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「日本一新運動」の原点―153

                                  日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 ◯ 陸山会事件の東京高裁判決は憲法違反以前の問題だ!

 3月13日(水)、東京高裁は陸山会事件の控訴審判決で、小沢氏の元秘書3人に対して控訴を棄却した。判決は元秘書(衆議院議員)石川知裕氏が水谷建設から裏金を受け取ったことを認定した。石川議員は裏金の受領などないと最高裁に同日上告した。
 (3月14日付朝日新聞朝刊)

 この控訴審判決は、憲法違反以前の近代法治主義の条理を踏みにじったものだ。裏金を渡した相手、日時、場所を証言した人物が、「金を渡した日や相手は覚えていない」と陳述書を出したにもかかわらず、証拠申請を却下した。悪質な政治謀略裁判である。最高裁がこれを黙認するようでは、わが国に公正な司法権は存在しないといえる。

 ◯ 憲法問題について(その1)

 3月5日(火)午前10時頃、衆議院事務局時代の友人から電話があった。「今朝の読売新聞の『憲法考』に君の名が出ているよ。憲法第96条を先行して改正するなんてとんでもないよ」と。「大変な誤解だよ。そんなことに関係していない」とは言ったものの、気になったので近くのコンビニで読売新聞を買って読んで見た。

 15年ほど前の話で、たしか参議院決算委員会だった。自自連立の小渕内閣時代に、憲法改正国民投票法の制定と国会法改正の必要性を質疑した時の記事だった。宮沢喜一蔵相や野中広務官房長官に「憲法改正権は国民にあり、それを50年以上整備せず放置しているのは、国民主権を冒涜するものではないか。欠陥憲法と思わないのか」と迫ったわけだ。

 当時、自民党護憲派の宮沢・野中両大臣は、口を揃えて「将来、与野党で憲法改正の内容で合意ができたとき、改正手続きを整備すればよい」と答弁し、私が「憲法政治の責任を放棄するもの」と批判して、両大臣を困らせたことがあった。後日、このことを知った小沢一郎自由党党首から「あんまり年寄りをいじめるな」と注意を受けた。

 私の憲法改正手続の法整備発言を契機に、憲法改正国民投票法制定の議論が活発となる。平成12年には衆参両議院に憲法調査会が設置され、憲法を論議する場が国会に出来ることになる。平成19年には、憲法改正国民投票法の制定や国会法改正が行われた。この時期、私は参議院議員を引退していた。この国民投票法の内容には問題が多く私は反対だ。

 そこでこの機会に、憲法改正について私の考え方や、私がまとめた自由党時代の『新しい憲法を創る基本方針』を説明しておきたい。

 安倍首相が盛んに煽っている憲法96条の単独改正に私は反対である。「各議院の総議員数の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し・・・」を「各議院の総議員数の過半数の賛成で・・・」に改正しようということだが、法理論としては可能だが、憲法政治論からいえばやってはならないことである。

 「日本国憲法」制定の経緯からいっても、占領軍の指導で制定されて、66年という年月が経って日本国の存立条件が根本的に変化した。現憲法の長所は生かし、欠陥は改めるという発想、即ち憲法を発展させるという立場が必要であると思う。そのためには「新しい憲法を創る」という姿勢が必要である。改正手続きのみを改正することは、憲法の性格の変更になる。憲法には人類普遍の原理も含まれており、仮に改正条件を緩和するにしても、国民にその重要性を認識させるため特別の配慮が必要だ。占領下の特殊事情で制定されたことからしても、全体的な見直しの改正が正当である。

 (新しい憲法を創ろう!)

 私の憲法に対する考え方は、敗戦を機に制定された憲法を、改憲とか護憲という条文、主として第九条を中心とする単純で不毛な憲法論を繰り返していては、日本が21世紀に生きることはできない。憲法を文化論として考え、マンネリ化したイデオロギーを排して、新しい憲法文化をつくるべきだとの意見である。そのためには、次の共通した認識が必要である。

 第1は、現憲法の民主主義・自由主義・平和主義・国民主権・市場経済主義などの諸原理が、19世紀の欧米文化の歴史的成果から構成されているという認識。第2は、これらの諸原理は尊重しなければならないが、単純な追随であってはならないこと。21世紀に生かすため改革と発展が必要であるという認識である。大事なことは、現代が19世紀や20世紀と違った、異なる文明へ移行する混迷期であるという歴史観が必要である。科学技術の発達によるグローバル化、高度情報社会化、資本主義の変質・崩壊、地球環境の危機などだ。

 これらの認識を共有して、20世紀までの憲法文化の何を残し、何を改め、何を新しく創るかを考えなければならない。

 その素材として、平成12年12月13日に策定した自由党の「日本一新 新しい憲法を創る基本方針」の要点を紹介する。

 (自由党の「新しい憲法を創る基本方針)

 構成は次の12項目であった。 
(1)国及び国民のあり方について (2)天皇について (3)国民の権利と義務について (4)安全保障について (5)立法権について (6)行政権について (7)司法権について (8)地方自治について (9)財政について (10)教育及び文化について (11)環境・社会保障について (12)改正手続きについて
 余談ではあるが、この「基本方針」をまとめるに当たって、小沢自由党党首が私に指示したのは、「本気で憲法問題をやるなら、土井たか子社民党委員長が賛成するものをつくれ」と難題を突きつけられた。小沢党首と土井委員長の食事会に時々呼ばれ憲法論議を行った。土井委員長から「小沢さんの憲法観は健全だが、平野さんは衆議院事務局時代から危険性があった」と、冷やかされたことを憶えている。

 新しい憲法を創る基本方針
 (1)国及び国民のあり方について


 現憲法の基本原理を継承し、発展させるとともに、日本の文化・伝統を尊重し、自由で創造性あふれ、思いやりのある自立国家日本をつくることを、前文で宣言する。

 今、日本は方向性を失い、混迷の淵をさまよっている。新しい国家目標を掲げて、「自由で創造性あふれる自立国家日本」をつくらねばならない。新しい憲法を創るための指針は次の通りとする。①日本人の心と誇りを取り戻す。②自己中心的な社会から、規律ある自由に基づく開かれた社会にする。③経済の活力を回復し、誰もが生きがいをもって暮らせる社会をつくる。④地球の平和と環境に自ら進んで貢献する。

 (2)天皇について

 天皇は国民統合のための歴史的、文化的存在である。国家元首としての位置も定着しており、国政に関する機能を有しないこと及び国事に関する委任等について、現憲法の原則を変更する必要はない。

 ただし、「象徴」という表現に代わる用語の検討、国事行為に関わる規定の正誤の訂正等の整理を行う。

 (3)国民の権利と義務について

 国家権力と人権とを対峙させる啓蒙時代の発想を克服し、ともすれば阻害されがちな個人の自由を国家社会の秩序の中で調和させる。基本的人権の保障は、国民が享有すべき条理であると同時に、国家社会を維持し発展させるための公共財的なものであると位置づける。

 国民の諸権利と義務は、人類の普遍的原理に基づいて、日本のよき文化と伝統を踏まえるものとする。「公共の福祉」の概念を明確にし、用語を見直す。「思想・信教の自由」については、政教分離の原則の意義を明確化し、価値多元化社会に適応する自由を確保する。国民の知る権利及びプライバシー権、外国人の人権保障とその合理的限界、犯罪被疑者と被害者の人権保護などを検討する。

 自由で公正かつ規律ある経済活動を確保し、勤労者の社会的権利の拡大と経済的発展によって国家社会の安定を図るものとする。主権者たる国民の納税義務についての認識を高める。

 教育、環境保全、社会保障については別項に記載する。

((四)安全保障について以下は次号)

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いを
   よろしくお願い申し上げます。
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