「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―202

                                日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

○ 議会政治の再生のための『違憲国会の葬式』

 2月22日(土)、高知市立自由民権記念館で『違憲国会の葬式』が厳粛に挙行された。参列者は報道によって差があるが、高知新聞では「百人の献花」とのこと。朝日新聞と共同通信の配信では「約150人が参加」と差があった。主催者発表はなかったが、両方正しいことにしておく。

 県外からは、小沢一郎氏と太田秘書、同行記者(朝日・二階堂氏、NHK・宮里氏)2名、日本一新の会員45名で、他は高知県内からの参列者であった。さらに、自由民権記念館の場外での街頭活動者が、約30名、「平野、出てこい」と叫んでいた。

 小沢さんは数日前から悪性の感冒で前日まで自宅療養しており、医者から止められていた。「どうしても参加する」と、熱っぽい顔で参加し、喉をやられているので3分程度の挨拶ということであった。ところが、20分近く「今の議会政治、民主主義は非常に危うい」と熱弁を振るい、参加者を感動させた。まずは当日の模様を報告しておきたい。


(『違憲国会の葬式』)

『違憲国会の葬式』は、武内則男前参議院議員の司会で始まった。まず、発案者が「弔辞」を朗読した。

 違憲国会の葬式 弔辞
 違憲国会の葬式を挙行するにあたり、趣旨と経過を申し上げ、弔辞と致します。

 まず、北は北海道から南は九州・沖縄と、自由民権・国会開設運動発祥の地、南国土佐に駆けつけていただき、『違憲国会の葬式』に参列された皆さんに心から感謝いたします。

 わが国の議会政治は、明治二十三年(一八九〇年)に発足し、今年で一二四年となります。漂流少年・ジョン万次郎が米国から持ち帰った草の根デモクラシーの一粒の種が原点でした。激動の歴史を生き抜いて、平成二十一年には国民の意志による歴史的政権交代を実現し、国民は民主主義の定着に大きな期待を持ちました。

 しかるに、民主党政権は政権交代の総選挙で国民と交わした公約を破るだけではなく、検察権力による議会政治への干渉を阻止するどころか、議会政治の常道を踏みにじり、今日の、きわめて劣化した議会政治の要因を創ったのであります。
 平成二十五年暮れの総選挙では、国民の気持ちは民主党を離れ、さまよいながら自民・公明政権へと交代しました。この自・公政権も一カ年の歳月を経ず、議会政治や憲法の原理を冒涜し続けています。

 明らかに「議会政治の自殺」といえる『特定秘密保護法』の立法過程を検証しますと、まず、国会の役割の原点は「国家権力の持つ情報を、どのように国民に開示するか」にあることを踏みにじるどころか、国会議員を処罰し、その活動を制約する内容が含まれ、また、司法権の裁判にすら支障を与えかねない問題もあります。

 さらに重大なことは、わが国の国会はここ数年、司法権の相続く「一票の格差、違憲判決」で、両院は違憲状態の構成と断じられていることです。 
この「違憲国会」が、己の立場をわきまえず、国家・社会の道義や常道を崩壊させています。
 もっとも致命的な問題は、二十一世紀の「高度情報化社会」という、恐るべき時代に文明が移行したという感性や歴史認識が、提案者の政府をはじめ、与野党、マスメディア、学識経験者などに、まったく欠落していることであります。

 今日、私たちが生きる「高度情報化社会」での情報とは、人間にとって、空気や水や食糧といったもの以上の役割を果たしています。それを、曖昧な構成要件で、行政権力が拡大して解釈・運用できる仕組みを、強制力をもつ法律としたことは、人間の生存権に干渉するという、あってはならないことです。国家が最小限度の秘密保護制度を必要とするなら、人間の基本権や文明の特質を熟慮したうえでなければなりません。
 私共がもっとも危惧するのは、今日に至っても、これらの問題を正確に認識する政党や政治家がきわめて少なく、劣化した議会政治を反省もなく続けていることであります。

 この事態を解決するためには、国会開設・自由民権運動の歴史を知るべきです。明治十五年七月、明治政府の弾圧により高知新聞が発行禁止となりました。それに抗議し国会開設運動を進化させるため、五〇〇〇人が参列して、「新聞の葬式」が行われました。この史実に学び、議会政治再生のため、「違憲国会の葬式」を開催するに至ったのであります。

 最後に申し上げたいのは、明治十三年四月、国会期成同盟が、八万七千人余の署名をもって、太政官に提出した『国会開設の請願書』の一文です。
「国家の原素たる者は人民にして、国は民に由って立つ者なれば、人民に自主自治の精神なく、人民に人民たる権利を有することなければ、国家は能く不覊独立する可きことなく・・・、今先づ国会を興さざるを得ざる可き也」

 脳死状態の国会を再生させるにあたり、私たちはいたづらに政党や政治家を批判できません。根本は「国民の自主自治の精神」にあるといえます。
これを反省し「高度情報化社会」という時代に対応する新しい国会を誕生させるため、参列された皆さまのご精進を期待し、弔辞といたします。
                                  平成二十六年二月二十二日
                                日本一新の会代表 平野 貞夫


「弔辞」朗読のあと、参加者による献花が、議会政治の再生を訴えて行われた。

(『討議』―議会政治の再生のためなすべきこと!)

 『討議』は、高知新聞編集局次長の須賀仁嗣氏がコーディネーターを努めてくれた。冒頭、小沢さんが体調の関係で3分程度の挨拶ということであったが、20分近い大演説となった。要旨は次のとおり。

1)安倍政権は国民の生活の安定、基本的人権の擁護という政治のあるべき姿と全く逆の方向の政策を推進している。日本の民主主義は危機的状況であり、国民も考えるべきである。

2)国会の状況が一強多弱であることが危険ではない。自民党政権にかなわないという雰囲気で、権力に擦り寄る傾向が、野党にあることが危険である。政権与党におもねっていては、国民の選択肢がなくなる。

3)憲法解釈の変更など、個別の重要政策での世論調査では安倍政治に反対が多数の反面、内閣支持率が高いという理解できない現象がある。本当に日本は民主主義の国かと思う。選挙が大事であり、自分の意見を票にきちんと出さない限り、何も変わらない。


(パネリストの発言要旨)
 
1)五島正規元衆議院議員 既成政党の劣化はひどい。民意を代表し指導し、議会政治を機能させる能力はなくなった。政党の再生を地方からやり直すべきだ。住民が生活を向上させるため、地域ごとの問題を地域政党が主体となって連合して、国政を正常化させることで議会政治を再生すべきだ。脱原発の代替エネルギーも地域から実現できる。

 安倍首相が同盟国ではなくても集団的自衛権の対象になり得るとしたことは、いつでも戦争できるということになる。国会がこれを問題に出来ないようではどうしようもない。特定秘密保護法なんか、国会の自殺だ。


2)平野貞夫元参議院議員 現在の自民党のルーツは、明治10年代に国会開設運動をやった土佐の立志社や自由党の人たちだ。全国で8万7千人の請願署名のうち、4万8千人・55%が土佐の人びとだった。国会の再生は土佐人の責任という自覚を促すためにこの催しを提案した。その時の基本思想は「国家の原素は人民だ」という国民主権論であった。

 それが百133年を経て、自民党の憲法改正案は「国民は国家の犠牲になれ」との思想でつくられている。議会民主政治の原点を放棄し、冒涜した恐ろしい現象が、21世紀の日本だ。議会政治を再生させるには、高度情報化社会に適合する国民教育が必要だ。権力側が狂っているので草の根運動で始めたい。


(『議会政治再生 ・ジョン万次郎宣言』)

 討議が終了した後、日本一新の会会員で高知市議会議員の長尾和明氏が『議会政治再生・ジョン万次郎宣言』を提唱し、参加者総員で賛同し力強く採択した。

 議会政治再生・ジョン万次郎宣言
(平成二十六年二月二十二日・於高知市立自由民権記念館)

 わが国の議会政治は、ジョン万次郎が米国から持ち帰った草の根デモクラシーの一粒の種から、国会開設運動として発展し、開設されたものです。私たちは、高知市立自由民権記念館での集いを出発点とし、議会政治再生を、草の根市民運動として展開します。
 そのため、これを「ジョン万次郎宣言」と名付け、次の課題の解消に全力を尽くします。

一、  議会政治再生の原点は、主権者である国民の自覚と政治意識を向上させることにある。今日の憂えるべき事態は、有権者の政治的無関心と責任感の低下が招き寄せた結果であるといえる。このため、学校や社会で真の政治教育と啓蒙が図られるよう、それぞれの地域と分野に立脚して訴えていく。

一、  議会政治に多大な影響を与えるマスメディアの劣化が著しい。政治権力からの独立を放棄した姿勢は議会政治の堕落を助長し、秘密保護法の法制化や脱原発を封じ込める報道などに表れた恣意的な世論形成は、主権者を貶める行為といえる。マスメディアの健全化を促すよう市民レベルで取り組む。

一、  議会政治劣化の直接の原因は、公共益よりも個別的・集団的私益を優先する政党・政治家、またそれを後押しする団体・組織などにある。昨今は憲法の基本理念を冒涜し、憲政の基盤を破壊する言動が頻発している。これに警鐘を鳴らすため「憲政オンブズマン」をつくり、議会政治の再生を目指す。                                                
                                               (了)
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