「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―240

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

○唐突で頓馬な衆議院解散の真相を検証する!

 

「衆議院解散」というのは議会政治で最大のイベントである。政権を司る内閣総理大臣が渾身の知恵と力を持って決断しても成功する保障はない。小泉首相の「郵政解散」は成功したが、野田首相の「消費税後始末解散」は国民を裏切り、議会民主政治の信頼を失って自滅した。安倍首相が決断した「解散」の真相は何か、検証しなくてはならない。

 

 報道が伝える「消費税再増税先送りのための解散」は大義名分にならない。「再増税を景気が回復しない中で決断する。それを審判してくれ」というなら名分が立とう。消費税増税の条件を、民主・自民・公明の3党が合意し、それが実行されていない状況で解散を行うことは3党合意の破棄になり、それが解散の名文になるはずがない。自民党内の再増税派はえらく怒り、党内抗争となっている。

 11月10日(月)夜、安倍首相は北京から谷垣幹事長に電話し、消費税再増税を先送りすることで年内に解散する意思を伝えたといわれる。再増税の固執派代表である谷垣氏は珍しく声を荒立て「再増税しても来年6月の解散で十分勝てる」と主張したが、話し合いは決裂したということが、まことしやかに聞こえてくる。

 世論調査によれば、70%以上の人が再増税に反対である。与党も野党も党内はバラバラのところもあるしまとまっているところもある。とても、総選挙の争点となる問題ではない。前回の総選挙では、野党の乱立もあり、自民党の得票数と議席数は、著しくデモクラシーの正当性に反するものであった。今回の総選挙で自民党の議席が減ることは間違いない。仮に減っても過半数を割る状況はまずなかろう。国民の大多数が反対している集団的自衛権やアベノミクスなどが、自民党が激減して信任されたということになる。変な話だがこれがまともな民主主義といえるだろうか。

「政治とカネ」の問題もあった。紛糾した法案審議もあったが、解散の大義になるような問題ではなかった。何故、唐突に安倍首相が焦って解散にこだわるのか、他に隠された理由があるような気がする。

 

(大義なき解散の裏に拉致問題の失政あり)

 

 11月5日頃、朝鮮問題に詳しいジャーナリストから信じられない情報が入ってきた。「拉致問題は最悪の事態で決裂状態だ。両国がその真実を隠していて、〝原点に戻って調査を行う〟という言い方で時間稼ぎをやっている。それが韓国などから漏れ始めた」と。この時私が思い出したのは、8月頃の安倍首相の「解散戦略」だった。

 予定では、8月末から9月始めに北朝鮮から日本側がそれなりに評価できる報告が届く。9月上旬に内閣改造を行い9月13日に「拉致問題国民大集会」が計画されており、安倍首相が出席して国民に成果を報告し、「よかった、よかった。安倍首相は歴史に残る偉業を達成」と人気を盛り上げ、9月下旬に臨時国会を召集して衆議院を解散するとのシナリオだった。

 何故これがシナリオ通りにならなかったのか。専門家の情報によれば、8月末の北朝鮮側から日本外務省への非公式な報告内示にあってはならない内容があり日本側は受理を拒否したとのこと。その後の紛糾と収拾をよく読み切れば予想がつこう。封印したはずの最悪の事態情報が、横田めぐみさん関係の『日刊ゲンダイ』の特集記事である。

 

 私は10月5日の時点で、拉致問題で封印した情報が国民の目にさらされると安倍首相の責任問題となり、総辞職になりかねないと思った。それを避けるため理屈にならない理屈を付けて解散を決断したわけだ。

 この時、小沢生活の党代表に私が書いたメモは、「拉致問題で安倍政権の先行きが見えてきました。従って、野党がモタモタしている間に自暴自棄解散があり得ると思われます」ということであった。今回の解散は「拉致問題で総辞職を避けるための自暴自棄解散」が真相であると思う。

 

○日本国憲法と「国連の集団安全保障」(17)

 

 非自民の細川連立政権が成立した後も野党の自民党は国連協力のPKO訓練センターを誘致することに協力的だった。誘致決議を行った三原村議会と土佐清水市議会の議員たちも国連のPKO活動について勉強するために上京して、外務省の加藤良三参事官から説明を受けた。

 

 そんな中、防衛庁や施設庁(当時)の担当者は「隣接市町村長(旧幡多郡)の同意があれば調査を始めたいので根廻をお願いしたい」と要望してきた。外務省では、実力者で顧問の元米国大使・松永信雄氏(ジョン万財団理事長)が推進論者で、いろいろアドバイスしてくれた。理解してくれていた橋本大二郎知事に、隣接市町村長に調査の同意を根廻することで相談に行くと、「あまり急がない方がよいですよ」との慎重論で、状況を見ることにしていた。反対論は共産党で社会党では五島正規衆議院議員は理解者であった。

 高知新聞がPKO訓練センター誘致を報道した直後、参議院本会議場で、共産党幹部の上田耕一郎議員に呼び止められた。上田議員の父親・庄三郎さんの出身地が、私と同じ土佐清水市三崎字平の段であった。「平野君、えらいことを考えついたな。共産党は反対だ。地元から『帰って反対運動を指導して欲しい』とのことで、行くことになった。資料をくれないか」とのこと。「わかりました。議員会館に届けておきます。賛成してくれるとは思っていませんが、日本一の陸の孤島の土佐清水市で〝平の段〟という古い集落がどんな状態か知っていますか。このままでは無人集落になりますよ」というと、「わかっているよ。こと国連ということなんだから、国際情勢をみながら対応するよ」と、腹のうちを覗かせてくれた。

 

 ところが、平成6年が明けて高知県選出の自民党国会議員と、隣接自治体から異論が出て想定しない事態が起こった。両者とも、私がPKO訓練センター構想を提唱したときには大賛成であったのが急変したのだ。実は高知県と愛媛県は西南地域の県境に第3種空港を建設するのが悲願であった。それには地元負担が400億円と巨額なもので、地元にとって夢の話であった。

 私のPKO訓練センター構想は、

 

1)足摺岬・宿毛湾という地勢は、東アジアの空と海の拠点であること。

2)そこには国有地で4千メートル級の空港に適した場所があること。

3)米ソ冷戦が終わった新しい国際情勢で、沖縄の基地縮小のため、その上に国連による紛争や災害などへの救援センターとして最適地であること。

4)全額を国費で建設するので地元負担が不用であり、民間航空を相乗りさせることで地元の振興に役立つことで、国際貢献を通じて地元を振興させる。

 

 という理念を、高知県の指導者は理解していたはずである。

 私の構想への異論は、故人となった当時の宿毛市長から「県境の住友林業の山林に、第3種空港を建設するので君の構想から降りる」と通告してきたのである。この宿毛市長の構想をバックアップしていたのが、高知県選出の国会議員と愛媛県選出の故人となった自民党所属国会議員であった。宿毛市長の協力が得られないとなれば、きわめて重大な問題である。

 さらに私にとって決定的に不利な状況が展開した。それは平成6年6月、細川政権に続いて羽田非自民政権が倒壊し、村山自社さ政権が樹立したことである。かくして「ジョン万次郎記念国際貢献PKO訓練センター構想」の実現は絶望となった。

 

 時が過ぎたが、私の頭から離れなかったことは、当初は大賛成であった高知県選出国会議員と宿毛市長が何故変身したかということだった。私が政界を引退した直後、その理由を知る機会があった。

 平成6年頃高知地検に検事として赴任していたT氏の話だった。「県境の住友林業の山林に、第3種空港をつくる話を進めた宿毛市長と、関係者について疑惑があり調査をしたが立件できなかった」とのこと。公益を犠牲にして私益を追求し住民の幸せや国家社会の発展を阻害したのが、PKO訓練センター構想を妨害した政治家たちであった。

 

 今年7月、安倍内閣は「集団的自衛権の行使」を閣議決定した。これは憲法第9条を骨抜きにし、戦前回帰―戦争への道の第一歩である。これを撤回させ、国連の集団安全保障に基づくPKO活動に貢献することが、憲法の精神である。そのためにも改めて、「PKO訓練センター」の誘致運動を提唱して、連載を終わる。

(了)

 

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