「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―134

                                   日本一新の会・代表 平野貞夫妙観


○ 憲法違反や、議会民主政治に反することがらが多すぎる!

 憲法のあり方を高らかに訴え、第三極をまとめて次の総選挙で政権を獲得することに生命を懸けるという人物が出現した。テレビ各局は救世主扱いとし、一部の新聞は太鼓を叩いている。願わくは、この人物が憲法政治・デモクラシーの本質について、常識ある感覚を持ってくれるなら、日本は良くなる。それにしても、国会が憲法違反ばかりしていることは看過できない。最近の問題を整理しておく。


(臨時国会での「政府の所信表明」を、参議院が拒否したことは憲法違反である)
 野田政権の肩を持つ気はまったくないが、憲法の原理や規定に明らかに違反していることがあれば、これを指摘し警告を発することは、後期高齢を過ぎた私の責任だと思っている。さて、憲法のどこに違反するのかを論じてみたい。

 憲法第63条をみてみよう。

 「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議員の一に議席を有すると有し

  ないにかかわらず、何時でも議案について発言するため議院に出席す

  ることができる。又、答弁又は説明のために出席を求められたときは、

  出席しなければならない。」


 これは「内閣総理大臣や国務大臣の議院への出席権および出席義務」を規定したものである。「出席権」とは、単に出席というのではなく、「出席し発言する権利」である。「出席義務」とは出席を求められた場合に答弁等の義務があるということである。要するに、衆議院や参議院が、内閣総理大臣に対して出席・発言することを拒否することは、憲法第63条に違反することになる。

 ただし、この規定に例外がふたつある。①内閣総理大臣や国務大臣の職務に関係する議案の審議が行われる場合に限られること。②内閣総理大臣や国務大臣の職務に関係のある会議でも、秘密会が行われる場合、議院が出席を拒否した場合である。これ以外の場合、内閣総理大臣や国務大臣は憲法第63条により議院に出席し、発言する権利を保障されている。議院はこれを拒否できないのである。

 これに対して、憲法解釈と政治論から問題の提起がある。ひとつは、「議案について発言するため」とあり、「所信表明」は議案ではないので、所信表明を拒否するのは憲法第63条違反にはならないという意見である。「議案」には国会法や議院規則の用語として、議院の議決を要する案件をいう場合があり、これならその通りである。しかし、憲法上の「議案」とは、これより広く議院の会議におけるすべての議題を意味する。

 そもそも「所信表明」とは、臨時国会を召集した責任者である内閣総理大臣が、その目的と理由、そして提出する案件などの要点を、それぞれの議院で国会議員に説明し、それを通じて、国民に伝えるという役割をもっている。いわばその臨時国会の審議を総括する機能をもっており、国会議員も国民も「所信表明」によって、国会が何を審議するのかを事前に知ることができるのである。議会民主政治の基本と理解すべきことだ。

 もうひとつの問題は政治論である。先の通常国会の会期末、参議院で「野田首相問責決議案」が可決されており、野田首相が責任をとらない限り参議院に出席して発言することを拒否するというものだ。ご承知のとおり、参議院での問責決議案は憲法に基づくものではない。従って憲法上の具体的責任が生じない。政治的判断によって対応すべき問題である。政治的問題とは、各会派や議院それぞれの判断で対応することだ。

 参議院での閣僚の問責決議は、参議院での先例として存在しているものである。問責を受けた閣僚が辞任という責任で対応したこともあり、時間をおいて内閣改造で辞めた場合もある。それぞれのケースで対応が異なるのは、政治判断によるものだからだ。従って、「所信表明」という憲法上の政府側の権利を、参議院の多数の意志によって拒否できる性格のものではない。勿論、何時行うかといったことは、参議院の意志で決めるものだが、問責決議が可決されたことを理由に、所信表明を拒否することは憲法違反であり、時期が遅れたとしても憲法上の義務を果たすべきである。

 この問題でもっとも重大なことは、日本人のほとんどは「所信表明の拒否」を憲法違反という感覚で受けとめていないことである。各メディアの論調は「憲政史上初めての不祥事」とは論じてはいるものの、「憲法第63条違反」とは誰も論じていない。憲法や政治学者から何の声も起こらないとは、どういうことだろうか。

 さらに不思議なことは、政府や与党が何の反論もしないことである。本来なら内閣声明で参議院に抗議すべき問題である。最大の責任者は参議院議長である。これは参議院事務局の問題でもある。わが国では「統治行為論」という憲法慣行があり、政治問題について司法権が判断しない。国会の行為で憲法違反があっても司法が関わらないのだ。それ故に議長を補佐する事務局の役割は重大である。憲法判断を補佐することになるからだ。

 私は衆議院事務局在職中、憲法違反の強行採決を止めるために、しばしば職を賭して政党幹部を説得したものだった。昨今の議会政治をみるに、政治家にも問題があるが、両院事務局の憲法政治に対する感性が希薄になった気がしてならない。今回の参議院での「所信表明拒否」は、参議院無用論を引き起こすだけではない。国会無用論に繋がりかねない問題だ。


(「小沢陸山会問題」、は議会民主政治の根本を破壊するものだ!)

 憲法や議会民主政治の原理を冒涜した政治は、このほかにも「違憲状態の両院定数是正の放置」や「民主党のマニフェスト詐欺」等々がある。

 ・以下、略

★追記
 9月度より、会員用発行記事については、3割レベルの転載に成りました。
 情報掲示としては、少なく成りますが、ブログとして一部転載を継続して行きます。
 尚、会員用には、全文と事務局コメントがメール配信されております。
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

nipponissin1

Author:nipponissin1
   代    表 : 平野 貞夫
   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
動画
 
最新記事
リンク
一新のトランク
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
Translation Tools
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!
Powered By FC2ブログ