「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―89

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

 日本一新の会にご協力いただいている〝維持会員さん〟のおかげで、「メルマガ・日本一新」も新年を迎えることができました。心から感謝いたします。昨年は、さまざまな方々から、貴重なご意見や激励をいただき御礼申し上げます。

 

 振り返れば、平成23年(2011)は、日本の政治の悪い部分というか、欠点が国民の前に明らかになった年だと思う。我が国の政治史に遺るはずの政権交代で、「国民の生活が第一」を約束した民主党政権が何をしたのか、どうなったのか。鳩山政権から菅政権へ、そして野田政権へと、2年間に3人も内閣総理大臣が交代した経過を見ると、日本の政治に絶望さえ感じる。今のままでは、国民も誰がどのようにダメな政治家なのか、峻別できないのではないか。

 とはいうものの、政治に絶望することはきわめて危険なことだ。それはファシズムにつながり、『民主政治を全体主義に変えた方がましだ』ということになりかねない。そこで、大事なことは自民党政権から野田政権に至るまで、日本の政治の深層部で何が起こっていたかを知ることだ。

 

(自民党政治の崩壊は小泉マネーゲーム政治にあり)


 小渕首相が平成12年4月に脳梗塞で倒れた後、自民党の民主政治を冒涜するボス政治家の談合で、憲法違反の森政権が生まれた。このことは参議院議員時代に国会質問で採り上げたが真相究明には至らなかった。政権成立の経過からみても、そしてまた本人の資質からも長く持つはずはなかった。翌年の総予算が成立した直後、あらゆる国政を犠牲にして森総裁・首相を辞めさせ、総裁選挙を行った。森氏自身が納得してのことだから自民党お得意の〝悪知恵〟といえる。さすがは自民党だ。

 ところが、総裁選で〝勝つはずはない〟と当時の自民党主流派が考えていた小泉純一郎氏が勝った。数々の自民党のタブーを破ってのことだった。仮に橋本龍太郎氏が勝利していたら、自民党政権は2年ぐらいで終わり、政界再編という形で、政権交代が行われていたと私は思う。小泉総裁・首相は自民党を延命させたが、その内実は対米従属政策のマネーゲーム資本主義で、我が国の市場経済社会を米国化した。その結果が救いようのない地方の経済停滞と、国民生活の残酷な格差社会化であった。

 小泉政治に限界が見えて、安倍晋三氏に政権を譲るという小泉氏の狡猾さは、日本の政治では珍しいことであった。これは同時に、自民党政治の限界でもあった。誰が後継者になろうと自民党政治の終わりは見えていた。戦後政治の既得権・高度経済成長の残り滓を奪い合う政治を続けることは不可能であった。小泉政治の本質は、戦後の復興と経済成長で日本国民が得た富を「市場経済のグローバル化のために改革する」という名目で、米国金融資本主義の傘下に入れることであった。悪魔化したマネーゲーム資本主義は、実体経済を世界規模で崩壊させ悲劇的格差社会をつくった。

 

(小沢氏がポスト冷戦で日本改造計画を志したのは消費税の健全な定着のためだった)


 昭和63年に導入した「消費税制度」は竹下登首相の功績であるといわれており、それを否定するものではない。しかしこの時、内閣官房副長官の小沢一郎という政治家がいなかったら、「消費税制度」は成立しなかったと私は思う。当時の私は衆議院事務局委員部副部長で、消費税法関係法案の国会審議での現場責任者であり、与野党はじめ政府関係者、マスコミからこき使われたものだ。その時のことは、日記に記録していたので近く出版の予定だ。本格的な「消費税制度物語」となるだろう。

 政治家・小沢一郎は、「消費税」に強い関心をもっていた。それは消費税が占領時代の直接税過重の我が国の税制度の根本を改革するもので、健全な消費税制度として我が国に定着させたいという願いがあった。西欧・北欧のように、国民が信頼する政治・行政の改革だけでなく、社会や経済も、人類の普遍的常識を理解する国民となることが必要と考えていた。これら制度改革や意識の改革なしで消費税増税を単純に行うこと、特に財政赤字のために安易に税率を上げる癖を国家がつけると、国民生活を困窮させ国家を破綻に至らせることは誰でもわかることだ。

 竹下内閣では、消費税制度導入するにあたって抜本的行財政改革の断行を国民に訴え、消費税施行の8ヶ月後、自民党は『消費税の見直しに関する基本方針』も発表した。これらがほとんど実現されなかったことは、『消費税制度物語』(原点―86)で述べたとおりである。

 この時期、平成元年(1989)12月2日、米ソ首脳(ブッシュ・ゴルバチョフ)がマルタで会談し米ソ冷戦が終結する。冷戦の終結は国際社会を激動させた。特に日米安保体制で、安全保障も経済も、米国に依存していた我が国にとっては、敗戦後始めて自立して生きることを考えざるを得なくなった。ほとんどの日本人は「これで資本主義が勝った。これから平和と繁栄の時代となる」と喜んだ。しかしこの時、深刻な顔をしていたひとりの政治家がいた。海部政権を支えていた、自民党幹事長・小沢一郎であった。これからの国際政治と経済について、彼はこう言った。

 「僕は、冷戦の終結はパンドラの箱が開いたと同じことだと思う」

 ゼウスが、あらゆる災いを封じ込めた小箱をパンドラに人間界へと持たせて、それを開けさせたようなものだ(ギリシャ神話)、ということである。小沢幹事長は続けて、「これから資本主義の暴走が始まる。米ソの戦争はなくなったが、富の偏りによる地域紛争や民族や宗教の対立が激化する。戦後政治の惰性で生きてきた日本は、自立して世界の中で活動するために、これからどうするべきか」と語っていた。

 これを契機に、小沢幹事長は総合的研究を組織的に始め、平成3年には『日本改造計画』の原案を書き上げていた。そこでは、日本人および日本国としての在り方の根本姿勢を論じた。そして、その基本となる税制の抜本改革にもふれ、消費税について次のように述べている。

 「現在3%である消費税の税率を欧州諸国と米国の中間の10%とするのである。それと同時に所得税・住民税を半分にする。この消費税率の引き上げは、単に直間比率を是正するだけに止まらない。大幅な所得減税により、勤労者に働く意欲を起こさせ、可処分所得の使途について個人の選択の幅を拡げる。・・・・・・・」

 小沢氏は、これらの改革を自民党で実現しようと努力したが、守旧派の反対で実現せず、自民党を離党することになる。小沢氏の『日本改造計画』は、政治改革のごくごく一部が実現されただけである。それから20年の歳月が流れた。09年総選挙のマニフェストで示した行財政の抜本的改革も手つかずで、東日本大震災や福島原発事故への対応も遅れている。また、欧州を起点とする世界恐慌さえ喧伝される最悪の中で、『消費税増税』にひた走る野田政権の有り様は狂気の沙汰でしかない。

 

(小沢一郎氏が政界から排除される理由)


 小沢氏の政治信条をひと言で言うなら、「我が国に健全な民主政治を定着させること」である。これは国家社会では当然なことであるが、我が国ではきわめて困難なことでもある。何故か、我が国には意識的か無意識的か、小沢氏の考えを妨害する仕組みが存在するのだ。

 第1は、明治期に作られた官僚組織が、官僚支配という既得権の呪縛に捕らわれた本質が改善されるどころか強化していることだ。第2は、巨大メディアが、「社会の木鐸」の役割を担わなくなったことである。理由は、高度情報化社会が進む中で自己改革を行わず、既得権の甘い汁を〝官僚権力と共有〟して生き残ろうとしていることだ。長期不況の中で企業からの広告費減収分を、官僚権力からの税金(政策広報費)で賄おうとしている。巨大メディアが揃って消費税増税に賛成し、「増税しなければ国家が破綻する」とか「野田首相は豹変して進め」(朝日新聞)と、先の戦争を煽った反省の弁も忘れて、再び狂ったような主張が行われている。

 以上が小沢氏の考えを妨害する代表例である。官僚にしろ、巨大メディアにしろ、「民主主義」を表看板にしている。しかしそれは、彼らの「隠れ蓑」に過ぎず、自分たちに都合のよい戦後民主主義のつまみ食いであり、決して国家・国民のための民主主義では断じてない。小沢氏の政治力で「真の民主主義」を実現することに恐怖しての排除・妨害である。

 本年は「小沢氏の強制起訴の裁判判決」と、「消費税増税問題」という、我が国の民主政治の根幹を問う問題に回答が示され、司法と立法の分野で、日本に「民主主義」が実在しているか否かが試される大事な年である。

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