「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―241

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

「アベノミクス失敗解散」で12月14日の衆議院総選挙が本決まりとなった。自民党の再増税派の怒りは収まらず、総選挙後の党内抗争が本格化するだろう。野党では選挙協力や政策の調整でゴタゴタを続けている。

「自暴自棄解散」とはいえ総選挙ともなれば何はともあれ政策だ。実は、メルマガで論じようと思っていた問題がふたつあった。「地域の活性化」と「異常気象対策」である。是非総選挙の論点として議論してもらいたい。

 

1)地域の活性化問題

 

 次に提示する小論文は6月初旬にまとめたものである。5月30日に、小沢さんと菅原文太夫妻が会食し「「故郷を大事にしよう」と盛り上がった。そこで、地方の活性化政策で新しい政治を展開しようということになり、私が基本方針(案)としてまとめたものである。ところがこの直後、安倍政権が「地方版アベノミクス」で、世間を騒がせ始めたので様子を見ていた。「地方版アベノミクス」と何が違うか、総選挙を直前にして議論の参考にされたい。

 

「里山・里海フロンティアの活性化による列島改造構想」の

          基本的考え方―戦後70年の光と影―(案)

 

 終戦から70年の歳月が流れようとしている。国土は焦土と化し、すべての国民が打ちひしがれた惨状の中で、日本人は懸命に生き抜き、復興に、国土再建に努力してきた。その成果は経済の発展として、世界にも比類なき高度経済成長を実現し、世界からその奇跡を注目される豊かな国づくりに成功した。 しかし、豊かな経済大国となるに従い、私たちは「人間の絆」を失い、環境は破壊され、病める文明国となった。多くの国民が「金さえあれば何でも手に入る」という錯覚に陥り、金権文化に酔いしれた丁度その頃、資源ナショナリズムという予期せぬ事態に遭遇し、石油ショックという難題に直面する。さらに深刻な悲劇は、偏に経済の効率のみを価値観とする、高度経済成長政策が見捨てた、地域の格差、人間の格差に加え、故郷の里山や里海の荒廃である。

 

(21世紀の国難)

 

 資源ナショナリズムは過激な金融資本の投機対象となり、世界経済を混乱させていく。また、グローバル化とITを始めとする先端技術の発展は、資本主義の主軸を実態経済からマネーゲーム経済に移行させた。こうして、国家の格差、地域の格差、企業の格差、人間の格差は拡散し、地球を覆っている。

 さらに、エネルギー産業は化石燃料がもたらす環境問題により、原子力の開発に集中し原発神話が生まれた。核分裂をエネルギー源とすることを選んだ人類には、破滅しかないこと証明したのが「3・11」福島第一原発事故であった。本来、近代文明の血液ともいえるエネルギーは国民のものである。その管理と活用は、民主的手続によって国民の福寿のために、分散型、あるいは地産地消で行われるべきものである。その反省もなく、原発資本主義を続けようとすることは、基本的人権である国民の生存権に関わる国難といえる。

 

 わが国にはもうひとつの国難がある。グローバル化を口実にして、国民の生活を限りなく犠牲とし、国際化した大企業を支援する政策を続ける政治である。そこからは、弱者からの収奪で崩壊する資本主義を支えようとする意図が見えてくる。その結果、何が起こっているのか、きわめて厳しい人間の格差であり、深刻な地域の格差である。全国各地に見られる「限界集落」の悲劇は、「限界自治体」へと拡大している。これは「故郷の喪失」であり、日本人の心を空洞にし、民族や国家の崩壊に至る国難といえる。

 私たちはエネルギーや資源、そして食糧を浪費して自然を破壊し、マネーゲーム経済で人間の格差を再生産する文明から決別して自然と共生し調和する新しい文明を創造しなければならない。

 

(新しい文明は〝里山・里海のフロンティア〟の活性化から)

 

 終戦後、本格的な国土開発構想が策定されたのは昭和35年に池田内閣の『国民所得倍増計画』を契機として、第1次全国総合開発(昭和37年)、第2次(同44年)、第3次(同53年)、第4次(同63年)と計画された。いずれも、過疎と過密の解決と地方の振興を念仏のように唱えていたが、あくまでも高度経済成長を前提としたもので、そこに残されたものは環境破壊と深刻な地方の疲弊であった。唯一特異な発想で注目されたのは、昭和47年に田中角栄首相が提起した『日本列島改造論』であったが、そこには「日本経済の高度成長によって、巨大都市は過密のるつぼに病み、あえぎ、いらだっている反面、農山漁村は若者が流出して高齢化し、成長のエネルギーを失おうとしている。」(序文)と、これまでの経済成長の弊害や民衆の苦悩を解決しようと構想したことである。残念なことにこの構想は土地バブルを引き起こし、翌48年の石油ショックと狂乱物価などで挫折する。以後田中政治の負の部分のみが利用され、民衆の救済という、本来の政治信条は生かされることはなかった。

 2度にわたる石油ショックを乗り切ったわが国は、1980年代から土地・住宅投機を中心に空前のバブル期が続く。1990年(平成2年)のバブル崩壊がわが国の好況期と不況期の分岐点であった。ここ20数年近く続く長期不況の原因はグローバル化したマネーゲーム投機経済に、資本主義が変質したことが要因である。

 

 私たちが求めるのはエネルギーや資源を浪費する科学技術から脱却し、古代から守り育ててきた自然の回復と再生、そして自然と共生・調和する智恵に充ちた新しい21世紀文明である。

 わが国には、高度経済成長という発想からは見棄てられた里山・里海のフロンティアが全国に残されている。急峻とはいえ、豊かな森に覆われた山々、そこに降り注ぐ大量の雨、山々に蓄えられた天然のダム、ここには「森の文化」があり、「水の文化」が残されている。太陽も風も資源である。

 加えて、わが国は小さな島々を加えれば世界最長ともいわれる海岸線を持つ。これらは里海という視点で見れば、これまで経済成長という呪文で葬られていた資源が眠っている。これらは同時に自然・再生エネルギーの宝庫でもあり食糧資源も溢れている。

 故里の山や海にこそ、日本人を幸せにする場所と時間があるのだ。新しい技術と共生の智恵で活性化することで日本列島を民衆のために改造できる。新しい文明を共に考え、共に創ろうではないか。

 

○超異常気象対策は『気象庁』の整備強化にあり!

 

 日本列島では高度成長を成功させた昭和40年代から集中豪雨・豪雪・大震災・津波・噴火・竜巻などが頻繁に襲来するようになり、「異常気象の時代」といわれた。その時期、私は衆議院事務局で国会運営の業務をやりながら、災害対策委員会の運営と調査の仕事を兼務していた。

 当時の集中豪雨や豪雪の原因は、石油タンカーから漏れた油膜が日本近海の海上を覆って水蒸気の発生を不調にしていたことを知り、自然災害の見方を学んだ。

 3・11東日本大震災は千年単位の歴史的大災害であり、福島原発事故、さらにその後の気象・海象状況は「異常気象」ならず、「超異常気象」否、「天変地異」ともいえる。その原因は、地球温暖化を主たる原因とし、原発事故などは科学を過信する人間の驕りにあるといえる。多くの自然災害を、人為を超えた自然のせいにしているが、人間が自然に抗ってつくった、文明への「神―自然」の戒めといえる。

 

 政治や行政の最大の役割は国民の生命と安全を護ることである。その第一歩は大災害から国民を護ることであり、安全保障ももちろん大事だが、災害の方が日常的なため優先されるといえる。

 そのためには災害の原因や予報の研究・調査がきわめて重要である。それを司る役所が『気象庁』である。ここには優秀な研究者が、少ない予算で頑張っている。ところが、学者さんばかりなので世俗的なことが不得手であり、財政削減といえばここが真っ先に対象となる。御嶽山の噴火も、観測のための予算を付けておけば予測できたと関係者は残念がる。

 

 私は昭和40年代の災害対策委員会担当の経験から、機会あるたびに主張しているのは『気象庁』を国交省の外局官庁に置くべきでない。内閣総理大臣直属の重要官庁にするべきとの意見である。歴史を見ても、『気象庁』は明治20年に文部省の所管で、「中央気象台」として発足し、昭和31年に運輸省の外局として『気象庁』に改組されたのである。その延長で、現在も国交省の外局である。この「気象庁体制」では、とても現在の地球規模的異常事態に対応できない。ましてや「呪われた日本列島」の現状は深刻である。地球は、天気・気象・地象・海象など、さまざまな仕組みで生きている。さらに、人間の文明がその活動を不調にしていることに気づかなければならない。

 異常事態に対応する防災、発生時への救援機関と一体化した、予測や原因などを調査・研究する『非常事態対応機関』を整備すべきである。そして何よりも、人間が私利私欲に走らず、自然に対する〝祈り〟を忘れないことである。

       (了)

 

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