「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―259

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇(『日本改革の原点』(仮題)の出版を楽しみにして逝った妻) 

 

 私ごとで恐縮ですが、妻・操が急死したので今回はさまざまな思い出などを述べることをお許しいただきたい。

 

 3月22日(日)午前6時半すぎ、2階の寝床を離れ、雨戸を開けるとセコムの警報が鳴り出した。平時は1階で寝ている早起きの妻が警報を解除しているはずだ。「おかしいな?」と思って降りてみると、トイレと廊下の間に倒れている妻がいた。顔色にはまったく血の気はなかったが、意識はあった。急いで救急車を呼び、近くの名戸ヶ谷病院に向かった。

 病院では直ちに救命措置がとられ、検査の結果「肺血栓塞栓症」で、左右の肺静脈に「血栓」が塞栓状態であった。担当医師は、「手術はできず、きわめて危険な状況」とのこと。到着が数分遅れていたなら、救急車のなかで死亡していたとの話を聞き、直ちに子や孫たちに連絡した。

 名戸ヶ谷病院の山崎誠理事長は、日本一新の会の熱心な支援者である。病院の待合室には「メルマガ・日本一新」を増刷して、患者さんが自由に持ち帰られるようにしていただいている世界で唯一の病院である。

 ここで奇跡的なことが起こった。病院には血栓を溶かす最新薬が用意されていたのだ。病院には常備していないものだが、一週間ほど前に片方の肺の血栓患者が入院して使用した残りがあった。 日曜日にもかかわらず高野副理事長も遠方から駆けつけてくれ、病院挙げての最高・最善の体制で治療が始まった。人工心肺を使い、子や孫が駆けつけたころには僅かな安定状態を得た。眠れぬ一夜が明けた23日朝、高野副理事長から「生命力の限界までに血栓が溶けてくれれば・・。今日と明日は病院内に留まるように」との話を聞き、神の世界の次元になったと感じた。それでももう一夜生き続け24日午後3時50分、家族が見守る中を次の世界に旅だった。

 実は妻が倒れる前夜の21日の夕食時のことだが、珍しく2人で老後のことで談笑した。最初の話題は3月16日の小沢政治塾15周年記念の私の講義の冒頭「今年私は80歳になる。20周年の小沢政治塾までは生きてはいないだろう。今日の講義は私の遺言だと思ってくれ」だった。妻は一度も入院したことがないことを自慢としていて、私が講義の中で、〝遺言〟ということばを口にしたことが不満だった。その妻が一週間も経ないうちに「遺言だ」と放言した夫に遺言を残すとは事情も順番も違う。

 ほんに人間の運命とは不可思議なものである。談笑のなかには、「私に万一のことがあれば、これこれの友人たちが相談に乗ってくれるから安心してよい」と私が先に逝くことを想定して具体的なことも説明しておいた。

 嫁にいった子の孫たちも育っており、多少気にしていたのが桐棚学園・大学2年生になる次女の長男のことであった。音楽を専門にするだけに将来の生き方を心配していた。この孫とは19日(木)、私が医学進学コース学生時代によく通った目黒区自由が丘の〝モンブラン〟で会い、近況を話し合ったばかりだった。聞いてみると、心配するどころか、我が孫のことながら、なかなかの感性を持っていた。彼は「新しい〝君が代〟をつくりたい」と、とんでもないことを言い出した。「国家の〝君が代〟は歴史を表すのでそれでよいが、現代の応援歌としてもう一つ〝君が代〟があってもいい」との意見だった。

 〝ハッ〟と思い出したのは、11年前、参議院議員を辞するにあたって「日本一新運動」を始めたときの私の感覚だった。この感性は社会と人生に目的を持ったものだと妻に話すと、飛び上がるほど喜んでいた。もうひとつ妻が喜んだことがある。昨年春頃から政治に関心が強くなり、「小沢さんも貴男も何を考えているの!」と、厳しく迫られていた。私が「8月には日本改革の原点の総括と展望の出版をする。小沢一郎さんも参加して貰い、対談をやることで了承もとってある」と、就寝前に話したところ明るい顔になっていた。

 翌22日朝トイレの入り口で倒れたが、その横にはファックスが置いてあり、そこには、事務局からの「メルマガ258号」のゲラが届いていた。妻の足元には、どうしたことかそのメルマガの一枚目が落ちていた。

 

 最後になりましたが、妻の通夜・葬儀には多くのお仲間に参列いただき、本当にありがとうございました。事務局にも多くの弔意メールが届いている由、略儀ながら、誌上をお借りしてお礼を申し上げます。

 先にも記しましたとおり、妻の遺志もあり、『日本一新運動』は生命あるかぎり続ける所存ですから、会員各位には、引き続きのご助勢を伏してお願い申し上げます。

 

〇 平成の日本改革の原点 (第4回) (自民党「政治改革大綱を策定)

 

 竹下自民党総裁の後継には、(平成元年)5月31日に宇野宗佑外務大臣が竹下首相のペースで固まる。当初竹下首相が清貧で国民から信頼のある伊東正義元外相を推したが、伊東氏は「本の表紙だけ替えても駄目だ」と固辞した。竹下首相は後継選びには経世会会長の金丸信氏に相談しなかったため、両氏の間に波風が立つことになる。中曽根前首相はリクルート疑惑の責任をとり、宇野総裁が内定したその日に自民党を離党した。

 竹下首相は総辞職にあたって、自民党の政治改革委員会(会長・後藤田正晴)がまとめた『政治改革大綱』の実現を国民に約束し、自民党の衆参両院議員に要請した。この大綱は竹下首相が退陣表明した4月25日直後に後藤田政治改革委員長に要請して、5月連休中にも作業を行って作成したもので、私たち、衆議院事務局スタッフも非公式に参加してつくられたものであった。

『大綱』の要点は、

1)衆議院に比例代表制を加味した小選挙区制を導入し、政権交替を可能とすること 

2)国会・地方議員の資産公開・パーティーや寄附の規制、政治資金による株式売買を禁止すること 

3)自民党内改革は派閥や族議員の弊害を除去すること 

4)わかりやすい国会を実現するため議員間の討議の促進や国会のテレビ中継

など、であった。

 

 平成時代の20数年間の日本の政治は、竹下首相が提唱し自民党が策定して国民に約束した『政治改革大綱』の実現をめぐって、日本の改革を本気で実行しようという勢力と、既得権を死守しようとする勢力、それに改革の仮面をかぶって自己の政治的権力を得ようとする勢力が党派を超えて3つどもえになって闘った歴史である。これは今でも続いている。

 

(初めての衆参逆転と、海部―小沢政権の出現)

 

 宇野政権は首相の「女性スキャンダル」などが発覚し多事多難の船出であった。第51回参議院通常選挙が7月23日と決まり、全国的に選挙モードが盛り上がった7月7日、小沢一郎経世会事務総長から電話があり「参議院選挙で自民党が過半数を割った場合、政権を野党に渡す方が自民党の将来にプラスになるとの意見があるが、意見を聞かせて欲しい」とのこと。私は「政権は衆議

院でつくることが憲法の原理だ」と説明して、昭和23年、第2次吉田内閣の成立をめぐって父親の小沢佐重喜氏が苦労した時代の資料を届けた。

 参議院選挙の結果は、自民党は比例区で15名地方区で23名(追加公認2名)しか当選させることができず、非改選議員を入れて111名という惨敗で過半数を割った。社会党は土井たか子委員長の人気で46名を当選させ、統一候補の「連合」を加えて57名という圧勝であった。この時の彼女の言葉である「山が動いた!」は名文句として残っている。

他は公明党10名、共産党は5名、民社党は3名、諸派5名、無所属10名で参議院は与野党逆転となった。宇野首相と橋本龍太郎幹事長は、責任をとって投票日の翌日退陣を表明した。

 自民党の敗因は前年導入した消費税制度に対する国民の反発と、リクルート事件を始め、自民党政治家の政治腐敗に対する厳しい批判で、『政治改革大綱』に対する説明不足というか、自民党の本気度を国民は見透かしていたといえる。宇野総裁の後継をめぐって経世会の小沢事務総長は各派閥に経世会の橋本龍太郎幹事長を打診したが、橋本氏に女性問題が浮上、経世会からの総裁擁立を断念する。8月8日、自民党は両院議員総会と都道府県代議員による投票で経世会が推した海部俊樹氏が自民党総裁に当選した。

 8月9日、海部内閣は発足するが、参議院では野党が多数、衆参両院で首班指名が異なるのは36年ぶりであった。憲法の規定で両院協議会が開かれ、衆議院の指名が国会の指名となった。

 海部内閣は三木派の海部首相を、経世会の小沢一郎氏が自民党幹事長として担ぐことになり、「海部―小沢政権」が出現した。(続く)

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