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「日本一新運動」の原点―31

 「日本一新運動」の原点―31              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(議会民主政治を壊す「小沢叩き」)

 11月30日(火)、選挙管理委員会は政治資金収支報告を発表した。マスコミはこぞって小沢一郎氏関係の収支報告に問題ありとして、一面トップ扱いで「小沢叩き」を展開した。「法律違反ではない」と断っているものの、緊迫した政局の中で検察審査会の憲法違反の議決が始まろうとするとき、マスコミが、政党政治のイロハを知らない学者や、反小沢の政治家を総動員しての「小沢排除」の展開である。

 政治資金規正法に基づいて、適正に報告したことに対しての個人攻撃であり、この国の民主主義の不健全さには呆れはてる。

 問題のポイントは二つある。

一、平成六年に新生党が解党したとき、「改革フォーラム21」に移された資金のうち、四億七九〇〇万円の立法事務費(税金)が含まれていた。税金から流れた資金を個人の支配下で活用することは「小沢錬金術」といえる。

二、「改革フォーラム21」が、昨年七月の衆議院解散のとき、民主党岩手県第四総支部を経由して、陸山会に三億七〇〇〇万円を移し、そこから九十一人の候補者に配分したことは、資金を迂回させたもので問題がある。

 私は、平成十九年三月から昨年十月まで、「改革フォーラム21」の会計責任者であったことから、知っていることについて説明しておきたい。

その前に、「改革フォーラム21」とは何かを、国民に理解してもらう必要がある。


(「改革フォーラム21」の歴史など)

 平成元年四月二十五日、当時の竹下登首相はリクルート事件の責任をとり、退陣を表明した。その際、自民党政治改革本部(本部長・伊東正義氏)がまとめた『政治改革大綱』を提示して、「政治への信頼回復のため、これを実現して欲しい」と、自民党に要請するとともに、国民への公約とした。

 同年八月に発足した海部・小沢政権が、竹下首相の公約を受けて「政治改革」に着手する。ところが、言い出しっ屁の竹下首相がこれにブレーキをかけてくる。その結果、海部内閣の政治改革は失敗した。

 海部首相が退陣し、宮沢喜一氏が首相に就任し「政治改革」を公約するが、その最中に、竹下経世会は分裂する。

 マスコミは「小渕と小沢による、猿山のボス争い」と酷評したが、真実は「政治改革をめぐる理念」の闘いであった。改革を主張する羽田孜と小沢一郎らが、経世会を離脱し「改革フォーラム21」を結成することになるが、それまで参議院で無所属でいた私も参加した。

 平成五年六月、宮沢内閣は公約した「政治改革」を放棄する。「改革フォーラム21」に所属する衆議院議員は、野党提出の「宮沢内閣不信任決議案」に賛成し、可決となり衆議院は解散となる。そして「改革フォーラム21」の四十名の衆参国会議員が、全員で新生党を結成した。そして非自民細川連立政権樹立の主役を果たすことになる。

 平成六年六月、非自民細川連立政権は崩壊し、自社さ政権が成立する。それに対抗して同年十二月に「新進党」が結成される。同時に、新生党は解党となる。その生みの親「改革フォーラム21」の基本理念は「真の議会民主政治の実現」と「日本改造計画の実現」であった。新生党を解党した際、その政治理念実現のため政治団体の「改革フォーラム21」に資金を移すことになった。新進党に参加した「民社党」も解党し政治団体「民社協会」に同じような対応をしている。政党の結成や解党には、支援組織との関係もあり、このような対応がしばしば行われている。


(「改革フォーラム21」への疑問に答える)

 毎日新聞やTBSらのマスコミは、平成六年に新生党に入った税金(立法事務費)四億七九〇〇万円が、「改革フォーラム21」に移されたと、意図的に誤解させる報道をしたが、とんでもないことだ。前回のメルマガで説明したように、立法事務費は衆参両院の会派の立法活動に使われるものである。取り扱いは、一旦、党の収入として、その後両院の会派に配分する方法がとられている例が多い。さらに国会活動に幅広く活用されることが認められており、各党がその方法で運用している。

 各党とも税金である立法事務費は年度内に使い切るという考えで対応しており、新生党も当該の年度に使い切るというやり方であった。

 「改革フォーラム21」は、新生党の前身であったことから評価も高く、新生党からの寄付以外に小沢氏を支援する団体からだけでも、三億円を超える寄付があったと、当時の会計責任者から聞いているし、政党助成金制度はこの時期はまだ施行されていなかった。

 活用については「国家と国民のため、真の議会民主政治を実現する」ことが、関係者のコンセンサスであった。その後、新進党での内部対立から政党の分裂・結成が続き、政権交代による健全な議会民主政治の確立が、国民的課題となった。昨年の衆議院選挙は、まさに国民の意思による政権交代が行えるかどうかの、天下分け目の選挙戦であった。「改革フォーラム21」の理念が活かされる機会が、ようやく到来したのだ。

 次に、「改革フォーラム21」の資金を、岩手四区総支部を経由して、小沢氏の資金管理団体である「陸山会」に迂回させたことが問題だとの批判がある。「改革フォーラム21」の歴史と理念、そしてさまざまな政治変化の中で、これが適切だと判断したものであり、批判を受ける筋合いのものではない。さらに「陸山会」から九十一人への配分を見れば、小沢氏の私物化ではないことも明かではないか。


(岡田幹事長の政治感性は正気か?)

 岡田幹事長は「新生党の残金は、国に返納するか寄付すべきである」との発言を繰り返しているが、これは違法の疑いさえある「暴論」である。それよりも、政党政治の原理と実態を理解していないことの証明である。政党はきわめて複雑な状況の中で、結成されたり解党したりするものだ。そのため議会民主政治の原理の範囲で、柔軟な規制の制度がつくられるようになっているのであり、それを理解すべきだ。

 「改革フォーラム21」を結成した頃、小沢氏は私に「船田元や岡田克也を立派な指導者に育て、トップリーダーにするのが僕の役割だ。二人に政治の厳しさを教えるのが、平野さん、あなたの仕事だ」と言っていた。それらの資金は岡田政権をつくるためとの発想もあったと思う。先輩政治家の思いを感じることのできない形式主義者では、政治家としての資質に欠ける。

 臨時国会が終わって、岡田幹事長が悪霊に憑かれたように動き出したのが、小沢氏の国会招致である。狙いは、次の二点である。

一、茨城県議選惨敗を見越して、責任を小沢氏の「政治と金」に転嫁すること。

二、仙谷国務大臣らの問責決議で辞任要求を棚上げすること。

 政権交代を実現させた最大の功労者で、自分たちの指導者を、政権維持や国会対策に悪用する不条理や不見識さも、ここまで落ちたかと思うと残念だ。こんな人間性に欠ける政治家たちと、一時的とはいえ、政治活動を共にしていたかと思うと、自分が嫌になる。


 小沢問題は、政権交代の阻止と小沢氏を政権から排除し、旧体制を維持するため、自民政権から菅政権が引き継いだ政治謀略である。

 私は衆議院事務局時代、政治倫理審査会や証人喚問制度を創った専門家である。小沢氏を国会に招致する論拠はまったくない。これを強行すれば、憲法違反の検察審査会の行為と同じく、国会の自殺行為になる。

 衆参両院は何時から大衆ファシズムの手先に成り果てたのか。菅首相も政治家として資質に欠けるが、谷垣自民党総裁の証人喚問要求に至っては、それでも東大を出た弁護士かと、能力を疑わざるを得ない。
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