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「日本一新運動」の原点-27

「日本一新運動」の原点-27                日本一新の会・代表 平野 貞夫


(国家機能の崩壊が始まった)

 尖閣列島沖の中国漁船衝突事件をめぐるビデオ流出問題は「自分が流出させた」と神戸海上保安部の海上保安官が名乗り出たことで、問題はより複雑、かつ重大となった。根本問題は中国漁船衝突事件に対する菅内閣の国家運営上の無思想と不見識にある。

 尖閣列島周辺での中国漁船の領海侵犯について、小泉政権時代に「逮捕せず領海外に退去させる」という密約があった。この密約が正当かどうかはここでは論じない。日中両国間の現実的な取り扱いである。9月8日、事件発生に対して、前原国務大臣の指示で、船長を公務執行妨害の疑いで逮捕することになった。

 中国嫌いで知られる小泉首相でさえ、尖閣列島問題の困難さを理解して、政治的知恵で対応していたことを前原大臣は無視したわけだ。中国から激しい対抗措置があることは予知できたはずだ。

 しかし、国家の意思として逮捕という措置を決めた以上、それを貫かなければ国家は機能しなくなる。ところが、9月24日、勾留延長中の船長を那覇地検は釈放すると発表した。理由は「国民生活と日中関係に配慮して」というものであった。


 この措置には国家としていくつかの重大な問題がある。まず、密約とはいえ従来の慣行を破り、船長逮捕を命令した前原国交大臣は釈放の時点で政治責任を負うべきである。ところが当の前原氏は、釈放の時点で外務大臣である。しかも、釈放を強く要請したのは、クリントン米国務長官が前原大臣に対してであったといわれている。これではマッチポンプではないか。ここに根本問題がある。

 次に、那覇地検の船長釈放理由である。「法と証拠」が理由でなく、政治的な判断であることは一目瞭然だ。仙谷官房長官がいかに三百代言の説明をしても、最高検を説得して那覇地検を利用したのは明かである。中国との関係を考えて政治的判断を行うならば、菅首相の指示で法務大臣による指揮権発動によって釈放すべきであった。同時に船長逮捕を指示した前原外務大臣には政治責任を負わせ、辞任させるべきであった。

 事件のビデオ流出問題で、神戸海上保安部の海上保安官が名乗り出て、処分方法について議論が行われている。国民の関心もマスコミも、これに集中している。公務員の規律としての問題はあるが、問題の本質を見落としてはならない。それは菅政権の政権担当能力の問題である。船長の釈放を三百代言で検察権の行使として、菅首相の政治責任で行わなかったことは「責任の回避」として、世界中に菅首相の無能さと、国家機能の崩壊を見せつけた。

 APECを直前に、警察関係のテロ情報がネットに漏れた事件も重大である。ロシア大統領の北方領土訪問も菅外交の恥といえる。何のための政権交代であったのか、国民は怒りをもって見つめている。

(もう一つの国家機能の崩壊)

 菅政権が、日本という国家の機能を崩壊させている原因はいろいろある。ひと言でいえば、民主党として真の挙党体制をとっていないことにある。小沢一郎という政権交代の最大功労者を理解できず、反小沢グループの謀略に乗ったわけだが、菅氏の見識に問題がある。

 小沢氏を政治的に排除しようという勢力は、民主党の反小沢グループだけではない。自民党や巨大マスメディア、そして官僚の中の旧体制思考の人たちは、既得権益の集団である。資本主義が崩壊する歴史を見ようとせず、小沢氏に既得権を潰されることへの恐怖をもつ。小沢氏は「自立と共生」の実現をテーマに、戦後民主主義の誤った部分を正常にすることを政治活動の目的としている。この思想は「人間は自分の言動に責任をもち、人類は皆救済される」という考えに基づいている。これは「真の自由と平等」を希求し、「全ての人間の幸福」を実現しようとする運動に連動する。そして既得権の中で生きる人たちにとっては、小沢氏の存在は最大の敵となる。

 平成時代となって22年間、日本の政界は小沢氏的な勢力と反小沢的なものの闘いであった。何度ともなく窮地に立ったが「自立と共生」の小沢氏の活動を支援する人々がたびごとに増加し、昨年の8月に政権交代を成功させた。小沢氏の政治活動は、日本の民衆の歴史的集合的無意識に支えられた文化革命の側面を持っている。

 自己改革を怠り、小沢氏を排除して生き延びようとする既得権益集団が仕掛けてきたのが、西松事件と陸山会事件という政治資金規正法違反問題であった。国家権力が犯罪を捏造して、巨大マスメディアを動員して世論を偽造して襲いかかったのである。

 検察権力は一年数ヶ月という時間と、約30億円といわれる税金を投入したが、小沢氏を起訴できなかった。それでも憲法違反と指摘される権限を持つ「検察審査会」を悪用して、小沢氏の政治活動にブレーキをかけてきた。東京第五検察審査会の明らかに違法の強制起訴議決に対して、小沢氏側は「議決の無効」と「手続の差し止め」の行政訴訟を行った。しかし、東京地裁も高裁も「手続の差し止め」について、即時棄却した。理由は「行政訴訟に馴染まないので裁判で争ってくれ」というものだ。

 東京地裁と高裁の理由は、裁判権を放棄したものだ。検察審査会を準司法機関というなら「司法権が起訴権を持ち、裁判も行う」ということになり、憲法上許されるものではない。検察審査会の性格や権限だけではなく審査員の選び方、運営などに重大な疑惑があり、これをこのままに放置するなら、わが国の議会民主政治は成り立たない。

 最高裁は小沢氏側の特別抗告を受けて、取り扱いを検討中であるが、11月12日現在、結論は出ていない。最高裁が下級審に差し戻し、行政訴訟を行うか、東京地裁・高裁の決定を覆すことがないとすれば、わが国の司法機能も崩壊過程に入ったといえる。

 この問題は立法府=国会にも責任がある。違憲立法をしたことに対する反省がない。それどころか、与野党執行部は国会対策のため、小沢氏の国会招致を企んでいる。捏造された手続犯罪で不起訴となった政治家が、検察審査会に棚上げされたり、リンチのような強制起訴議決によって、政治活動が妨害されるようなことがあってはならない。日本の国家機能の病状は深刻である。これを打開するのが「日本一新運動」である。
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