「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―84

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

 11月24日(木)、『北辰会』(衆議院当選1回生)有志の「勉強会」で話をする機会があった。政治のあり方や政策の考え方などで、国会議員関係ではもっとも積極的に活動しているグループだ。昨年発足のとき、小沢一郎さんからも、「北辰」を私が命名したと誤解され、困ったことがあったが、その顛末は原点―60に「北辰会誕生の意義」に書き残している。

 丁度その頃、私が『坂本龍馬と謎の北極星信仰』(小学館)を刊行した時で、「北辰思想(信仰)」の研究に取り組んでいることが原因だった。

 話のテーマは「TPP・消費税増税・小沢問題の背後にあるもの」であったが、言い残したこともあり補足・整理して紹介する。

 

(北辰思想は「国民の生活が第一」の原点)


 北辰思想とは、「北極星と北斗七星」を信仰する考えを基本としている。超古代、人類は不動の北極星から「方向」を、北極星を回る北斗七星から「時間」を知った。人類は、宇宙の動きから生活と活動と発展を学んだわけだ。それ故に「北辰」は宇宙の原点といえる。

 文書に残されている北辰思想は「妙見菩薩陀羅尼経」にあり、「我れ北辰菩薩、名づけて妙見と曰う。今、神咒(じんじゅ)を説いて諸国土を擁護せんと欲す。所作甚だ奇特、故に名づけて妙見と曰う」から始まる。「北辰」と「妙見」は同じ意味と理解して良い。この経典から三点を採り上げて北辰思想の神髄を解説しておく。

     若し諸々の人王、正法を以て臣下を任用せず、心に慚愧(ざんき)なく、暴虐濁乱(ぼうぎゃくじょくらん)を恣(ほしいまま)にして、諸々の群臣・百姓を酷虐(こくぎゃく)すれば、我れ能(よ)く之を退け、賢能(けんのう)を徴召(ちょうしょう)して其の王位に代わらしめん。

(解説)これは改革というより革命の思想といえる。自分の悪政を恥じず、民衆を虐待する政治指導者(首相)がいれば、北辰はそれを退け、賢くて能力のある指導者に代える、と宣告している。

     (政治家は)自ら悔責(けしゃく)し、己て当(まさ)に三徳を修すべし。一つには三尊(仏・法・僧)を恭敬(くぎょう)し、二つには貧窮(ひんくう)を隣愍(れんみん)し、国に孤老有らば応(まさ)に之を撫恤(なぐさ)め、三つは怨親(おんしん)の中に於て心常(こころつね)に平等にして怨枉(えんのう)を断理し、民物を枉(ま)げざるべし。

(解説)政治家の基本姿勢のこと。反省心と責任感をもち、民衆を貧苦から救い、厳しい政治の場で心を常に平等にしておくべしとの教え。

     国界を邏衛(らえい)し国土を守護して、其の災患を除き奸悪(かんあく)を滅し、風雨は時に順(したが)いて穀米豊熟し、疫気(えっき)消除して諸々の強敵なく、人民は安楽にして王の徳に称(かな)わしめん。

(解説)北辰政治の基本理念を、「国土の守護」と「人民の安楽」としていることに注目すべし。別の言い方をすれば「国家の安寧と民衆の福寿」が北辰思想の目標である。

 以上、古代・縄文時代から連綿と続く北辰思想(信仰)を、現代の人間冒涜の「排他的投機資本主義」に代わって、「国民の生活が第一」の「共生資本主義」を創造するために参考とすべきではないか。

 「北辰会」の諸君の責任は大きい。さらに大事なことは、北辰の物の見方である。これには坂本龍馬が参考になる。龍馬は北辰一刀流を千葉道場で学んだが、剣術だけではなく「北辰法力」という北辰思想を学んでいる。彼の言動を整理すると物事の本質を見抜く北辰の「四観三元論」であることがわかる。「四観」とは、物事や現象を「空観」「離観」「影観」「光観」しろということだ。「三元」とは、「陰」と「陽」の対立関係だけで物事を判断してはいけない。それを調整する「律」があり、それを見つけて行動せよ、というものだ。物事を光が当たる形だけで見るな、空から宇宙的に見ろ、近くで見るな離れてみろ、陰の部分を見て最後に光の当たる形を見る、というのが「四観論」だ。

 「三元論」とは、黒と白は陰と陽の対立関係ではない。黒に光を当て強くすると白に近づく。白から光をなくすると黒に近づく。黒と白を律しているのが「光」だ。「律」を見つければ対立は解決するというものである。

(TPP・消費税増税問題の本質は何か)

 北辰龍馬流の「四観三元論」でTPP・消費税増税問題を考えてみよう。

(TPP)

 形の上でのTPPは、自由貿易のための地域協定ということになる。資源の少ない日本が繁栄したのは自由貿易のお陰だ。その仕組みに参加することが何故悪いのか、という主張がTPP推進論だ。一見、正しい意見のようだが、これは経済や貿易の21世紀の本質を見ていない論である。

 龍馬流の「四観三元論」から考えれば、「光」のあたった形の部分だけを見ての主張である。米国中心のマネーゲーム化した投機資本主義が、二一世紀になって悪魔化して、人類社会を危機に至らしめている事態を、どう考えるのかということだ。龍馬のいう「空観」「離観」「影観」とは、TPPをめぐる歴史や背景や問題点をよく観察しろということだ。米国が資本主義のあり方について反省もなく、米国の経済的覇権を求めて米国のみのため経済的収奪をやろうという仕組みで、特に日本を集中的に狙っていることは明白である。TPPが真の意味で、参加国だけでなく世界経済の発展になることが確証されない限り、慎重であるべきで急ぐ必要はない。

 

(消費税増税)

 昭和63年に「消費税制度」を導入したとき、竹下内閣は苦労した。成功したのは竹下首相の謙虚さと、小沢一郎内閣官房副長官の活躍があったからだ。当時の大蔵省担当者たちも実に丁寧に説明と説得に努力した。私は衆議院事務局の消費税問題の現場責任者で、関係者の動きを記録していて、近く出版する予定だ。

 消費税という税金は、恐ろしい性格をもっている。「財政再建」のためとか「財政赤字」を埋めるために税率を上げるという考え方なら、国民生活を崩壊させ、遂に財政を悪化させ国家を滅ぼすことになる。大不況で、東日本大震災の復興も進んでいない状況で、野田政権が断行しようとしている消費税増税は、増税の大義名分と改正内容の正当性に問題がある。

 財務省が増税にあせる理由は、報道されているようなものではないと私は推認している。対米関係で小泉内閣以来、例えばイラクの戦費負担とか、サブプライム問題などで米国国債に準じる債権などをめぐって、日米間で、日本国民に公表できない行為があったのではないかと思う。

 このような疑念は私だけではない。消費税増税といった国民生活の根本に関わることをやるなら、少なくとも、小泉内閣以来の対米財務関係の真実を財務省と日銀は明らかにすべきだ。さらに、社会保障と税の一体改革というのなら、まず考えるべきことは21世紀の資本主義は、米国式マネーゲーム資本主義でよいのか。経済を活性化させ「国民の生活が第一」にする「共生資本主義」を実現するのが先ではないか。税金の使い方にも、国民が信頼できる国家体制をつくることが必要だ。

 

(小沢問題の本質は何か)


 平成21年3月、西松事件で小沢民主党代表の大久保秘書が逮捕されたとき、世上には二つの見方があった。法律の専門家や有識者の多くは「特捜青年将校の反乱、2・26事件だ」と主張した。私は「政権交代を阻止し『国民の生活が第一』の政治に反対する自民党政権、米国の法秩序で日本を支配しようとする官僚、巨大メディア」が結託して、小沢氏を政界から排除する国家的謀略だと主張した。

 さまざまな政治や司法関係の流れがあって、「国民の生活が第一」の『共生資本主義』をつくろうとする小沢一郎の存在が、米国式マネーゲーム資本主義で日本を支配するには最大の妨害要素であり、そのための小沢氏排除こそが「小沢問題の本質」であることを多くの国民は知り始めた。

 

 そこで、今号の締め括りに龍馬流「四観三元論」に戻ろう。

 「TPP問題」「消費税増税問題」「小沢問題」には、共通した本質があるということだ。それは米国から、友好関係を保ちつつどう自立するのか、人々のために21世紀資本主義のあり方をどう創造するのか、これが混迷する日本の政治・経済・社会を改革するときの〝律〟といえる。

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