「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―96(臨時増刊号)

 

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

(小沢氏の「強制起訴」裁判を監視すべし)


 2月17日(金)、東京地方裁判所は検察審査会から強制起訴された小沢一郎氏の公判で、元秘書・石川知裕衆議院議員の捜査調書(政治資金の虚偽記載を小沢氏に報告をし了承を得た)等を、証拠として採用しないと決定した。大善裁判長の厳しい検察批判が目立ったが、永田町では「小沢無罪で政界どうなるか」との話が流れ始めたが、そう簡単な話ではない。

 現在の司法権が「法と証拠」で真っ当な裁判を行う保証はない。昨年9月26日の東京地裁の石川議員らの判決を見れば明らかだ。「虚偽記載」は問題の本質ではない。それが裁判の中心になること自体が問題なのだ。政治権力に指示された検察側が、小沢氏がゼネコンの裏金を受けとったとして、小沢氏の政治生命を断つための冤罪をつくろうとしたことにあった。

 その裏金が、小沢氏に関してはまったく無かったために、会計士の多くが適法であるという政治資金報告書を裁判で争うという見当違いのことをやっているのだ。小沢氏を政界から排除しようと、わが国の既得権支配層の企みが、政治だけではなく、どれだけ経済・社会の大きな損失を与えているか、国民の皆さんには是非とも理解してもらいたい。

 亡国者たちの手先になった検察という国家権力がやったことを内部告発した情報がある。小沢氏の陸山会問題に関わった東京地検特捜部関係者の情報を、「メルマガ・日本」臨時増刊号で速報する。

 

《仮面の民主主義・暗黒国家日本の正体》


 2月14日(火)の朝日新聞朝刊(東京13版)に注目すべき「小沢裁判」の報道があった。『捜査資料開示を要求した小沢氏弁護側 指定弁護士に』という見出しで、私が強い関心を持ったのは次の記事である。

「元検事の前田恒彦受刑者(四四)=証拠改ざん事件で懲戒免職=が小沢氏の公判で『存在する』と証言した取り調べ時のメモについても開示を求めた。メモには『ゼネコンが小沢氏側への資金提供を否定した』との記載があったとされ、指定弁護士が『70通存在する』と弁護側に回答していた」

 この、『ゼネコンが小沢氏側への資金提供を否定した』という捜査メモが、何故公判に提出されないのか。疑問をもった私は、その日に検察問題に詳しいジャーナリストの友人に意見を聞いた。友人は「ごく最近、東京地検特捜部関係者から重大な情報を聞いた。この人物の氏名は明かせないが、きわめて重大な問題なので伝えたい」とのこと。

 特捜部関係者の情報の要点は次のとおり。

     東京地検特捜部の小沢関係の捜査には「業務班」と「身柄班」があった。前田元検事は身柄班なので詳しく知る立場ではない。自分の担当した範囲で知りうることを証言したと思う。

     業務班は約50社のゼネコンについて、小沢氏に裏金を渡したかどうか、徹底的に捜査した、100人を超えるゼネコン社員を絞り上げたようだ。水谷建設を除く全社が小沢氏への裏金を否定した。問題の、水谷建設の川村社長については、政治家の名前を使って会社の金を「女」に使っていたことを業界ではよく知られていたので、特捜部では水谷建設の小沢氏への裏金を真に受ける人はいなかった。

     ゼネコン約50社の捜査メモは、捜査資料としてきちんとナンバーを付して整理されている。捜査資料には他の政治家への裏金提供が結構記載されていた。

     この捜査資料を小沢氏の公判に提出することについて、検察側では最高検を巻き込んで大議論となっていた。現場で苦労した人は「検察を正常にして国民の信頼を得るべきだ」と主張し、赤レンガ組(東大卒等のエリートなど)の中には、絶対提出するべきではないと対立した。結局、資料は指定弁護人に渡してあるとして任せればよい、と検察側は判断しないことになった。検事総長は腹を決めていたようだが・・。

     現在、検察内部では大きな議論が出ている。米国の大学に留学して在米大使館などに勤務し、米国式の秩序維持に拘り、出世だけしか考えない人たち、現場で苦労して検察を健全にしたいという人たち、そして赤レンガ組でもそれを理解する人がいる。小沢氏をめぐる捜査が検察内部に反省と論争をよんでいるのだ。

 これは、検察良心派の内部告発といえる。小沢氏への捜査が、政権交代阻止のための「政治捜査」であったことを、私は平成21年3月の西松事件以来、機会あるごとに論じてきたし、「メルマガ・日本」でも再三書いてきた。その私に、検察側の内部告発とも思える情報がもたらされたことは、「天の配剤」といえる。しかし、この情報を証明する術を私は持ち合わせていない。

 2月15日(水)には、小沢弁護団が要求していた「検察審査会に東京地検が提出していた捜査資料」の開示を指定弁護人は拒否した。こうなると、小沢氏の裁判について公正な公判が行われる保証はない。憲法上、国民の信託にもとづく裁判がこのような状態で、公正に行われるはずはない。わが国は、民主主義の仮面をつけた暗黒国家である。

 

《『権力の犯罪』の究明が日本再生の鍵だ》


 小沢氏をめぐる「政治捜査」、検察審査会の「強制起訴裁判」をひと言でいえば、『権力の犯罪』である。次の問題を究明することが、わが国の統治を正当化できる出発点だ。

第1、   東京地方裁判所は、「小沢裁判」で小沢氏関係の捜査に当たった東京地検特捜部部長及び副部長を証人として召喚し、真実を究明すべきである。また、東京地検は「裏金捜査」で判明した他の政治家を捜査すべきである。これを放置することは、検察庁法違反となる犯罪である。

第2、   小沢氏への「政治捜査」について、国会側の究明が、ほとんど行われていない。与野党を超えたわが国の議会民主政治の存立にかかわる問題であり、国政調査権の限界などない。捜査時点の検事総長および関係者を証人喚問し、国会の権能で真実を究明すべきである。

第3、   ここ数年の巨大メディアの小沢氏に対する「人格破壊工作」は、民主主義社会では許されない事態である。朝日新聞が「ゼネコンが小沢氏側への資金提供を否定した」と、捜査メモについて報道するなら、それなりの情報と裏付けがあるはずだ。日本の巨大メディアが社会の木鐸を自負し、真に日本の再生を願うなら、小沢問題については真実の報道に立ち帰るべきだ。

 

(小沢氏の「強制起訴」に民主党政権が関与した疑惑を究明すべきだ)


 小沢氏の検察審査会による「強制起訴」は、民主党政権の有力閣僚が関与していたとの情報がある。この問題は、統治権力の腐敗として究明されなければならない。情報の要点を説明しておく。
①平成22年4月13日、民主党による「事業仕分け」で、法務省所管の「事前調査」が行われた。その時、社団法人「民事法情報センター」の香川保一理事長の金銭スキャンダルが判明した。
②香川氏は最高裁判所判事、法務省官房長や民事局長などを歴任し、最高裁と法務省のパイプ役として戦後活躍した大物法曹人であった。
③同月16日、衆議院法務委員会で事業仕分けの事前調査を行った民主党委員が、この問題を採りあげ、千葉景子法務大臣に質疑を行った。それが読売新聞に小さな記事として報道された。
④この問題は、香川元最高裁判事が刑事責任を問われる可能性があること。また、法務省の監督責任を問われることになるので千葉法相は対応に悩み、政権幹部に相談することになる。
⑤連休明けの五月八日、社団法人「民事法情報センター」は突然解散し、多数の有料会員や利用者を困惑させた。

 この問題は、単なる社団法人の不詳事件として処理されるべきことではない。元最高裁判事・元法務省官房長や民事局長などを歴任した香川保一理事長という法曹界の重鎮の刑事責任や社会責任をもみ消し、不問にした千葉法相の責任は重大である。千葉法相ひとりの判断で決めたことではなく、民主党政権の弁護士資格を持つ有力閣僚の動きがあったとの情報があり、真相の究明が必要である。

 法曹界に詳しい専門家の情報によれば、香川理事長を不問として問題をもみ消した有力閣僚は、最高裁と法務省に絶大な「貸し」をつくったことになる。その貸しを政治的に利用したのか、しなかったのか。きわめて重大な問題であるとのこと。政局は、同年六月に鳩山政権から菅政権に交代し、小沢元代表は排除される。7月には参議院選挙が行われ、九月始めには民主党代表選挙となる。

 そして、検察から不起訴とされていた小沢民主党元代表は検察審査会によって強制起訴となり、東京地裁で裁判を受けることになる。同時に、民主党党員資格停止処分をうける。検察審査会の構成、審査、議決の有無や手続きなどについて、さまざまな疑惑が報じられている。その中に菅政権の有力閣僚の関与という情報もある。それらは、強制力を持つ国家権力の腐敗、否犯罪の疑惑でもあり、国会において徹底的に真実を究明すべきである。

 国民の、国家に対する信頼の回復が、消費税増税よりも優先することは自明の理である。

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いをよろしくお願い申し上げます。

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