「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―85

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

○民主党よ「国民の生活が第一」や「政権交代」はどうなったのか! 


 菅政権が統治能力を失い、野田政権に代わって3ヶ月が過ぎた。ご祝儀期間が過ぎ、国民から厳しい目で監視されるようになった。平成21年夏には歴史的政権交代が行われたが、民主党政権の鳩山首相が265日、菅首相が452日と、政治の混迷を象徴するような短い期間である。

 鳩山政権をひと言で総括すると「夢遊政治」といえる。政治の本質を知らない偏差値政治家集団が、経済規模で世界第3位の国家統治をやろうというのだから大変だ。政治は「理想と現実」を調整し、妥協させることが本質であるが、鳩山内閣を動かしていた人たちのやったことは「夢と現実」の調整であった。鳩山首相の個性が影響していたかも知れないが、こんな発想で政治が正常に動くはずはない。
 小沢一郎という稀代の政治家を政策遂行から事実上排除したことが、失敗に至るすべての要因であることは、このメルマガでも再々述べた通りである。

 菅政権をひと言で総括すると、「反議会民主政治」といえる。政権中核の内閣官房長官や、民主党幹事長などの言動を分析すると、「不勉強なマルキスト」、否、「米国追随のトロッキスト」といえる。菅首相本人が「議会民主政治は、時間を限定した独裁政治だ」と放言したことがある。この発言は議会民主政治家の資質に係ることで看過できない。民主党内から格別の反論が出ないのは、民主党国会議員の中に議会政治を知らない政治家が大勢いるのではないか、と危惧している。


 鳩山首相は「夢遊政治」であったが、心の中では「国民の生活が第一」という政治目標を忘れてはいなかった。問題は理解の仕方で、高等数学的発想で政治をとらえていたことだ。政治というのは〝深層心理学的〟に理解しなければならない代物である。理屈だけでやれるならば、コンピューターに任せておけばよい。人間の集団というものから発する「集団的感情」をどう調整して説得するのか、これが政治だ。

 菅首相の場合、「弁理士シンドローム」が性格のコンプレックスを形成しているといえる。弁理士とは発明家・創造者ではない。特許などの登録出願などの代理や鑑定を業とする。一方の政治家は、創造者でないと役割は果たせない。さまざまな分野から情報を得て、制度や政策を組み立てて、創造する仕事だから『決断と責任』が伴う。

 政治家・菅直人を分析すると、弁理士的に発明者が出願したものをチェックしたりすること、即ち野党側で政府を攻める(ケチをつけたり、揚げ足をとる)ことには破格の能力がある。しかし、それぞれの情報を整理・判断して、責任を負う形で政治という化物を処理する能力に欠けていた。菅氏が首相となって驚いたのは、国会での論議も国民への説明も、自己の論理を一方的に押しつけようとすることで、説得しようとする姿勢がない。日本の議会主義を崩壊させた政治家として、議会史に残るひとりとなった。

 菅首相的弁理士能力が発揮されたのは、財務官僚の洗脳とシナリオに乗って、政権交代の原点「国民の生活が第一」を全面否定し、「財政再建・消費税増税」を高らかに表明したときだ。さらに参議院選挙用のマニフェスト発表記者会見で、菅首相は自ら補足説明、消費税を含む税制の抜本改革をめぐって超党派協議を提唱し、自民党提案の消費税率10%を参考にすると表明するにいたったことだ。その後、発言にブレもあり、参議院選挙で歴史的惨敗となったが、反省の弁は聞かれずに終わった。


 国民は、なぜ政権交代を選択したのか。そこでは「消費税増税は衆議院の任期中(4年間)行わない」と約束したはず。それを自民党に抱きつくように10%に賛成すると言ってしまった。これでは政治にならない。完全に「国民の生活が第一」の原点から、自民党の「財界の儲けが第一」に跳んでしまった。東日本大震災の対応も全国民を裏切り、被災者の窮乏さえも顧みることはなく、遂には政権から追われることとなった。

 そこで登場したのが野田首相だ。政府・党役員人事では若干のバランスをとったものの、政策は完全に〝韓流〟ならぬ〝管流〟を継承している。野田首相と、管前首相の違いは、菅氏が財務省に洗脳されたのに対して、野田氏は財務省の汚泥で育成された「ドジョウ」だ。どちらも「民意」を冒涜したことは同じだが、野田首相の方が質(たち)が悪い。


(消費税増税を急ぐことは亡国への道) 


 野田首相は「平成24年に消費税増税法案を国会で成立させた後、衆議院を解散して民意に問う」という趣旨の国際公約をした。この発言は議会民主政治の本旨を冒涜するものだ。政権交代の総選挙で「消費税増税を4年間やらない」と公約したが、昨年7月の参議院選挙で、菅首相はその公約を反故にして10%にすることを提示した。国民はこれを拒否し民主党は惨敗した。2回の国政選挙で、民意は明確に示されているのだ。

 野田首相はこの事実を何とも感じないなら〝政治的精神鑑定〟の必要がある。民主政治の原理が、国民主権にあることは憲法にも明記してある。国民は早急な消費税増税を拒否しており、憲法原理からいっても、国会で決めてから総選挙で民意に問うというやり方は許されない。野田首相は、この発言だけをとらえても、政治家である前に、人間としての資質が問われている問題だ。「蚤の心臓・鮫の脳味噌」というが、「泥鰌の脳味噌」を追加しなくてはいけないようだ。

 12月2日(金)、野田首相は記者会見で消費税増税について、「素案を野党に示し大綱をまとめる。大綱を踏まえて法案提出の準備に入る。増税の時期、税率などを含め、なるべく素案や大綱の段階で具体的に明示したいと思う。あくまで年内をめどに素案や大綱づくりに進んでいきたい」と述べ、「消費税増税の捨て石になる」とまで言い切った。

 何故、こうまでして急ぐのか。野田首相の〝背後霊〟といわれる勝財務事務次官が焦っているという見方もある。麻生内閣でつくった「所得税法改正案」附則一〇四条を根拠とするという論もある。消費税に関し「平成23年度までに必要な法政上の措置を講ずるものとする」という規定だ。これを財務省は「義務規定」というが、「経済状況の好転」が条件になっているから「裁量規定」である。さらにいえば、民主党は「消費税増税は4年間やらない」と公約して政権交代したのだ。憲法に従えば「政治的裁量」として決着済みであることは明白である。


 さて、消費税増税を急ぐと、なぜ亡国の道になるのか、その理由の一部を述べておく。

     平成9年に消費税を5%に上げたときの歴史を学んでほしい。金融危機と重なり、国民生活を苦しめて自殺者を増しただけではない。期待した総税収を減らした上に、橋本政権は参議院選挙中に減税に言及し、自己破綻した。

     東日本大震災や、福島原発事故の被災者の生活が元に戻る目途もない。世界の金融危機は、日本のデフレをさらに深刻にさせている状況は平成9年の比ではない。日本経済をどん底に追い込むのは必至だ。消費税を払わない新聞社や、一旦は払っても、いろいろな制度で還付を受けられる大企業だけが影響を受けない仕組みを放置して良いのか。

     赤字財政を放置できない論があるが、その通りだ。財政再建は大事なことと私も思う。しかし、よく考えてほしい。財政赤字を解消するための消費税増税なら、財政が恒常的に正常化することは絶対にない。財政赤字の解消は「その原因を改革することが必要」だ。テレビタレント出身の女性大臣がやっている事業仕分けなど、どんな言辞を弄しようとも、財務省作のシナリオを読んでいるに過ぎない。政権交代の総選挙で公約した「総予算の組替」をどうしてやらないのか。予算編成権を手離したくない財務省の振付で踊っているのが野田政権だ。

     世界規模の金融パニックが起きて、国債の金利が上がったら日本も財政破綻だ。消費税増税で財源を確保しておくなど、バカも休み休み言え。財務省や日銀の責任回避のために消費税増税をするというのか。財源は「総予算の組替」と節約で捻出可能だ。それに民間の埋蔵金「休眠口座」も立法措置で活用できる。


 最後に、結論として言いたいことは、20世紀の福祉社会を前提とした消費税増税はやめるべきだ。社会保障に経費が掛かるから増税という論は、財政赤字のための増税論と同じであることに気づいて欲しい。21世紀の資本主義をどういう形にするか、その原点を何故論じないのか。その上で、公正・公平な総合的税制改革を断行すべきだ。米国マネーゲーム資本主義をモデルにする野田政権では、日本国民を亡国の道に誘うことになる。

 「国民の生活が第一」の、共生資本主義社会をつくることが急務だ。

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