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自民党政治と民主党政治に代わる新しい政治

                                         日本一新の会・達増 拓也
                                                 (岩手県知事)


 今回の解散総選挙は政権交代のやり直しとなるべきで、まずは政策の大転換が求められるのだが、政治手法についても転換点とすべきである。自民党政治でも民主党政治でもない、新しい政治への交代である。
 新しい政治がどうあるべきか、①政治家と官僚の関係、②政治力の源泉、という二つの軸から述べる。

 自民党政治は、きつい言い方をすれば「官僚に寄生する政治」。官僚主導を基本としながら、地元や業界の要望に応えて政治家が調整を行うシステムである。「陳情政治」であり、いわゆる「利益誘導政治」だ。

 これに対して民主党政治は、「官僚に取って代わろうとする政治」。官僚の仕事を政治家が自分でやろうとする。つまみ食い的に政治主導の形を見せるが、全てを政治家だけでやれるはずがなく、残りの仕事は官僚に丸投げとなる。「パフォーマンス政治」である。事務次官に取って代わったかのように、省益の代弁者になることも多い。

 次に政治力の源泉。自民党政治は集団主義的であり、政治家は地縁的団体や業界団体と結びついていることがほぼ必須で、結びついている団体が強い(人数が多い、献金額が多い)ほど政治力が強くなる。「利権政治」なのだが、集団主義的なので、私利私欲ではなく「みんな」のために利権を追及するという大義名分がある。

 これに対し民主党政治は個人主義的であり、特定の団体と結びついていないことが「しがらみのない」政治家として評価される。政治力を決めるのは「選挙の顔」としてのイメージのよさである。政策論を展開する頭の良さ、話のうまさ、テレビ映りの良さなどがそのイメージの基になる。

 しからば新しい政治はどうあるべきか。それは、政治家が官僚とは異なる政治家としての役割を果たしつつ、官僚を適確に指導する、それこそ「指導者政治」ではないか。官僚とは異なる政治家の役割とは、民意を代表することであり、国民と共に理念・政策を議論することだ。政策決定は、最終的には内閣が行うが、政策形成は、国民の生活や仕事の現場である「草の根」において、政治家と国民が一緒に行うべきである。政策決定は政府だが、政策形成は党。草の根における政策形成を、党における政治家同士の議論につなげ、仕上げる。なお、私の経験から言うと、小選挙区制は草の根の政策形成に向いている。個別利害を超えた包括的な議論をするのに、小選挙区はちょうどよい。

 ここで力の源泉になるのは、政治指導者間のパーソナルな信頼関係、政治家と国民の間のパーソナルな信頼関係だと思う。「信頼の政治」である。人につながる力、人と人とをつなげる力が、政治力となる。集団主義、個人主義と区別して、ネットワーク主義と呼びたい。

 ネットワーク主義的な「信頼の政治」であり、国民との「草の根の政治」にして、官僚に対する「指導者政治」。この手法をとる政治家は、自民党や民主党の中にいなかったわけではない。しかしそれぞれ党全体のスタイルにはならなかった。今回の解散総選挙は、この政治手法に則る政権を誕生させる機会にすべきではないか。

明治の新政府が発足したばかりで、まとまりがない烏合の衆だった頃、大久保利通は、政治指導者間の信頼関係醸成がまず大事だと考え、定期的な会食を設けるなど細かい配慮をしたそうである。先鋭的な対立もあった明治政府だが、旧幕臣の登用や、国権派と民権派の歩み寄りもあり、「信頼」の力で国難を乗り越えたとも言える。坂本龍馬に象徴されるような信頼のネットワークが、明治維新の力だった。

 「利権政治」でも「パフォーマンス政治」でもない、「指導者政治」の実現のため、新しい日本を作る信頼のネットワークを、総選挙までにできるだけ広く張り巡らさなくてはならない。


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 平野代表は従来から「議会の崩壊」を唱えて警鐘を鳴らしてきましたが、ここに来て、複数の政治学者やテレビコメンテーターからも同様の意見が出るようになりました。しかし、平野代表ほど議会について語れる人材は他になく、政治学者でさえも誤った議会の在り方を語ります。

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