「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―325

             日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 英国の国民投票でEU離脱派が勝利した背景を考える

 

 英国で「主権の回復」か、「経済リスクの回避」か、国論を二分した国民投票の結論は、EU離脱という道だった。3・8%の小差とはいえ、英国民の多数が示した事実は重大だ。この「英国ショック」に、6月24日の東京の金融市場は残留を織り込んだ前日から一転し、予想を超えた円高・株安が進んだ。欧米の株式市場も大混乱となった。

 我が国では参議院選挙の真っ最中で安倍政権の「アベノミクス」に打撃を与え、なり振りかまわず為替や株対策に没入している。当分の間はリーマン・ショックのような悲劇は起こらないようだが、世界経済の危機が何時発生するかわからない時限爆弾を抱え

たのと同じだ。一部の報道では、離脱に投票した中に反省の声が増え、国民投票のやり直し論があるようだが、そう簡単なものでもないだろう。

 英国での国民投票で、逆に小差で「残留派」が勝利した場合には、EUの参加国内で「離脱論」が激化したかもしれない。問題の根本は、EUをつくったものの従来の西欧式思考では自己利益の衝突を調整するには限界があるからだ。対立したものが共生して生きるためには近代西洋思想の見直しが必要だ。英国にとっての直接の影響はこれからだと思うが、当面、「難民・移民」問題がEUにのしかかってこよう。

 これらを冷静に検証するなら、西洋文明とは何か近代資本主義とは何かという歴史の中から解決策を考えなければならない。EU離脱を巡る国民投票が、近代資本主義や産業革命を誕生させた議会民主主義の母国、英国で行われたことを、私は歴史の皮肉と言いたい。大英帝国といわれる英国が、約300年ぐらい世界を支配しその支配を巧妙に続けてきた限界といえる。金融資本主義の本拠地を握ったまま、世界一のウイスキーの生産地である英国。EUを活用して如何に世界資本主義の「密」を吸うべきか、その計算に失敗したのが今回の英国といえる。

 今回の英国でのEU離脱派も残留派も民族問題での対立とは思えない。アングロ・サクソン系がどっちかに偏っていたとの情報もない。むしろ、保守派にEUに対する不信感があったともいわれている。また離脱派には、右派も左派も共存していて、既得権層への強い反感を共有しているようだ。そうなると金融グローバル資本主義による格差の拡大が英国社会で深刻となっていること。即ち英国社会の分断化が国民投票を動かしたとみてよい。

 となると問題はきわめて深刻だ。大英帝国の既得権で英国はやっていけなくなったということだ。資本主義の先進国として植民地政策を巧妙に成功させ、世界の富を集中させて重化学工業社会をつくり、資本主義を修正させて福祉政策による社会をつくったのも英国であった。となると、自分だけ良ければ良いという、西洋文明・西洋的考え方で人間社会でやっていけるのかどうかを、今回の英国の国民投票問題を検証すべきである。

 まず格差問題であるが、これは「排他的金融資本主義」を是正することだ。EUだけの問題ではない。次に難民・移民問題だが、植民地時代や中東の歴史をみるに「大英帝国主義」に原因がある。現代の中東やシリア難民問題の遠因ともいえる。現実問題としては、温暖化を放置している資本主義社会が原因といわれるシリア地域などの農地の干魃。そして米国やロシアなどの利権競争である。

 移民問題が理念通りきれい事で継続できることは期待できない。自己の欲望を排他的に最大限に成長させるということを価値観とすることに問題があるからだ。欲望を抑制して全体の発展の中で、幸せや豊かさを感じる価値観が必要である。これは東洋で育った哲学や思想といえる。EU問題は、英国の離脱だけでなく、主要国の離脱や崩壊の可能性すらある。となれば、世界は人間の欲望の修羅地獄だ。日本だって混乱の渦に巻き込まれるのは必至である。「この道しかない」と絶叫して、排他的金融賭博政策「アベノミクス」で、日本国民を騙している安倍自公政権に明日はない。

  今回の英国のEUをめぐる国民投票を、私は天命が人類に果した試練と思いたい。「共に生き共に幸せになる」思想の普及が日本人の責任だ。

 

〇 私の「共産党物語」 ⑪

(衆参白昼国会での共産党の活動!)

 

 昭和51年5月24日に「ロッキード国会」と言われた第77回常会が終わり、7月27日に田中元首相が「外為法違反」の容疑で逮捕された。8月16日にはロッキード社から5億円の賄賂を受け取った受託収賄容疑などで起訴され、ロッキード事件は田中元首相をめぐる裁判へと移行し、田中角栄は政界の「裏支配者」といわれるようになる。12月5日には現憲法初の衆議院議員任期満了選挙で、ロッキード総選挙といわれた。

 田中元首相を政界から葬った三木・中曽根派を除く自民党全派閥が「挙党体制確立協議会」を結成し自民党は分裂選挙となる。

総選挙の結果は定員511の内、自民260(追加公認11で実態は過半数を割った)・社会124・公明56・民社29・共産19・新自ク18・保守系無所属3・無所属2(正副議長)となる。

 この選挙の特徴は、自民がロッキード事件の影響を受けて公認候補で過半数を割る。追加公認で260名と、どうにか過半数を得たものの、参議院と同様に伯仲状態となったことである。さらに、自民党を離党した新自由クラブが18名を当選させたこと。そして共産党が19名と半分以下に減らしたことである。

 この共産党の敗因は、公明党と民社党の選挙協力で前回の敗北を反省にして共産党に投票した庶民票を復帰させたことである。さらに、各党が共産党の古傷に塩をすり込む選挙運動を行ったことによる。このロッキード総選挙から、昭和61年(1986年)

7月6日の中曽根首相の衆参同日選挙、通称「死んだふり解散」までの10年間、我が国の議会政治は、両院で与野党伯仲状況となる。

 この10年間、共産党は大平内閣が「消費税制度導入」を公約して総選挙を行った昭和54年10月、39名を当選させ、無所属2名と41名の会派を結成したが、残り2回の総選挙で29、(昭和55)、27(昭和58)の成績であった。国会運営は、「自民対社公民」の構造による談合政治が主体で、共産党は積極的に関わらなかった。料亭政治に参加することを避けるためである。日本式ワイロ談合議会政治に、少し距離を置いて監視するという姿勢であった。

 この時期のほとんどを、議院運営委員会の担当者であった私が、共産党との関係で記憶している話を紹介しておきたい。

 

(政治倫理綱領に賛成したかった東中理事)


 昭和58年10月に、東京地裁はロッキード裁判で田中元首相に有罪を判決。政治倫理制度をつくることが政治課題となる。

 小沢一郎氏が議運委員長で、私が担当課長でまとめ役だった。まず「政治倫理綱領」を制定することになり、案文の前文にあたる部分に「われわれは、主権者たる国民から国政に関する機能を信託された代表であることを自覚し、・・・・・いやしくも国民の信頼に悖(もと)ることがないように務めなければならない」との文章を入れた。

 この文案を共産党の東中議運理事にみせたところ、「国民の信頼に悖ることがないよう・・・・」の部分がよいので賛成したいとの話。実はこの文案は私の悪戯で、東郷平八郎の『五省の訓』からとったものだった。海軍兵学校を出た東中議員の潜在意識に残っていたようだった。青少年時代の教育の大切さをみた。

 同じことを言い出した政治家がいた。中曽根首相だ。側近の山崎拓氏が案文を持参したところ「悖る」とは海軍の言葉だと気に入っていたとのこと。東中理事には私の悪戯とはいえず、「中曽根首相の発想を参考にしたので、賛成しない方が適切」と説明して納得してもらった。

 

(海外旅行での慣行を理解してくれた共産党!)


 国会の与野党伯仲時代になると、共産党も参加して海外旅行の機会が多くなる。共産党の場合、国会対策や議運関係の政治家の回数が増える。海外で自民党から「社公民」と一緒に接待を受けていると批判され、宮本委員長名で反省書を出せとなった時期があった。共産党の寺前巌・松本善明・東中光雄氏に極秘に呼ばれ、文書の書き方に相談を受けた。

 私の説明は「国会から公式に派遣される議員団に、職員が随行する本当の理由は、共産党からどんなに文句を言われても不正がないことを証明するためです。但し、慣行があって航空機のファーストクラスに20人近いVIPが乗っても団体割引もしない。

そのサービスとして2回くらい食事会をやってくれることを慣行としている。この程度の慣行を容認できないようでは議会制度内政党とはいえない。マスコミの与太話を信じないで欲しいと、宮本委員長宛文書で出してください」と言ったところ、2・3日してから東中さんからお礼の電話があった。議会制度内政党に入るのには共産党にもいろいろと苦労があった。     

(続く)

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