として、刑訴法二二六条に基づき、当時アメリカ合衆国に在住したコーチャン、クラッターらに対する証人尋問を、国際司法共助として同国の管轄司法機関に嘱託してされたい旨請求した。右請求に際して、検事総長は、本作証人の証言内容等に仮に日本国法規に抵触するものがあるとしても、証言した事項について右証人らを刑訴法二四八条により起訴を猶予するよう東京地方検察庁検事正に指示した旨の宣明書を、また、東京地方検察庁検事正は、右指示内容と同じく証人らを同条により起訴を猶予する旨の宣明書を発しており、東京地方裁判所裁判官は、アメリカ合衆国の管轄司法機関に対し、右宣明の趣旨をコーチャンらに告げて証人尋問されたいとの検察官の要請を付記して、コーチャンらに対する証人尋問を嘱託した。これを受けた同国の管轄司法機関であるカリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所は、本件証人尋問を主宰する執行官(コミッショナー)を任命し、まず、コーチャンに対する証人尋問が開始されたが、その際、コーチャンが日本国において刑事訴追を受けるおそれがあることを理由に証言を拒否し、クラッターらも同様の意向を表明し、前記検事総長及びその指示に基づく東京地方検察庁検事正の各宣明によって日本国の法規上適法に刑事免責が付与されたか否かが争われたところから、右連邦地方裁判所ファーガソン判事が、コーチャンらに対する証人尋問を命じるとともに、日本国において公訴を提起されることがない旨を明確にした最高裁判所のオーダー又はルールが提出されるまで本件嘱託に基づく証人尋問調書の伝達をしてはならない旨裁定した。そこで、検事総長が改めてコーチャンらに対しては将来にわたり公訴を提起しないことを確約する旨の宣明をし、最高裁判所は検事総長の右確約が将来にわたり我が国の検察官によって遵守される旨の宣明をし、これらが右連邦地方裁判所に伝達された。これによって、以後コーチャンらに対する証人尋問が行われ、既に作成されていたものを含め、同人らの証人尋問調書が順次我が国に送付された。

 以上の次第でございます。

○平野貞夫君 御説明によりますと、日本の検察側と最高裁で刑事免責の宣明が行われ、丈書、宣明書というような形になったと思いますが、以後、捜査の一つの重要な材料となって捜査が展開していくわけでございますが、この宣明書あるいは宣明の日本の国内法的根拠というのはどこに某づいた行為だったんでしょうか、法務省、最高裁、両方から。

○政府委員(則定衛君) まず、検察官の宣明につきましては、この東京地検検事正が検事総長の指揮により、刑事訴訟法三百四十八条で認められた検察官の起訴猶予権限を行使したとの見解に立っておりまして、ロッキード事件の公判におきましてもその旨主張しまして、嘱託尋問調書の証拠請求を行ってきたものと承知しております。

○最高裁判所長官代理者(高橋省吾君) 最高裁判所による宣明につきましては、これまでも国会において御説明しているところでございますけれども、最高裁としましては、地裁裁判官の行った証人尋問嘱託の目的を達成するため、すなわち東京地裁裁判官の裁判権の行使を円滑に実現するための司法行政作用として行ったものであります。この司法行政作用の根拠としましては、裁判所法の第十二条であります。

 一般に司法行政といいますのは、司法裁判権の行使や裁判制度の運営を適正かつ円滑に行わせるとともに、裁判官その他裁判所に属する職員を監督するために必要な一切の行政作用を請うと、このように理解されておりますけれども、最高裁としましては、このようにして地裁裁判官が行った証人尋問嘱託の目的を達成させることは、裁判権の行使を円滑に行わせるための司法行政作用の一環であると考えて宣明書を発したものでございます。

○平野貞夫君 専門家の御説明でございますので、それぞれ法的根拠、そのとおりだと、私が批判する立場じゃございませんが、常識論として見た場合、証言拒否してまだその証言の内容がわかる前ですね。初めから、すなわち最初から起訴しないとかするとかという結諭を出して対応するということについては、正直、青いまして、常識論としていささかと思いますが、それを余りそれ以上言うと、司法権と国政調査権とのかかわりに入りますのでその程度にとどめておきます。

 当時、私も多少のかかわりがあったんですが、率直に言って、そういったことは本来もう少し法的な明確な、いや、法律の中にそういった措置が本来はあるべきではないかというような感じを、当時、十九年前に持ったのでございますが、そういったことについて何かどうお感じになるかどちらからでも結構ですが。

○政府委員(則定衛君) その前提といたしまして、委員冒頭に御指摘になりましたように、今回の最高裁判所の判決におきまして、当時、相当の知恵を出した捜査手法といいましょうか、これで得ました証言の録取調書の証拠能力が否定されてしまったということになるわけでございます。

 私どもといたしましては、いささか戸惑いを覚えたわけではございますけれども、今後同種の事件が起こったときに、じゃどうするのかということの関連もあろうかと思いますし、あるいはその当時、今申されましたように、そういう刑事免責による証言確保の法的な手当てというものがあったならばという御感想もお持ちだと承りました。

 私ども、今回の判決を受けまして、種々考えるわけでございますが、我が国におきまして刑事免責制度というものを仮につくろうということを考えます場合に、いろいろと問題があろうと思います。

 そのメリットといたしましては、特に社会の変化や市民の意識の変化等に伴いまして、率直に申しまして、なかなか関係者からの供述証拠の確保を初めといたします捜査活動が全般に大変困難化してきているという指摘もございますし、そのために御指摘のような刑事免責による供述証拠の確保ということは有効な面があることは否定できないと思います。

 ただ反面、これまた御指摘のように、免責を付与されなかった者と免責された者、これが最終的にはそれぞれの犯罪に関するかかわりぐあいということになるわけでございますけれども、いずれにしましても比較的捜査の早い段階でどちらかに免責を与えるということでございますから、この見通しは非常に困難な状況下での決断を迫られると。それが的確に行われるということが期待されるわけですけれども、場合によりますと、いわば本ボシといいましょうか、本来きつい責任を追及されるべき者が、その時点では免責してそこから供述を得ようという判断になる可能性もあるわけ
でございまして、その辺の判断というのは大変難しいものがあるだろうというのが一つございます。

 両者のそういう判断と取り扱い上の差異、それからまたせっかく免責をした場合に、果たして信用性のある供述が出るであろうかどうか、また供述が出ないときにどういうふうな制裁が考えられるのであろうか、そういったことを我が国の法制度全体と調和させた運営が迫られるわけでございますけれども、その場合に、国民の法意識、受けとめ方ということもいろいろと慎重に検討してみる必要があろうかこんな感じでございます。

○平野貞夫君 わかりました。

 私は、日本の司法権は、立法府とか行政府に比べて、立法府におる人間がそんなこと言っちゃいけませんが、はるかに国民の信頼は高いと思います。したがいまして、こういったことについてもいわゆる法治国としてのきちっとした、さらに権威を高めるための整備は必要だと思います。

 最高裁にお聞きしますが、証拠能力を否定した理由、それから一審、二審ではこれは証拠として採用されているかどうか、一言で結構ですから。

○最高裁判所長官代理者(高橋省吾君) 嘱託尋問調書の証拠能力を否定した理由につきましては、最高裁判決によりますと、我が国の刑事訴訟法はいわゆる刑事免責の制度を採用しておらず、刑事免責を付与して得られた供述を事実認定の証拠とすることを許容していないと言うべきであるから、嘱託証人尋問調書の証拠能力は否定される、簡単に言いますと、こういうことでございます。

 一、二審の方につきましては、嘱託証人尋問調書の証拠能力を肯定しております。

○平野貞夫君 わかりました。

 私は法学部の出身ですけれども、大学の授業には、刑事訴訟法には一時間しか 一回しか出席しなかったものですから専門的なことは余り、それ以上お尋ねしません。

 大臣、刑事局長が衆議院で刑事免責制度の法的整備についての発言もされております。私も、犯罪の国際化、組織化、一国の制度ではカバーできない、非常に深刻な状態になっていると思いますので、国会としてもこの問題は本格的に取り組む必要があると思っております。

 それから、最高裁の判決は絶対でございますので、なぜ調書の証拠能力を否定したかということについては、最高裁は説明しろと言ったってしないと思いますが、察しまずに、やはりこういったことは国会で法律つくってやれということを言いたかったんじゃないかと思うんです。

 そこで、法務大臣、御記憶だと思いますが、ロッキード事件が起こった十九年前に、お父さんは参議院の副議長をやられていました。たしか大臣は秘書をやられていました。それで、私は衆議院の議長の秘書をやっていまして、両院議長裁定とかいろいろ大きな政治問題が出てきて、今日の政治改革のもとになった一つの事件なんです。

 ですから、当時の活躍された河野謙三議長も亡くなり、前尾議長も亡くなり、一番の当事者の田中先生も亡くなり、かかわった人というのはやっぱりこの裁判の最終行方については、それぞれの思いというものがそれぞれの立場であると思います。また、日本の司法制度そのもの、司法行政そのものの根幹にもかかわる問題であったと思います。

 そういった点から、大臣の今後のこういった問題に対する対応の姿勢、方針のようなものをお聞かせいただきたい。

○国務大臣(前田勲男君) 実は私も法学部でございますが刑法をとっておりませんで、この立場でお答えするのはいささか。

 ただ、あの当時、私も参議院の副議長秘書をしておりまして、ロッキードの灰色高官の発表の秘密会の扱いでございますとか大変思い出もあることでございます。

 今回の判決の内容につきましては、当然尊重する立場にあり、コメントは差し控えるということでございますが、刑事免責の導入云々等についての法務省の考え方はどうかということを改めてもう一度お答えを申し上げますと、先生おっしゃるとおり、まさに国際化を初めとして捜査活動が大変難しくなってきておるというのはもう全く事実でございまして、特に供述と引きかえに刑事責任を免責する捜査方法、これは諸外国、アメリカ等でもそれなりの証拠収集上有効な面を有しておるということも理解をいたしておるところでございます。

 そこで、先ほど刑事局長からもお答え申し上げましたが、この制度そのものはやはり非常に難しいと申しますか免責を付与された者とされなかった者の処分上の差が生じてくるというような、今までの日本の伝統的な考え方には全くないことでございます。免責をそれじゃ与えるのはどのような対象になるのかそのような基準をいかなる手続でどのように選択するか、またその供述の信用性をいかに確保すべきか、これは我が国の法制度全体の極めて根幹にかかわる大きな問題でございますが、刑事免責そのものの制度の果たす役割でございますとか有効な面も踏まえながら、法務省といたしましても、国民の意識等も十二分に配慮しながら検討、勉強をしなければならないということで取り組んでまいりたい、かように思っております。

○平野貞夫君 結構でございます。

以下に全文を転記

第132回国会 法務委員会 第7号
平成七年三月十七日(金曜日)
   午前九時三十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 珠子君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                糸久八重子君
                荒木 清寛君
                平野 貞夫君
    委 員
                斎藤 十朗君
                坂野 重信君
                志村 哲良君
                鈴木 省吾君
                北村 哲男君
                深田  肇君
                山崎 順子君
                翫  正敏君
                紀平 悌子君
                三石 久江君
                安恒 良一君
   国務大臣
       法 務 大 臣  前田 勲男君
   政府委員
       法務大臣官房長  原田 明夫君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       法務省矯正局長  松田  昇君
       法務省保護局長  本間 達三君
       法務省人権擁護
       局長       筧  康生君
       法務省入国管理
       局長       塚田 千裕君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   涌井 紀夫君
       最高裁判所事務
       総局経理局長   仁田 陸郎君
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  石垣 君雄君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   高橋 省吾君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   木村  要君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 恒男君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第三課長    竹内  洋君
       大蔵省銀行局中
       小金融課金融会
       社室長      振角 秀行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件

○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (裁判所所管及び法務省所管)

○更生保護事業法案(内閣提出)

○更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律
 の整備等に関する法律案(内閣提出)

○阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会
 社の最低資本金の制限の特例に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)

○被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(中西珠子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 去る三月十四日、予算委員会から、本日三月十七日の一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 裁判所及び法務省関係予算につきましては、去る二月九日に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○糸久八重子君 糸久でございます。
 一九九五年度の予算は、村山内閣にとりまして初の本格的な予算編成でございます。先日、大臣が所信の中でおっしゃいましたように、「「安心して暮らせるやさしい社会」等の目標を実現していくに当たっては、法秩序の維持と国民の権利の保全を使命とする法務行政の役割がますます重要になる」とおっしゃいましたけれども、私もそのように思います。殊に、予算編成後に起きました阪神・淡路大震災につきましては、法務行政におきましても裁判所当局におかれましても機敏、迅速な対応をとられましたことを大いに評価いたしたいと存じます。

 さて、本日は予算の委嘱審査でございますから、一九九五年度予算において措置される事項を中心に若干の質問をさせていただきたいと思います。

 まず、法務省も裁判所もその予算の八〇%近くが人件費であるだけに、政策的それから事業的な経費の確保には大変な御苦労がおありだろうと思います。法務省の次年度の定員は、財政事情の厳しい中で純増で百七十人が確保されることになっておりますし、また新たに設定されました公共投資重点枠につきましては、本年度補正で予算計上という形で要求の五十億円を超える五十七億八百万が認められ、法務大臣の予算折衝の活躍のほどがうかがえるところでございます。
 そこで、まず、大臣からごらんになりました一九九五年度の法務省予算の編成の御苦労なり査定の評価なりをお伺いさせていただきたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 予算編成に当たりまして、また予算編成の今日までの折衝の過程を通じて、大変財政事情の厳しいもとでございますけれども、まさに今日、法秩序の維持、国民の権利の保全について財政当局も極めて深い理解を示していただき、安心して暮らせる社会の基盤づくり、基本についての御理解をいただいたと思っております。

 また、特に昨今、国際化の進展というのが大変急激な速さで進んでおりますのと伴いまして、また複雑化にも向かっております。

 こうした中で、法務省が担当しております各種の業務分野、これもひとえに、事務量が増加をし、事案が複雑化し、困難化し、事務処理の一層の迅速・適正化が怠りなく行われなければならないというようなことも御理解をいただき、かつまた何よりも先生方の御理解、御支援をいただきまして、定員につきましても二千数十名減の中、法務関係は百七十名の増員も御理解をいただいてお願いをいたしておるところでございまして、こうした情勢のもとで法務行政に格段の理解を得て、現在、予算の御審議をいただいておるところでございまして、改めて先生方にも御支援を感謝申し上げたいと思っておるところでございます。

○糸久八重子君 裁判所にお伺いをいたします。

 裁判所定員につきましては、純増で三十六人が認められまして先般の裁判所職員定員法改正案の成立によりまして措置をされたところでございますが、また裁判運営の効率化及び近代化のための経費や裁判費の充実を図るための措置がとられることになっておるわけでございます。さらには、
公共投資重点枠経費として身障者用エレベーター等にも六億一千九百万が配分をされております。

 裁判所は、財政法十八条の閣議決定がなされるまでに行政官庁とは異なった予算要求の御苦労もおありかと思いますが、その辺の感想も含めて裁判所当局の所感をお伺いさせていただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(仁田陸郎君) 裁判所につきましては、委員先刻御指摘のとおり、人件費がほとんどを占めます官庁でございまして、新しいまた積極的な事業を展開するという官庁ではございません。

 裁判所には各種の事件が持ち込まれてまいりますけれども、この種事件を適正かつ迅速に処理するということを使命にいたしております。また、この種の事件が民事を問わずあるいは刑事を問わず、このところ質量とも非常に増大をしてきております。

 この間の事情につきまして、私ども概算要求書を内閣に送付いたしまして以来、ずっと財政当局に御説明を尽くしてきております。私どもも財政当局も、双方とも、今御指摘の二重予算権というものがあることを頭の片隅に置きながら十分御説明をし、御理解を得てきているところでございます。

 その結果、今御指摘をいただきましたような定員につきましても相応の予算措置をいただきましたし、あるいはこのところふえております外国人事件の通訳の謝金等についても大幅な増額を認めてもらっております。また、裁判所を利用いたします国民にとって利便を図るという趣旨で、法廷が二階以上にあります庁舎につきまして身障者用のエレベーターを設置するということで御指摘の予算措置を得るなど、十分御理解を得ているというぐあいに考えております。

 そういう意味で、現下の非常に厳しい財政事情のもとで、全体に裁判所についても目配りの行き届いた予算措置をいただいたのではないかそのように考えているところでございます。

○糸久八重子君 私ども社会党は、先日、九五宣言案を決定いたしました。法務行政と密接な項目もたくさんありますけれども、二、三の点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 「政策目標」として、「新しい家族と男女の社会的平等」のあり方として、ここでは夫婦別姓案は選択の自由としておるわけでございます。

 現在、法制審において身分法の検討状況についてはどのようになっておりますか、今後の予定も含めて御報告を願いたいと存じます。

○国務大臣(前田勲男君) お尋ねの婚姻制度に関する民法改正の法制審での検討状況でございますが、昨年の七月に民事局におきまして、法制審議会民法部会の審議結果を婚姻制度に関する民法改正要綱試案として取りまとめをして公表いたしました。ことしの一月二十日を期限として関係各界に意見照会をいたしておりまして、現在、お寄せをいただきました御意見の取りまとめの作業を行っておるところでございます。

 また、これとは別に、特にこの問題は国民お一人お一人すべてが極めて重大にかかわる問題でございますので、三月末までに、現在、家族法ホットラインという、直接国民の御意見をじかにお聞きをいただく回線を開設いたしまして、現在その御意見も賜っておるところでございます。

 そこで、今後は法制審議会におきまして、この発表いたしました試案に対する御意見やこの家族法ホットラインに寄せられた国民のじかの御意見、また昨年九月に総理府におきましてこの問題についての世論調査を行っておりまして、この結果を参考にいたしまして最終的な方向性を定めるための検討を続けておるところでございます。

 現在検討中のこれら問題は、申すまでもなく、まさに国民生活というより、もう国民お一人お一人の重大な関係、かかわりを有する問題でございますので、慎重な検討が必要であると考えておりますが、しかし、法務省としてはできる限り早い時期に適切な法改正が行えるように努力をしてまいりたいと思っております。

 具体的には、できれば来年早々の時期に民法改正法案を取りまとめをいたし、来年の二月ごろをめど、来年度じゅうにということになりますが、総会の了承を得まして答申をされることをめどに検討をしていきたい、かように考えております。

○糸久八重子君 「人権と環境」では、差別をなくす基本法の制定に触れておるわけでございますが、一月二十五日の施政方針演説に対する質疑で、我が党の久保書記長は、部落解放基本法の制定の必要性をただしました。村山総理は、同和問題に関しまして、「与党各党間の話し合いも進められておりますので、その議論の動向にも十分留意しながら、政府保与党一体となって対処してまいりたい」というふうに答弁をなされました。

 人権擁護行政を担当しておられる法務大臣に、部落解放基本法の制定についての所感をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 基本法についてでございますが、まず部落差別問題、同和問題については、平成三年の暮れでございましたか、地対協からの意見具申がございました。

 あらかた申し上げると、物的事業は進捗をし、あらかた峠をもう越えたと、ただ心理的差別、まさにソフトについてもかなり改善は見られておるけれども、なお問題を残しておるというような意見具申であったかと記憶をいたしております。

 今日も、総務庁から伺う範囲では、物的事業は大変順調と申しますか、残事業については従来の予定を少し早める程度に進んでおるというふうに伺っておりますし、私どもも全国すべて回れてはおりませんが、お見受けするところは大変ハードは進んでまいっております。しかし、心理的差別につきましては、なお差別事象も今日も、減ってはおりますけれども、いまだ残っておるという残念な状況下にあるわけでございます。

 こうした観点も踏まえて、残された現行法の二年間で、我々はこの問題の早期解決に努力をしていくということがまず何よりも大事なことであると思っております。この地対財特法の有効期限のあり方と申しますかこれにつきましては、前法が期限を迎えるに当たりまして、実は当時、与野党の協議会の、私、座長をさせていただいておりまして、その折にも、物的事業は峠を越し、終息、完結に向かうであろうが、まさに心理的差別の解消はなお今後注意を要する、これらの問題については協議会、その当時は機関を設けて、法期限後の対応について審議をする、こういうような趣旨で、実は地対協の中に総括部会を結果としては全会一致をもって置いていただいたということになっております。

 そんな関係もございまして、総括部会には現在もう大変精力的に審議を進めていただいておるところでございますし、かつまた与党の中におきましても人権と差別問題に関するプロジェクトチームをつくっていただきまして、大変与党各党間の話し合いも現在進められておりまして、これら同和問題の法律的な期限後の取り扱い等について御検討をいただいておると承知をいたしております。

 なお、同和問題に今日まで取り組んでまいりました一人としては、この問題はまさに国民的な課題でございますので、国会挙げて一致協力して全会一致で取り組んでいただきたいという、私は心からの願いを持っておる一人でございます。今後政府の統一的な方針が、こうした地対協総括部会あるいはこの人権と差別問題に関するプロジェクトチームにおきまして方向をお出しいただいて、それを受けて政府の統一的な方針が決まっていくものと、かように理解をいたしておるところでございます。

○糸久八重子君 ありがとうございました。終わります。

○平野貞夫君 平成会の平野でございます。

 去る二月二十二日に最高裁でロッキード事件に関する判決が出まして、十九年ぶりでございますが、その判決で、当時非常に問題となりました嘱託尋問調書の証拠能力が否定されたわけでござい
ます。そのことに関連しまして若干のお尋ねを法務省当局と最高裁にしてみたいと思います。

 なお、誤解のないよう念のため申しておきますが、私はここで裁判の批判をするつもりはございません。あるいは、有罪になった人たちをかばうつもりもございません。大変、日本の司法制度あるいは司法行政の中で議論のあった点でございます。当然それを所管する法務委員会としても、ひとつの問題の整理をここでしておく必要がある、こういう認識に立った上のことでございます。

 そこで、まずお尋ねしたいのは、刑事免責を与えて調書を入手するに至った、簡単でよろしゅうございますので、経緯といいますかその手続、そういったことについてちょっと念のためお伺いしたいと思います。

○政府委員(則定衛君) お尋ねの点につきましては、今回、御指摘の最高裁判所の判決にその概要が判示されておりますので、正確性を期するためその該当箇所を、いささか早口になりますけれども、読み上げさせていただきたいと思います。

 東京地方検察庁検察官は、東京地方裁判所裁判官に対し、被告人檜山廣外二名に対する贈賄及び氏名不詳者数名に対する収賄等を被疑事実として、刑訴法二二六条に基づき、当時アメリカ合衆国に在住したコーチャン、クラッターらに対する証人尋問を、国際司法共助として同国の管轄司法機関に嘱託してされたい旨請求した。右請求に際して、検事総長は、本作証人の証言内容等に仮に日本国法規に抵触するものがあるとしても、証言した事項について右証人らを刑訴法二四八条により起訴を猶予するよう東京地方検察庁検事正に指示した旨の宣明書を、また、東京地方検察庁検事正は、右指示内容と同じく証人らを同条により起訴を猶予する旨の宣明書を発しており、東京地方裁判所裁判官は、アメリカ合衆国の管轄司法機関に対し、右宣明の趣旨をコーチャンらに告げて証人尋問されたいとの検察官の要請を付記して、コーチャンらに対する証人尋問を嘱託した。これを受けた同国の管轄司法機関であるカリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所は、本件証人尋問を主宰する執行官(コミッショナー)を任命し、まず、コーチャンに対する証人尋問が開始されたが、その際、コーチャンが日本国において刑事訴追を受けるおそれがあることを理由に証言を拒否し、クラッターらも同様の意向を表明し、前記検事総長及びその指示に基づく東京地方検察庁検事正の各宣明によって日本国の法規上適法に刑事免責が付与されたか否かが争われたところから、右連邦地方裁判所ファーガソン判事が、コーチャンらに対する証人尋問を命じるとともに、日本国において公訴を提起されることがない旨を明確にした最高裁判所のオーダー又はルールが提出されるまで本件嘱託に基づく証人尋問調書の伝達をしてはならない旨裁定した。そこで、検事総長が改めてコーチャンらに対しては将来にわたり公訴を提起しないことを確約する旨の宣明をし、最高裁判所は検事総長の右確約が将来にわたり我が国の検察官によって遵守される旨の宣明をし、これらが右連邦地方裁判所に伝達された。これによって、以後コーチャンらに対する証人尋問が行われ、既に作成されていたものを含め、同人らの証人尋問調書が順次我が国に送付された。

 以上の次第でございます。

○平野貞夫君 御説明によりますと、日本の検察側と最高裁で刑事免責の宣明が行われ、丈書、宣明書というような形になったと思いますが、以後、捜査の一つの重要な材料となって捜査が展開していくわけでございますが、この宣明書あるいは宣明の日本の国内法的根拠というのはどこに某づいた行為だったんでしょうか、法務省、最高裁、両方から。

○政府委員(則定衛君) まず、検察官の宣明につきましては、この東京地検検事正が検事総長の指揮により、刑事訴訟法三百四十八条で認められた検察官の起訴猶予権限を行使したとの見解に立っておりまして、ロッキード事件の公判におきましてもその旨主張しまして、嘱託尋問調書の証拠請求を行ってきたものと承知しております。

○最高裁判所長官代理者(高橋省吾君) 最高裁判所による宣明につきましては、これまでも国会において御説明しているところでございますけれども、最高裁としましては、地裁裁判官の行った証人尋問嘱託の目的を達成するため、すなわち東京地裁裁判官の裁判権の行使を円滑に実現するための司法行政作用として行ったものであります。この司法行政作用の根拠としましては、裁判所法の第十二条であります。

 一般に司法行政といいますのは、司法裁判権の行使や裁判制度の運営を適正かつ円滑に行わせるとともに、裁判官その他裁判所に属する職員を監督するために必要な一切の行政作用を請うと、このように理解されておりますけれども、最高裁としましては、このようにして地裁裁判官が行った証人尋問嘱託の目的を達成させることは、裁判権の行使を円滑に行わせるための司法行政作用の一環であると考えて宣明書を発したものでございます。

○平野貞夫君 専門家の御説明でございますので、それぞれ法的根拠、そのとおりだと、私が批判する立場じゃございませんが、常識論として見た場合、証言拒否してまだその証言の内容がわかる前ですね。初めから、すなわち最初から起訴しないとかするとかという結諭を出して対応するということについては、正直、青いまして、常識論としていささかと思いますが、それを余りそれ以上言うと、司法権と国政調査権とのかかわりに入りますのでその程度にとどめておきます。

 当時、私も多少のかかわりがあったんですが、率直に言って、そういったことは本来もう少し法的な明確な、いや、法律の中にそういった措置が本来はあるべきではないかというような感じを、当時、十九年前に持ったのでございますが、そういったことについて何かどうお感じになるかどちらからでも結構ですが。

○政府委員(則定衛君) その前提といたしまして、委員冒頭に御指摘になりましたように、今回の最高裁判所の判決におきまして、当時、相当の知恵を出した捜査手法といいましょうか、これで得ました証言の録取調書の証拠能力が否定されてしまったということになるわけでございます。

 私どもといたしましては、いささか戸惑いを覚えたわけではございますけれども、今後同種の事件が起こったときに、じゃどうするのかということの関連もあろうかと思いますし、あるいはその当時、今申されましたように、そういう刑事免責による証言確保の法的な手当てというものがあったならばという御感想もお持ちだと承りました。

 私ども、今回の判決を受けまして、種々考えるわけでございますが、我が国におきまして刑事免責制度というものを仮につくろうということを考えます場合に、いろいろと問題があろうと思います。

 そのメリットといたしましては、特に社会の変化や市民の意識の変化等に伴いまして、率直に申しまして、なかなか関係者からの供述証拠の確保を初めといたします捜査活動が全般に大変困難化してきているという指摘もございますし、そのために御指摘のような刑事免責による供述証拠の確保ということは有効な面があることは否定できないと思います。

 ただ反面、これまた御指摘のように、免責を付与されなかった者と免責された者、これが最終的にはそれぞれの犯罪に関するかかわりぐあいということになるわけでございますけれども、いずれにしましても比較的捜査の早い段階でどちらかに免責を与えるということでございますから、この見通しは非常に困難な状況下での決断を迫られると。それが的確に行われるということが期待されるわけですけれども、場合によりますと、いわば本ボシといいましょうか、本来きつい責任を追及されるべき者が、その時点では免責してそこから供述を得ようという判断になる可能性もあるわけ
でございまして、その辺の判断というのは大変難しいものがあるだろうというのが一つございます。

 両者のそういう判断と取り扱い上の差異、それからまたせっかく免責をした場合に、果たして信用性のある供述が出るであろうかどうか、また供述が出ないときにどういうふうな制裁が考えられるのであろうか、そういったことを我が国の法制度全体と調和させた運営が迫られるわけでございますけれども、その場合に、国民の法意識、受けとめ方ということもいろいろと慎重に検討してみる必要があろうかこんな感じでございます。

○平野貞夫君 わかりました。

 私は、日本の司法権は、立法府とか行政府に比べて、立法府におる人間がそんなこと言っちゃいけませんが、はるかに国民の信頼は高いと思います。したがいまして、こういったことについてもいわゆる法治国としてのきちっとした、さらに権威を高めるための整備は必要だと思います。

 最高裁にお聞きしますが、証拠能力を否定した理由、それから一審、二審ではこれは証拠として採用されているかどうか、一言で結構ですから。

○最高裁判所長官代理者(高橋省吾君) 嘱託尋問調書の証拠能力を否定した理由につきましては、最高裁判決によりますと、我が国の刑事訴訟法はいわゆる刑事免責の制度を採用しておらず、刑事免責を付与して得られた供述を事実認定の証拠とすることを許容していないと言うべきであるから、嘱託証人尋問調書の証拠能力は否定される、簡単に言いますと、こういうことでございます。

 一、二審の方につきましては、嘱託証人尋問調書の証拠能力を肯定しております。

○平野貞夫君 わかりました。

 私は法学部の出身ですけれども、大学の授業には、刑事訴訟法には一時間しか 一回しか出席しなかったものですから専門的なことは余り、それ以上お尋ねしません。

 大臣、刑事局長が衆議院で刑事免責制度の法的整備についての発言もされております。私も、犯罪の国際化、組織化、一国の制度ではカバーできない、非常に深刻な状態になっていると思いますので、国会としてもこの問題は本格的に取り組む必要があると思っております。

 それから、最高裁の判決は絶対でございますので、なぜ調書の証拠能力を否定したかということについては、最高裁は説明しろと言ったってしないと思いますが、察しまずに、やはりこういったことは国会で法律つくってやれということを言いたかったんじゃないかと思うんです。

 そこで、法務大臣、御記憶だと思いますが、ロッキード事件が起こった十九年前に、お父さんは参議院の副議長をやられていました。たしか大臣は秘書をやられていました。それで、私は衆議院の議長の秘書をやっていまして、両院議長裁定とかいろいろ大きな政治問題が出てきて、今日の政治改革のもとになった一つの事件なんです。

 ですから、当時の活躍された河野謙三議長も亡くなり、前尾議長も亡くなり、一番の当事者の田中先生も亡くなり、かかわった人というのはやっぱりこの裁判の最終行方については、それぞれの思いというものがそれぞれの立場であると思います。また、日本の司法制度そのもの、司法行政そのものの根幹にもかかわる問題であったと思います。

 そういった点から、大臣の今後のこういった問題に対する対応の姿勢、方針のようなものをお聞かせいただきたい。

○国務大臣(前田勲男君) 実は私も法学部でございますが刑法をとっておりませんで、この立場でお答えするのはいささか。

 ただ、あの当時、私も参議院の副議長秘書をしておりまして、ロッキードの灰色高官の発表の秘密会の扱いでございますとか大変思い出もあることでございます。

 今回の判決の内容につきましては、当然尊重する立場にあり、コメントは差し控えるということでございますが、刑事免責の導入云々等についての法務省の考え方はどうかということを改めてもう一度お答えを申し上げますと、先生おっしゃるとおり、まさに国際化を初めとして捜査活動が大変難しくなってきておるというのはもう全く事実でございまして、特に供述と引きかえに刑事責任を免責する捜査方法、これは諸外国、アメリカ等でもそれなりの証拠収集上有効な面を有しておるということも理解をいたしておるところでございます。

 そこで、先ほど刑事局長からもお答え申し上げましたが、この制度そのものはやはり非常に難しいと申しますか免責を付与された者とされなかった者の処分上の差が生じてくるというような、今までの日本の伝統的な考え方には全くないことでございます。免責をそれじゃ与えるのはどのような対象になるのかそのような基準をいかなる手続でどのように選択するか、またその供述の信用性をいかに確保すべきか、これは我が国の法制度全体の極めて根幹にかかわる大きな問題でございますが、刑事免責そのものの制度の果たす役割でございますとか有効な面も踏まえながら、法務省といたしましても、国民の意識等も十二分に配慮しながら検討、勉強をしなければならないということで取り組んでまいりたい、かように思っております。

○平野貞夫君 結構でございます。

○山崎順子君 平成会の山崎です。

 昨日、ちょっと更生保護施設についての御質問をさせていただきましたが、きょうは、民間と国立という違いはございますけれども、やはり罪を犯した方々の更生のためにある婦人補導院について少し御質問させていただきたいんですけれども。

 かつては大阪、福岡、東京と三カ所あったと聞いておりますが、今は東京八王子にある東京婦人補導院だけですが、こちらは今定員二十名で、約六カ月間入所できるということなんですが、現在何人ぐらいの入所者がいらっしゃるのか、ちょっとお聞かせください。

○政府委員(松田昇君) 現在のところは収容人員はゼロでございます。平成三年の五月から収容した者はおりません。

○山崎順子君 平成三年から収容人員がゼロということなんですが、こちらにいただいたパンフレットなどを見せていただきますと、体育館があり、調理室があり、グラウンドも広くて、救護の診察室もあり、レクリエーション室があり、園芸作業ができるような状況があり、大変整った、カウンセリングもできるような、いい施設なんですけれども、これはなぜ収容人員がないのかをちょっとお聞かせいただけますか。

○政府委員(松田昇君) お答えいたします。

 最初、三十三年に売春防止法ができました後に、三十五年では四百八人の収容があったんでございますけれども、それがだんだん減少いたしまして、先ほど私、ちょっと一年間違えて申し上げましたけれども、平成四年の五月から収容人員がゼロになって現在に至っております。

 悪質な売春行為をする女性の場合には実刑になりまして女子刑務所に参っておりますことが一つと、もう一つは売春の形態自体が非常に潜在化して、売春防止法の五条で、路上で人の目を引くような形で、いわゆるそでを引くというような形の行為をする女性が少なくなってきたということ自体にもあろうかと思います。

○山崎順子君 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、潜在化しているということで、決して売買春がなくなっているわけではないと思うんですね。そういう意味からは、この施設が十分本来だったら活用できるのではないかと思うのですけれども。

 売買春に限らず、例えば私などはずっと随分家族の、夫婦関係の相談を受けておりますけれども、随分夫の暴力を受けて逃げてくる方ですとかそれから娘と父親、といっても実の父親もありますし、継父という形のケースもあるんですが、外には出ていない近親姦なども多くて、娘と一緒にどこかへ避難したいという方が大変多いん
ですけれども、そういった売春防止法第五条違反の罪だけのそういった設置目的というのはもういかにも古くなっているかもしれませんので、この設置目的のこの第五条にもし縛られていて入所者が少ないというのであれば、これを変えて範囲を広げることができないのかなというふうに思うんですね。

 今現在、四年からずっとゼロという状況ですが、現実にはそういった立派な施設があり、そして年間六千二百万ですか、それだけの補助も出ているということですから、そんなもったいないことはないんで、私はそれを、こんなもったいないから予算を削れということを言いたいわけではありませんで、逆に、せっかくの施設とそれだけの国の予算があるのであればもっと活用できないかという形で、何かお考えがございましたら教えていただきたいんですが。

○国務大臣(前田勲男君) この婦人補導院につきましては、先ほど矯正局長からも、また先生御承知のとおり、五条に触れ、そのもとで婦人補導院に収容すべき女子と、こういうことになるわけでございますが、先ほど最近の売春の傾向等も話がございましたが、それじゃこれからは絶無となるかどうかというのは、これはまあ先のことでございますし不透明でございます。

 それからまた、婦人補導院に対する補導処分を言い渡す裁判が今後それじゃ全くなくなるかということも、これまた確定しがたい事実、状況でございまして、法律的にかたく申し上げれば、今、予測しがたい状況にあると、こういうことであろうと思っております。

 それともう一つは、今までのこうした目的で設立されたまさに施設でございまして、大変立派な施設でございますけれども、これが売春防止法違反の女子の中で特別な要件に該当した、まさに婦人補導院行きの女子ということで今日まで取り組んでまいりました観点から、例えば考えられますのは、一般の罪を犯した婦人、この人に広げるということもなかなか法律的にも難しいし、今日までのイメージもある意味ではあるわけでございます。

 ただ、いずれにいたしましても、私も大臣に就任して、ここ三年、その前からもう一けたも三人とか四人とかですね、行政改革上もうやめちまったらどうだという意見も実は現場に申し上げたこともあるんですが、ただ、やめるばかりが行政改革ではございませんし、立派な施設もあるし、私もあのパンフレットで見る限り、こんなすばらしいものがあったかと改めて気づいたわけでございますので、特に委員の貴重な御指摘もいただきましたので、それらを踏まえまして、適正な運営を図るべくいろいろな角度から一度検討してまいりたい、かつまた、これもなかなか難しゅうございますので慎重に考えてまいりたいと、かように思います。

○山崎順子君 実は、東京都女性相談センターというのがあるのを御存じかと思いますけれども、ここも昭和三十二年の四月に売春防止法に基づく東京都婦人相談所として設立されたんですね。それが、我が国は御存じのように高度経済成長からバブルの崩壊等、社会経済状況が大きく変化しまして、女性の生き方とか家族のあり方等も変わってまいりました。このような状況に対応するために、昭和五十二年に条例改正で、従来からの婦人相談所の業務に加えて、緊急の保護または自立のための援助を必要とする女性を対象に相談、保護を行う機関として女性相談センターという形、名前も改められたんですけれども。

 私どものところに、十カ月の身重で夫の暴力やそれから嫁しゅうとめ問題、いろんなものが重なって別れたいと御相談に来た方がいらっしゃるんです。そういった方が結構子供連れでいらっしゃるんですが、うちも民間で私の原稿料だけで支えているようなとてもスペースも何もないところで、泊めてあげたい人がしょっちゅういるんですね。だけど、どうしようもありませんので、この東京都の女性相談センターは一時緊急保護もやっておりますから、お電話して、ぜひきょう夜、泊めていただきたい、そしてあした福祉事務所の方で何か相談に乗ってもらえるような形にできないかと電話いたしましたら、ここもせっかく間口を広げましたのに、東京都の運営なので東京都の住民しかだめだと言う。

 その十カ月の身重の女性は、そのとき、茨城だったか千葉だったかの方だったんですが、その人はだめだと言われたんですが、彼女は、いや、それでもまさか行けば泊めてもらえないことはないだろうというので夕方行ったんですね。そうしたら、やっぱりだめだったと言って、自分の地元の母子寮の方の緊急保護に行きなさいと。それを聞いたタクシーの運転手さんが、何て気の毒など言って、タクシー代要らないと言って送ってくれたというので、彼女が電話をしてきまして、行政よりもずっと民間の人の方が親切だというような、そういった話がたくさんございます。

 東京都のこの女性相談センターを、私たちは女性たちで運動して、ぜひ国立のような形で全国のそういった緊急保護を必要とする女性たちのために活用できないかという運動もしたんですけれども、今のところだめで、そうしますと、この婦人補導院は国立ですから、もしそういった形に何とか改められれば女性のための緊急保護という形ができるんじゃないかなと思うんですね。ぜひ前向きに御検討いただければと思います。

 二一日お願いします。

○国務大臣(前田勲男君) 先生の御意見よくわかるわけでございますが、ただ、売春防止法五条で補導処分になる人と御一緒になるという結果になるんですね、今のままいきますと、運用でやりますと。そういうこともこれまた法律的にも、またあるいはそこへおいでいただくということ等についてもいろいろまたこれ問題もございまして、この五条の決められておりますまさに補導処分そのものもよく考えた上で判断をすべきことでございまして、そうなってまいりますと、まさに法律改正というようなことになってくるわけでございまして、それらも視野に入れて、先生の御意見も踏まえて事務当局で研究をいたしてみたいと思います。

○山崎順子君 ありがとうございます。
 ぜひ前向きに御検討いただきたいのは、先ほどの東京都女性相談センターも、実はそういう売買春をした方々も御一緒に入っていらっしゃいますし、そういった方たちにたくさん私お会いしていますけれども、家庭環境が本当にひどい状況の中でそういうところに走らざるを得なかった方もたくさんいらして、決してそういう方たちと暴力を受けたりで家を出て保護してほしいという方たちとが一緒にいておかしいということはないと思いますので、その辺はぜひ御認識いただきたいと思います。

 それでは、時間がございませんので別の質問に移らせていただきたいんですけれども、民法改正試案が昨年出ましてから、別居五年で有責配偶者からの離婚ができるということで、またこれは改正試案ですから現実に法案になったわけではないんですが、もう現場ではどんどん短期別居の夫婦の有責配偶者からの離婚請求が認められているという状況がございます。

 例えばこの三月に出た判決なんですけれども、夫も妻も四十代前半でまだ七歳と五歳の子供がいるケースで、浮気をした有責と見られる夫からの離婚請求がたった三年四カ月の別居で認められているんですね。もちろん、妻の側は弁護士をつけまして、破綻はしていない、こんなことで離婚を認められては困るというような主張をしてきたんですけれども、こういった例がたくさんございます。

 一つ気をつけなきゃいけないというのは、婚姻生活というのは、本質的に当事者の自由な意思のみで結ばれて、すぐれて当事者の主観的なものだと思うんですね。ですから、本来、破綻というのは当事者以外が判断できないものでして、自己決定権が保障されることが大変必要だと思いますので、これから五年ということが出ても、それではっきりしてくるんでしょうけれども、今現在、
そういった形でどんどん認められることがどうなのかなというのと同時に、私自身は破綻主義には基本的に賛成なんでございます。

 それはどうしてかといいますと、やはり形骸化している関係を続けるということは、嫌だという側の生活力がなかったり手供を引き取ってどうやっていこうという不安な側の社会的弱者にとっても一層苦痛だと思えますので、できるだけ破綻主義がいいと思うんですが、ただそのときに、その社会的弱者が五年の別居で離婚が認められたことでより一層苦痛が強いられることはやはり避けなければいけない、これはもう皆さんもよく理解してくださっていると思うんですが。

 そこで、たくさんの離婚相談を受けておりまして、ほとんどの人が離婚するとは限らないんですが、離婚してよかったとかそういうふうに思える方たち、離婚を後悔していない方たちを見ていますと、男女ともにやはり自分の側が選んだ方はほとんどそうしていらっしゃらない。ところが、相手から離婚を請求されて嫌だ嫌だと思いながらどうしようもなく調停や裁判であきらめた方というのは、ずっと落ち込んでいらっしゃるんですね。

 そこで、カウンセリングというものが大変大事になってくるんじゃないかと思うんですが、今の日本の場合は、弁護士さんについてもアメリカのように、じゃすぐ精神科医をつけてカウンセリングも受けなさいという形にはなっておりません。それから、弁護士会などでも余り相談業務、弁護士さんはなかなか忙しくて、女性の安い依頼料で人生相談まで乗っていられないということをよく雑誌に書いていらっしゃる弁護士さんもいらっしゃいます。もちろん、そういった方だけではございませんけれども、大体弁護士さんの中に、相談料というものも低いですし、それから調停でもなかなかそういった家裁の相談室も受け付け業務だけですし、相談機能がないように思うんですけれども、調停委員の方たちがそういった納得できるようなカウンセリングができる研修を受けていらっしゃるのかまた調査官がそういったことをやっていらっしゃるのか、今後相談業務をふやそうという、そういったことはお考えになっていらっしゃらないのかちょっとカウンセリングの視点からお話をお伺いしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(木村要君) 今、委員からもお話がありましたように、家事相談という形でやっていますのは受け付け相談でございますので、事件が出てくる前のものでございます。離婚調停ということで、出てきた後につきましては、御承知のように裁判官と民間から選ばれた二人以上の調停委員から構成する調停委員会ということになりますけれども、この調停委員会で十分に双方から事情や意見を聞きまして、双方いろいろと言い分がありますから一〇〇%満足というわけにはいきませんでしょうけれども、納得ができる解決をということで非常に調停委員も努力しているところでございます。

 そして、その点は調停委員だけではなくして、特に最近ですけれども、調停の期日に家裁調査官の方も立会していろいろと当事者に助言をする、あるいはその期日で調停の席ではなかなか話せないというようなことは、期日の間に別に調査竹が面接して事情を聞くというようなことから、なるたけ当事者の心情もよく酌んで、また精神的にも情緒の混乱がないように落ちついた状態で調停で話し合って、合意できるものは合意するというようなことで努力しているところでございます。

 調停委員の研修の点でお話がございましたけれども、その点につきましては、研修は、まず新しく調停委員になられた方は余り知識がないわけですから新任者に対する研修と、新任者以外の調停委員に対する研修ということで分けてやっておりまして、新任者に対する研修におきましては、調停委員の心構えあるいは手続法規のほかに、当事者との面接技法等もいろいろと習得してもらうということでやっております。

 それから、新任者以外の調停委員、その後の調停委員の研修ですが、これは例えば離婚事件あるいは子の監護に関する事件等、事件の類型別に講義形式でやったり、あるいはケース研究的にやったりということで、それからさらには模擬調停的なことでやってみる、あるいはビデオで模擬調停の撮影したものを題材にやるとか、かなり熱心に各庁で工夫して調停委員の知識の習得ということで心がけているところでございまして、当事者の方も調停で非常に言いたいことも言えずに不満のまま、何といいますか、調停成立ということになるというようなことにはならないようにということで努力していきたいと思っております。

○山崎順子君 ぜひ相談というものの重要性を認識して、いろいろ相談業務を活発化させていただきたいと思っておりますけれども。
 一つは、やはり夫から離婚を言われて納得できない状況の中には、現実的に生活できないという経済的事情がやはり大きいんじゃないかと思うんです。別居五年となりますと、それで離婚できるならうれしいという女性たちもこのごろは随分いるんですけれども、その別居期間の生活というのが今大変問題になっておりまして、これはその破綻主義だけの問題ではなくて、今やはり見ておりますと、二年とか二年ぐらいは別居してから離婚というケースが多いんですね。

 その間の別居期間の生活に困っていらっしゃるというのは、例えば母子寮も別居期間ですと入りにくいですし、それから厚生省や地方公共団体のあれで出しております児童扶養手当等も別居期間は受けられないということがございます。それから、別居中はやはり再就職なども夫がいるからなかなか踏み切れないということもあったり、難しい。それから、保育園など行っておりますと、夫と妻の両方の収入で、妻の方はとても低い収入なのに夫の分が加算されて大変高い保育料を払わなきゃいけないという問題があります。

 それで、夫からの生活費は、婚姻費用の分担請求を家裁の調停に出しましても、これもなかなか相手の同意が得られない、来ないというような状況がございまして、ぜひ今度その破綻主義の採用と同時に、家裁で別居調停とか別居審判というものを創設していただいて、速やかに別居中の生活費を決めるとかそれから履行の確保も、毎月毎月、例えば生活費もそうですし離婚後の養育費もそうですけれども、じゃ、四万円来なかった、次の四万円来なかったという形で履行の確保をやっていてはもう問に合いませんし、とても手間もかかります。それでいて、その三万、四万が来ないだけでやはり十四、五万の収入のお母さんにとっては子供の生死にもかかわるような問題ですから、こういったあたりの、速やかに婚姻費用分担を決めること、履行の確保をすること。

 それからもう一つ、それを、父親の方が生活費や養育費を出しやすいように、支払い証明によって所得から控除できるような所得税の特別措置を設けるとかそういったことをぜひ他省庁とも連絡をとり合って、破綻主義のこれが弱者にとって何て過酷なというふうにならないような方策をとっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) ただいま委員から、別居中の夫婦の一方の生活費確保あるいは養育費の確保という見地からの、さまざまな観点からの御指摘ございました。

 これは、先般、別の機会に委員からも御質問いただいたところでございますが、その中の一つの重要な課題として、そういう別居中あるいは離婚後の生活費とか養育費の履行の確保といったようなことについて、現在、現行法で一応の整備はされているけれども、さらなる履行確保の措置について検討すべきではないかという御指摘をいただきました。今御指摘の問題は、さらにそれ以上幅広い御指摘でございますけれども。

 この間もお答え申し上げたかと思いますけれども、履行確保の措置について、現在、家事審判法や民事執行法などでの手当て以外にどういう問題を検討すべきかということは大変な重要な問題でございまして、今般、今審議をしております民法
の改正作業の中でも検討をされましたけれども、これは非常に多岐の面からの検討が必要であるということから、今回の課題からは一応外されて、また別の機会に検討すべき重要な問題であるという位置づけがされたところでございます。

 そういうことでございますので、そういった問題、今度とも民法身分法の観点からも一つの大きな重要な課題であると私どもも認識しておりますし、法制審議会の民法部会でも認識しているところでございますので、御指摘のような幅広い問題も含めてさらに考えていかなきゃならぬというふうに考えておるところであります。

○山崎順子君 終わります。

○荒木清寛君 本年度予算の国会提出直前に大震災が起こったわけであります。私は、本来は、この大きな震災を踏まえまして、予算の編成をし直して提出をすべきであったというふうに考えております。もう今さらそれを言っても間に合わないわけでございますが、そういう観点から法律扶助事業に対する国庫補助ということを指摘したいと思います。

 財団法人法律扶助協会では、本年度予算に対しまして五億八千二百万円の国庫補助の要求をいたしまして、予算ではそのうちの二億五千二百六十九万七千円が認められているわけであります。五億八千万円の要求に対しまして二億五千万円でございまして、諸外国の例等を考えますと、もっともっとこの法律扶助事業に対する国庫補助を拡大しなければいけないというふうに考えるわけであります。

 ところが、もちろん、この要求また予算の決定は、大震災を前提にしていないわけでございます。財団法人法律扶助協会からは、この震災を踏まえまして、特別補助金として七億二千四百五十万円をお願いしたいと、そういう要請が大臣のもとにも二月二十一日付で来ていると思います。当初の平成七年度の事業についての要求が五億八千万円、それを上回る要求をしていらっしゃるわけであります。認められました二億五千万円を前提といたしますと、その三倍にもならんとする特別の補助金の要請をお願いしたいというわけでございます。

 一応、この要請に算出の根拠というのが書いてありますが、一番大きいのは調停事件と訴訟事件に対する特別の扶助であると。この計算は、全壊、倒壊の世帯が十万件と、恐らくそのうちの一割がいろんな法律的な紛争を抱えるであろう、そうしますと一万件でございます。しかも、震災によって財産を一切失ったという方もたくさんいらっしゃるわけでありまして、そのうちの三分の一ぐらいが扶助を必要とする事件になるのではないか、三千五百件ですか、というような計算でこの七億二千四百五十万円を、この震災を前提とした法律扶助の上積みの要請ということで来ているわけでございます。

 この要望に大臣としてどうこたえていくのかあるいは今どういう検討をしているのか、お聞きをしたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 法律扶助協会におかれまして、この大震災に対して大変御尽力をまさに昼夜いただいておりますことを何よりも感謝を申し上げておるわけでございますが、先生から今、その財政上の問題点御指摘ございました。私どももこれらの問題に対しまして、何よりも的確に対応し、かつ支障が生じることのないように財政上の措置の検討をし、適切に対応していかなければならないと、強い決意で財政当局とも折衝をいたしておるところでございます。

 今、先生から具体的な数字等もございましたので、事務当局からその辺も踏まえて御答弁をさせていただきたいと存じます。

○政府委員(筧康生君) 法律扶助事業に対する国庫の補助金というものの増額の問題は、大変私ども重要な問題であるという認識のもとに毎年その拡大に努めてきたところでございまして、ただいま御審議いただいております平成七年度の予算においても、前年度よりもかなり大幅な増額をお願いしているところでございます。

 今回の大震災に伴う関係でございますが、既に現在の状況における予算といいますか、それは平成六年度の分があるわけでございますが、その部分につきましては法律扶助協会の方で格別な御尽力をいただいて、この震災のための特に法律相談関係でございますが、その関係についての予算的な手当てをお願いをしたという状況にあるようでございます。

 問題は平成七年度、すなわちことしの四月以降どういう状態になるかということでございますが、これは、ただいま御審議いただいておりますこの予算が成立して、その補助金を十分御活用いただきたいと思っておりますが、さらにその後にどの程度法律扶助に対するニーズがあるかということにつきましては、今後における調停あるいは争訟の動向を十分に見きわめ、ただいま大臣が申し上げましたように適切な対応をしてまいりたいと、このように考えております。

○荒木清寛君 裁判所に一点だけお聞きをいたします。

 裁判所の施設整備に必要な経費、百三十一億九千百六十二万九千円が計上されております。

 そこで、この予算を使ってことし、新築あるいは大がかりな改築をする裁判所はどこか。その新築、改築に当たっては、設計の前に十分市民あるいは法曹関係者あるいは弁護士会、そういう方の意見を聞くべきであると思いますが、簡単に御回答をお願いします。

○最高裁判所長官代理者(仁田陸郎君) まず最初にお尋ねの平成七年度で新営をいたしますところでございますが、継続して行っているところもございますが、新規に七年度で認められたところだけを御紹介申し上げたいと思います。

 新規では、新営の関係では四庁ございまして、本庁で横浜地方裁判所、それから京都地方裁判所、簡易裁判所では、青森にございますむつ簡易裁判所、それから旭川にございます中頓別簡易裁判所、この四庁でございます。その余は新営、増築等について全部継続でございます。

 横浜と京都につきましては、いずれも戦前の古い建物で本庁で残っている二庁で長年の懸案でございましたけれども、七年度で調査費の計上をいただきまして今後新営を進めていきたい、このように考えているところでございます。

 二つ目のお尋ねでございますけれども、委員御指摘のとおり、裁判所の庁舎は、訴える人、訴えられる人、あるいは裁きを受ける人、あるいはこれを助言する法律の専門家であります弁護士の方々、あるいは各種の事件に関心をお寄せの方々、いろんな方々が利用される施設でございます。こういう利用者の方々から直接間接にいろいろ意見、要望が寄せられております。

 私どもは、こういう意見、要望を十分念頭に聞きながら、各種の庁舎の新営については工夫を尽くしてきたつもりでございます。特に日常的に御利用いただく人ということになりますと弁護士の方々でございますけれども、庁舎の新営の際には必要に応じて御意見、御要望を承る機会を設けて設計上にもいろんな意見の反映をしていきたい、このように考えております。

 設計といいましても、委員御案内のとおり、各種の段階がございますけれども、設計のすべてが固まってからというのではなくて、必要に応じて、弁護士の方々の御利用をいただける部分についていろんな意見、御要望を承って設計を進めていきたい、このように考えております。

○荒木清寛君 終わります。

○翫正敏君 翫正敏です。

 最近、とかく厳しい批判が出ております法務省の入国管理行政について質問します。

 私が問題にしたいのは、統一協会の文鮮明教祖の以前入国を許可した問題についてお尋ねしたいのでありますが、その前に、彼らが霊感商法ということで法外な値段でつぼなどを売りつける商法を行っているこの問題について法務大臣の所見を、どう思われるかお聞きします。私はこれは刑法の第二百四十六条の詐欺罪に相当するというふうに考えているんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(前田勲男君) 犯罪の成否につきましては、捜査機関が法の定めるところに従って収集した証拠に基づいて個別的に判断すべき事項でございますので、お尋ねの点につきましては申し上げかねる状況にございます。

○翫正敏君 霊感商法と文鮮明教祖の統一協会との関係については、これは切っても切れない深い関係があるということは明らかでありまして、昨年、一九九四年六月二十三日付の質問主意書が提出されておりますが、それで五月二十七日に福団地裁で、統一協会の霊感商法に対する損害賠償請求訴訟で原告の主張どおり統一協会の関与と賠償責任を認め、三千七百六十万円の支払いを命じる判決が出たということが質問主意書で指摘されているのに対して、政府は「承知している。」という答弁をしておりますから、深いつながりがあって切っても切れないものであるという認識は持っておられる、こういう理解でよろしいんですね。

○政府委員(則定衛君) 何といいましょうか、全体を把握しているわけではございませんけれども、一部においてそういう関連があるということは承知しております。

○翫正敏君 そこで、その統一協会の文鮮明教祖が一九九二年、平成四年に日本の国に人国が認められたわけでありますが、彼が米国で脱税で一年六カ月の有罪判決を受けている人物であるにもかかわらず法務省は入国を認めました。

 さて、このときの招待をしたのが北東アジアの平和を考える国会議員の会という会なんですけれども、この会はどういう会なのか、わかっていると思いますので説明してください。

○政府委員(塚田千裕君) 入国許可申請を検討するに当たって必要な資料ということで招聘したグループの資料がございますけれども、それによりますれば、加藤武徳参議院議員を初めとする当時の目的民主党の国会議員の有志の会であると理解しております。

○翫正敏君 このとき、入国をしまして三月三十日にこの国会議員の会のメンバーを前に講演をしているということでありますが、実際この会において招待した国会議員は出席しているんでしょうか。それから、北東アジアの平和について文鮮明教祖は何らかの役に立つような提言をしておるんでしょうか。

○政府委員(塚田千裕君) 同氏の滞日中の日程は私どもも事前に基本のところは承知しておりましたけれども、基本的には滞在中に宗教活動だとか問題のあるような活動をしていただいては困ると、しかしそれ以外の活動につきましては、ごく短期だということもございまして、一々細かなプログラムについてまでは私ども承知しておりません。

○翫正敏君 短期だから入国を許可したということよりも、やはりこの北東アジアの国会議員の会というところが、国会議員の会が招待をしたから入国を認めだということが大きいと思うので、それは当時の、平成四年ですね、参議院の方でこの問題が議論になりましたときにも、田原国務大臣が答弁しておりますから明らかだと思うので、三月二十六日に成田に着いてから北東アジアの会と会談したのが三十日であるというふうにちゃんと出ているんです。

 だから、当時の法務省という、今も法務省は一緒ですから、大臣はかわっていても、はっきりつかんでいたと。どういう活動をして、国会議員とはどういう会談をしたのかというのはわかっていたと思うので、どういう国会議員がここに出席されてどういう積極的な活動があったのかということはわかっているのではないですか。

○政府委員(塚田千裕君) 先ほども申し上げましたとおり、滞日中のプログラムの大枠、何日にどこにおいでになるとか、そのたぐいのことは承知しておりますが、個々の会合でどんな話をしたとか、そういうようなことまでは私ども承知していないので先ほどのようなお答えを申し上げた次第でございます。

○翫正敏君 国会議員が招待したので、「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」である統一協会の文鮮明教祖が入国を許可されたわけです。そして、この統一協会というのは、我が国の国内、外国においてもそうでしょうけれども、殊に我が国の国内においては霊感商法なるこの商法によって社会的に極めて有害な活動をしている、裁判においてもそれは賠償命令まで下されている、そういう一連の流れがあるわけです。もちろん、裁判で判決が出たのはこの入国を認めた後ですけれども、だから、その前後という問題では入国を認めた方が先なんですけれども、判決が出たのは役なんですが、ともかく密接な関係があるそういう霊感商法の統一協会の教祖の入国を当時認めて、日本で平和だアジアだとかというようなそういう活動をさせたということは、これは私は入管の行政として正しくなかったというふうに思うんですが、大臣、そういうふうに思いませんか正しかったと思いますか。

○国務大臣(前田勲男君) 大変難しい問題をお聞きいただいておりますが、平成四年三月に文鮮明氏に上陸許可したことについては、同人が過去アメリカにおいて所得税法違反で一年を超える刑に処せられていることにより上陸拒否事由に該当するということでございますが、同刑確定役既に当時、七年余りが経過をいたしておりましたことから、またその入国する目的が、今後の朝鮮半島及び北東アジアの平和のあり方についての我が国の北東アジアの平和を考える国会議員の会のメンバーとの意見交換にあるとしたことを考慮してその上陸を許可したものでございまして、当時その判断は間違いなかったものと考えております。

○翫正敏君 私も招待をしたり細分議員になったりして何人もの外国人の人を日本に招いておりますが、非常に入管行政においてチェックされて人国を認められない場合が多いんです。難しいと思うから相談に来るのかもしれませんから、そこはちょっとともかくとして、なかなか認められない場合が多いんです。ところが、明々白々に拒否事由に当たる人が国会議員の細分で簡単に入国できている。そして、その人は単に外国において罪を犯したということの上陸拒否事由だけではなくて、社会的に考えるならば、日本の国内でゆゆしき批判を受けている霊感商法なるものの教祖なんです。それを指導している人であることは明らかなんです。そういう人の人国を認めたということは私は間違いだと思います。

 それは一体、国会議員はだれが責任を持って招待したんですか、だれがしたんですか。

○政府委員(塚田千裕君) 冒頭で申し上げましたとおり、当時、北東アジアの平和のあり方を考える会というものがございまして、その会の名前で招聘状が出ているということで、それ以外、もろもろの入管法上の要件、要素は先ほど大臣の御答弁にございましたとおりでございますが、総合的に判断して短期間の入国を許可したということでございます。

○翫正敏君 国会議員ないし国会議員団をそういうふうにでっち上げのようにつくって、そしていろいろ当時の資料を調べてみますと、その会のメンバーの人なんかもアンケートに答えて、新聞の取材なんかに答えて、知らないと、私はそんな会に入っていたことも知らなかったとか、招待したことも知らなかったとかいう回答しているという記事がいろいろ当時載っているんです。そうしますと、やはり一人がこく一部の、新聞にはその人の名前も載っていますけれども、この名前を挙げるとちょっとぐあい悪いと思いますから挙げませんが、そのごく一部ないし一人の人が招待をした、その人が非常に政治力のある政治家であった、したがって人国を認められた。

 翫正敏なんかが幾ら入国の紹介をしても、こんなひどい、悪いことをしていない人でも、ごくちょっと法律違反をしているというだけでもはっぱっとはねられるという、こういう入管行政のあり方と比較して、それでは非常におかしいということを指摘しているんでありますから、その辺と
の問題で大臣、もう一度、当時それから今日、国会議員が紹介をすれば全部そういうものはパスパスというふうにいくんだということなら、またそれはそれで、いい悪いはともかくとして、一つの行政のあり方かもしれませんが、そうじゃないわけですよ。それはどうですか。

○国務大臣(前田勲男君) 入管法の十二条一項で、第五条一項第四号に定める上陸拒否事由に該当する者でありましても、法務大臣は特別に上陸を許可すべき事由があると認めるときは、その者の上陸を特別に許可することができるものとされております。

 一般的には、犯罪及び刑の内容、犯罪後の経過年数、その間における本人の行状、また入国目的等を総合的かつ慎重に勘案して判断することといたしておりまして、当時の法務大臣が判断を適切にされたものと私は確信をいたしております。

 したがって、国会議員からの招請だからといってその上陸を特別に許可するというものではないと、こう理解はいたしております。

○翫正敏君 ちょっと一点だけ、これで終わります。

 そういう行政をずっと、入管行政をやってきたから、そういうツケが今日、最近新聞で厳しく批判をされて、大臣もそれに対して厳しく処置しなきゃならないというような、そういうことにつながっていると思うんですよ、私は。こじつけではなく、前へつながっていると思うんですよ。ですから、入国管理行政というのは非常に厳正でかつ厳しくなされるべきだということを強く要望して、質問を終わります。

○紀平悌子君 お伺いいたします。

 東京協和、安全両信用組合救済問題について、まずお伺いしたいと思います。

 去る三月九日、東京協和、安全の両信用組合の乱脈経営救済問題で、衆議院の予算委員会において両信用組合当事者の証人喚問、十六日には参議院予算委員会でも同じく実施されましたけれども、国民、有権者の側から見ますと、場合によっては、安全信組だけで九百三十一億円もの不良債権がある金融機関に国庫や東京都の予算から三百億円もの、しかも低利での資金供給を実質的に図るような無謀な経済政策、これには戸惑い、怒り、あきれというのが現状だというふうに思います。

 ここで、不良債権を回収するための迂回融資というものについてお伺いしたいのですが、これがかえってバブル崩壊で被害を拡大した節もあることは間違いないと思われますけれども、そのいわゆる迂回融資とは何か御説明をいただきたいと思います。

○説明員(振角秀行君) お答えさせていただきます。

 迂回融資ということにつきましては必ずしも明確な定義というのは存在しませんけれども、一般的には、大口融資規制を逃れるために、債務者の関連会社や親密会社等を迂回させることによりまして、当該債務者に対する実質的に行われている融資というものがいわゆる迂回融資というふうに言われているというふうに承知しております。

○紀平悌子君 法務省にお伺いしたいのでございますが、いわゆる迂回融資が背任となる場合、法律問題としてどういうケースが考えられますか。

○政府委員(則定衛君) 今、大蔵当局からもお話ございましたように、迂回融資と一言で言われますものの、いろんなものがあるようでございます。その中でどういうものが刑法の背任罪等に問擬されるかというお尋ねでございますが、これをいわば講学的設例ということで申し上げますと、次のようなことであろうかと思います。

 すなわち、金融機関等のためその事務を処理する者が、当該金融機関等の計算におきまして、返済能力のない他の企業等を介して融資を行った場合におきまして、その者が自己または第三者の利益を図る目的でその任務に背いて融資を行い、その結果、金融機関等に財産上の損害を加えた、そういうふうに認められる場合には背任罪が成立するということになろうと思います。

○紀平悌子君 続いて、今回、両信組救済の枠組みとして総額千八百億というふうに言われておりますけれども、まず三百億という金額が問題になっております。これはどういうふうに算出されたものか、これで足りるというお見込みでしょうか大蔵省にお伺いします。

○説明員(振角秀行君) お答えいたします。

 三百億というのは東京都の支援の金額だと思いますけれども、東京都は、両信用組合の資産悪化の程度と過去の他の都道府県におきます信用組合における支援の事例、これは全体の支援の約二割程度を各都道府県が負担しておるということ等を総合的に勘案しまして、三百億円という支援を行うものとしたというふうに聞いております。

 それで、そのほかにつきましては、民間金融機関、預金保険機構等から所要の金額が出されるということで、全体として必要十分な支援額が確保されるものというふうに考えておるところでございます。

○紀平悌子君 法務大臣にお伺いしたいのでございますが、今後バブルの崩壊の後始末として、また金融機関、特に銀行の不良債権の救済策が必要とされると言われておりますけれども、その際にはまた今回のような信用組合の救済方法と同じような方法が用いられて、その都度公費が実質的に使われることになるのでしょうか。

 これは非常に信用を失うということにつながると思いますけれども、漫然と不良融資を行って経営努力を怠った機関が救われて、そしてむしろきちんと営業している優良な金融機関より手厚く保護されるというふうに思われますが、不公平であり、また非経済的のように思われます。経済事犯の増加がこれからも出てくると思われる状況の中で、どういうふうな対応をお考えでございましょうか。

○国務大臣(前田勲男君) まず、その金融不安、信用秩序を守るという観点につきましては、法務大臣といいますよりもむしろ御担当の大蔵大臣、大蔵省の方において、諸般の情勢、またその中には先生の今御指摘のような御意見等も踏まえた中で判断をされるものだと、かように思っておるところでございます。

 それから、経済事犯がバブル崩壊の後遺症として今日、まさにふえてきておるわけでございますが、ただ、統計的に経済事犯の検察庁における受理状況というのを見ますと、受理人員全体として総済事犯が増加しているとは一概に今のところ断定できる状況にございません。強いて申し上げれば、法人税法違反やいわゆる出資法違反の罪などについて通常の受理人員が増加している、かように見受けるところでございます。

 いずれにいたしましても、経済事犯に絡むまさに不正事犯でございまして、経済秩序を混乱させるだけではなくて、国民の間にまさに不公平感を募らせるおそれがあるわけでございまして、検察におきましてもこのような認識に立ちまして、刑事事件として取り上げるべきものがあれば関係機関とも密接な連絡をとって厳正に対処をしていかなければならない、かように思っております。

○紀平悌子君 時間もございませんので、少し質問を飛ばさせていただきまして、御用意いただきました向きには大変申しわけないと思いますが、いじめの問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。

 去る三月十四日付の読売新聞の報道によりますと、文部省のいじめ対策緊急会議の報告では、全国で一万八千件のいじめが発見されたというか、もっとあるのかもしれませんが、ということです。そのうち小学校は八千四百七十七件、九三年度の一・三倍というふうに言われております。いじめは、児童の人間関係における複数対個人の人権侵害というケースが多いです、一対一もあるでしょうけれども。弱い者を強い者がどうにでもしていいというような差別感情の発露というものが幼い面に見られるわけなんですけれども、これはやはり許すことはできないというふうに思うわけです。

 このことは、事前に探知して、しかってでもやめさせるということが親の立場から考えますと大事だと思うんですが、それには一つの方法論として、子供の目安箱のような対応を人権擁護の見地から各校区ですね、学校区、校区に設けるとか、具体的な行政としてのチャンネルが必要だと思われますけれども、法務省の今後の御対応の中にそのようなプログラムが入る余地がございますでしょうか、やっていただきたいわけですけれども。法務省にお伺いいたします。

○政府委員(筧康生君) ただいまの委員の御指摘のとおり、いじめの続発という事態は子供の人権意識の欠如という点が大きな要素をなしているものと考えておりまして、私ども人権擁護機関といたしましては、子供に対していわば人権意識というものを育てていくというための啓発活動というものを一層続けていくということが大切であると考えております。

 このいじめ問題に対する具体的な対策といたしましては、これはいじめの問題だけに限らないわけでございますが、子供の人権問題一般に対しまして重点的に取り組むシステムといたしまして、昨年の八月一日付で、人権擁護委員の中から子供の人権問題を専門的に取り扱う子どもの人権専門委員というものを東京、大阪など八つの法務局、二つの地方法務周に設置したところでございます。

 この活動の一環といたしまして、例えば電話によって子供さんの訴えを聞くという機会をつくる、いわゆる子どもの人権一一〇番というものを設置するようにということを、その子ども人権専門委員を設置した各局に指示したところでございまして、そのほか各局においては子供たちと座談会をするというようなことをしたりいたしまして、子供たちの意見を聞くということに努めているところでございます。

 私どもは、いじめ問題に対する施策といたしまして、この子ども人権専門委員の制度というものを全国的に展開をしたいと考えておりまして、ただいま御審議いただいております平成七年度予算においては、全国に子どもの人権専門委員を設置するということをお願いしているわけでございます。

 これは、この専門委員がつくられたからといって、その専門委員にすべて子供の問題をお任せするというわけではございませんので、いわばこの専門委員が中心となって、全国の津々浦々にいらっしゃいます人権擁護委員、これ約全国で一万三千人の方がいらっしゃるわけでございますが、そういう人々に対してもぜひいじめの問題に重点的に取り組んでいただくようにとお願いしているところでございます。

 こういう人権擁護委員の全体のシステム、あるいはただいま申し上げたような電話あるいは子供の意見を聴取する活動等を通じて、先生の御指摘になっていらっしゃる子供の意見といいますか、あるいはいじめの情報といいますか、そういうものを幅広くキャッチするように努めてまいりたい、このように考えております。

○紀平悌子君 時間がもうすれすれになっておりますけれども、目安箱につきましては御一考をいただきたいというふうにさらにお願いをいたします。

 最後に法務大臣に率直なところをお伺いしたいんですが、お子様はもちろんおいでになるんじゃないかなと思いますけれども、ごく最近、お父さんが出刃包丁か包丁かでいじめた子供を二人監禁してこつんとやったと。出刃包丁の先の方じゃなくて柄の方でこつんとやったと。強くやったのか弱くやったのかそこら辺報道によっていろいろ違いましたけれども、もし大臣が人の親として、自分の子供がひどい我慢ならないいじめに遭ったときにどうなさいますか。そこら辺から始まるんじゃないかと思いますけれども、お願いいたします。

○国務大臣(前田勲男君) 実は私も小中高と子供がそれぞれおりまして、いじめの問題についても私はこういう考え方を持っております。

 まず、まさに我が子のことを事例に出して恐縮でございますが、何よりも子供との対話を欠かさないということを家庭で心がけております。その中で、やはりいじめということをあるのかないのか、受けているのか、あるいはいじめているのかどうか常に気を配って子供との会話を心がけ、かついじめ等はしてもならないし受けてもならない、いじめは絶対に許されないことだということをなるべくわかりやすく話をしておるところでございます。

 それから、いじめられた、いじめを受けたという経験も、それぞれ、子供はすべて、四人おりますがみんな経験がございまして、その折も、実は大変恵まれておったと思いますが、学校の担任の先生等から大変きめ細かい連絡をいただき、授業中の態度が少しおとなし過ぎるとか寂しそうにしているとか、その都度御連絡をいただいて、家庭でよく子供に聞きましたところ、いじめのような事態があって、それをまた先生に御報告したところ、具体的には席がえをしてくれたとかいろいろ細かい家庭と学校、PTAと、まさに学校側、教師とのきめ細かい連絡があって、かなりそのものが防げておるという実感を実は持っておるところでございます。かつまた、母親同士、保護者同士が常々いろいろ電話連絡等をお互いに密にゃっておりまして、親のサイドもこういうことにお互いに協力して対応していくということが極めて大事であろうと思っております。

 こうした観点を超えた、度を過ぎたいじめに対しては、まさに学校側においても当然の処分として、例えば注意だけではなくて、出席停止ですとか、あるいはなお度を超したものについて刑事的な対応をとっていただき、それぞれの事件の捜査処理に当たって、少年法の精神を尊重しながら被害者の救済、再犯の防止等々も念頭に置いて、特にこの問題は背策事情を十分に解明した上で、極めて度の過ぎたものについては家庭裁判所へ事件として送致して、裁判所において適切な措置がとられるということになっております。

 先ほどの御指摘の、父親が出刃包丁云々の事件につきましては、まさに父親として、それこそいじめの根幹でございますやはり人権意識、基本的な人権に対する意識、あるいはもっと以前に、法律に触れる刑法的な問題等冷静に御判断をいただき、基本的なお取り組みを考えていただければよかったのかなと、そんな実感を持っておるところでございます。

○紀平悌子君 終わります。

○三石久江君 三石です。

 私は、女性の問題について質問をさせていただきます。

 法務省は人権を擁護する中心的な役所だと思っております。人権問題にはいじめとか同和問題とかさまざまな観点がありますが、男女の平等問題も人権にかかわる基本的な問題だと思います。最近は女性参画型付会の形成ということが盛んに言われておりますが、その基本に、男女が真に平等でなければならないということで、憲法十四条、法のもとの平等ということが基本だと思います。

 そこで、まず大臣に伺いたいと思います。大臣は、人権という観点から見た場合、男女の実態はどのような状況にあると考えているのか伺いたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 人権の中でも極めて基本的な問題として男女の平等の理念がございます。これはもう憲法にも明記され、法制上にも大原則として確立をされておるところでございます。

 しかし、現実問題に目を転じてまいりますと、例えば今日、世代間の受けとめ方というのは大変格差がございますけれども、あらかた男は仕事、女性は家庭といったような、男女の役割を固定観念的にとらえる意識もまだ根強く残っております。

 また、これが原因とはすべて申しませんが、職場における責任分担あるいはそれに対する報酬等も、改善はもちろんされてきてはおりますけれど
も、それでは完全に改正されたのかということになると、私はまだ問題意識は大いに残っておると。法務省としては、男女の平等についてなお一層努力をする必要があろうという理解をいたしております。

 具体的にまた法務省の人権擁護機関におきましては、これらの理念の普及を図るために啓発を行っておりますし、審判事件がございましたときの調査、処理を通じまして、あらゆる機会を通じて女性の人権擁護に努めておるところでございます。

○三石久江君 今後も考えてやっていただきたいと思います。

 そこでまた、男女間の平等を考える上で大きな問題に、法務省が現在検討している民法の改正がありますが、本日は時間がありませんのでその内容には入りませんが、その重要な問題の改正を検討するに当たりまして、果たして女性の意見がどの程度反映しているのか心配をしているところです。

 法改正は法制審議会やその中の民法部会で審議されているようですが、例えばあらゆる審議会には女性委員はどの程度入っているのか。また、法務省関係その他の審議会では女性委員の数と選任の基準と実態はどうなっているのか。政府関係の審議会等の割合を一五%以上にするという政府の約束はどうなっているか、お伺いしたいと思います。

○政府委員(原田明夫君) 政府全体の数についてはただいま、つまびらかにいたしませんが、当省所管の審議会等は、中央更生保護審査会、法制審議会等七つの審議会がございます。

 現在、女性委員の占める割合は一一・一%にとどまっております。この点につきましては、女性委員の登用につきまして、今後とも団体推薦を行っていただいております団体へ女性の方々を御推薦いただけるように要請文を発出するなど、また具体的に新たに委員の御交代いただけるような場合には、できるだけそういう方向でお願いするように努力をさせていただいております。

 ただいま委員御指摘の点を含めまして、今後とも積極的に推進してまいりたいと存じます。

○三石久江君 まずは一五%ということを目指していただきたいと思います。

 次に、我が国ではいまだにどうもまだ女性は男性の附属品的な扱いとしか考えられていないのではないかという思いがあります。特に、役所においてはその傾向が強いのではないかと感じています。

 例年、春と秋には園遊会、天皇誕生日には宴会、その他の政府の催しに私も何度がお招きをいただきました。このような公式の催しは、原則として夫婦同伴が礼儀と聞いておりますので、必ず私は夫と同伴で参りました。そのときの招待状のあて名と胸につける名札の書き方は、どのような方針で書かれているのか御存じでしょうか。

 私の場合、招待状には、参議院議員三石久江殿と夫の氏名が並べて書いてあります。男性が主賓といいますか、主たる招待客である場合は、招待状にはその周書きと氏名、例えば参議院議員だれのだれべえ殿、そして同伴者には令夫人としか書いてありません。外務省からの招待状に、私、三石久江殿、令夫人と書かれてありまして、びっくりしました。その非礼を御注意申し上げましたが、一般的に公式の招待状にはそのように書くということを初めて知りました。

 令夫人というのは、辞典によりますと、とうとい人の妻の尊敬語と記されておりますが、妻の個々には名前があるんですよね。私の場合には同伴者である夫の氏名を書き、妻が同伴者である場合は令夫人と書く。これは一体何を物語っているんでしょうか。

 私は、江戸時代の宗門人別帳を見たことがあります。これは戸籍簿に相当しますが、戸主の隣に女房としか書いてありません。また、母としか書いてないんですね。その江戸時代の宗門帳、戸籍簿に相当しますが、戸主の隣に女房としか書いておりませんし、個人的には名前があるはずです。公には必要でなかったのでしょうが、とにかく封建時代の男尊女卑の典型として見ました。

 それと同じことが行われているわけですが、ではなぜ同伴者が夫の場合には氏名を書くのでしょう。さらに、胸につける名札ではおかしなことがあります。妻同伴の場合は、御丁寧に夫の肩書き、氏名に令夫人となっています。あたかも妻の名前を他人に知られるのがプライバシー保護の上から支障があるように、ただ令夫人としか書かない。

 夫同伴の場合はどうかこれには夫の氏名しか書いてありません。妻の肩書き、氏名を書けばいかにも男性のこけんにでもかかわるような対処の仕方に私は思えるのです。つまり、男性社会になれた人々には、妻は夫の庇護のもとにあって、添え物にすぎないもの。たまたま妻が社会的に認められた場合は、夫のこけんを傷つけない対処の仕方があるのが当然という、男尊女卑の思想が抜けがたく残っているように思います。

 夫を主人と呼び妻を家内とか女房とか呼ぶのは、みずから夫が主で妻が従という習慣であり、男女同権にふさわしくない呼び名として改めるよう提唱している私は一人ですが、言葉の意味を十分理解しないで慣習として使っておられるのはいたし方ありません。徐々に直していただくしかありません。

 しかし、先ほどから問題にしておりますのは、単に慣習とか習慣というものではありません。妻には令夫人と書き、男性同伴者には氏名だけの名札をつけさせる、これほどの男尊女卑の扱いを何もかも承知の上でおやりになっているのではないかと思うのです。

 そこで私としては、配偶者が女性の場合も令夫人ではなく人権の面からも名前を記すべきではないかと思います。細かいことですが、考えようによっては大きな問題なんです。こうしたことから直していく必要があると思いますが、大臣ならどうですか。御自分のパートナーに名前はない方がいいとお思いでしょうか。

 そこで大臣に、例えば閣議においてとは言いませんけれども、閣議懇談会などで問題を提起していただければと私は思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(前田勲男君) 先生から御指摘をいただきまして、今日まで何げなく長年の慣習として耳なれたことで、格別問題意識を持っていなかったと申しますか気がつかなかったということに改めて反省をいたしておりますが、御指摘の点、あらゆる機会を通じて私も事例を申し上げて皆様にお願いをし、また公的な場でも啓発啓蒙の中の一環でとらえてまいりたい、かように思っております。

○三石久江君 どうぞよろしくその点、お願いいたします。

 終わります。

○安恒良一君 時間がございませんので、主としてできれば大臣とやりとりをさせてもらいたいと思います。

 まず、一つの問題は、いわゆる帰化申請の処理期間の短縮問題についてですが、これは去年の十一月八日、本委員会で荒木委員からも大臣に質問されまして、大臣は「一年以上経過するということについては短縮をする努力をこれからもしていかなければならない、」「鋭意取り組んでまいりたい」、こう答えられました。

 私がこの問題を取り上げましたのは、もうちょっと古くなりますが、相撲の小錦関に対する帰化が非常に時間がかかったということで当時世論からかなり厳しい批判があっています。また、最近私の耳によく達しますのは、いわゆる国籍法第七条の該当許可者、すなわち日本人と婚姻をされた方の帰化申請について、子供までできているのになかなかこれがおりないということで、最近、東北地方とか九州とか沖縄とかこういう国際結婚が非常に多いわけです、これは東南アジア方面のところが非常におりない。特に子供が学校に行くようになって、まだおりないので困る、こういう問題がある。

 そこで、細かく議論するあれがありませんから、まず事務当局からどのくらいかかっているかというような実態を出してもらいましたら、大都市では一年六カ月かかっています、それから地方都市では一年です、平均で一年三カ月、これは事務当局からいただいた資料です。その中で、本庁が処理するのはいずれも四カ月かかっています。そこで、なぜこんなにたくさんかかるのかということで、これも事務当局から帰化処理期間の長期化の理由ということで八項目、僕の手元に届きましたし、大臣の手元にもあると思うんです。

 そこで、私は大臣にお聞きしたいのは、これはやはりどうしても短縮をしなきゃならぬと思いますから、この八項目をその後大臣は検討されて、どの項目とどの項目を短縮のための努力をしようとされているのか、どこをどうすればいいのか、こういう点についてまず大臣のお考えをお聞きし、私は私なりに後から、ここはどうだろうという考えを持っていますが、この前大臣は鋭意取り組んでいきたい、こういうことだったんですから、ひとつ聞かせてください。

○国務大臣(前田勲男君) 帰化の早期処理を先般も努力をお約束したところでございまして、具体的対応策でございますが、まず大都市部、東京、大阪等は先ほど先生からも一年半程度という御指摘もございました。大都市部に特に国籍相談員を配置いたしましたり、また各種資料作成用のワードプロセッサーを導入して機械化をして迅速な事務処理を図る、あるいはまた平成七年度の予算におきまして要求いたしておりますが、国籍事務担当職員の増員を現在お願いいたしておるところでございます。

 なおまた、帰化申請の調査のあり方等につきましても、一層の簡素合理化を図る余地があるのではないかという観点から見直し作業を行っているところでもございまして、なお一層の努力を重ねていかなければならないと思っております。

 少し細かいことを申し上げて恐縮でございますが、国籍相談員についてはさらに平成七年度以降も配置をふやしていきたいと考えております。また、さっき申し上げたワードプロセッサーによる事務処理の機械化、それから帰化相談用のビデオの導入をいたしてまいりましたし、またこれも余り小さなことでございまして申しわけないんですが、帰化事件現地調査用の乗用車、これも大規模局に導入をいたしております。平成七年度、さっきも申し上げましたが、国籍担当職員の増員の現在査定を受けて増員の努力をいたしております。

 そしてまた、御指摘の日本人と結婚をされ既に子供までいらっしゃる方等についても、これはもう確認も明らかなことでございますし、でき得る限り早期に処理できるように努力を続けたいと思っております。

○安恒良一君 いろいろ事務的なことを言われましたが、私は時間が余計かかっている最大のものの一つには、関係官庁への照会、回答の遅延というのが挙げられている。これは何だろうと聞いたら、民事局は、これはワープロに打ち込めばすぐ出てきますから、それですからいいんですが、問題は大都会で警察を通じていろいろ調べるんです。ところが、これに一年以上かかっちゃうというんですよ、きのう聞いたら。ここは僕はやっぱり何か方法を考えなきゃならぬ。

 それからいま一つ、ダブっておりはしないかと思うのは、そういうふうに警察に調べてもらって、いよいよ第七項目に、今度は法務省の職員自体が近隣の調査にまた行くというわけです。

 これも、この二つについて相当時間がかかるとすれば、私はよく短縮する方法を、答えは要りませんから、検討してもらいたいと思うんです。これが非常に時間が、特に大都会では警察官にお願いしたら、調べてくれといって一年ぐらいして回答が来る、これではもうどうにもならぬと思います。

 それからいま一つ、これもぜひ検討してもらいたいというのが、本庁における本庁処理期間が一様に四カ月。ところが、これも大都市では既に一年二カ月十分調べてきている、地方でも八カ月調べている。平均で言うと十一カ月調べて、受け取ってそれから四カ月。ここも短縮をする努力を私はされてしかるべきだ。

 まあ、いろいろなこと言われました、細かいこと。しかし私は、なぜかというと、これも資料いただきましたが、非常に帰化の申請がふえているわけですね。例えば、平成元年には一万一千九百二十人が平成五年には一万八千人になっている。許可も六千人ちょっとが一万一千人にふえていますね。ですから、これまだふえていくと思うんです。

 ですから、どうしても、これはたまたま長期化の理由はどこにあるかというのを出してもらったら、私は私なりに検討して、これをここで今やりとりする時間ありません。一つに問題がありますけれども、ぜひ前向きに、短縮のためにどこをどういうふうにすればいいか、これはたまたま私は二つ、三つのところを挙げましたが、そのほかにも短縮できるところがあると思いますから。でないと、やっぱり大臣も言われたように、せめて一年以内にならないと、もう一年以上もかかると。これは平均でこれだけかかっているわけですから、まだ長短あると思います。

 その御努力について大臣のお考えを聞かせてください。

○国務大臣(前田勲男君) 具体的に大変ありがたい御指摘、問題点を御指摘いただきまして大変感謝申し上げます。

 御指摘につきまして、具体的によく詰めまして、早期処理できるような方途をできる限りとっていきたいと思っております。

○安恒良一君 時間がもうありませんから私の方から言って、大臣の考えをこれ聞かせてもらいたいんですが、毎日新聞の三月十三日から十六日まで連日のようなキャンペーンが続いています。これは入管行政のあり方についての問題、それからほかの新聞もこれ取り上げていますが、これは大臣も衆議院でいろいろ答えられています。すなわち、外国人芸能人招へい業者協会、国際アーティスト友好ホテル協会の特別扱いの問題です。

 私は何点か指摘をして大臣の御見解聞きたいんですが、第一点は、いわゆるブラックリストという問題が問題になっておりまして、ここの職員が東京入管局に行って、週に二回程度コンピューターの未端機を操作して対象外人の過去の強制退去歴などを調べている。これは明らかに問題だと思う。というのは、少なくともこれは本来、部外秘なものですから、ブラックリストを入管局以外の人間が見るというのは、公務員の守秘義務に私は問題があると思いますが、この点はどうですか。これは大臣もいろいろ言っておられる。

 それから第二番目には、いわゆるこの団体に昨年の六月から九月ごろまで二人ぐらいの職員が派遣されて、要請を受けて行っていろいろ業務上の指導をしています。これも私は特定団体に便宜供与になるんじゃないかと思う。

 それから三つ目は、入国申請についての手続は法務省が認めた公益法人、財団、社団、これが代行事務ができるようになっていますが、この団体はまだその手続が済んでいません。済んでいません。それがいろんな便宜供与を受けるということは、私はやっぱり、いろいろ指摘をされているように、法務省入管局とこの団体との間の癒着という問題が問題になってくる。

 もちろん、この団体の皆さんはかなり法務省のOBの方が多いというふうに書いてあります。そして、これはうそか本当か知りませんが、おれたちはOBだから、信用されているからこれぐらいの便宜が与えられてもしかるべきじゃないかなどという、これは新聞報道ですから、いろいろ書かれています。

 少なくとも今申し上げた三点については明らかに私は入管行政としては誤りだと思うし、そういう点について大臣の考え、これからどうしようとされるのか。衆議院では、調査をして厳正に処分する者はしなきゃならぬと、こう言われていますが、その後も御承知のようにもう連日のように
キャンペーンが続いていますから、私は入管行政に対する国民の不信を募らせることになると思うんです。その点、大臣のお考えをお聞かせください。

○国務大臣(前田勲男君) 入管行政の御指摘でございますが、過去も入管行政について当委員会でもいろいろ御指摘を受け、御審査を受けて、その上にまたきょうこうした御指摘を受けますこと、大変残念にまた申しわけなく思っておるわけでございます。

 まず、ブラックリストの検索云々の問題でございますが、具体的には、現在、省内におきまして調査をいたしておるところでございますが、私としては入管当局にこうした行き過ぎの事実が既にあったと、かように理解をしております。なお調査を続けておるわけでございますが、理解をいたしております。

 そこで、先生御指摘のとおり、民間団体がまさに、この中身については具体的には、外国人の方のプライバシーということになってくるわけでございますが、パソコンを操作してこうしたものが守られる危機をもたらしていたということが判明しております。そうしたことで、直ちにこうした取り扱いを改めるべく指示したところでございます。なおまた、調査の結果を見てその後の対応をしてまいりたいと思っております。

 それから、まさに公益法人でない一民間団体に特別な派遣をしておったという、これも現在調査中でございますが、新聞にもございますことも踏まえ、事実関係をなお調査をいたして確認をしたいと思っておりますが、御指摘のこの団体はまさに一民間団体でございまして、何ら法的には特別の地位、権限を持っておるわけではございません。かかる誤解、まさに国民に疑惑を与えるようなことは、法務省といたしましてもいささかもあってはならないということでございまして、傘く他の団体等と同一に取り扱うという所存で指示をいたしたところでございます。

 なお、今日までのこれらの調査の結果を踏まえて処分等も考えなければならないこともあり得ると、こう考えております。

○安恒良一君 結局、もう私は、事例は物事簡単ですから、早く調査してきちっと入管行政への不信を払拭するように要望しておきます。

 それから、いま一つ、この団体に入国で許可した以外の、資格外の活動をどうも特例で扱うんじゃないかと、これも新聞報道、そういうことまで報道されていますから、大臣、これは急いでやっぱりきちっとしないと不信もますます増大します。もう時間ありませんから、またこの次の法務委員会でその後どうなったかと聞きますから。

 以上です。

○委員長(中西珠子君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。

 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(中西珠子君) 次に、更生保護事業法案及び更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して議題とし、前面に引き続き、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

○紀平悌子君 更生保護事業法案それから更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律の整備等に関する法律案について質問申し上げます。

 今回の更生保護事業法の一部改正案につきまして、その当事者というか関係背の各地域、各地の保護会の実際の経営実態というのはかなり苦しい状況にあるというふうに私は伺っております。

 資料をちょうだいいたしましたけれども、ここに立派な、これもその会の一つでございましょうか驚いたんですけれども、こんな立派なものばかりなら申し上げることも何もないんですけれども、前回の緊急改正の際もちょっと申し上げましたけれども、居室の窓枠の壊れていること、それから給水設備がこれも壊れて水が濁っていること、それから居室自体の四畳半に大の男性がお二人というような状況とかいろいろ、また私の知っております範囲では職員の宿舎もひどいものでございまして、二十四時間勤務も必要だし、これらの改善が非常に急務だというふうに思っております。

 本法案は、こういうことに対して全体を国が責任を持ち、また地方公共団体もということでございますので、もちろん賛成の立場からではございますけれども、この現実の状況というものが急を要するというか助けることに急を要するということについてお訴えをしたいなというふうに思うわけです。特に身寄りのない方、それから元暴力団員だった方など、頻回者というかたびたびお入りになる方、こういう方などの処遇困難な方々については委託日数の延長とか、それから委託費の増額が求められているんじゃないかと思います。その点の改善の余地について法務省の御意見をお伺いしたいんですけれども。

○政府委員(本間達三君) お答えいたします。

 委員には御地元でございます熊本の自営会という更生保護会がございまして、大変施設の状況につきまして御心配いただき、地方公共団体へいろいろな面で助成方をお願いしていただいているというふうなことも私、報告をちょうだいいたしておりますが、大変感謝いたしております。ありがとうございます。

 更生保護会の施設の状況につきましては、大変多くの施設で老朽化が進んでおりまして、平成六年の四月現在におきましても全国で六十八の施設が整備を要するというような状況でございます。また、今御指摘いただきましたとおり、いろいろな給水設備とかあるいは職員の宿舎が不十分であるとかあるいは集会室が必ずしも備わっていないとかいろいろな面で不備な点もございます。

 更生保護会の資金状況、決して楽ではございませんので、そういった点から施設の改善がおくれているというのが現状ではございますが、御案内のとおり、昨年の更生緊急保護法の一部改正によりまして予算面におきましても施設整備補助金として新しい項目が新設され、これによりまして施設の改善が一層進展するというふうに考えているところでございます。

 平成六年度におきましては、この予算をもちまして四施設について現在整備が進められているということでございまして、明年度以降におきましてもこの予算の増額措置を得てさらに施設の整備に努めてまいりたいと考えております。

 それから、大修繕とまではいきませんものにつきましては、自己資金でやっていただく、あるいは足らざるところを地方の共同募金会からの寄附、あるいは連絡助成保護会からの補助、そういう資金を合わせましてこの修繕等を行っているというのが現状でございます。

 それからもう一点、更生保護会には非常に高齢者がいるとかあるいは就労上障害がある疾病者という、処遇上非常に特別の配慮をしなければならないというような方々が数多くなっております。そういう困難な処遇を伴う方々の委託期間の伸長を図るということも必要な措置でございますし、また委託費の増額をすることも必要なことと考えておりまして、この点につきましても従来からその充実に努めてまいったところでございます。

 なお、七年度予算におきましては、高齢、病弱者等の割合が増加しつつあるという状況にかんがみまして、食事つき宿泊の日数増、結局これは委託費用の増額につながるわけでございますが、この点につきまして予算措置をお願いしているところでございます。

○紀平悌子君 いろいろと御配慮はいただいておりまして、既に次の私の質問の方にも入ってい
らっしゃいますけれども、更生保護事業の進捗、発展につきましては、やはり国の補助率の引き上げですね、これが欲しいなというふうに思うわけです。そして地方公共団体の協力、県とか市のですね、やはりそのバックアップが現在でも非常に必要なわけです。この辺が積極的でないという部分も部分的にはある。私の知っているところでは、県の方はよく考えておられるけれども、ちょっと市の方がまだ少しというふうな状況にございます。

 社会福祉法人との制度の均衡ということもありましょうけれども、処遇困難な各施設入所者の更生改善というものは、非常に教育刑というものを趣旨としている現行の保護行政の望むところでございますし、補助率の引き上げというのは非常に現実的に大事なことじゃないかと思います。

 補助率の引き上げということまでは、現場の方々はその声はどこまで上げてらっしゃるか知りませんけれども、私にいただいた書面というか現場の方たちのお声としては、もう自分たちは経済的に行き詰まってしまっていると。善意の寄附に頼るということではもうやっていけないという悲鳴に近いお言葉を聞いております。本当に献身的におやりになっているのに、何か寄附をお願いすることが非常に何というんでしょうかしにくいというかそういう状況もあるようでございます。

 ですから、今回の改正によりましてこの問題の底上げというものは十分できてくるんじゃないかと思いますけれども、現実にやはり補助率の引き上げというふうな根本的な問題を頑張っていただきたいなというふうに思うんですが、近い将来のお見込み、そんなことができますでしょうか、当局にお伺いいたします。

○政府委員(本間達三君) 御指摘の補助金の補助率の引き上げの点でございますが、現在二分の一補助ということになっているわけでございます。

 この点につきましては、私どもとしても補助率を引き上げていただければと思っておるところでございますけれども、国の同種の他の補助金の補助率との均衡ということを考慮いたしますと、なかなか見込みとしては困難な状況にあると言わざるを得ないというふうに考えております。

 法務省といたしましては、老朽施設の円滑、迅速な改善につきまして、関係部局の御理解を得ながら一層努力を続ける所存でございます。

 また、委員ただいま御指摘いただきましたように、地方公共団体等からの助成につきましては、昨日、下稲葉委員からも厳しく御指摘をいただきましたとおり、法務省の職員がやはり率先して地方公共団体等に対して積極的な働きかけを行うということが極めて重要なことであるということでございます。

 したがいまして、今後私どもといたしましては、保護観察所等を督励いたしまして、この点について積極的な働きをするようにというふうに指導をしてまいりたいと思っております。

○紀平悌子君 施設の方でも、こんなふうな意味のことを考えておられます。一日も早く立派な環境を提供して、安心していわゆる収容された方たちが社会に出られるように願うのは、保護事業にかかわっている者の偽らざる心境でありますと。そして、やはり自己資金の確保というのが最大の難関だということで、そして更生保護事業法は、国の責務それから地方公共団体の協力ということがぜひ必要と考えておりました自分たちとしては本当に歓迎をすると。もうそこに一般市民の寄附を当てにしていては前進はありません、こういうふうに書かれているんです。そして、国から補助金を受ける際も、まず自己資金を必ず問われますということなんです。そこのところがネックなんです。

 ですから、はっきり言って、あちらへ気を使いこっちへ気を使いしながら、県や市にも気を使い、そして周囲の住民にも、そういう施設が近くに建つとどうのこうの、いろいろな白い目というか、そういう目にも耐えながらやっていらっしゃるわけですので、ぜひともこの問題は早期に解決していただきたいと、いろいろなバランスもありましょうけれどもお願いをいたしたいと思います。

 時間もなるべく早くと思いますので、法務大臣にちょっと考え方というか、それについてお伺いしたいんです。

 率直に申しまして、行刑の一環である更生保護事業の運営というものが、経営者が自己資金について問われるというのは、私の常識というかあるいは感情と申しますか、ちょっと不思議な気がするんです。大体、保護会は営利企業じゃないわけなんで、これはその経営者であるところのいわば奇特な善意の方によって始められているということでございまして、決してそれによって得のいく仕事、いわゆるメリットのある仕事ではないわけです。そして、そこに勤めていらっしゃる方も、昨日も御質問が同僚議員からございましたけれども、高齢化という現象になって若い方がなかなかこういったつらい仕事においでにならないんです。

 そういった中で、献身的にお仕事とはいいながら努力をされている方、またそれをバックアップしている顧問その他の方々、これは国が本来なすべき犯罪者の更生ということで考えますと、行刑先進国の日本としてはちょっと、もう戦後五十年ということでございますので、少し寒い感じがするわけでございます。

 更生事業がはかどれば、そういった意味でのステータスも上がって社会がよりよい社会となっていくというふうに思うんですが、国の資金をもう少し余分に出す必要ということにつきまして、先ほどからなかなか難しいけれどもそういうように考えているという法務当局のお返事がございましたけれども、法務大臣はどんな印象と決意をお持ちになりますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 更生保護事業が特に篤志家の善意で、また長年の歴史を持ちながら今日まで続いてきて、犯罪をした人の改善更生に大変大きな貢献をなされてきたわけでございます。

 その中で、国の財政的支援を考えたときに、寒い思いがすると先生の言葉をおかりするとおっしゃいましたが、ある面では篤志家の御奉仕に非常に温かい面をまた逆に感じておる、感謝をしておる立場にもあるわけでございます。こうした歴史の中で、特に温かい面ということを考えますと、やはりいわば国の刑罰の拘束を解かれた人を緊急保護でも今日までお世話をいただいたわけでございまして、その中には、特に国ではなかなか難しい社会復帰に対しての精神的な支え、特に温かい家庭的な雰囲気とか、こうしたものを非常に私どももありがたく、その御奉仕に感謝をしてお世話になってきたわけでございまして、こうした温かいものも残していくこともこれは大事でございます。

 いずれにいたしましても、今日の置かれた経済状況は極めて厳しく、施設も老朽化し、また職員の御苦労あるいは所得についても極めて不十分でおこたえしてない、かように思いをしておるところでございまして、先生御指摘のとおり、今日の現況をかんがみたときに、私どもは財政的な努力というものを最大限これからもしていかなければなりませんが、先ほどの補助率二分の一等々の問題につきましては、これはいろいろ横並びの問題やら財政上の問題もあって、私どももこうした問題がある中で何とかいい方法で持っていけるようにこれからも努力を続けてまいりたいと思っております。

○紀平悌子君 ありがとうございました。終わります。

○三石久江君 三石です。

 提案されております二法案は、現在民法上の公益法人である更生保護会を、新たに制定される更生保護事業法に基づく更生保護法人とすることによって、社会福祉法人並みに税制の優遇をしようとするもので、基本的に賛成です。

 そこで私は、この法案の内容というよりは、犯
罪に陥った人々に対する更生保護措置の実態について若干質問したいと思います。

 現在、犯罪を犯し刑を受けておりますが仮出所した者、執行猶予者、または少年法による保護観察処分を受けた者などは保護観察に付されることになっておりますが、保護観察はどのようになされているのか実態を御説明いただきたいのです。

○政府委員(本間達三君) 保護観察は、ただいま委員御指摘になりましたとおり、いろいろなルートでこの処分を受けることに相なるわけでございます。いずれにいたしましても、保護観察の中身といたしましては、保護観察対象者に対する指導監督、補導援護という二つの柱によって対象者を改善更生させるという処分でございます。

 これ、実際にこの仕事を担当しておりますのが保護観察官でございますが、一人当たりの保護観察官が持つ担当件数というのは非常に多うございまして、これを補助していただいているのが保護司さんでございます。

 保護司さんは、保護司法に基づきまして、法務大臣の委嘱を受けて地域社会で保護観察対象者に対する改善更生、それから犯罪予防活動というものを行っていただいているということでございまして、はっきり申し上げれば、保護観察処分に当たってその対象者と直接接し指導するという場面は、多くが保護司さんが行っているというのが現状でございます。

○三石久江君 そこで、保護観察は全国五十の保護観察所で八百数十人の保護観察官と約五万人の保護司によって行われておるということですね。保護観察は犯罪者の更生という非常に重要な職務であります。地味で大変困難を伴う職務でもあり、特に保護司は報酬のない民間ボランティアであり、常日ごろの活動に対して敬意を表するものです。しかし、保護観察の機能と保護司の実態との間には、私の経験から見ると問題がないとは言えない点もあります。

 そこで、保護司について伺いたいのですが、現在、保護司の平均年齢、職業、男女比などはどうなっているのかお伺いいたします。

○政府委員(本間達三君) 年齢の点でございますけれども、近年非常に保護司さんの高齢化現象が進んでおりまして、本年の一月一日現在での平均年齢は六十二・四歳でございます。また、女性の保護司さんは割合が逐年上昇傾向を示しておりまして、現在二一・九%となっております。また、どのような職業の方が多いかと申しますと、多い順に申し上げますと、農林漁業に従事されている方が一番多うございまして、次に主婦の方、それから宗教に従事されるいわゆる宗教家の方、こういった方々がベストスリーということになります。

○三石久江君 次に、大変残念なことですが、我が国の実態は一度犯罪を犯した者に対しては社会の目は大変厳しい。その中で、更生じようと努力する人に対してはそれこそ物心両面で親身になって相談に乗り、支えるという善意と熱意のある人の助力がどうしても必要なんですね。

 私も随分以前になりますが、女性八人のチームをつくって非行少年少女の更生に取り組んだ、そしてカウンセリングをしたという経験がございます。特に少年などに対しては、ともすればお説教になったり、一段高いところから訓示的なことを述べたりして逆に反発を招いたりして、極端な場合には逆効果にすらなっていることもあるんです。これは個々の保護司の問題かもしれませんが、基本的には保護司が概して高齢化しており、この厳しい時代の変化や意識の変化に的確に対処し得なくなっているのではないかと思うこともしばしばあります。また、保護司との間に年齢が開き過ぎてお互いの意思の疎通がうまくいかないという構造的な問題もありはしないかと危惧するんです。もしそうだとすると、保護観察、更生保護は十分機能しないことになりますが、こうした点について法務省はどうとらえているのか、また対処しているのか伺いたいと思います。

 また、保護司は大変重要な職務を有しておりますが、ボランティアであって、その職務にふさわしい人をどう確保するのかが重要な問題であると思うのです。ボランティアであることから、どうしても仕事が忙しい人はまず無理であり、勢い、一応社会の第一線から退いた人で、社会の信望を集めている人、例えば町内会会長とか、学校の校長経験者などにお願いしがちであると思います。それがさらに進んで、いわば名誉職として考えられるということはないと思いますけれども、保護司を新たに選任する場合、どのような基準でされているか、お伺いしたいと思います。

○政府委員(本間達三君) 委員から御指摘いただきました、保護司の高齢化に伴う問題点でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、一般に高齢化が進んでおりまして、これに伴う問題点というのも今委員御指摘のような点がございます。

 一概にお年寄りが不適任とはもちろん言えないわけでございますが、保護観察事件の中には非常に複雑困難なものもございますし、それからそのために非常に高い活動力を要求されるということもございます。それから保護観察事件の三分の二以上が少年事件でございます。こういう点からしますと、意識のずれという問題もありまして、やはり問題があるという認識は私どもも十分持っているところでございます。

 そこで、保護司の一般的な委嘱するための条件として法律に書いてございますが、人格、行動について社会的信望を有する、それから職務の遂行に熱意及び時間的余裕を有する、それから生活が安定していること、それから健康で活動力を有すること、こういう要作が定められておりますために、時間的余裕という観点からいきますと、委員御指摘のような点でまさに働き盛りの若い方々というものが保護司にはなかなかやっていただけないというかやりにくい現況というのは確かにあるわけでございます。

 その点は現地保護観察所が中心になりまして、できるだけ若い方々を保護司にということで地元保護司会の方々等にもお願いし、若い方の発掘、そして推薦ということをお願いして努力をいたしているところでございます。また、保護司会ごとに自律的に年齢制限を設けまして、再任のときは一定年齢以上は再任しないとかいう努力もいたしているところでございます。

 いずれにしましても、保護司の若返りということについては、私どももこれから保護司団体の方々とも十分協議を重ね、努力をしてまいりたいと思っております。

○三石久江君 大変努力をしていらっしゃるということはわかります。

 ただ、私が先ほど申し上げました八人の女性のチームということでカウンセラーをしたわけですけれども、そのときに、やはり少年たちというのが、おじいさんに説教されるんだよなと言われるんですね。無理強いするんだよな、だけど黙って聞いていないと後が怖いから黙って聞いて帰るんだ、こうおっしゃられるんですね。それを聞いたときに、ぞっと私はしたわけです。

 その八人の女性というのは、どうして八人、九人という女性なのかといいますと、一人で決めるということではなくて、こういう問題を持ち出された、こういう問題が出てきたというときに、その八人が私たちは集まって、こういうときにはどういうふうに指導したらいいのか、こういうときにはどういうふうにして知らせてあげた方がいいのかということを、女性だけでしたけれども、女性の年齢は私から含めて六十代から四十代までの女性が集まって相談をして、その青少年というんですか、健全育成のためにやってきたわけです。それによって私どもが更生をさせた少年というのが随分、二、三十人はあるんですね。その方たちが今もう結婚をして子供を産んで、そして割に一生懸命働いているということがあるんです。

 ですから、保護司の人一人ということではなく、今、医学の方でもチームを組んで手術なんかしていますね。そういうことがとてもいい傾向ではないかなと思うんです。そういうチームを組ん
で少年少女というものを指導してほしいというふうに私の願いなんですけれども、そういう方法もあるということを今申し述べまして、今回の法改正は、既存の更生保護会の事業を充実させようとするのがねらいだとすれば、更生保護会に人材を集めあるいは必要な人材を配置してそのノウハウを活用し、職務として保護観察の一翼を担ってもらうということを考えていいのではないかと思いますがいかがでしょうか大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 先生御指摘のとおり、今日、保護司のお世話になる方あるいはお世話になるに至る社会的な複雑な状況下、あるいは家庭的な複雑な状況下、今日の世相をまさに反映しておりまして、極めてその更生保護ということも専門的な知識、加えて温かい精神的な支えが要るものでございまして、先生御指摘のとおり、保護司一人で対応するというだけではなくて、私どももそういったケースに対しての保護司さんの研修等々もいろいろやっておりますけれども、御指摘いただきました点を踏まえて、今後なお充実した保護行政ができるように努めてまいりたいと思います。

○三石久江君 ありがとうございました。終わります。

○委員長(中西珠子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十二分開会
○委員長(中西珠子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。

 休憩前に引き続き、更生保護事業法案及び更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

○安恒良一君 私は、今提案をされました更生保護事業法並びに同法の施行及びこれに関係する法律案には基本的には賛成であります。

 ただ、総体的にちょっと批評したら失礼ですが、やや仏つくって魂入れずという感じがするわけであります。それは、今回はいわゆる社会福祉法人並みに法人格もとり、税制上の優遇措置が一部を除いて同じになる等々、中身の前進がございます。しかしながら、私がもう質問をするまでもなく、下稲葉委員初め各同僚議員から指摘をされたところの問題点を総称して言うなら、非常に仏つくって魂入れずということになるんじゃないか。

 それはどういうことかというと、もう最後ですから、やや落ち穂拾い的に確認をしながら少し問題点を提起したいと思いますが、この事業法の三条の第一項に、国が講ずる措置の具体的内容について、それから同じくこの事業法の三条の二項に定められる、いわゆる今までと違って地方公共団体に求められるあるいは義務づけられている具体的内容がここで諸委員からみんな議論されたところです。

 そこで、国が講ずる措置とは何だということについて、私は事務当局との間で詰めてみましたし、ここのやりとりを聞いてみますと、いわゆる一番大きい問題は、その施設整備や事業運営に対する予算措置、ここのところにうんと力を入れていこう、こういうことだと思います。そのほかに、更生保護事業者の経営担当者やその従業員に対する各種の研究とか研究会、その他国民に理解を得るための広報活動等々をさせているというふうに事務当局から資料をいただきました。

 そこで一番問題になるのは、更生保護委託費ですね。それから、更生保護施設整備費の問題だと思います。この更生保護施設整備費は、去年の法律改正でやっと国が二分の一を持つことになりました。しかし、その二分の一も、当協会が別に二分の一用意しないとできないということの不十分さをここで皆さんから指摘をされて、それは逆さまじゃないかという議論があって、それらの今後の前進については大臣がいろいろお約束をされたところであります。

 そこで、私はその中で一番問題になっているこの更生保護委託費のところを、既にもう同僚議員からたくさん議論が出ていますが、中身について時間の許す範囲内で考え方を明らかにしながら大臣の所見をお聞きをし、また努力をしてもらいたいと思うんです。

 なぜ私が仏つくって魂入れずと言ったかといいますと、今年度予算、今七年度予算を審議して来週にはこれが上がるんですが、その中の内訳を見ますと、これだけの法律をし、今度は大きな前進があるんだ、また保護協会の皆さんが期待をしているほど中身が前進しているかというと、予算の組み立ては全然変わっていないんです、単価の出し方は。

 例えば一つの例を挙げますと、食事つき宿泊委託の中身を見ますと、人件費は二千百三円、ことしは二千百九十四円なんですね。それから物件費は二百九十二円、端数はありますけれども、ことしはそれが三百四十三円。補導費は全く同じ、百三十九円。それからいわゆる宿泊費は千八百六十二円が千八百九十円と。皆さん方の予算要求はそうなっておりまして、計算の基礎、やり方も、これだけの画期的な法律をおれたちは出したんだと言われながら、肝心のいわゆる更生保護委託費の中身は今までの発想と全く同じ発想で積算をされて、要求をされているわけです。ですから、ことしのことは今言って予算修正というわけにもいきませんから、しかし来年のことを考えて、ここは少し議論を私はしなきゃならぬと思うんです。

 特に、私は大臣に認識をはっきりしてもらいたいと思うのは、皆さんが言われたように、この人件費について専従者が五百何十人がおられると。それはいわゆる主幹であり、補導主任であり、補導員である。そのほかに賄い、これはまたほかに何百人かいる。合計で約八百人ぐらいの専従者がおられるんでありますが、その方々の給料がどういう仕組みになっているかというと、施設に人所した人の人員によって決められるわけですね。

 そうしますと、私は資料をいただきましたが、昭和五十六年から平成四年までの入所率は五〇から六〇の問をずうっといっているわけですね。そうしますと、給料は常に四割引きになっているわけでありますのでは、その給料の穴を何で埋めているかと聞きますと、篤志家の寄附金で穴を埋める。さらに、OBの方で年金プラス給料で埋めていると。これでは、私はこの重要な仕事をしている人の処遇としてはまことにお粗末だと思うんです。

 その結果、これ数字をいただきましたが、まず、主幹は国家公務員に準ずるということで五級の二号俸、五級の三号俸です。給料は二十三万五千円、二十四万三千円となっています。それから、補導主任は四級の二号で二十二力七千四百円、補導員は三級の五号で二十万四千七音円、これは国家公務員の場合であります。これにいろいろな諸手当がつきますから、大体これの三割プラスなんです。

 ところが、支払い実績でこれらを今度は見ますと、今、言ったようなことで約四割ぐらい減りますから、例えば私がいただいた平成五年度の主幹の給料は二十三万三千四百三十二円であります、補導主任は十九万八千四百四十七円、補導員は十六万六千二百五十六円であります。ですから、これは本俸だけの比較であります。そうすると五万円も、数万円も低いんであります。しかも、やっておられる仕事は大変な仕事であって、ですからこういうことをしていると、若い人がもしも入ってきても、数年たったらやめていきますよ。老齢化が心配だと言われながら、いわゆる自分の給料というのが入所人員によって月々左右されていくなんて、こんなばかげた給与体系はないんですよ。ですから、私はせめて今度法改正のときにそこだけは直して提案をされるだろうと思って期待していましたが、全然直ってないんです。

 ですから私は、あえてこれは仏つくって魂を入れずということを言っていまして、どうしてもこ
こだけは私は直さなきゃいかぬと。社会福祉法人並みとか公益法人にしたということで看板はきれいになったんですが、そこで働いている人の人件費が収容人員によって月々左右されて、一番うんと一〇〇%入ったときでも国家公務員並みなんですから。そして、あとはいわゆる篤志家の寄附によって人件費が賄われるとか、もしくは年金プラス給与でOBを使っているというやり方で、本当にここに書いてあるような更生保護事業ができるんでしょうか。できるはずはないんですよ。

 ですから、少なくとも大臣、私はここだけはやはり、ことしはもう無理です、しかし来年度には必ずやっぱり直すということがないといけません。なぜ私が大臣に強調するかというと、もう事務当局とはうんと詰めていますから、私は意地悪で答弁させぬわけじゃないんですよ。毎日のように部屋に来てもらって局長以下課長とみんな詰めているんですが、いや、そうは先生言われましても大蔵との予算折衝でと、えらい法務省は大蔵を怖がるんですね。国民の前には法務省といって威張っておって、ところが大蔵になるともう全然これだめなんですよね。それじゃ私はやっぱりいけない。

 それは、我が国の生産には直接寄与してないと、法務省は、ほかの省庁に比べて、農水省とか通産省とか。しかし、そんなことに遠慮することないんですよ。大臣がおっしゃったように、我が国の治安、法の維持、国民の生活の安全を守っているのが法務省なんですから、私は胸を張って大蔵省と折衝をされていいと思うんです。しかも、このことは私だけ言ったわけではない、ここにおられる先生全部が言われたことですから。ただ私は数字的に、落ち穂拾い的に整理して言っているだけの話、整理して言っている。

 ですから、この点については、どうお考えになるかということと同時に、来年どう是正をするのかということについて、まず大臣のお考えをお聞かせください。

○国務大臣(前田勲男君) ただいま先生から、具体的な委託費あるいは人件費等々につきまして御指摘がございました。例えば、食事つき宿泊委託につきましても、まさに人件費は六年度から七年度の伸びを見ますとわずか百円玉一つでございますし、物件費に至っては五十円、食事つき宿泊費等々三十円というような数字もございます。というような極めて低い伸び率を御指摘でございます。

 これはまあ私も、今回こうして更生保護法人化した、まさに公益法人としたきっかけに、こうした処遇あるいは委託費というものを大幅に財政当局と折衝して、これからその充実拡充を図っていかなければならない、そんな気持ちを強く持っております。歴史的に考えて振り返りますと、やはり民間篤志家の御奉仕のスタートの歴史があるというところにまあ原因の一つもあったのかなと。

 ただ、それは今日のこのまさに公益法人化した今日の情勢において篤志家の御好意にすがるということは、国の責務云々等についても決して適正なことではないと、かように考える次第でございまして、まず財政当局とのこの予算の拡充については私も法務大臣として最大限努力をしてまいりたいと思っております。

 また委託費の算定の基準と即しますか、いわば収容人員の率と申しますか、これは私はまあ出来高払いとか何か適当な方法でつけて呼んだりしておりますが、これは経営基盤が脆弱だということは昨日も何回も申し上げた中で、やはり経常基盤をしっかりするためにはこうした委託費のいわば出来高率の査定というのは、極めて経営の方針に対しても心もとない。経営基盤の脆弱なある意味では一つの大きな原因であろうと考えるところでございます。

 御指摘の点を踏まえ、特に法務省の事務ベースで、大蔵折衝の気持ちはみんな十二分に心に秘めておりますが、その結果についてはどうも現場としてはお約束を先生にするには余りにもまだ時期も手前でございますし、これからのことであろうからできなかったと思っておりますけれども、私が先頭に立ってこの予算、経営面の支援ということに全力を注いでまいる決意で取り組んでまいります。

 御支援をいただいております先生方に対しましても、心から重ねてお願いを申し上げながら、私の決意だけをまず申し上げる次第でございます。

○安恒良一君 大臣の決意はわかりましたが、ただ盛んに使われる言葉で、もともと民間の善意から出たと、こういう言葉を使われますけれども、それは歴史的であって、現実にはこのような法律を出して、国の責務と書いてあるわけです。更生保護事業というのは国の責務ということですから、その限りにおいては、そこのところをどうももともと民間の善意からということになると、ちょっと一歩下がったことになりますから、それはぜひないようにしてもらいたい。

 それから、私、事務当局の答弁聞いて詰めたけれども、結局いろんな皆さんが、意見言うと、先生の趣旨を体しましてよく勉強して、積算のやり方なども勉強します程度で、一歩出切らないんですよ。ところが、少なくとも私はここだけは直さなきゃいかないと思うのは、例えば委託事務費の中の物件費がある程度収容人員によって変わってくる、これはあり得るんです、物件費ですから。しかし、人件費が六〇%しか収容されなかったら四〇%下がるというところだけは、私はその積算のやり方はやっぱり変えなきゃいかぬと思うんですよ。ところが、なかなか局長以下関係者と詰めても、そう書われましてもちょっと大蔵、というような及び腰がありますから。

 私は、この点は少なくとも大蔵と話をされても胸を張って、言えることだと思うんですね。今言った、専従の方の人件費が収容人員によって月々左右されるということ、いわゆるこのところはやはり固定的に、少なくともこれ準公務員的な立場ですね。だから、私は口が思いからこう言ったんですよ。私の部屋へ来た人に、あなたたちの給料、そういうことになったらどうするのと言ったんだよ。法務省の皆さんの給料が月々変動していく、そういうことをあなたたちは絶対認めないでしょう、何でここだけ認めるんですかと、私は口が悪いから言ったんですけれども。

 大臣決意を述べられましたが、ぜひこれは来年度に向けてこの実現に、もちろん各議員もこれは応援をしなきゃならぬことですけれども、ぜひやっていただきたいということを申し上げます。

 それから次に、もう時間ありませんから、地方の措置については、答弁がされて具体的にずっと中身が明らかになりました。地方にやってもらうことを今度新しく、今までもやっておられましたが、やってもらうことが。

 そこでやっぱり一つだけ、これももう同僚議員が指摘をしましたが、地方税法に係る積み残しが一つございますね。これも大分皆さん自治省と折衝したらしいけれども、ことしは自治省からだめと、こう言われちゃって積み残しをされたようでありますが、私はこの点も、横並びということになりますと、社会福祉法人、学校法人その他と、こう見ますと、この積み残しは今度はやむを得ませんけれども、これは法律じゃありませんから、政令で変えられることですから、これも大臣、うんと力を入れて、自治省に横並びですから、これはぜひ実現に努力していただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。

 大臣、そこだけ答弁してください。

○国務大臣(前田勲男君) ただいまの自治省に関する租税の優遇措置につきましては、御指摘のとおり格差が残っておりまして、来年度の税制改正に向けて不均衡の解消を図るべく努力を続けてまいりたいと思います。

○安恒良一君 終わります。

○委員長(中西珠子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。

 これより討論に入ります。

 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。―別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。

 まず、更生保護事業法案の採決を行います。

 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 荒木清覧若から発育を求められておりますので、これを許します。荒木君。

○荒木清寛君 私は、ただいま可決されました更生保護事業法案及び更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新党・護憲リベラル・市民連合の各会派並びに各派に属しない議員、紀平悌手君、三石久江君及び安恒良一君の共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    更生保護事業法案及び更生保護事業法の
    施行及びこれに伴う関係法律の整備等に
    関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の諸点につき格段の努力をすべきである。
一 更生保護会の組織変更が円滑に推進されるよう適切な指導・助言を行うとともに、更生
 保護法人の健全な育成、発展を図るため、税制上の問題については、社会福祉法人等地の特別法に基づく公益法人の取り扱いを考慮し、均衡を失することのないよう配意すること。二 更生保護に係る法体系については、更生保護基本法制定の必要性も含めて検討し、社会、経済情勢の変化に対応し得るよう一層の整備に努めること。三 更生保護事業は、国が行う保護観察その他の更生の措置を円滑に実施する上で重要な機能を果たしていることにかんがみ、その中核的存在である更生保護会への更生保護委託費及び更生保護施設整備費の在り方について検討を加え、経営基盤の強化に努めること。
 右決議する。

 以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

○委員長(中西珠子君) ただいま荒木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、荒木惹提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、前田法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前田法務大臣。
○国務大臣(前田勲男君) 更生保護事業法案並びに更生保護事業法の施行及びこれに伴う関係法律の整備等に関する法律案につきましては、委員の皆様方には御熱心に御審議をいただき、御可決いただきましたことに対し、心から御礼申し上げます。
 ただいまいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に踏まえまして、今後とも努力を重ねてまいりたいと存じます。

○委員長(中西珠子君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(中西珠子君) 次に、阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案及び被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案を便宜一括して議題といたします。

 まず、政府から両案について順次趣旨説明を聴取いたします。前旧法務大臣。

○国務大臣(前田勲男君) 阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、阪神・淡路大震災による被害の状況にかんがみ、被災した会社その他の法人等の存立に資するため、当該被害により債務超過となった法人の破産宣告に関する特例を設け、また、当該震災が発生した日に大阪府及び兵庫県の区域内に登記された本店が所在していた株式会社及び有限会社の最低資本金の制限に関する経過措置の特例を設けようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。

 まず、法人の破産宣告に関する特例につきましては、阪神・淡路大震災による被害により債務超過となった法人に対しては、その法人が、清算中である場合、支払い不能である場合または破産の申し立てをした場合を除き、平成九年一月十六日までの間、破産の宣告をすることができないこととするとともに、法人の理事等については、破産の申し立てをする義務を負わないこととしております。

 次に、日取低資本金の制限に関する経過措置の特例につきましては、平成二年の商法等の改正により、株式会社につき一千万円、有限会社につき三百万円の最低資本金制度が設けられたことに伴い、改正法施行前から存在する会社について設けられた増資または組織変更のための平成八年三月三十一日までの五年間の猶予期間は、阪神・淡路大震災が発生した日に大阪府及び兵庫県の区域内に登記された本店が所在していた株式会社及び有限会社について一年間延長することとしております。

 以上がこの法律案の趣旨であります。

 次に、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、阪神・淡路大震災による区分所有建物の被害の状況等にかんがみ、災害後の区分所有建物の再建等を容易にし、もって被災地の健全な復興に資するため、大規模な火災、震災その他の災害によって区分所有建物の全部が滅失した場合に、その敷地の共有者等が特別の多数による決議に基づきその敷地上に建物を再建することができることとする等の措置を講じようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。

 まず、政令で定める大規模な災害により区分所有建物の全部が滅失した場合には、その敷地の共有者等は、集会を開き、その政令の施行の日から三年以内に、共有持ち分等の価格の割合による議決権の五分の四以上の多数により、その敷地上に建物を再建する旨の決議をすることができることとした上、その決議に基づきその再建を実現することができることとするための措置を講ずることとしております。また、その決議を容易にするため、その政令の施行の日の一カ月後から三年後までの間は、その敷地の共有者等は、原則として、その敷地について分割の請求をすることができないこととしております。

 次に、その政令で定める災害により区分所有建物の大規模な一部滅失があった場合において復旧または建てかえの決議がされないときに、各区分所有者が他の区分所有者に対して建物等の買い取りを請求することができる時期について、特例を設け、これを、その政令の施行の日から一年を経過した役とすることとしております。

 以上がこの法律案の趣旨であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決く
ださいますようお願い申し上げます。

○委員長(中西珠子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○下稲葉耕吉君 若干予定より時間がおくれているようでございますので、答弁は結諭だけで結構でございますから、お答えいただきたいと思います。

 まず最初に、破産宣告の特例の問題についてでございますが、対象地域におきます過去の破産宣告の事例等がはっきりしておれば御発表いただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) 御質問の御趣旨は、宣告数というようなところかと思いますので、罹災都市借地借家臨時処理法の適用されます神戸地裁の本庁及び支部の管内で、例えば平成五年に宣告のありました事件は一千二百一件ということになっております。多い順で言いますと、本庁が五百二十七件、それから尼崎二百八十六件、以下、明石、伊丹、洲本あたりでございます。

○下稲葉耕吉君 わかりました。

 平成九年一月十六日まで二年間延長するということでございますので、数としてはそう少ない数ではないと、このように認識いたします。

 そこで、この条文の中でちょっと私、はっきりしておきたい点がございますのでお伺いいたしますが、第一条の中には「破産の宣告をすることができない。」ということで、「ただしこという例外規定が書いてあります。「その法人が、清算中である場合、支払をすることができない場合又は破産の申立てをした場合は、この限りでない。」。ですから、清算中であるとかあるいは自己破産の印し立てをしているときはこの場合でないというのはわかるんですが、「支払をすることができない場合」と、こういうふうに書いてあります。ところが、同条の三項には、「裁判所は、前項の決定に係る法人が支払をすることができなくなったときこと。「支払をすることができない場合」と「支払をすることができなくなったとき、」、これはどういうふうに違うのか、ひとつ御説明いただきたい。

○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の第一条第一項は、これは破産宣告をすることができない場合、すなわち二項の規定によって破産宣告の留保をする決定をすべき場合を規定しているわけでございますが、その留保するかどうかという判断をする際に、既にその債務者が支払いをすることができない状態になっていると認められれば留保の決定はしない。したがって、破産手続は進められて、破産宣告がされ得るということになるわけでございます。そういう意味で、破産宣告をすることができない場合には、破産宣告をすることができる場合から除外されるということでございます。

 それから、三項の規定は、これは一たん留保の決定をしました後に、一定の事情の変更があったときには申し立てまたは職権によってその留保の決定を取り消す、すなわち破産手続を進めるということを規定しているわけでございますが、留保決定をした後に法人が支払いをすることができなくなったという場合にはその留保の決定を取り消す、こういう関係になるわけでございます。

○下稲葉耕吉君 ちょっと理解できないんですが、支払いをすることができない場合には一条一項の対象になるわけですね、そうですね。ところが三項で、「支払をすることができなくなったとき、」、その辺の関連がよくわからないんですか。

○政府委員(濱崎恭生君) 一条一項は、破産宣告をすることができない場合を規定しておりまして、債務者たる法人がいわゆる債務超過になっているのみならず、これはもう既に弁済すべき状態になっている債務を全般的かつ継続的に支払うことができない状態にまで至っていれば、この破産宣告をすることができない場合に該当しないと、すなわち破産手続が進められるということでございます。したがって、支払いをすることができない状態になっていれば、この破産宣告の猶予の特例措置の適用から除外される、そういう措置を受けないという関係になるわけでございます。最初からそうなっている場合と、後から事情の変更によってそうなった場合とを区分して書いているわけでございます。

○下稲葉耕吉君 意味は最初からわかっておるんですけれども、どうもこういうふうな表現しかないのかなというような感じがしたものですからお伺いいたしました。

 それでは、商法の関係、会付の最低資本金の制限の特例について、一年間延長することによってどの程度の会社、株式会社、有限会社、影響するようなことが予想されましょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) 最低資本金制度の既存会社に対する猶予期閉というのがあと一年に迫っておりますが、これは一年前の昨年平成六年の三月に調査したところによりますと、その時点ではまだ全国的に最低資本金基準を達成しておらない会社が株式会社では四九%近く、有限会社でも四一%近くに及んでおるという実情にございました。

 今回、期限の猶予の対象としております大阪府及び兵庫県に本店が所在する株式会社と有限会社の合計はおよそ三十六万社ございますので、その推計をそのまま当てはめますと、なお十数万付に及ぶ合竹がその対象地域の会社としてまだ最低資本金を満たしておられないのではないかというふうに推測されます。したがいまして、そういう会社にとって、猶予期間が一年間延長されることによって当面はその営業活動の正常化に向けて精力を集中していただけるという効果があるのではないかと考えております。

○下稲葉耕吉君 それでは、区分所有物の特別措置法の関係について一問だけお伺いいたしたいと思いますが、条文の三条によりますと、「再建の決議等」に関しまして「再建の決議」というのがあるわけですが、区画整理ですとか都市計画がどんどん進みまして、同じ面積ではなくて、道路にとられたり公園にとられたりするというふうなことが多々出てくるだろうと思うんです。そうすると、そういうふうな場合の法律の適用は、この条文が適用されることになるわけですか、どうなんですか。

○政府委員(濱崎恭生君) 委員既に御理解いただいているとおり、この法律案は、多数に及ぶ区分所有者といいますか、土地の共有者間の権利関係の調整規定として、現行法のもとでは全員合意でなければできないところを、五分の四以上の多数決で意思形成をすることができるということにするものでございます。

 御指摘の地方公共団体等によって行われる区画整理事業あるいは市街地開発事業等は、それはそういう地域全体の復興ということを目的とするものでございまして、面々相まって被災地の復興に資するものと考えておりますが、この私どもの提案しておりますこの私人間の権利の調整の関係の規定、これはそういった土地区画整理事業等の内容によっては、それによって実質的に影響を受けてくるということはあり得るわけでございます。今御指摘のように、例えば区画整理事柴ということによって当該区分所有建物の敷地が減少したということになりますと、この場合にはその減少した敷地というものを対象として、この法律案に、定める手続に従って、その範囲内で建物を再建するという決議をするかどうか、こういう適用関係になろうとは存じます。

○下稲葉耕吉君 その場合でも五分の四でいいわけですか。

○政府委員(濱崎恭生君) その場合でもこの法律、五分の四ということで適用できるというふうに考えております。

○下稲葉耕吉君 わかりました。

 現在まで、震災関係につきまして民事調停関係を含めまして三件この委員会で審議しているわけですが、伝えられるところによりますと、登録免許税を罹災都市についてはただにするというんで
すかというふうな法案が考えられているようですが、それはいつごろ、そしてまた当委員会にかかるんですか、あるいはほかの大蔵だとか地行にかかるんですか、その辺がおわかりでしたら。

○政府委員(濱崎恭生君) 登録免許税は国税の一つでございますので、これは国税に関しての今回被災関係の特別法という形で大蔵省の方で御検討いただいているというふうに承知をいたしております。したがって、そちらの方の委員会で御審議いただくということになるのではないかというふうに考えております。時期については、私ども直接担当でございませんが、今月中にというようなことをお伺いしているところであります。

○下稲葉耕吉君 終わります。

○北村哲男君 北村でございます。

 この三つの法案についての関連でお伺いしたいと思いますが、法務省におかれましては今回の震災についていち早く震災都市借地借家臨時処理法を適用され、さらに調停費用の軽減、そして今回の三本の法律、そしてまた調停が予想されるということで、もう恐らく一万件もの調停が予定されるということで、調停委員の配備等いち早く対応されたことについては、本当に法務省としては異例の素早い対応ということで、敬意を表しておきます。

 ところで、しかし、ずっと今までこれだけ多くのものをしてみたにしましても、あそこであれだけの被災者の方々がひどい目に遭っておられるのを、法務省として本当にすぱっと助けることができるんだろうかということを考えると、どうも回りをさわっている、こちょこちょと小さなところをいじっているような感じがして仕方がないんです。そうなると、私の考えでは、もうあそこで困っている人をいらっしゃいということにして、本当に費用は要りませんから来てください、全部お受けしましょうという、一つの大きな柱のようなものが必要だと思うんです。いろんな法的な整備は確かに今までのものであるんですけれども。

 そこで早速に出てくるのは、大臣にお伺いするんですけれども、そういうふうにして今までの整備を実のあるものにするには、皆さん方に対して皆さん方が受けやすいような形にするという体制、そうすると法律扶助ということが考えられるんです。

 ところで、法律扶助協会も、こちらにいらっしゃる下稲葉先生のお力なども本当にお受けして、二年前から国庫補助金がついておるということで、大変すばらしい出発をしているんですけれども、この協会で二月十五日の理事会で震災関係の法律相談の費用として大体四千二百万円ぐらいの支出を決定して、現実に兵庫とか大阪、京都で実施しているという実態があるようです。しかし、その法律扶助協会は非常に財政が貧弱でありまして、どうしても三千万程度は法務省を通じて国庫にお願いせざるを得ないという状態があるようなんです。

 そこで、法務省とされまして、何かどっかからお金をひねり出していただけるやに聞いておるんですけれども、この法律相談費用の問題について、その次は訴訟の問題を聞きますけれども、まず法律相談費用について何かいいお考えというかうれしいお話はあるんでしょうか。

○国務大臣(前田勲男君) 法律相談につきましては、地元の神戸弁護士会を初め、特に神戸弁護士会の方には弁護士会館にまだ被災者を避難させていただいておる状況下の中で、大変法律相談等に御熱心にお取り組みいただいておりますことを大変感謝を申し上げておるわけでございます。

 法律扶助協会が、現在、被災地であるいは近畿周辺で特にこの法律相談のために大変財政的に御苦労をいただいておるわけでございますが、この法律相談扶助につきましては、今後とも扶助協会と十分に協議をして、支障の生じることのないような財政的な適切な対応をいたしてまいりたい、かように考えております。

○北村哲男君 関係者一同期待をしておるということですので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、また今後の問題としまして、調停も一万件ぐらい恐らく予想されるだろう、またそれに伴って裁判もされるだろうと思う。そこで、起こった法律相談が一万件ぐらいと考えると、うち三分の一ぐらいは訴訟並びに調停になるんではないかと予想される。また、この法律扶助協会で訴訟一千作、調停二千五百件ぐらいを予定しまして、そこに来る人たちの法律扶助を考えると約七億円ぐらいのお金がかかるだろう、まだこれ数年にわたるんですけれども。

 そうすると、初年度でも一億円ぐらいはどうしても必要になるだろうというふうに考えておられて、それを何とか法務省を通じて国庫に補助をお願いできないだろうかという要望が出されておりますけれども、それについては次の来年度の補正予算等でお考えになることができるかどうかその辺についてお話を伺います。

○国務大臣(前田勲男君) 先般御審議をいただきました民事調停に対する手数料は、おかげさまで免除する措置が講じられたところでございます。その後にまいります訴訟費用についてでございますが、これについては、裁判所に対する訴訟提起があった場合の手数料に関して民事訴訟法百十八条以下に民事訴訟法上の訴訟上の救助制度、これがございまして、この制度の対応をすることによって可能ではないかと、かように考えておるところでございます。

○北村哲男君 その点もぜひよろしくお願いしたいと存じます。

 さて次に、区分所有法の関係について一、二点お伺いしますが、区分所有法は、罹災都市臨時法が予想していなかった問題についていち早く対応されたということで、これはこれで現地の要望等を踏まえたところであるわけですが、ちょっとこれ適用範囲になるのかどうかという問題について一つ二つ伺います。

 例えば、一つのマンションであれば五分の四という適用であるんですけれども、一区画に三棟ぐらいある場合で、三棟の人たちが管理組合をつくっておる。そのうち一棟が壊れた場合、五分の四というのは、三棟の人たち全部が管理組合の全員でありますし、それから共有持ち分というのは一棟の人たちも反対側の土地なんかの共有持ち分を全部持っていますよね。そういう場合は一棟の人たちだけの五分の四でいいのか、あるいは全員の人の五分の四でいいのか、その点についてはどちらを考えればよろしいんでしょうかこの法律で。

○政府委員(濱崎恭生君) この法律案は、建物が全部滅失いたしますと、法律上は通常土地の共有関係にあるということで、その共有者間の権利関係の調整測定という形で規定をしてきておりまして、その敷地の共有者の集会における五分の四以上の多数決という構成をしております。したがいまして、結論的に申し上げますと、今のような場合も土地の共有関係が三棟全員の方々の共有になっておればその全員が集会決議の構成構員になる、こういうことになります。

○北村哲男君 そうすると、それが大きくなればなるほど利害関係のない人の意見が非常に反映されて、この法律の使い道が非常に狭くなってくるということになると思いますね。それはしょうがないんでしょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) 弁解がましくなるかもしれませんが、団地の法律関係というのは御案内のとおり大変複雑でございまして、実は現行の区分所有法の建てかえにつきましても、団地関係にある建物の中の一棟だけを建てかえるときに何らかの措置を講ずることができないかというようなことも時間をかけて検討いたしましたけれども、結局そういう制度をつくるということはいろいろ権利の調整でなかなか難しい面があるということで、建てかえも一棟ごとの建てかえという形で構成をし、あとは団地関係にある場合は解釈で適正な運用を期待しているわけでございまして、今回の法律におきましても、団地関係にある場合の特則というものは、同じような理由から用意してい
ないわけでございます。

 具体的な運用上の問題といたしましては、今御指摘のように、ほかの棟の方々には実質利審関係がない、費用も出す必要はないという形での再建案というものが出されると思いますので、そういう場合であれば大方の賛成は得られるのではないだろうかなというふうに思っております。

 もし、他の棟の利害関係が余りない方々か反対して壊れたところの再建ができないというような場合には、壊れた棟の方々の共有者が敷地の分割の請求をして、そこで敷地を区分して自分の建物の敷地だけの共有関係にしてこの決議を利用するということができようと思っております。

○北村哲男君 わかりました。

 次に、建物が全壊した場合は、管理組合というのはもちろん建物が存在することを前提としてあるわけですけれども、管理組合が法人の場合は解散事由になって、全壊した場合ですね、それから法人でない権利能力なき社団という場合は、これは当然に消滅してしまうというのが普通の法理論だと思うんですけれども、消滅したものにもかかわらず、新法では敷地の所有者が五分の四で意思決定をして新しいものを建てることができるというふうになるわけですけれども、その辺の法律の整合性はどう考えておられるでしょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) 理屈の問題になりますけれども、御指摘のとおり、現在の区分所布法上の管理組合は、法人格があるものにしろないものにしろ専有部分ごとの所有関係があるということを前提にしておりますので、全部減失した場合にはその団体がなくなるということでございます。

 したがって、法律的には敷地の共有関係になってしまって、現行法のままでは共有の規定によって全員の合意がなければ再建をすることができないということになるわけでございますが、その区分所有法上の管理組合というものはなくなるけれども、その敷地の共有者が再建のために特に集会を開くことができることとして、そしてその集会の特別多数決議で再建の決議をすることができる、そういう特別の法制度を設けた、こういう関係にあるものと考えております。

○北村哲男君 この関係はこれで結構ですが、ちょっと時間があるようですから一、二点。

 破産法の関係なんですが、先ほど下稲葉先生が質問されたところをちょっと皆がにやっと笑ってよくわからないという話もありましたんですが、要するに破産法上は破産原因というのは債務超過と支払い不能、こういう二つ法律に出ているわけですね、法人の場合ですが。今何は、破産するのは自然人であっても個人経営の会社であっても、そして普通の法人の株式会社でもいいわけですけれども、この場合には会付だけを対象にして破産宣告猶予をした。すなわち、自然人とか個人経営の人たちについては破産宣告猶予をしていないというのはどういう理由からでしょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) 委員ただいま御指摘になりましたとおり、法人と自然人の共通の破産原因として支払い不能、すなわち既に履行すべき債務を一般的かつ継続的に支払うことができないと認められる状態にある場合ということになっております。それに対して、法人につきましては、その支払い不能という状態に至っていなくても、いわゆる債務超過、資産の総額よりも負債の総額が多いという状態になっているだけで破産原因があるということになっております。

 支払い不能になっている状態というのは、これは法人でありますともう事業の継続をすることができない、個人の場合につきましても、これから融資を得て、あるいは働いて収入を得てということを考慮しても継続的に債務を支払うことができないという状態になっておりますので、そういう場合まで破産手続をストップする、破産宣告を猶予するということになりますと、かえってその債務の状態を悪化させるおそれがある。あるいは、個々の執行はとめられませんので、個々の勝手な取り立てが行われて債権者の公平を害する。さらには、そういうものについても破産手続をいたしませんと、債権者に対する影響が過大になり過ぎて、取引関係、経済関係の混乱の原因になるということで、そこまで破産宣告を猶予することは適当でない。

 ただ、一時的に債務超過になっている状態にあるというだけで、まだいろいろ融資を受けて事業を継続することができる状態にあるのに破産宣告を直ちにしてしまうということは適当でないということで、債務超過の場合に限って破産宣告の猶予をするという制度を導入したわけでございます。

 そういうことで、自然人の場合には債務超過だけで破産原因になっておりませんのでこの法案の対象にしていない、こういうことでございます。

○北村哲男君 終わります。

○荒木清寛君 まず、破産の特例法につきまして質問いたします。

 今回、特例法によりまして、法人の破産の場合に一定の救済がなされるということは評価をいたします。問題は、では個人の場合にどうするか。特に、住宅ローンを抱えて支払い不能になった人の救済ということをちょっと質問したいと思います。

 まず、最高裁にお聞きいたしますが、個人で破産をする場合に戸納金というのがあるわけです。被災者の方は一切を失ってしまっているわけでありまして、破産をするにも弁護士費用をどうするのかあるいは裁判所への予納金をどうするのかという切実な問題があると思いますが、神戸地裁の場合に、いわゆる普通の破産をする場合と、そうでない同時廃止の破産の場合と、裁判所への予納金は概算との程度差があるのかそれをお尋ねしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) 予納金の金額についてのお尋ねでございますが、この予納金の額は、御承知のとおり破産裁判所が事案に応じて決定をするということになっております。

 全国的に見ますと、例えば自己破産の場合の予納金の金額には多少のばらつきがあるようでございますが、一般的にパンフレット等では、一万五千円から場合によっては五万円ぐらいの予納が必要かもしれませんのでという御案内をしておるところでございますが、神戸地裁の場合を見ますと、同時廃止が見込まれる事件につきましては、今までのところ三万円程度を予納金額の一応の目安としているようでございます。

○荒木清寛君 管財人をつける場合には、事案によるという話ですから一概に言えないでしょうが、恐らくはそれに三十万円ぐらいは最低でも品さなければいけないという実態ではないかと推測をいたします。

 私はそういう意味で、同時廃止破産というのを住宅ローンにつきましても大いに活用して、この制度の利用がしやすいようにしていただきたいと思うわけであります。一応財産がありますと同時廃止というわけにはいかないわけでありますから、理屈で考えますと、住宅ローンで土地、建物があるわけですから同時廃止というわけにはいかないということにもなりそうですが、もうほかに財産がなくて、管財人をつけてそんな配当なんということをする必要がないことは明らかであるというような場合には、住宅ローンで自己破産をする場合でもこの同時廃止の制度というのを活用していただきたいと思いますが、今実際の神戸での取り扱いはどうなっていますでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) 初めに、先ほどの御質問で多少舌足らずでございましたので補充をいたしたいと思いますが、管財人を選任することが見込まれる事件の場合の予納金でございますが、管財人の報酬等の手当が必要なわけでございまして、今委員の方から三十万程度の上乗せというお話もございましたが、神戸の最近の扱いは五十万円程度を一応の目安としているようになっているようでございます。

 なお、住宅ローンで自己破産をするという事例の場合でございますが、これも破産事件を桐当する裁判所が判断することでございますが、例えば
不動産に多額の担保権がついておって債務者の負債額がその不動産の評価額を上回ることが明らかな場合、これをどの程度差があったときに明らかと見るかということはございますが、そういう評価額を債務額が上回ることが明らかな場合には同時廃止として処理をしている取り扱いもあるようでございます。

○荒木清寛君 現地で裁判官の御判断で十分そういう柔軟な扱いをしていただきたいということを要望しておきます。

 ただし、自己破産をして住宅ローンを清算するという方法には限界があると思います。一つには、破産をすることへの心理的な抵抗感というのはかなり大きい場合がある。いわゆる体面を気にする方も多いということですね。二つ目には、破産をした場合にはいろいろな資格制限がある。例えば、ガードマンになろうと思っても就職できないというような、そういう法律上の制限もあるわけです。三つ目には、もう一度倒壊した建物をつくり直したいというような場合には、破産をしたんでは原則的にはその土地も手放さなければいけませんから、そういう場合には破産というのは有効な手段にはなり得ないという、そういう限界というのがあると思います。

 かといって、もう一回ローンを借りてダブルローンで家を建てかえる、あるいは再築をする、そこまで資力のある方はなかなかいないのではないかというふうに思うわけでありまして、私は、自己破産以外に何らかの形で債務者、特に住宅ローンを抱えた人の債務を減免するというような、そういう法的な制度の検討ができないものかというふうに思うわけでありますが、この点、法務省の方にお伺いしたいと思います。

○政府委員(濱崎恭生君) 被災者に対する関係ではさまざまな形での支援措置が講じられつつあると承知しておりますが、住宅ローン等の債務を負っている被災者に対しましては、事情によって個々の債権者から事実上一時返済を猶予する等の措置もとられているというように仄聞しております。

 しかし、さらに進んで、私人と私人との間の法律関係一般の問題、私ども民事法はそういう問題を所管しているわけでございますが、そういうレベルの問題として債務を減免するとか、そういった措置を講ずることは、そういった私法上の権利関係一般について大きな変更を加えるような実体的な手当てを加えるというようなことは、かえって取引関係あるいは経済的な関係において混乱を大きくするというおそれがあるのではないか。

 債権債務、いろんな形態のものがあるわけでございますが、そういうもの一般について所管する立場にございますので、そういったもの一般についてのそういう救済策というのは、民事法の立場からなかなか難しい問題であるなというふうに考えているところでございます。

○荒木清寛君 最初からそう言われてしまうと身もふたもないわけでありますが、いろいろ具体的な提言をしている人がいるわけですね、学者あるいは弁護士で。これはそのうちの一つですけれども、新聞記事によると、日本弁護士連合会が消費者債務調整法という、それを法務省の方に提案しようとしているという、そういう記事であります。

 簡単に紹介しますと、これはサラリーマンとかあるいは年金生活者等、定期的な収入がある人を対象にしまして、第一に、債務者自身が自分が払える範囲内での返済計画を立てて裁判所に提出をする。二番目に、裁判所はそれを受けまして、返済額が銀行等債権者にとって破産の場合より有利なものであれば、債権者の同意がなくてもその計画を認可する。三つ目には、その計画どおり返済をすれば残りの債務は自動的に帳消しをするという、そういう制度を提案しているわけであります。

 これはとっぴな案というわけではありませんで、例えば和議なんというのも一つにはそういう共通の考え方があると思いますし、この計画のメリットといいますのは、債権者にとりましても破産をした場合よりはたくさん返してもらえるということがあるわけです。また、借り主にしましても、計画どおり返せば自分の土地なりあるいは残っている建物がきちんと自分のものとして持ち続けることができるという、そういう長所があるというふうに言われているわけでありまして、私は検討には値する案ではないか。そう簡単に、今回の臨時の措置法のようにすっと検討して出るという問題ではないかもしれませんが、これだけ住宅ローンの問題をどうするのかということが言われているわけでありますから、真剣に検討されたらいかがかと思いますが、大臣のお考えも含めてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 先般の新聞にも、日弁連から法務省に御提案をつい先日いただいたところでございまして、中身については承知をいたしておるわけでございますが、サラリーマンなどの定期的な収入のある個人が破産を回避して債務者の生活が維持され、そして更生を図る、まさに更生型の手続という制度を創設すべきという御提言でございます。

 また、記事によりましても、アメリカでは既に定着をしておるというようなことも記載されておりまして、私どもも関心を持って読ませていただいたところでございますが、このような制度を我が国が採用することができるかどうかいろんな面から検討を慎重にしていかなければなりませんが、また同時に、検討すべき価値のある課題だとも思っております。今後研究を法務省においてしてまいりたい、かように考えております。

○荒木清寛君 最高裁にもう一つお聞きしますが、破産をする場合、自己破産の申し立てが特にふえると思いますが、その場合には破産宣告前の財産というのは一応破産財団に入って配当に回るというふうな関係ですね。そうしますと、破産をして全部すっきりするのはいいんですが、当面の生活費をどうするのかというのが特に被災地においては問題になってくるんではないかと思うんです。

 例えばその一つの例で言いますと、災害弔慰金というのが家族がお亡くなりになった場合には最高で五百万円いただけるという話でありまして、恐らくはそういうのを生活の糧としてためていらっしゃる方もいると思うんですね。そういう方が破産した場合に、それも含めて全部配当に回されてしまうのか。せめて当面の生活費だけでも残してあげるというようなそういう運用ができないものか現行制度の中で。それをお尋ねしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) なかなか難しい問題でございますので、今直ちにという申し上げるべき材料を持ち合わせておりません。基本的には財産は財産ということになるのではないかと思われますが、私自身ちょっとよく考えてみたいと思っております。

○荒木清寛君 次に、区分所有法の特例につきましてお尋ねいたします。

 現在の法の六十二条によりますと、マンションが老朽、損傷、一部滅失の場合には議決権の五分の四の賛成で再建決議ができるという制度が現にあるわけでございます。報道等によりますと、全国でマンションが二百七十万戸ぐらいあるのではないかということでありまして、恐らくはその中には建てかえの時期を迎えているものも相当あるはずであります。ところが、実際に五分の四の決議で再建の決議がなされて建てかえに成功したというような例は余りないようなんですね。私が接した報道によると、三十程度しかないのではないかという話でありまして、事ほどさようにこの五分の四の賛成を得て決議するということはなかなか大変じゃないかということが推測されるわけなんですね。

 今回の特例法によりまして、全部滅失の場合でも五分の四の賛成で再建決議ができるという話になったわけであります。よく考えていただいたと思いますが、ただし、先ほどの話ではありませんが、五分の四の賛成を得て再建決議をするという
ことは実際問題として極めて困難ではないかというふうに推測するわけです。特に今回の場合には、もう被災をして遠方に行かれたという、そういうマンションの所有者もいらっしゃるはずでありますから、そういうことを含めますとなかなか実際この五分の四の賛成で再建決議というのは困難ではないか。場合によっては、もう少し今回に限っては五分の四じゃなくて、四分の三とかそのように要件を緩和してもよかったんではないかという気もするわけであります。

 その辺のお考えを聞きたいと思います。

○政府委員(濱崎恭生君) まず、現行の区分所有法の規定による姓てかえに関する規定の実効性についてでございますが、確かに委員御指摘のとおり、こういう決議という形で実現されたという例は極めて少ないというふうに私どもも聞いております。ただ、そういう決議があることによって全員合意の形成が容易になるという、支えになっているという効果はかなり大きいものがあるというふうに従来から聞いておるところでございます。

 ただ、これまでの建てかえというのは、建物がだんだん古くなって建てかえた方がいいという状況になっているということでございますから、現に住もうと思えば住めるということでありますので、なかなか資力のない人は踏ん切りがつかないという面があったかと思いますが、今回の震災のような場合を考えますと、もう全部あるいは多くの部分が現実に住めないという状況になっているわけでございますから、その条件はおのずから違うのではないかなということも考えておりますし、また今次被災の住宅の復旧という観点からはいろいろな行政上の支援もされつつあるというふうに承知しております。そういうことで、この五分の四という決議で適正に適用していただけるのではないかなというふうに思っております。

 確かに要作が厳しいという御指摘もいただいておりますが、私ども建設省等とも相談しまして、やはり五分の四という特別の多数決議を要求しておりますのは、所有権の絶対性というものを反対者の関係では制限するという、そういう問題がございますから、そういう面でこの要件の緩和、現行法の規定も含めて緩和するということは極めて慎重な検討を要するということ。

 それから、実際問題といたしましても、建てかえにしろ再建にしろ多額の費用を要するわけでありますので、この要件を大幅に軽減をいたしましても実際には反対者の権利を買い取らなければいけないという負担が大きくなるわけでございますし、また、その決議がされた後の売り渡し請求権の行使等をめぐっての紛争も大きくなるというようなことを考えますと、決議要作を緩和したから実際問題として建てかえやすくなるという要素もなかなか難しいのではないだろうか。

 こういうことを考慮いたしまして、現行の制度と同じような形で五分の四という取り扱いをするということにさせていただいているわけです。

 実際、五分の四の多数意思を形成するということは大変だろうと思いますが、それは今回の建てかえについては三年間という決議のための期間を置いております。また、一部滅失の場合の建てかえにつきましても、現行法では滅失の日から六カ月以内にその復旧または建てかえの決議がありませんと、各区分所有者が他の区分所有者に対して買い取りの請求ができるということになっておりますのを、この被災地の特例におきましては、この政令の施行の日から一年間ということに延ばすという措置を講じて、意思形成をするための期間を延ばしているということもございますので、その中でいろいろ専門家あるいは専門業者等の助力等も得ながら区分所有者に御尽力をいただくということに期待しているところでございます。

○荒木清寛君 では、最後に大臣にお聞きしたいと思います。

 ともかくも今回の改正によりまして、被災地におきましては議決権の五分の四の賛成で建てかえができる、あるいは大規模修織であれば四分の三でできるということになったわけです。ところが、全壊の場合には建てかえしかないわけですが、一部損壊の場合に、大規模修繕にするのかあるいは建てかえをするのか、コストの面では全然違うと思うんです。恐らく修繕ですと百万円単位で済むでしょうし、建てかえになりますともう少なくとも一千万、二千万という単位になるはずでありまして、所有者の負担というのは全然違うわけであります。恐らく集会をして建てかえをするのか修繕で済ますのかという議論をするわけでありますが、その前提として、この建物は修繕をすれば使えるんだと、あるいはもう建てかえなければだめだというように、そういう客観的な判断がなければ所有者の合意というのは成立しないと思うんです。

 しかし、現在のところ、そういう判定をする公的な機関あるいは第三者の機関はないというふうに聞いておりますが、今後このマンションの建てかえあるいは修繕を円滑に進めるために、公的な機関でそういう判断をするという制度を設けてはどうかと思いますが、大臣のお考えを最後にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(前田勲男君) 建物の全部滅失とするかあるいは一部とするか、これは大変極めて難しい問題でございます。物理的あるいは社会的経済的に見て建物が全体としてその効用を失った場合に全部滅失をしたと、こう解釈をされるというふうには思っておりますが、この解釈についてもそれぞれまた御意見のあるところになってくると思いますし、また一部滅失ということについては、それに至らない滅失だと、こういうことになるわけでございますが、つまるところ、損傷の部位、内容、程度、修繕費用等を個々の建物ごとに判断するということにならざるを得ません。

 建物滅失の判断につきましては、その所有者の御意向のほかに、法律的な専門家、建築に関する専門家の判断が必要でございまして、そのような関係者の連絡が十分とれるように配慮をしてまいりたいと思っておりますが、そうした一つの判断をする機関、組織等、現在頭の中にはない状況にはございます。

 ただ、建物が災害により全部滅失したというのは、建物が災害そのものにより全部滅失した場合のほかに、建物が災害により一部滅失し、そのために建物として存続させることが保安上危険な状態に陥ったために人為的に解体された場合を含むと、こういうような解釈は田ておりますけれども、先生御質問の中の組織あるいは機関等を設置するという計画は現在のところございません。御提案があったということを踏まえて対処してまいりたいと思います。

○荒木清寛君 終わります。

○翫正敏君 今回の法務省の大変素早い立法措置には感心をしているところなんですけれども、この区分所有建物特別措置法について質問しますが、まず読んでみまして、本法というものは時限法ではなくて一般法であると。大災害に際しては政府が政令で施行して、その後三年間有効である、こういう一般法としてつくられていると。また、区分所有建物の全部が滅失した場合は本法が適用され、一部滅失の場合は区分所有法の適用があって、期間についてだけ、一部滅失後六カ月以内とあるものが一年以内と期限が延長して適用される、こういう理解でよろしいでしょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘いただいたとおりでございます。

○翫正敏君 そこで、一部滅失が全部滅失かということについて、今ほど大臣からもお話がありましたが、木造の建物であれば客観的に明確にわかるように思うんですが、大体この区分所有建物というのは鉄筋コンクリートづくりだと思います。そうすると、一部滅失なのか全部の滅失なのかということを、外部からはもとより、中に入ってもこれを調べて明らかにするということは容易なことでないというふうに思うんですが、区別する基準を示していただき、なおかつ一部滅失なのか全部滅失なのかということをだれが決めるのかということも明確に示してください。

○政府委員(濱崎恭生君) 全部滅失、一部滅失の
区分につきましては、今ほど大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、さらに若干敷衍させていただければ、物理的のみならず社会的経済的に見ましてもその建物を修復して使うということが考えられるかどうかということが基準になろうというふうに思っております。

 御指摘のとおり、近代的なビルのマンションにつきまして、これが全部滅失なのか一部滅失なのかそういう抽象諭を言っても個々具体的な判断は大変一般人にとっては判断が難しいということであろうと思います。これはやはり、再建するあるいは建てかえをするという決議をするに至るまでにはいろいろ皆さんの有志の中で素案を検討される。その中ではやはり公的なあるいは建築上の専門家のお力、あるいは公的なあるいは私的な開発事業者の勅書といったものが必要になってくるだろうと思われるわけでございまして、そういった中での助言あるいは鑑定的な意見というものがまず尊重されるのではないか。そういうことを踏まえて、おのずから区分所有者の判断というものも固まっていくのではないかなと、そういうふうに考えているところでございます。

 そういったことについて公的な立場からも何らかできるかということにつきましては、いろいろ私どもとしては関係当局にも支援をいただくという努力はしたいと思っております。

○翫正敏君 そうすれば、要するに客観的に全部滅失したのか一部滅失したのかを決めるために何らかの機関をつくるのか、公的なだれかに判断してもらうのかというふうなことを考えているということで、つまり客観的に何らかの方法によってそれは決めると、個々の建物について決める、こういうふうに理解してよろしいわけですね。

○政府委員(濱崎恭生君) 今申し上げましたのは、公的な機関で決めるということではございません。やはりそういった専門家の助言あるいは鑑定意見に従って区分所有者の方で判断される。

 それから、結果的にはそういう判断に基づいて、例えばこれは一部滅失だから建てかえという形で決議をされる、あるいは全部滅失したと認めてこの法律に基づく再建という決議をされる。そういうことになれば、そういう経過を踏まえて区分所有者がそう判断されてそういう決議をされたということは、決議の効力としては、事後の判断としては十分尊重されるだろうというふうに考えております。

○翫正敏君 わかりました。

 大蔵省に来ていただいておりますのでちょっとお聞きしますが、先ほど自民党の委員からも質問があって法務省の方からお答えありましたが、今回の阪神大震災によって壊れた建物の再建については登録免許税をゼロにするという減免措置がとられるという、そういうことで今月中にその法案が提出されるという、こういう説明を先ほど法務省から聞きましたが、大蔵省の方からもう少し詳しく説明していただけますか。

○説明員(竹内洋君) お答えいたします。

 今回の阪神・淡路大震災による被害につきましては、広範な地域にわたり同時大量集中的に被害が発生したということでございまして、臨時異例の、かつ税制上の対応としてできる限りの措置を講ずることとしたいと考えております。

 今お話がございました登録免許税につきましても、阪神・淡路大震災により自己の所有する建物に被害を受けた者が新築または取得する建物の所有権の保存または移転の登記及びその建物の新築または取得のための資金の貸し付けに係る債権を担保するために受けるその建物を目的とする抵当権の設定等につきましては、一定の要件の下で免税措置を講ずることを考えているところでございまして、今御議論になっております区分所有建物についてもその適用対象ということで考えておるところでございます。

 法律でございますけれども、今現在、大震災に対する税制上の対応につきましては、関係方面との協議等を経まして、去る三月七日でございますが、大蔵省としてその内容を決定いたしまして、その後、今、昼夜を問わず法案の作成作業を鋭意行っているところでございまして、三月二十四日、朝一番に国会に提出できるよう現在最大限の努力をしているところでございますので、私ども事務当局といたしましても、被災された納税者や企業の実情等を踏まえまして、もうできる限り早い法案の成立をぜひお願いしたいと思っているところでございます。

○翫正敏君 ちなみに、その登録免許税がゼロに減免されるということになりますと、その効果、幾らぐらいの総額減免になるというふうに見込んでおられますか。

○説明員(竹内洋君) 今回の措置に伴ういわゆる減収額につきましては、現在数字を精査中でございまして、私ども、今この時点で幾らというようなことは申し上げる状況ではございませんが、ちなみに現在の本則の税率というものを申し上げますと、所有権の保存登記が千分の六、それから所有権の移転登記が千分の五十、それから抵当権の設定登記が千分の四でございます。いずれもこれがゼロになるということでございます。また、特例の期間は平成七年四月から平成十二年三月三十一日までの五年間を予定しておるところでございます。

○翫正敏君 法務省の方にもう一度お聞きしますが、この今回の立法によって対象になる建物、全部滅失の建物の数、一部滅失の建物の数というのは大体どれぐらいと見込んでおられますか。

○政府委員(濱崎恭生君) 私どもは、今回の法案は全部滅失の場合を対象としているものでございますので、全部滅失した区分所有建物はどのぐらいあるだろうかということで関心を持っているわけでございますが、全部滅失か一部滅失かの区分、先ほど申しましたように大変難しい問題がございますが、現在のところ、いろんなところからの情報では、全部滅失と認められる区分所有建物が数十棟、五十棟程度は少なくともあるのではないだろうかというふうに推測しているところでございます。

○翫正敏君 じゃ五十棟の建物に、区分、大体平均すると三十ぐらいですかこの区分されているのは、平均でしょうか。それもちょっと示していただいて、これを掛け算するということになって、それに先ほど言いました、大蔵省から説明があった千分の六ないしその他の登録免許税の減免措置を掛けていくということで、一応計算上はどれくらい軽減されるか大蔵省の方からいくと減収になるかというさっきお話でしたが、国民の側からいえばそれだけ助かるわけですけれども、そういう金額が出てくると、こんなふうに考えておけばよろしいですか。

○政府委員(濱崎恭生君) 区分所有建物一棟の専有部分の数でありますが、私ども聞いているところでは平均五十から六十程度というふうに聞いております。それを掛け合わせますと三千戸前後ということになると思います。

 ただ、先ほどの大蔵当局から説明がありました登録免許税の減免額というのは、これだけのものにとどまるということではないのではないだろうか、単純にそういう計算では出てこないんではないだろうかというふうに思います。

○翫正敏君 大蔵省の減免措置にしろ、今回の法務省から提出されているこの区分建物の特別措置法にしろ、大変時宜を得た適切な措置だと思いますので、大蔵省に対しても期待をいたしております。

 終わります。

○紀平悌子君 大分時間も迫っておりますようです。

 それで、本当にこういった緊急な事態でございますので、素早く、またより正確に、そして法益がありますようにということで、次々と大震災対策をなさってくださっていますことに非常に敬意を表しながらではございますが、先ほど提案理由を大臣から承りました。

 専門家の方々はそれをさっと、ああこういうこともある、こういうこともあるということでおわかりと思うんですが、例えば、きょう、この法案が本会議を確実に通るというふうに推測いたしま
す。で、推測をいたしますので、一般の国民がこの阪神・淡路大震災法人破産宣告特例法案、被災区分所有建物の再建特別措置法案、これを新聞の紙面で一行か一行があるいはそれに解説を幾らかつけてしたときに、これは何だろうかと。多分よくしてくれるんだろうけれども、よくなるんだろうけれども何だろうかというのが大部分の国民じゃないかと思うんです。私もそういった非常に法律知識の低レベルの国民の一人だと思っておりますので、お伺いいたします。

 この二法案でいかなる法律効果を目的としていらっしゃるかということをわかりやすく教えていただきたい。いま一つは、どんな方々があるいはどんな法人がこの法律によって救済されるのか。

 時間は、私、一分半ぐらいしかしゃべっておりませんので、十分でございますので、それ以内でこの二つの件を分けて御説明いただきたいと思います、だれでもわかる説明の仕方。

○政府委員(濱崎恭生君) 大変難しいわけでございますけれども、まずこの二つの法律案の目的、まず法人の破産宣告及び最低資本金の制限の特例に関する法律の目的、これを大ざっぱに整理して申し上げますれば、今回の震災によって被災された会社等の法人、特に中小の規模の会社、そういった企業が多くの被災を受けておられると思われますが、そういう企業がいろんな各方面の支援を受けて一刻も早く立ち直ることができるようにという観点から、これは破産宣告を直ちに受けることがないように、あるいは最低資本金の特例についても、いましばらくはそのことから離れて再建、復興ができるようにという観点から、要するに民事法の立場でそういう立ち直りの支えをさせていただく、こういうふうに考えております。

 それから、区分所有建物の関係につきましては、これはやはり今回の被災によって甚大な建物被害があり、その中には区分所有建物が全壊したというものも先ほど申しましたように少なくない。そういう場合に、現行法の規定では共有者の全員の合意でなければ建てかえ、再建ができないというところを、民事法上の権利の調整の規定としてできる限りの範囲内として五分の四の多数決議でできるというようにする。そういうことによって、これもまた民事法、私人間の権利の調整という観点からそのマンションの復興というものの支えにさせていただく、こういう目的で策定したものでございます。

 どんな人が救済されるかという問題につきましては、今の御説明の中でおおよそ御理解いただけるのではないだろうかなというふうに思っております。

○紀平悌子君 もう結構でございます。

○三石久江君 私も大変法律に弱い女でございまして、じっくり皆さんのお話を聞いていたんですけれども、日本語だなと思って聞いておりました。

 阪神・淡路大震災というのは大変な被害を発生させました。ということはもう皆さんが御存じ、御承知のことですが、その被害が人口周密な地域で起こったために、市民間の民事的な権利関係にも予期しない形で、しかも量的にもさまざまな多くの問題を発生させております。今回、破産の問題、会社の資産の問題あるいはマンションの倒壊に伴う問題について特例法が提出されているわけですが、その措置には賛成なのです。

 そこで、区分所有建物に関する特別措置法では、全壊したマンションを建てかえるために住民全員の賛成が必要であったところを五分の四以上と軽減するわけですが、全壊したマンションからは多数の死者や行方不明者が出て、また生命が無事であった人たちも方々の病院や避難所に分かれて暮らしていることが予想されますし、今日一般的に近所づき合い自体が希薄になっているとも言われていることを考えますと、五分の四という数字、また四分の三という数字は依然として高い水準にあると思うのです。建てかえや修繕に反対する人の意思を尊重することはもちろんですが、この数字を引き下げることは議論されなかったのでしょうか、どうだったのでしょうか。全壊に至らなかったマンションを復旧する場合でも、現行の区分所有法により住民の四分の三以上の賛成で可能ということになります。いかがでしょうか。

○政府委員(濱崎恭生君) 現行の建てかえの五分の四の要件をこういう大規模災害の場合に限って軽減する措置を講ずべきかどうかということについては、これは短期間の検討でございますが内部で検討させていただきました。この点については、現地の声を踏まえての建設省の関係者等とも十分協議させていただきました。

 その結果といたしまして、先ほど申しましたように、やはり反対する少数者との利害の調整といった観点から、それからまた、これを仮に多数決要件で決議を強行しても実際問題として実現できるかどうかという実効性の問題、そういった点を考慮して、やはりこれは現行の規定にある五分の四、そういう圧倒的多数者の賛同を得ていただいて、一人でも二人でも反対があればできないというところを突破する、あとは多数意思を形成するためのいろんな専門機関等の助力も得ながら努力をしていただくということに期待するというのが適当ではないだろうかというふうに判断させていただいたわけです。

 なお、そういういろんな方が離散をしておられている状況も考慮して、決議をすることができる期間としても若干少し余裕を持って三年以内にということにさせていただいております。

○三石久江君 議論されたということですね。

 また、建てかえ要件が緩和されたとはいえ、実際に建てかえを実現するためには資金が必要であり、反対する人の理由の中心もここにあると思われます。ローンを抱えたまま震災に遭った住民はいわゆるダブルローンという状態に陥るわけでありますが、このダブルローンを解消する方法として、新築したマンションを国や地方公共団体が買い上げ、住民に安く賃貸するなどの方法も提唱されているところであります。一方、全壊したマンションについて残っているローンの方を帳消しにする方法も考えられないではないと思うわけです。

 今回の破産に関する特例法は法人を対象とし、法人が震災による一時的な債務超過のために破産し解散に追い込まれないようにするものであると思われますが、震災関連の個人債務者の救済についてはどう考えているのか。また、個人の自己破産の申し立てについて迅速に対応するような措置を講ずることはできないのかということをお尋ねいたします。

○政府委員(濱崎恭生君) 個人の債務者の救済という観点からは、公的あるいは私的な金融機関も含めて事実上いろいろな対応がされつつあるように伺っております。

 ただ、私ども、先ほども申しましたけれども、民事法を所管する立場、すなわち幅広く一般の私人間の権利義務関係を所管する立場といたしましては、この権利関係に余り大きな変動を加えるということになりますとかえって波及効果を大きくしていくということもございますので、そういうことも考慮して今回の破産制度に関する特例はこの範囲内で対応させていただくということにしたわけでございます。

 なお、自己破産についての迅速な対応ということでございますが、この点につきましては、現行の破産制度の中で、債権者が破産を申し立てる場合と自己破産の申し立ての場合とでは、自己破産については破産原因についての申し立て時における疎明と申しますが一応の証明、そういうことを必要としないなど手続が一定程度簡易化されております。そういうことで、現行制度の中で、裁判所の運用の問題になりますけれども、適正迅速な処理を期待いたしたい、また期待できるのではないかというふうに考えているところでございます。

○三石久江君 大変ありがとうございます。

 今、市民にやさしい政府ということを唱えている今の内閣でありますので、ぜひこの際市民にやさしいやり方でやっていただきたい、それをお願いして、終わります。

○安恒良一君 十分しかありませんからまとめて聞きますので、まとめて答えてください。

 まず私は、両法案とも時宜に適した法案で賛成であります。その上で聞きたいんですが、最低資本金制度に対する経過措置が平成八年が平成九年まで一年題はされたことは評価するんです。しかし未達成が約四十数%あるんですから、私はせっかくここまで思い切られたらせめてあと一年ぐらい猶予期間があった方がいいんじゃないかと、こういうふうに思います。というのは四十数%末達成ですから。やり方は増資または組織変更と二つの方法がありますから、その点はどう考えられたかこれが一つ。

 それから第二番目は、これ幾ら聞いてもちょっとわからないんですが、全部滅失の場合と一部の場合に、今回五分の四にしたと。ところが、一部の場合は四分の三でできるわけですね。ですから、今も多数の方からも言われたように、これだけ大きな破壊があったんだから全部じゃ無理だから五分の四にしたというのは、私は四分の三でもいいんじゃないかと思うんですが、どうも法律用語か何か知らぬけれども、難しく説明されてわかりませんが、検討はしたとおっしゃっていますが、なぜ四分の三にしないのか。

 それからいま一つは、共有物分割請求禁止の中で、一定の場合を除きと書いてありますが、一定の場合というのはどういうことなのか、これが一つ。

 それから最後ですが、これが一番私は問題だと思っているんですが、今回の被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法は、時限立法ではなくして恒久法に一応なるわけですね。そうすると、今回ははっきりしていますが、「その他の災害で政令で定める」となっているんですが、それはどんな規模、どんな大小、物差しは何でしょうか。でないと、これから、こんなものがちょいちょいあっては困りますが、あった場合にそのときの政府によってその政令の解釈なり規模の大小の解釈なりで違ってくるとこれは大変なことになりますから、「その他の災害で政令で定める」というここのところの中身を、例えば面積でやられるのか建物でやられるのか、それとも面積と建物とあわせたような形の中で御判断されるのか、何かこの法律をお決めになるときに関係省庁との間にそこは議論されておかなきゃならぬところだと思いますが、特に最後のところはきちっとした説明を求めます。

○政府委員(濱崎恭生君) 四点の御質問いただきましたので、できるだけ簡潔にお答え申し上げたいと存じます。

 まず第一の御指摘、最低資本金の猶予期間を一年の期間というのでは短いのではないかという御質問でございますが、御指摘のとおり、まだいまだに相当数の会社が最低資本金基準を満たしておられない、これは全国的な状況でございまして、そういう全国的にこれから一年間の間に何とかクリアしていただきたいというふうに考えているところでございます。

 今回、今次震災について特例を設けましたのは、被災されて今すぐに最低資本金をクリアする手段をどうするかあるいは組織変更の手続をとるのかどうかというようなことを考えるよりも、まず当面の復旧ということに専念していただくという考え方で、そういう判断をしていただく期間として延長するというふうに考えているわけでございます。そういう観点からは全国のいろんな企業も御苦労いただくわけでございますので、そういう判断をしていただく余裕ということでは一年程度というのが相当なのではないかという判断をさせていただいたわけでございます。

 それから二点目の、一部滅失の場合と今回の法案との比較でございますが、既に御理解を賜っていると思いますけれども、現行の区分所有法におきましては、建物の一部が滅失した場合、しかも大規模な滅失があった場合につきましては、その滅失した建物をもとに戻す、復旧につきましては四分の三以上の多数決議、それからその建物を壊してしまって新しいものを建てかえるという場合には五分の四の多数決議という区分けになっております。今回の法律案は新しく建物を建てるということでございますので、いわば今の建てかえの場合の多数決要件、もちろん議決権の中身は変容しておりますが、その多数決議要件を一つの参考として立案させていただいたということであります。

 それから三つ目の、共有物の分割の制限の、一定の場合を除きということでございますが、これは被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案の四条のただし書きで具体的に定めておりまして、五分の四以上の多数決を要するということにしております関係で、反対に五分の一を超える議決権を有する者から分割の請求がされる場合、この場合は決議がされる見込みがないということで除外しております。

 それから、例えば一回集会を開いたけれども決議が否決されて、到底再び再建の決議がされる見込みがないというふうに認められるような場合、そういう場合も各共有者の権利を制限するのはいかがかということで、それも除外するという趣旨で、「その他再建の決議をすることができないと認められる顕著な事由がある場合」、これを除外事由としております。

 それから最後の、今回の特別法案を適用する地域を政令で定める基準でございますが、今回の法案は今次大震災の被害の実情を考慮して立案したものでございまして、その趣旨は、一度に一定の地域にわたって多数の建物が同時に滅失して、それによっていわば地域全体の居住関係が破壊されている状況にある、しかもその中にあって相当数の区分所有建物が滅失している、こういう状況にある場合には、通常の個々の建物が滅失した場合とは違った取り扱い、すなわち全体としての健全な復興を図るという必要性、公益性が高いということから立案させていただいたわけでございますので、今後政令で指定する際には、今申しましたような基準に従って判断するということになろうと思います。

 具体的な災害による建物の被害の状況、それから地域全体の被害の状況、そういったことを基準とし、さらには地元の地方公共則体等の意向等も十分参酌しながら判断させていただくということになると思います。

○安恒良一君 もう一分しかありませんから私は大臣に申し上げておきますが、今後政令を定められるときに、よほどそこのところは関係各省ともまた内容を十分検討されてお決めにならぬと、これは恒久立法になりますからね。今回のような場合はもうだれが見てもわかりますけれども、何回も言いますように、広さ、建物の数、大小等を数字できちっとされておかないと、今後の運用の中でまたいろんな問題が起きてきてはいけませんから、そのことを強く要望して終わります。

○委員長(中西珠子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。―別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十六分散会
     ―――――・―――――
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