「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―109

日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

 

◯憲法違反の指定弁護士による「小沢無罪」控訴を許してはならない!


 小沢裁判の指定弁護士は5月9日(水)、東京地裁の「無罪」判決に対して東京高裁に控訴した。これは憲法第31条(法定の手続きの保障)に明確に違反するものである。法曹マフィアによる日本国の劣化は、最悪の事態となった。最早「法治国家」とはいえない。総力を挙げて、司法・法曹界正常化のため、国民による大掃除が必要である。

 そもそも、検察審査会法による指定弁護士の起訴(公訴)権が、合憲か否か、根本問題があるが、ここでは百歩譲って触れないこととする。但し「控訴権」については明文の規定はない。検察審査会法の解釈運用で行っているのだ。以下、条文に基づいて論じてみたい。

 検察審査会法第41条の9第3項本文は「指定弁護士(略)は、起訴議決に係る事件について、次条の規定により公訴を提起し、及びその公訴の維持をするため、検察官の職務を行う。(略)と規定している。これを、「控訴」の法的根拠として、実務上運用されているのだ。

 「陸山会小沢問題」は、検察が総力を挙げて捜査し、2回に渡って不起訴としてものを、政治や検察の関与が疑われる中で、東京第5検察審査会が強制起訴したものだ。その第一審で、明確な「無罪」判決を受けたものを引き続き刑事被告人として、さまざまな自由を奪い刑罰を受けるかのごとき立場に置くことはきわめて重大な問題である。これを「公訴の維持をするため、検察官の職務を行う」という曖昧な規定で、「控訴権」とするのは明らかに違憲行為である。

 憲法第31条を見てみよう。「何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命もしくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない」とある。この憲法の規定から、指定弁護人の役割である「公訴の維持をするため、検察官の職務を行う」(検審法)の適切な解釈・運用は、「有罪」判決に対して、被告人が控訴した場合に限定するべきである。「無罪」に対する控訴は法律で明文化しないかぎり、憲法に違反することは法治国の原理だ。

 国会では、「新しい政策研究会」(新政研=小沢グループ)が『控訴方針に対する声明文』を5月10日(木)に発表した。その中には「指定弁護士に対して控訴権が付与されているかについては、明文規定がない。明文規定の無い手続きによって活動の自由を奪い、刑罰を科すことは、基本的人権を保障する日本国憲法第31条に違反する」との文言がある。この問題は立法権を指定弁護士が冒涜することであり、新政研では「国民と司法の関係についての特別研究会」(座長・森ゆうこ参議院議員)を設置した。立法府の責任として、事の筋道を国民に示すことを期待する。

 

(「小沢裁判」控訴の背景を推論する)


 「小沢無罪」に控訴を決めた指定弁護士が、5月9日に記者会見した内容に注目したい。「控訴を決めるには政治的圧力を受けていない。政治的影響力を考慮しなかった」という趣旨の発言である。これに対し、小沢弁護団の弘中弁護士は「被告の立場や政治的影響を無視して、控訴したとしたら問題だ。社会的な影響を十分考慮するのは当たり前だ」と批判した。これも大事な指摘である。指定弁護士がことさらに、このような発言をしたことは、政治的圧力というか、控訴への強い要請があったことを疑わせるものだ。純粋に法的根拠に基づく控訴なら、わざわざ断る必要はまったくない。案の定、翌日には政治的要請によって控訴が決められたとする数々の情報が飛び出してきた。その中でも「なる程」と思われる情報を一つだけ紹介しておく。

 ある専門家の情報だが、「財界筋が動いた」とのこと。田中秀征氏ら有識者の見方も共通している。情報を整理すると次のようになる。

 「フランスの大統領選挙のサルコジ氏敗北などで、緊縮財政派への批判が国際的に強くなった。関連して、国内では消費税増税への環境が悪化した。こんな時期に小沢さんが完全復活すると消費税増税は絶望的になり、原発の再稼働にもブレーキがかかる。そこで、1年ぐらいは座敷牢とまではいかなくても、足かせぐらいなものが必要」というのがことの始まりのようだった。

 ところが問題があった。指定弁護士を務めると彼らは著しく減収になることだ。この対策に時間がかかって、控訴の決定が期限の土壇場になったようだ。原発再稼働で財界の代弁者となっている民主党政治家の暗躍もあって、指定弁護士の減収を補う対策がぎりぎりでできた。ここにきて、まさか「裏金」というわけにもいかないので、多くの企業の顧問弁護士に就くという「合法的」な手段で決着したようだ。

 以上の「物語」は、事実かどうかは明確ではない。多くの情報を整理して、3人の指定弁護人の記者会見での態度を深層心理学的に推論したものだ。これだけの憲法冒涜を犯した3人の弁護士だから、この程度の推論は許されるだろう。事実関係を直ちに証明することは適わないが、1~2年経てば、指定弁護人の申告所得が公になるだろうから、ある程度はわかることだろう。もし減収のままだと記者会見の話は真実となる。否、もっと天才的なワルかもしれない。先行きを楽しみにしたい。

 

(指定弁護士の控訴にどう対処するか!)


 わが国の司法試験合格者の最大の特長は、憲法にきわめて拘るタイプと、憲法原理を著しく冒涜するタイプが極端に分かれていることだ。これは司法試験と司法教習に欠陥があるからだといえる。憲法の基本原理や精神を無視しなければ法曹界では出世できない構造になっている。本来であれば、法曹人は共通の憲法コンセンサスを持つべきだ。

 「小沢裁判控訴問題」で、まず第一に行わなければならないことは、控訴した弁護士に対して憲法違反の訴訟を起こし、国民に法曹界に棲むエリートたちの憲法感覚を暴かなければならない。この憲法訴訟の内容や方法については、専門家の指導を期待している。

 第二に大事なことは、国会議員の憲法に対する感性もきわめて問題がある。改憲論や護憲論に熱心な政治家は大勢いるが、議会民主政治の本質について、関心のある政治家はごく少数である。

 西松事件から始まった所謂「小沢問題」は、国民主権で選ばれた国会議員が、しかも、政権交代の主役であるべき政治家を政界から排除するため、自民党政権と検察官僚が仕組んだ、憲法冒涜の政権犯罪であった。根本原因は自民党政治家の憲法感覚にある。さらに、民主党菅政権の弁護士政治家たちが、法曹マフィア化して国家を蝕んでいるのが実態だ。指定弁護士の「控訴」はその帰着である。

 国会議員に憲法の本質を教えることが喫緊の課題である。国会も最高裁もその役割を果たしていない「憲法オンブズマン」を、国民レベルで結成して、わが国の権力を国民の手で監視する組織をつくらなければ、この国は救われない。

 このメルマガを執筆中(5月13日)、フジテレビの「報道2001」が放映されていた。そこでキャスターの平井氏が小沢裁判の控訴にふれ、「もっと司法を信頼せよ」と、小沢問題をめぐる検察・検察審査会・裁判所のあり方を擁護した。こういうメディアのあり方を『憲法オンブズマン』で社会的に問題にすることも必要だ。

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