「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―103

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

 野田内閣は3月31日(金)、消費税増税法案を国会に提出した。本来であれば、政治史に遺すべき政権交代の総選挙でのマニフェストを破り捨てたわけだ。どんなに詭弁を弄しようとも、議会民主政治では絶対に許されない「有権者を騙した」ことになる。30日夕刻の野田首相の記者会見には、生きた人間の感性はなく「財務省マインドコントロール」による改造人間の姿であった。

 野田内閣は国民新党との連立政権であった。亀井静香代表が、連立合意の主要事項「消費税増税は行わない」に反するとして、連立離脱を声明したのは当然のことだ。議会民主政治の条理に反しているのは、自見国務大臣ら6人の国民新党国会議員たちだ。亀井代表が「連立離脱した」と公式発表しているのに、藤村官房長官は権限もない他党のことを「連立政権から離脱していない」と記者会見した。この発言は追求しなくてはならない。まず、消費税増税法案の閣議決定手続きが法的に有効かどうかの疑惑である。これは国会で十分追及して欲しい。

 問題は、こういった不条理なことが行われた時、よくあるのは政治の裏側での不祥事だ。まさか、官房機密費で6人が事実上買収されたとは思わないが、自民党政治手法より劣化した野田政権のことだから、疑いを持つのは私だけではないだろう。

 民主党内では、「国民の生活が第一」の政権交代の原点に戻れとの信条のもと、政務3役4人と執行部を合わせて30数名が辞表を提出した。国民主権という憲法原理を考えれば当然のことだ。これからの展開にもよるが、第2波・第3波が続くであろう。これらを「造反」といってはならない。ことの本質は、野田首相が国民に「造反」したのだ。問題は野田首相が反省し、議会民主政治政権交代の原点に戻れるかだが、ほとんど絶望的になった。

 国民の生命を削ることになる「消費税増税法案」の成立に向け、必死に活動しているのは、まず巨大メディアである。次に案外知られていないのは、自民党から民主党に移った長老政治家である。これらの実態について「狸眼」(普通の人が見えないものを視る力)で論じてみよう。

 

(社会の瓦礫となった巨大メディア!)


 最近、テレビのCMに変わったのがある。朝日新聞の『天声人語』のそれである。「国会は言論の府といわれるが、口論の府になり下がっている」という趣旨のものだ。まったくその通りだ。しかし、それを「朝日新聞だけには言われたくない」。否、朝日だけではなく、巨大メディアが言える話ではない。

 マスコミ・メディアの存在意義は「社会の木鐸」ということだ。木鐸とは「世人を覚醒させ、教え導く」(広辞苑)ことだ。それがなければ、世俗を害するイエローペーパーであり、単なる営利企業でしかない。否、「小沢排除」や「消費税増税」などの捏造報道や、検察庁や財務省などの御用マスコミ化は、近代社会とはいえない酷いものであった。「社会の木鐸」どころか「マネーゲーム社会の瓦礫」といえる。

 朝日新聞の悪口だけではバランスを欠くので、読売新聞についても言っておく。私は10数年前、渡辺恒雄社主から名誉毀損で訴えられることになった。理由は渡辺氏の名誉のために言わないが、私の人生の恩人・林穣治元衆議院議長や、前尾繁三郎元衆議院議長から聴かされた渡辺恒雄政治部記者の活躍ぶりを、裁判所で表明できる絶好の機会と思った。
 この告発を喜んでお受けしようと張り切っていたところ、中曽根元首相が「渡辺君が平野君と裁判しても、得することは何もない」と、当時の小沢新進党党首を通じて話があり、私が渡辺氏に『挨拶』に行き、仲直りしたことがあった。この時話題は野球談義に転じ、私が「近代野球は、米国の三権分立の民主政治を参考にしてつくられた、フェアープレー精神を原点としている。日本人で初めて野球をしたのは、私の故郷の偉人、中浜万次郎だ。野球は、明治になって中等人間教育のスポーツとして採用したものだ。野球を絶対に金儲けの道具にしないように」と、お願いしたがまったく聴く耳をもたなかった。今日の読売巨人軍をめぐる混乱を説明する必要はなかろう。

 健全な議会民主政治に絶対に必要なのは、健全なマスメディアの存在である。記者になるには難関の試験にパスしなくてはならない。高級公務員試験と同じようなことで、記者に必要な人格を遺失した人物が重要視される。特に『大東京』という日本社会の魔界で競争に明け暮れる人たちにとって、気の毒なくらい人間性を喪失させている。

 しかし、講演で地方を回って感じるのは、まだまだしっかりしたマスコミ人が生き残っている。政治改革、否、国家改造はマスコミ改革につきると断言できる。このメルマガを執筆中に、TBSのテレビ番組が目に入った。岩見隆夫氏が消費税増税に賛成する理由として「中央紙の全部の社説が賛成ではないか」とのこと。社説の数を賛成の理由にするとは、言論界の粗大ゴミになりさがったのか。

 

(自民党から移った長老議員が民主党を悪くしている!)


 3月28日(水)、珍しく新進党・自由党時代の同志、鈴木淑夫元衆議院議員から電話があった。鈴木氏といえば日銀理事・野村総研理事長などを歴任した超一流のエコノミスト界の長老だ。藤井裕久衆議院議員の盟友で、藤井氏に口説かれて政界に入った因縁がある。驚いたことに、藤井氏に対して「いまや彼は敵だ」と激しく攻撃した。

 野田首相をマインドコントロールして、民主党内を消費税増税推進として引っ張ったのが藤井氏だ。彼とは大蔵官僚時代からの付き合いで、自由党時代は、藤井幹事長―平野副幹事長のコンビを組んだ中だった。鈴木氏がそこまで腹を固めた話をするなら、私も「自由党から民主党に移った長老政治家」についてひと言いうべきことがある。

《藤井裕久―上半身が官僚のままの政治家》 藤井氏をひと言で評すれば「政治判断がまったくできない政治家」だ。大蔵省の秀才で、昭和30年代から40年代にかけて、経済成長期の社会保障制度を「大蔵省の立場」から策定に参画した。その枠から一歩も出られずに民主党の社会保障論議を根底から壊した。税制改革、ことに、消費税制度の創設にはほとんど関わっていない。大蔵省的形式論理しか知らない、政治的認知症のようだ。政治的感性があれば総理大臣にもなれたが残念なことだ。

 藤井氏は小沢側近として知られ、小沢氏に尽くしてきたと言われているが、複雑な関係であった。2人とも気を遣いすぎて本音で論議することなく、何時も私が通訳を担っていた。平成12年4月、自由党が自・自公連立を離脱し分裂した時、小沢党首は私を呼び「藤井幹事長は自由党を離れて連立維持派に行く。平野さんは何十年もの付き合いだ。こんな時、あんたはネジが切れるぐらい相手を攻めるので、それをしないでほしい。藤井さんは僕から離れたいのだ。自由にさせてやってくれ」と静かに語ったことを、今でも鮮明に憶えている。

 「わかりました」と、一応は素直に答えておいて、藤井さんの判断・行動を許すことのできない私は、事務局が名づけた「野生の古狸」ぶりを発揮し、鈴木淑夫氏の協力で、ある大芝居を打ち藤井氏を分裂派に行かせなかった。「どんな芝居か?」それは彼の名誉のためにも言えない。
 その頃には、かなりの「アルコール依存症」で、暇さえあれば、九段の小料理屋の昼食に付き合って酒を飲んでいた。講演やテレビ出演の直前には、自家用車に常備してある「ワンカップ大関」を飲んで登壇・出演していたのをよく憶えている。

 民・由合併後、民主党の一見インテリ風の若い国会議員から尊敬されて得意になっていた。その頃私は参議院議員を辞めていたので心配していた。民主党内で、藤井氏の経歴と教科書風の話しぶりに憧れるという現象ができた。人間を視る眼のない官僚政治家が、思想のない形だけの理論と年表歴史学で、若い政治家をたぶらかしていた。

 落選後、何度も引退を表明したが誰かに言われると反転した。ポストを欲しがる官僚根性だけが目立った。この頃には「認知症」の前段ではないかと思われることがあった。政権交代して、財務大臣に就任させたことが、民主党政権の混乱に至った要因だと私は見ている。世間も「東大出の大蔵省からの政治家」ということで、藤井氏の本質を見抜けなかった。そんな神話は昭和の時代で終わっている。

 4千万人日本人の生命を削りかねない消費税増税を、藤井氏が中心でつくることになることを『認知』できなくなっているのだ。

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