「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―270

             日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 安全保障法制関連法案を廃案にする〝死角〟がありますよ! 5

 

 6月12日(金)は安全保障法制整備関連法案に反対する動きが活発となる記念すべき日だった。午後5時から「日本の政治劣化を阻止しよう」という市民と国会議員による会合が衆議院第一議員会館で開かれ、二見伸明元公明党副委員長を誘って顔を出した。午後6時からはお茶の水の連合会館で「〝壊憲〟を阻止する会」が「憲法行脚の会」と「デモクラテレビ」などの共催で開かれていて、ここにも二見氏と顔を出した。

 

「〝壊憲〟を阻止する会」では自民党元幹事長・山崎拓氏とデモクラテレビの早野透氏の対談が第1部で、第2部が小林節氏と佐高信氏の対談だった。開会の前に講師控え室に挨拶に行くと山拓氏がいた。昼間は亀井静香・武村正義・藤井裕久氏らかつて自民党で活躍した戦前生まれの面々が、日本記者クラブで安保法制に反対を表明したとのこと。山拓さんは、その興奮を持ち込んでの久しぶりの再会であった。

 

 思い出話となり、山拓さんが語り出したのは、私の衆議院事務局時代の憲法論だった。「田中角栄議員辞職決議案の採決は憲法違反だという理屈を平野君がつくり、僕が議運委で憲法学者や野党とやりあったことがあったなぁ」。そういえば10人の憲法学者を国会に招いたこともあった。

 私が湾岸紛争の話を出し、「PKO合意のなかに自衛隊と別組織をつくる」と原案に入れたのは土井たか子社会党委員長の極秘の要請だったこと、そして小沢自民党幹事長も同意見だったことを暴露した。「その時の山拓さんの怒り方は普通じゃなかった」というと、同室にいた元土井たか子秘書の五島氏が「あの時代は与野党の国会議員も官僚も憲法についてしっかり議論していたわ」と懐かしがってくれた。

 

(二見元公明党副委員長の公明党への苦言!)

 

「〝壊憲〟を阻止する会」の第1部では、山拓氏と早野氏の対談の途中に、辻元清美衆議院議員が参加し、国会での審議の様子が報告された。早野氏が、対談の終盤になって二見氏と私が顔を見せていることを紹介し、壇上に引っ張り出された。そして「見解を述べろ」となった。二見氏は私よりも10ヶ月ほどの年長で、ともに傘寿を迎えるがその発言には凄みがあった。

 

「私は元公明党副委員長だった。安全法制整備と稱して違憲立法に賛同していく現在の公明党の姿勢に憤りを感じている。常識ある宗教団体は真の平和を願っている。私はまだ創価学会を除名されていないので学会員だ。多数の会員は、公明党の安倍政権への〝下駄の雪役〟に失望している。これからの公明党は、政権から距離を置き、憲法の原理である平和と福祉をしかり政治に活かす活動をすべきだ。公明党の国会議員よ、憲法第9条は学会の〝魂〟であることを忘れないで欲しい」。

 この二見氏の見識に、会場から数度にわたって大きな拍手が起こった。次に私が紹介され、次の要旨を話した。

 

 

(日本人よ 憲法第九条は集団的自衛権の実態を許さないことを知れ!)

 

 冒頭「最近は、日刊ゲンダイ・週刊金曜日・デモクラテレビ等しか相手にされなくなった平野です?」と挨拶すると佐高信「週刊金曜日」社長が大笑いしていた。真実を報道するメディアが一握りとなったことに「憲法の危機」を感じているのは私だけではない。

 私の発言は、「メルマガ・日本一新」の266号から「〝死角〟がありますよ!」を連載していることから始めた。第1回を「日刊ゲンダイ」が特集してくれて、「憲法学者や歴代内閣法制局長官を多数国会に呼び、意見を聴け」と進言しておいたが、憲法学者3名の発言でこの騒ぎだから、私の進言を半分でも実現すればどのような展開になるかは明々白々ではないか。野党の議員諸君、今からでも遅くはない。「メルマガ・日本一新266号」(http://bit.ly/1Gn6oGk)を良く読んで欲しい。

 

 本日(6月12日)、再び「日刊ゲンダイ」がメルマガ・日本一新269号の「(集団的自衛権行使の実態―これでも憲法9条に違反しないのか!)を特集してくれている。第2次世界大戦後の戦争のほとんどは「集団的自衛権の行使」によるもの。14件が国連に報告されているが、2件が国連決議に基づくもので別格だが、12件は民主化の弾圧・冷戦の代理戦争・植民地利権などの内乱などだ。

 これからはますます複雑となる国際情勢で、集団的自衛権の行使は悪質化する。12件の実態をよく見て欲しい。審議中の安全法制整備は、日本を戦前の軍事国家に回帰させるものだ。それを阻止しようとの「国会議員連盟」を党派を超えて呼び掛けることが廃案への道だ。とはいうものの、その動きはまだ見られない。

                         (続く)

 

〇 平成の日本改革の原点 (第12回) (宮沢政権と政治改革) (2)

 

 金丸自民党副総裁の「佐川急便事件」が発覚した平成4年8月に、私は参議院議員になっていた。保守系無所属として政権交代を可能とする政治改革に専念していた。金丸問題と政治改革をめぐって、経世会が紛糾し、小沢会長代行が「竹下さんと会って欲しい」ということで、議員会館の事務所に戻り竹下事務所に電話をすべく受話器に手を伸ばした途端にベルが鳴った。それが何と竹下元首相の波多野秘書からだった。「砂川事件で国会証人問題が起こった。本人が相談したいと言っている。今日、時間が空いていませんか?」

 

 平成4年10月16日だった。23年前の話だ。その日の午後1時から3時までキャピトル東急ホテルで二人だけで会った。冒頭私から「田中派から離れて経世会を作る前夜、『新しい政治をつくるんだ』と、私に熱く語ったことを憶えていますか。

 3年前、政権を去るとき『政治改革大綱』をつくり、政治腐敗をなくすると国民に約束しましたね。政治家竹下は、自分を犠牲にして自民党を背負ってきたことを、私は知っています。 ことここに至っては、経世会を解散させて政界再編を断行する。それが竹下登と金丸信がこれから生きる道ではないでしょうか」

 

 と一気に話すと、竹下さんは背広の内ポケットから『政治改革大綱』を取り出し、「わしとにとって一番大事なものだ。日本にとっては平野君の言う通りだ。しかし、わしも金丸さんもあまりにも柵が多すぎる。中曽根さんの後継になるときにも大変なことがあった。自民党で生きるしかない。一郎には政治の汚れはさせていない。好きな道を歩めばよい。協力してやってくれ」

 

 と語り、後は佐川急便問題で証人喚問となったときの注意事項を説明して別れた。翌々の18日経世会は分裂する。羽田・小沢グループは「改革フォーラム21」を結成した。衆議院議員35名、参議院議員9名が参加した。それまでは無所属であった私も自民党高知県連に晴れて入党手続きをして参加した。ところが自民党本部では就任したばかりの梶山静六幹事長が、「やっぱり平野は羽田・小沢と同じ政治改革の書生派だ。自民党本部は入党を認めない」とし、参議院自民党会派届けを幹事長室の机の引き出しにしまい込んだ。

 

「改革フォーラム21」は、自民党の新しい政策集団として、羽田代表・小沢代表幹事でスタートした。私に、小沢代表幹事が最初に出した指示は、社会党対策であった。

「自民党を分裂させるつもりはない。国際的に通用する政党に改革することが第一目的だ。衆議院の中選挙区制度が自社慣れない政治の元凶だ。公明党の市川書記長と民社党の米沢書記長は消費税導入とPKO協力法成立を通じて事態を理解している。

 社会党の若手グループの中には新しい政治を作ろうという意見があるが、党内的な動きにならない。社会党対策をどうするかが問題だ。情報を調べて欲しい」

 社会党事務局にいる友人に相談すると、社会党より先に解決しておかねばならない問題があるとのこと。それは、連合(日本労働組合総連合)の山岸章会長が、小沢改革フォーラム代表幹事を不快に思っているとの情報であった。私はその友人を通じて連合の足立寬道政治局長と会い、原因と対策について意見を聞いた。平成4年の大晦日の深夜だった。

「参議院選挙後、小沢さんが社会党から離れたがっていた若手と接触し、その連中を通じて大手労組の幹部と会食を重ねていたことを山岸会長が怒っている。それと小沢さんの憲法観が再軍備で危険だ。それで不快感を持っているようですよ」

 この誤解を解くことが社会党を政治改革に協力させる絶対条件だと意見が一致した。

               (続く)

 

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