「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

日本は二度と政権交代が起きない国になるのか!

                                         日本一新の会・達増 拓也
                                                 (岩手県知事)
 ◎政権交代

 昨年12月の衆院選で、与党民主党は議席を4分の1に減らす大惨敗だった。これは、かつて自民党政権が長く続いた時代によくあった「お灸をすえる」というレベルを超えた圧倒的拒否である。57議席への落ち込みというのは、「民主党に愛想が尽きた」のはもちろん、「政権交代に愛想が尽きた」という民意であるかのような深刻な数字である。

 いわゆる第3極勢力も、最多が維新の会の54議席で、民主党に代わって政権交代の担い手となるにはまだまだの数字である。みんなの党の18議席、未来の党(当時)の9議席は、さらに少ない。

 しかも、民主党、維新の会、みんなの党は、それぞれ自民・公明と政策ごとに是々非々の姿勢をとる旨表明しており、野(や)党でも与(よ)党でもない「ゆ党」として与党補完勢力となる可能性がある。政権交代を本気で目指すのが、今は生活の党7議席とプラスアルファ数議席という情勢で、そこに見える景色は、次の政権交代の担い手が存在しないような世界である。

 日本は、2度と政権交代が起きない国になるのだろうか。「民主党による政権交代にはすっかりだまされた、もう政権交代はいらない、昔から政権を長く担ってきた党(自民党)がずっと与党でいればよい、牽制役の中小政党がいくつかあればそれでよい」・・・それが先の衆院選で示された民意なのだろうか。

 政権交代の効用は、政権与党が政策的に大きな失敗をしたり、許しがたい政治腐敗を露呈したり、あるいは国民が満足できるような統治の実績を挙げ得ない場合に、国民が現与党を拒否し、他の党にとって代えられるということである。いざという時に、国家国民が現与党を拒否できるように、他の選択肢が用意されていることが必要である。

 さらに、私は、政権交代を、政治発展のためのメカニズムとして位置づけたい。いざという時の「他の選択肢」である野党が、与党よりも先進的な政策パッケージ(それを「マニフェスト」と呼ぶかどうかは別として)を用意することにより、現与党がダメだからというより、野党のほうがより良い統治実績を期待できるから、という形のポジティブな政権交代のサイクルを作るべきだと思うのだ。

 私は、冷戦後の政治の中心的対立軸は、右と左の対立ではなく、前と後の対立だと考えている。市場メカニズムも大事だが、セーフティネットも重要である。充実した社会政策があってこそ、自由な経済活動が可能となる。グローバル化は雇用や生活のリスクを増大させる。個人の幸福追求は、自己責任だけの問題ではない、という傾向が強まる。様々なリスクを公的に担保する「生活保障」が、より重要となる。

 冷戦時代に対立するとみなされていた右の自由主義的政策と左の社会主義的政策を組み合わせていく必要があり、その組み合わせの妙を競い合うのが今日の政治のあるべき姿であろう。右と左の組み合わせで、よりよい政治のビジネスモデルを新しく開発し、そのイノベーション(技術革新)を競い合う、「前対後の政治」である。

 このような「前対後の政治」の下では、政権交代は、新しい政策パッケージの競争の結果、後にいた党が前にいた党を追い越すことで起きる。政権交代を繰り返すごとに政党は前へ前へと進歩し、政治全体も進歩する。

 今の日本に必要なのは、このような「追い越し」ができる党を、野党の側に育てていくことだ。

 与党も、進歩を目指し続けなければならない。しかし、与党というものは、政策の継続性の要請や政府組織内の慣性により、どうしても政策的進歩にブレーキがかかる。自然に遅くなる。やがて進めなくなる。

 だから、日本政治全体の進歩のために決定的に重要なのは、改革志向の優れた野党の存在である。「追い越し」ができる党、思い切って「前」に進むことができる党が必要だ。そのような野党がなければ、日本政治に進歩はなく、退嬰が続き、いざという時には、政治全体が崩壊する。

 私はそういう政党を日本に作らなければならないと思い、18年前から取り組んできた。今でも初志は変わらないし、今のような時こそ、その志を守らねばならないと感じている。日本を、「2度と政権交代が起きない国」にしてはならない。
                                                     (終)
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

nipponissin1

Author:nipponissin1
   代    表 : 平野 貞夫
   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
動画
 
最新記事
リンク
一新のトランク
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
Translation Tools
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!
Powered By FC2ブログ