「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―329

 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

〇 既成政党に怒りを示した都知事選挙!

 

 7月31日(日)に行われた東京都知事選挙は小池百合子候補の圧勝で終わった。この都知事選は何であったのか。候補者も政党も、そしてマスコミも質の悪いテレビパロディを演じただけではなかったか。自公政権のあり方だけではなく、野党、就中民進党の姿勢への「無党派層」の怒りの選挙といえる。私はこの選挙にマスコミによる「ポピ・ファシズム」の危険性を感じた。

 私は、選挙が始まる直前に立候補を決意した鳥越氏とは古くからの友人で、彼の信条が東京都民を通じて日本全国に拡がることを期待したが、実現できずに残念だった。そこで、私自身も反省をこめて都知事選挙後の政治展望を考えてみたい。

 

(鳥越氏敗北の真相原因を反省すべし!)

 

 選挙中に週刊誌が鳥越氏の女性問題を過大に報道し、鳥越氏を不利に追い込むためテレビが追っかけ報道したことが最大の原因だといえる。しかし、よく考えてみると仮に女性問題がなかったとして、鳥越氏が勝利できたかどうか、十分に検討してみなくてはならない。 

 都知事選公示の前日、宇都宮候補が不出馬を声明し4野党統一候補として鳥越氏が決まり、盛り上がったのが午後6時頃だった。時を待たず、午後7時にはNHKが「天皇は生前退位の意向」と、世界的なビッグニュースをぶっ放した。これは〝公共放送〟が天皇を利用して「特ダネ」を流すという、憲法や放送倫理を冒涜したものだ。背後で官邸筋が糸を引かないことにはできないことである。その夜のテレビだけではなく、その後、数日間のマスコミはこれを中心に報道する。これで4野党統一候補の鳥越氏のニュース性を低くしたが、敢えて言えば、こんなことに負ける4野党協力ではどうしようもない。

 選挙戦が始まるや、生活の党事務局から選挙協力要請が入った。1)推薦ハガキを協力してもらいたい。2)街頭活動を要請することになるので協力して欲しい、ということ。推薦ハガキは指定日に持参し、街頭活動に参加できる日時を提示していた。しかし、選挙戦が中盤になっても何の連絡もない。情報によると民進党の都合や内紛などで4野党協力が不調のようだという。

 

 そういえば菅元首相らが、鳥越候補と並んで街頭演説を得意げにしているテレビ報道が流れ出したのだ。これでは無党派層を逃がしていると感じたのは私だけではないだろう。私に声がかからないのは、この時期『サンデー毎日』での私のインタビュー記事が出て、参議院選挙の総括として「民進党は解党的出直しをすべし」と発言したことが影響したようだ。民進党には公然と小池氏を応援する動きもあり、はじめから勝負がついていた。

 実は鳥越氏にはいくつかの借りがあった。一例をいうと、小沢陸山会事件が始まった平成21年3月3日の大久保秘書逮捕の深夜、鳥越氏が電話で、翌朝のテレビ朝日「スーパーモーニング」に顔を出せとのこと。当時、アンカーマンで、陸山会事件は「権力による犯罪」として発言する機会をつくってくれた。翌4日、午前9時から出演して「陸山会事件は、昭和九年に齋藤内閣を潰した検察が謀略した〝帝国人絹事件〟とそっくりだ。翌10年には〝天皇機関説事件〟、その翌11年には〝2・26事件〟となり日本は軍事体制となった。小沢一郎を政界から排除することで、議会民主政治を潰そうとする動きだ」と絶叫した。 

 当時の民主党幹部たちは、私の発言を〝検察へ喧嘩を売った〟として批判が集中した。その後、民主党への政権交代などいろんな動きがあったが、第2次安倍政権に至って秘密保護法をはじめ、安保法制の解釈改憲など、戦前の軍事国家体制をつくるに至っている。実は、このことを鳥越候補の応援演説で民衆に訴え、今のままでは権力の不正義が増大し、鳥越知事で政治不信を解消することを都民に知ってもらいたかった。その絶叫は選挙中の26日、「シンポジウム田中角栄」で実現できた。

 

(「シンポジウム田中角栄」での小沢発言が政治再生へのスタートとなる)

 

 7月26日(火)に憲政記念館で行われたシンポジウムで小沢生活の党代表の挨拶が話題となっている。要旨は前号に掲載したが、毎日新聞は、小沢代表の似顔絵つきで「角栄氏、保身に権力使わず」との見出しで、安倍政権を「地位保全のため国家権力を行使している」と批判したことを報道した。メディアが安倍批判を避けるのは、言論・報道の自由を抑えているからで、わが国は危険で暗い将来に向かっているとの趣旨の発言は、多くの地方紙だけではなくロイター通信により世界中に報道された。安倍政権を葬る宣言だ。

 いよいよ次は衆議院総選挙である。勝利のための第1は、民進党が真に政権を担う信条を持てるか否か、第2は、共産党の民主政治実現の本気度を民進党が理解できるか否かにかかっている。民進党よ大人になってよく考えよ。衆議院の選挙区はすべて「一人区」であることを。それが理解できないなら、国民のために潔く解党することを進言する。

 

〇 私の「共産党物語」 14

(共産党幹部・上田耕一郎参議院議員と初めて会ったときの話)

 

 昭和60年4月14日、親族の結婚式披露宴で上田耕一郎氏の和子夫人から声をかけられ、戦時中の疎開の思い出話となる。そこで披露宴に顔を出していた上田耕一郎氏に挨拶をすることになった。当時は、衆議院事務局委員部総務課長で、その名刺を出して「平野です」と挨拶をすると、名前と立場は高子夫人から聞いていたとみえて、いきなり厳しいパンチを打ってきて驚いた。

 

〇上田 父親(庄三郎)から、君の父親(寛)の話をよく聞いている。土佐の片田舎で開業医をやりながら「大正デモクラシー」の仲間だったと。自由民権運動の流れで政友会の立場だったが、貧しい人からは治療費をとらず、立派な人だったと。それに比べ、4男の君のやっていることは何だ。腐敗した自民党の手先になって、政治を堕落させている。父親の精神を学べ。

 

 と説教されたのが始まりであった。私は共産党では相当に評判が悪いんだなと思ったが、ひとつ、冷やかしついで文句を言うことにした。以下、回答を要約しておこう。

 

〇平野 「自民党の手先になっている」ことは否定しませんが、政治を劣化させないためで、堕落させているとは酷いですよ。

 

〇上田 マスコミから聴いているぞ。強行採決のシナリオとか、紛糾収拾のシナリオで知恵を出しているそうだな。

 

〇平野 マスコミの無責任な噂を信じないで欲しい。共産党も含め、各党から相談があれば誠実に対応するのが私の仕事です。

 

〇上田 格好の良いこというな。自民党と一体なのが国会事務局なんだろ。君の父親は権力の不正義に抵抗することで土佐では知られた人物だった。その息子が権力と一緒とは・・・。

 

〇平野 そこまで言われるなら私も言わせてもらいましょう。私だって青春時代には革新勢力の政治を目指して活動していた時期があったんですよ。岸内閣の警職法問題や60年安保改定の頃、法政大学の政治学修士コースで、貴方の一高・東大の友人で「メーデー事件」で東大を退学して、法政の共産党細胞のリーダーだった安西史郎という人物の指導を受けたことがあるんですよ。

 

〇上田 えっ!、安西君を知っているのか。

 

〇平野 いつも貴方の話をしていましたよ。それに「社会主義国家論」のゼミで貴方の論文を使いましたよ。確か安藤仁兵衛さんが出した『現代の理論』にあった「レーニンの帝国主義批判」だったと憶えています。構造改革派の素晴らしい論文で、共産党もこの方向で行けばと貴方に憧れましたよ。

 

―ここまで話すと、上耕さん機嫌が悪くなり、黙り込んでしまった―

 

〇平野 私が日本の教条左派に疑問を持ったのは「ダライ・ラマ事件」の直後、『人民日報』が採りあげた社説を、都内の左派学者の研究会で私が報告した時です。毛沢東の『矛盾論・実践論』の方法論で「将来、中国とソ連の間でもさまざまな矛盾をめぐって紛糾が発生する」と結論づけたところ、出席者から総スカンをくらったときからです。

 

―上耕さんが相当に怒っている様子がわかったので私は話を止め―

 

〇平野 失礼しました。最後にお願いがあります。安西さんに会いたいので連絡先を教えてくれませんか。

 

〇上田 わかったよ。

 

 以上が上耕さんとの初対面でのやりとりで後味の悪いものだった。何故か安西さんの連絡先は教えてもらえないままだった。 

 

 この上耕さんと私のやりとりは、当時の共産党にとって重大な問題であったことが後日わかった。私の友人で朝日新聞政治部のI記者が、左派情報に詳しい安藤仁兵衛氏にこの話をしたところ、安仁氏からふたつの問題があるとの話が返ってきた。1)その頃、「上耕」は構造改革派時代の論文について、宮本共産党議長から反省文を書かされている時期で、怒るはずだよ。2)「上耕」の友人の「安西史郎」は「不破哲三」(上耕の実弟)と恋人をめぐ

って不仲となり、共産党を離れ転向したとの話がある。平野という人間は事情を知らないとはいえ、上耕の嫌なところを突いたものだ。 私が上耕さんと「飲み仲間」になるには、まだ天命は許さず時を要した。                 

(続く)

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

nipponissin1

Author:nipponissin1
   代    表 : 平野 貞夫
   顧    問 : 戸田 邦司
   事 務 局 : 大島 楯臣

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
動画
 
最新記事
リンク
一新のトランク
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
Translation Tools
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!
Powered By FC2ブログ