「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―318

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

(三内丸山遺跡こそ社会民主主義の発祥地!)

 

 5月13日(金)、青森市で開かれた「佐高信青森政経塾」に招かれ『公明党・創価学会の行方』というテーマで佐高氏と対談してきた。佐高氏は『自民党と創価学会』(集英社新書)を刊行したばかりで、随所に私の意見や情報を活用してくれている。現在の創価学会の「危険性」を二人で訴えることができ意義のある会合であった。

 私は、佐高政経塾の冒頭の挨拶で「青森といえば〝三内丸山遺跡〟だ。この縄文遺跡の歴史的意義を誰も知らないのが残念だ。約5千年昔、狩猟採集定着という世界に類例のない資源再生持続社会があった。差別も格差もそして〝アベノミクス〟もなかった。米国のサンダース大統領候補が訴える社会が、この日本に5千年前にあったのだ。従って、青森は〝社会民主主義の発祥の地だ〟」と訴えた。

会場は一瞬シーンとなったが、やがて拍手が起こった。

 

〇 小沢一郎が田中角栄から「一度だけどやしあげられた」話 (続き)

 

 昭和58年12月、小沢一郎氏は衆議院議運委員長に就任する。角栄さんがロッキード事件の一審判決で有罪となり政治倫理制度をつくるためであった。小沢議運委員長は、翌59年6月、野党が提案した「憲法58条の、国会議員の懲罰の運用を拡大し院外の行為も対象とする」ことで制度づくりをすると田中角栄さんを説得に行き、「バカ野郞!」と怒られたのが、前号の話だった。

 

 角栄さんにすれば、これから制度をつくるので、「事後法禁止の原則で、ワシが対象にならないからといって国民が選んだ議員をこれまでの憲法の解釈を変え、除名にする制度づくりをするのは許さん」という理屈だ。

 一方の、小沢議運委員長は「憲法学の権威、東大の宮沢教授の意見は、院外の行為でも著しく院の権威を乱す行為は懲罰すべしとの学説だ。ロッキード事件とは区別すべきで、この程度の制度づくりをしないと野党は納得しない」との理屈だった。要するに、角さんが反対しても新しい制度をつくるべきだ。毎年の総予算の審議もスムーズになるとの思いがあった。

 

 角さんの怒りは私に向かってくる。早速、早坂秘書を通して、「あれほど一郎を頼んだのにどういうことか。懲罰の拡大なんか潰せ!」となった。やがて夏休みとなりその間にじっくりと憲法の勉強をやり直した。何とか〝小沢構想〟を潰す手掛かりはないかと・・・・。

 9月になると、自民党の中に小沢構想を利用して「角さん叩き」にしようとの動きが出る。9月中旬、自民党政治倫理委員会で、「小沢構想」を決定することになった。困り果てていると、弥富事務総長が小沢委員長に知恵をつけた「懲罰拡大論の宮沢憲法コンメンタール(逐条解説書)」が全面的に改定されていることを知った。もしかしてと思い、昭和53年全訂版を買って読んだところ、驚いたことに「懲罰対象拡大」の部分がカットされていた。

 なんとこれがわかったのが自民党政治倫理委員会の開会日前日の午後であった。弥富事務総長に「全訂コンメンタール」を見せたところ頭を抱えてしまった。宮沢俊義博士は他界していて2人で相談したのは、全訂の責任者で東大を定年で退職して学習院大学教授となっていた芦部信喜氏に確認することになった。

 

 翌日正午過ぎ、学習院大学の芦部教授研究室を訪ね、全訂コンメンタール版で「懲罰対象拡大論」を削除した理由を尋ねた。「院内秩序は私の専門ではないので・・・・。多分、印刷のミスで削除したのではないかと思いますが?」との説明に、私の悪い癖が出た。要は頭にきたのだ。

「私たち国会事務局では、最高裁が避けている憲法の国会関係の解釈運用の理論づくりに職責を懸けているのですよ。そのために東大の憲法担当の先生方の一言一句に注目しているのです。政治課題で最大の問題を〝印刷ミス〟では、帰るに帰られません」。

 

 芦部教授は「失礼しました。宮沢先生が全訂にあたって残されたメモがありますので、今それを調べてみます」となった。芦部教授研究室は『宮沢メモ』を大事にしていて、金庫のようなところから出すとすぐ当該のところが出てきた。「ありました。読んでみます。『乱用されると議会民主主義が侵害される可能性があるので削除』とあります」

「ありがとうございました。お訪ねして良かった。宮沢先生のご主張を生かすことができます」と丁重にお礼をいって退室しようとすると、芦部教授は「午後1時から3時まで憲法の講義があり、午後3時から時間が空きます。恐縮ですがそれまで待っていただき、私たちの憲法の研究に職責をかけて活用されているとは知りませんでしたので、国会事務局での憲法論議について、お聞きしたいことがあるんですが・・・・」

 

「申し訳ありません。午後3時から自民党政治倫理委員会が開かれ〝懲罰対象拡大〟が決まるんです。これからすぐ推進派の小沢議運委員長と弥富事務総長を説得しなくてはなりませんので失礼します。お申し出の件は改めてお伺いします」と退室した。芦部教授との再会は実現せず他界され残念であった。

 

 衆議院事務局に戻り、小沢・弥富両氏に報告、納得してくれて自民党の決定は中止となった。これで角栄さんの顔は立てたが、それからが大変だ。私が参議院議員なった後酒が入った小沢氏は「政治倫理制度の骨を抜いたのは平野だ」と愚痴ることしきり。しかしよく考えると〝小沢構想〟の実現が必要だったと今は反省している。

 

〇 私の「日本共産党物語」 4

(議会政治体制内政党化に苦悩する共産党)

 

 前尾衆議院議長は、中村梅吉議長が舌禍事件で辞め後任として就任した最初の仕事は、社共公民4野党国対委員長に「会期延長はしない。自民単独採決はさせない」と約束したことであった。その約束を2ヵ月も経たないうちに破ることになったので、野党は怒りに怒り、前尾議長も辞める腹を固めた。そこには、野党との約束を破ることになる事情があった。

 

 田中政権の国会運営にはきわめて問題があった。前尾議長より2年半早く参議院議長に就任した河野謙三氏は、参議院の野党と自民党の田中系の勢力によって選ばれた事情があった。そのため、河野参議院議長は国会運営の方針を「与党3分、野党7分」と公言していた。前尾衆議院議長は、これを批判し「野党の意見表示権が十分行われたら多数決は行使すべきだ。両方の理論を国民が5分5分と判断すれば野党の意見を尊重する」との方針であった。

 この第71特別国会は縷々説明したように、大混乱が続出したため、1回目の会期延長の会期末、参議院には重要対立法案だけではなく、国民生活関係法案が溜まりに溜まって大変なことになった。参議院で河野議長が野党に気を遣い、法案の審議促進をしない事情があった。参議院のために会期延長をしないと国民生活が混乱する事態となったのである。

 

 前尾衆議院議長が野党との約束を破った事情を野党側はそれなりに理解していて、前尾議長を辞任に追い込むことが、国民から批判を受ける流れになった。国会正常化の話が野党側から出るようになり、社公民の3野党は田中政権からの慣行上の配慮(裏工作)もあり柔軟となる。ところが、共産党はこの自社55年体制の流れに入っていない。「国民に愛される共産党」で党勢拡大を成功させている手前、国会正常化に他の野党とは違う理屈が必要であった。その共産党の国会正常化の条件に使われたのが「平野議長秘書の職務不誠実が強行採決の要因となった。処分を要求する」という共産党松本善明国対委員長の見解であった。要するに、平野議長秘書を首にしないと正常化の話に応じないということだ。

 

 実は会期再延長が行われた昭和48年7月24日の深夜、前尾議長が自民党に抵抗して本会議を開かない。それを自民党幹部が議長室に押しかけて説得というより圧力をかける。そんな状況の中、松本共産党国対委員長から「前尾議長に再延長反対の申し入れの会談」を要請してきた。

 松本国対委員長からの私への直接の電話に「議長は会談中、終われば連絡する」と応えていた。あと何分後には本会議のベルを押すか、否かという状況の中で、共産党との個別会談などとても無理な話。私の対応に松本国対委員長は、まじめに連絡があると期待して待っていたわけだ。

 そのうち、前尾議長が国民生活の混乱は与野党を超えて避けるべきだと決断して、本会議のベルを押すことになった。私は事務総長に「共産党から議長へ会談の申し入れがあるが、事務総長も議長も知らなかったことにして、問題になれば、私の責任にして対応しましょう」と、耳打ちをしておいた。これを共産党が問題にしたわけだ。

 

 この結末はなんと、当時の宮本顕治共産党委員長が「政治家のケンカに職員を巻き込むとはなにごとか!」と、松本国対委員長の方が叱られて、議長秘書の私の首は繋がることになる。

(続く

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

nipponissin1

Author:nipponissin1
   代    表 : 平野 貞夫
   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
動画
 
最新記事
リンク
一新のトランク
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
Translation Tools
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!
Powered By FC2ブログ