「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―271

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 
〇 安全保障法制関連法案を廃案にする〝死角〟がありますよ!6

 

 6月22日(月)、安倍自公政権は立憲主義を踏みにじり「安保法整備」に拘る国会の会期を、9月27日まで強行延長した。憲政史上最大の狂気といえる。安倍政権が狂気性を増すほど国民は正常になる。国会の会期が増えるほど廃案とする〝死角〟が多くなる「ポリティカル・パラドックス」を知らない政治家ほど、「マイ・フーリッシュハート」に気づかないのだ。「お天道様は見ている」これが真理だ。狂気の会期延長を機会にこれまで議論されなかった問題を採り上げ、廃案への道をスピードアップさせたい。

 

(『吉田安保』と『岸安保』を学べばわかる廃案への〝死角〟)

 

 第19回国会の昭和29年6月2日、参議院本会議は「自衛隊法」と「防衛庁設置法」を可決成立させた。引き続き「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議案」を反対1名で可決した。翌3日、衆議院外務委員会で重要な質疑が行われている。要点を記しておこう。

 

〇穂積七郎(社) 日本の安全なり、自衛のために協力関係にある国の安全が脅かされたとき、日本の自衛なり、安全に脅威を感ずるということで、集団的自衛権という解釈が出てきておるわけです。(政府のいう)自衛権とは一体どういう意味か。

 

〇下田条約局長 集団的自衛権、これは換言すれば共同防衛、または相互安全保障条約、あるいは同盟条約ということでありまして、自分の国が攻撃もされてないのに、他の締結国が攻撃された場合に、あたかも自分の国が攻撃されたと同様に見なして、自衛の名において行動するということは、それぞれの同盟条約なり共同防衛条約なり、特別の条約があって初めて条約上の権利として生まれてくるものです。

 ところが、そういう特別な権利を生ますための条約を、日本の現憲法下で締結されるかということは、できないことですから、結局、憲法で認められた範囲というものは、日本自身に対する直接の攻撃あるいは急迫した攻撃の危険がない以上は、自衛権の名において発動し得ない、そう存じております。

 

 さて、この論議で吉田安保(以下、旧安保)と岸安保(以下、新安保)を分析してみよう。旧安保の本質は日本が米国に軍事基地を提供する基地協定で、そもそも「集団的自衛権」の条件である「相互防衛条約」などの性質が欠如しており、あくまでも片務的なものであった。従って、旧安保時代には集団的自衛権についての関心は少なかった。砂川事件の最高裁判決を「集団的自衛権」の論拠とすることは「詐欺的嘘言」である。これらを聲高に主張する弁護士は懲戒の対象となるといえる。

 

 戦犯から解放された岸信介は、「憲法と旧安保」を正すことを政治課題として政権に就く。憲法第9条を改正して日本を再軍備し、旧安保を改定すれば双務的対等となると考えた。当時、ソ連を始めとする共産主義勢力に手を焼く米国は、岸政権の政治目的に資金的な援助を続けながら、日本に軍国主義が復活することを最も警戒していた。岸政権は、憲法改正に見通しがつかないため、安保改定のみを行ったが、在日米軍が日本以外の「極東地域」の防衛に任ずる程度で終わった。旧安保が「日本国内及びその附近」に限定していたことを僅かに拡げたものである。

 

 所謂、60年安保国会が始まるや否や野党側が提起した問題は、「新安保は軍事同盟的性格を持つものではないか」という追求であった。これに対して岸首相は、「国連憲章第51条の集団的自衛権を日本が行使することは、憲法上出来ないことは当然だ」、(昭和35年2月3日・参院本会議)と断言している。岸首相は集団的自衛権行使を憲法上否定したものの、本音は「極東の範囲」とか「事前協議」を条文に入れることで、事実上疑似集団的自衛権の行使をイメージしていたのである。

 岸首相が「憲法上できなことは当然」と断言したことは、新安保が「共同防衛的条約」でないことを宣言したものである。安倍政権が限定的とはいえ「集団的自衛権行使」の解釈改憲をする前に、新安保である「現行日米安保条約」を、共同防衛的なものに改定することが、政府の論からいえば絶対条件だ。それがなされずに「安保法制整備」はあり得ない。

 憲法が「共同防衛的条約」を許容するはずはない。となれば、「安全保障法制関連法案」は廃案にするしか術はない。学者・有識者、そして国会議員諸君よ、枝葉末節論を展開するのではなく、本質論を繰り出せば、国民に問題点を理解させるに十二分な提言となることは必定。

 

 

〇 平成の日本改革の原点 (第13回) (宮沢政権と政治改革)(3)

 

 平成4年(1992年)は、私にとって人生を根本から変えた年だった。30歳代から国政選挙や首長選挙に出るように何回も誘われたが、「選挙」にだけは絶対出ないという信条を変えざるを得なくなった年だった。

 国会議員になってみると、異次元の世界で大変だということを実感した。大晦日の夜中に連合の政治局長と会って、「山岸会長を口説けるのは、内田健三法政大学教授(民間政治連盟副会長)しかない」との知恵をもらった。内田氏は、政治分析で私の師匠にあたり、「法政大学で自分の後継者になってくれ」といわれていた関係である。「天の配剤」と感じ、平成5年元旦の早朝キャピタル東急ホテルに宿泊中の内田氏の部屋に押しかけて山岸会長の説得を要請した。

 

 内田氏の説得が成功し、平成5年2月20日、ホテルニューオータニの〝千羽鶴〟で「小沢・山岸会談」が実現した。

 小沢さんが山岸さんにこれまでの誤解を解き、憲法観をきちんと説明した後、

「今の自社馴れ合い政治を続けていたら、日本は駄目になります。自民党が改革できなければ、私が自民党を壊します。日本政治の再生に挑戦しますので、ご協力願います」

 

 身を乗り出して語る小沢さんに、

「改革を妨害する社会党左派とは決別する。この盟約は明治維新でいう、薩長同盟だ!」

 と、山岸会長もこれまでのわだかまりを解消してくれた。この会合で、非公式に「改革フォーラム21」と、「連合」の政策勉強会を始めることになる。

 3月に入って、これまで政治改革について消極的だった与野党の政治家を仰天させる事件が起こる。6日の早朝、東京地検特捜部は金丸信前自民党副総裁を、18億5千万円の所得を隠したとして脱税容疑で逮捕した。金丸氏は、前年秋に佐川急便政治献金問題で議員辞職し、政界を引退していたので誰もがまったく予想しない突然の出来事であった。

 

 金丸逮捕が報道されるや、その日の午前8時、小沢代表幹事から呼び出しがあった。

 

「僕は、金丸さんから随分目をかけられ、世話になった。個人的な金銭関係はまったくない。個人のカネでご馳走になったこともない。平野さんは僕より古い付き合いで、世話になったと何時も話していた。

 念のために聴いておきたいが、金丸さんからカネをもらったとか、ご馳走になったことはないか。正直に言ってくれ?」

 

「金丸さんとは、第1次佐藤内閣の昭和40年頃から議運理事として付き合ってきた。自分のカネを使わないことで有名だった。海外旅行だって、事務局から出せないカネは、政界黒幕の小針暦二の会社に持たせていた。そんな金丸さんからカネを貰ったり、ご馳走になったことは一度もありません!」

 

「よし、いよいよ谷を渡って吊り橋を切り落とす時が来た。後戻りはできない。政治改革が断行できる!」

 

 小沢さんの覚悟を見る思いであった。金丸信逮捕は3月13日に起訴、27日に追起訴となる。自民党は、足元どころか背中に火がついたような騒ぎとなる。日本全体に衝撃が走る。

 4月1日、考えてみればエイプリルフールの日だったが、宮沢首相は、記者会見で「衆議院選挙制度を中心に政治改革を断行する」と表明。翌日には自民党両院議員総会まで開いて国民に公約した。

 野党側では社会党が政治改革に積極的となる。政局のイニシアティブを握るため、政治改革を主張すれば、次の国政選挙で有利となるとして戦術を変えた。社会・公明両党で「小選挙区比例代表併用制」をまとめた。自民党は「単純小選挙区制」をまとめる。

 4月9日には宮沢首相は社会・山花、公明・石田、共産・不破、民社・大内の四党首と個別に会談し、政治改革関連法案の今国会成立に決意を表明した。

                         (続く)

 

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