「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―48

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

(菅政権では東日本大震災の救済は絶望だ)


 巨大地震が3月11日(金)に発生して、最早3週間が過ぎた。やっと本格的救援が始まったとはいえ、いまだに救援物資の供給や、被災者援護の根本について政府官邸の機能不全が続いている。福島原発災害についても緊急措置が続いていて、放射能被害の拡大が国内だけの危険性でなくなり、国際問題として深刻な事態を続けている。その最中の4月1日(金)に、菅首相は久しぶりに記者会見を行った。

 率直に印象をいうと、会見のスタートでは、自信を漲らせていたのか、えらく張り切った話しぶりだった。ところが時間が経つにつれて顔の表情が固くなり、その説明も、一国の総理の記者会見にはふさわしくない、「山を削って家を建てる」など、実務の話に終始した。記者団の質問に対しても誠実な答弁はなく、具体的な問題は、専門家・他人任せで対応するというものであった。これでは、国民は安心して大震災の救援や復興を任せることはできない。

 問題点を指摘しておこう。まず第1に、東日本大震災がわが国に「非常事態」を発生させたという認識が、まったく無いことに驚かされた。従って大震災発生に伴う初期対応が遅れたことや、内閣官邸が機能不全に陥ったことや、馳せ参じた諸外国の救援活動に、齟齬をきたしたことに対する反省の弁もなかった。

 第2に、いまも「非常事態」は続いており、それは余震だけではなく、新しい震災の可能性が、日本中にあるという意識がなく、4月中旬には各界の有識者による「復興構想会議」をスタートさせるということだ。東日本大震災を奇貨とした「新しい国づくり」は大事であるが、ここ2・3日の朝日新聞を見ると、菅政権のとんでもない陰謀が読める。

 それは「復興へ新税創設案」(4月1日(金))という見出しで、民主党がまとめた「東日本大震災復興対策基本法案等」の内容だ。復興案を提示して被災者を安心させることは必要だ。しかし、未だ自衛隊と米軍が、海洋を中心に安否不明者を捜索中という、非常事態の中でのことである。それだけではなく、陸上に残る膨大ながれきの中には、その数が未だ定かでない行方不明者も残っているといわれている。

 しかも、基本法の中には、特別消費税社会連帯税の創設を検討するとの方針が示されている。これらは、懸命に救命治療をおこなっているその傍らで、葬式の準備しているのと同じであり、被災地に出没する火事場泥棒と同罪だ。どうやら、菅政権はこの国を潰す腹を固めたようだ。

 さらに、同日の夕刊では「農漁業復興、国が全額負担 特別立法原案、被災失業者に補償」という一面トップの見出しで、民主党の特別立法チームの活動を報道している。これでは、民主党が朝日新聞を使って選挙運動をやっているのか、それとも朝日新聞が、菅民主党政権の延命工作に手を貸しているのかと、皮肉のひとつもいいたくなる。
 東日本大震災の復旧対策は、これまでの日本の政治・経済・社会などの構造を根本から変えるという覚悟がなければ成功しない。菅首相の言動からは、このような発想は微塵も感じられない。財政の形式的健全性にこだわる官僚の手のひらで踊らされている、思想なき人間なのだ。

 第3は、福島第一原発災害に対する菅首相の責任感がまったく感じられないことだ。「安定化の目途についていえない」と、あたかも、他人事のような言い方であった。3月12日(土)早朝、原発災害現場を視察し、その後の与野党党首会談で「福島第一原発は安全だ」と説明した直後、皮肉にも、それを待っていたかのように水素爆発を起こした。状況は時間が経つにつれて深刻となり、国際問題となっていることへの言及もなく、反省の弁も聞かれなかった。

 記者団の質問もなおざりで、専門家が指摘する「菅首相の、原発早朝・強行視察が現場の初期対応を遅らせた問題」について、菅首相の国会答弁の矛盾を追及すべきであった。国際原子力機関(IAEA)の測定による土壌汚染調査結果を、日本政府が無視していることも、これからの政治問題となろう。


(放射能の防御について小沢一郎氏の見識)


 多くの国民から大震災対策の中心になって活動するように期待されている小沢一郎氏は、3月19日(土)の菅首相と民主党代表経験者の会談で、「何でも言ってくれ。何でもやるから・・・・」と、故郷東北への想いを伝えた。菅政権も民主党執行部も、それに応じるつもりは小指の先ほどもないようだ。挙国体制で守るべき国家の危機に、挙党体制も作れないまま政治は漂流している。そんな中で、小沢氏の見識を示すエピソードがあった。

 3月29日(火)午前、私の友人である板橋区役所ホタル飼育施設の安倍宣男理学博士から電話があった。ホタルを飼育するために、汚染された水質の改善技術で有名な人物である。

 「放射性ヨウ素と放射性セシウムの数値が高くなる水道水を、70%削減できる発明ができた。蛍の飼育を参考にして、ナノ銀坦持石と骨炭などの組み合わせだ。これを小沢先生の名で世の中に知らせて欲しい」という話だった。平成19年6月、民主党代表のとき、小沢氏がホタル飼育施設を訪問して以来の交友である。

 早速小沢氏に伝えると、「大災害の中で、国民のためになるものを、政治家のパフォーマンスに使うものではない。平野さんから実務的に専門の関係機関に伝え、しかるべき機関にオーソライズしてもらい、国民のために役立つようにしてやって欲しい」ということであった。こんな場合、菅首相ならふたつ返事で飛びついてきたはずである。パフォーマンスが政治だ、と思っている政治家が圧倒的に多いわが国で、小沢氏の見識はさすがであると、改めての思いである。

 この件は、早速友人の都庁OB職員を通じて、水道局として取り組んでくれることになった。安倍博士の貴重な発明が、放射能汚染におののく国民のために役立つことをひたすら期待している。


(小沢氏が参加する真の挙国政治体制の確立を!)


 大震災発生後1週間程度は、交通手段の影響もあり、国会・政府・各党などの動きを見守るということを続けていた。

 参議院議員を引退して後は民間にいるとはいえ、「国家の危機」といえる事態に「このままでは国家・政府が機能不全となる」という、与野党の親しい政治家や各界有識者の叱責と、各方面からの訴えも届いたこともあり、3月18日(金)からいろいろな動きを試みた。申し訳ないが、その詳細は現時点で公開することはできない。これらは、真の挙国・救国政治体制を確立しないと、この大震災からわが国は再生・復興できないという思いに駆られてのことであった。

 その第一歩は、政権与党として責任ある民主党が挙党体制を確立することである。小沢氏の党員資格停止という集団リンチを反省・解消して、小沢氏を大震災対策の中心に据えることなくして、政治の機能不全を改善することはできない。

 挙国・救国政治体制のつくりかたはいろいろあるが、いま聞こえてくる政局の流れは、私たちが考える「真の挙国政治体制」から離れて、菅政権や自民党内の大震災を利用した利害・政権欲の裏取引となっている気がする。永田町の片隅で半世紀を過ごした私には、4月1日(金)の菅首相のことば尻に、その臭いを強く感じる。

 大震災を通して始まる政治は、「増税による復旧論」と「智恵のある思い切った財政出で、新しい国づくり論」の厳しい対立と思われる。

 菅首相は前者を選んだといえるし、このままでは日本は亡国となるが、「日本一新の会」は、断じて座視することはしない。
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