「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―331

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇『田中角栄を葬ったのは誰だ』の反響!

 

 田中元首相逮捕、40年目となる前夜の7月26日夕刻から、憲政記念館で「シンポジウム・田中角栄」が開かれ、日本一新の会会員の皆さんの多大なご協力で盛会に開催できた。但し「出版記念」と題したのに、出版社の不手際で会場に準備した新著が一冊しかなく、参加された方々の期待を裏切る結果となり、著者としてまことに申し訳ない次第であった。

 8月に入って増刷ができ、少しずつ全国的に出回り始めたらしく、さまざまな反響が出るようになった。熱心に熟読された貴重なご意見を頂いたことに感謝し、一部ではあるが代表的な反響の要旨を紹介させていただく。

 

1)読者からのメール要旨(愛知県在住・40代自営業者)

 

 本書を読み、これは凄いと驚嘆しました。巷に溢れる田中角栄礼賛本とは一線を画すというより、田中角栄を葬った「国家権力の犯罪」を告発し、その「国家権力の犯罪」は現在も、原発問題・辺野古問題と続く、法治国家、日本の虚偽と欺瞞であると、読後に思い知らされました。

「佐高・平野対談」に移ることにより「国家権力の犯罪」の現代日本への問題へと移行し、「あとがき」で「対米従属シンドローム」という戦後日本の支配体制の打破を訴え、結びとする見事さ。 日本の政官財、そして、第4の権力であるメディアが結託して田中角栄を葬ったのである。日本は三権分立が確立していない。そのことを権力が自ら暴露したのがロッキード事件。検察の異常な捜査・嘱託尋問・司法取引、その証拠能力のない〝証拠〟を証

拠として採用した司法。最高裁は、田中角栄死後に証拠能力は無しと認めたのに有罪としたままに終わらせた。田中は冤罪被害者だ。安倍晋三の独裁体制は、安倍の力によるものではなく、元々日本の権力構造を彼が悪用しているだけだ。

 本書を読み、私は日本の後進性を痛感しました。またこれまでのその後進性をロッキード事件のような悪例を除いては、政治家の理性や知性で補ったきたのが、今や無能の世襲議員ばかりで絶望的な状態であることも改めて認識させられました。小沢代表が牽引役となって進んでいる野党共闘。野党は今後、各々イデオロギーを捨て、ひとつの政権をつくる覚悟ができるか?、ここにかかっている。これが田中角栄の精神を継承した政治です。

 

2)アマゾン―カスタマレビュー要旨(7月20日・投稿者)

 

 ロッキード裁判は、日本裁判史上に於ける最低の裁判である。そこに日本の司法権はない。米裁判所のコーチャン証言を、そのまま日本の裁判に利用したのである。明らかに法律違反である。これを押し通したのが三木首相であり、特捜部も米国の犬と化し、偉大な政治家を葬ったのである。米国の顔色をうかがう外務官僚・法務官僚・財務官僚が犬のままである限り日本の独立はない。米軍基地問題も、これらの官僚を操縦できる政治家が登場しない限

りは解決しないのである。あれから40年経って、日本列島改造論のもとに新幹線・高速道路が整備されているのを見れば、如何に角栄の影響が強かったかがわかる。小兵のイシハラ君とは雲泥の差である。

 

3)アマゾン―カスタマレビュー要旨(八月六日・投稿者)

 

 戦後政治の政治権力者がどのように生き、どのように行動したのか、政治の中枢にいた平野さんが事実として書いた本であり、単なるロッキード事件の検証にとどまらない。日本政治の歴史書というべき価値がある。

 

 以上が新著への代表的反響である。現時点で批判や反論は見当たらないが、私はそれも待っている。反響の中には、私に現代政治分析の書物を期待するものが多数あり有り難いことである。閻魔大王に会うまでの私の責任と自覚している。

 取り敢えずは、平成26年に刊行した『戦後政治の叡智』(イースト新書)に、私が個人的に指導を受けた保守政治家(吉田茂・林讓治・佐藤栄作・園田直・前尾繁三郎・田中角栄)との秘話を記述したが、事情があってほとんど売れなかった。実はこの本に〝保守本流政治の真髄〟を書いたつもりだった。今回の「田中本」での私の認識は、まだまだ少数派である。これを多数派とするまでは、成仏するわけにはいかない。

未だ暫しの間、よろしくおつきあい願いたい。

 

 

〇私の「共産党物語」 16  (昭和天皇の崩御と共産党)

 

 竹下政権は昭和63年の後期、リクルート事件や天皇陛下重態という困難のなかで「国会運営の粋を尽くし」消費税制度の導入を成立させる。戦後最大の税制改革を成功させて、長期政権への展望を開くことができた。これにより、昭和64年への年明けは、竹下首相にとって生涯最高の元旦を迎えることになる。

 1月7日(土)、落ち着かれたと言われた昭和天皇のご容態が急変する。早朝の午前6時半、衆議院議運委員長室の土田係長から「天皇がご危篤。直ちに出勤されたし」との電話が入る。午前8時過ぎ、地下鉄・国会議事堂前駅を出たところで、首相官邸が弔旗を出していたので崩御されたことがわかる。午後2時から、衆議院の緊急議運理事会を開くことになり、関係者に連絡することから「天皇崩御」の仕事が始まる。

 この緊急議運理事会が開かれる前には各党から「弔詞奉呈」にどのように対応するか情報や相談が入ってくる。共産党の方針として「憲法上、弔詞奉呈を行うべきではなく、本会議で反対する」との記者情報が出る。これは国民の弔意に水をかけることになるとして、弥富事務総長から「平野、何とか共産党を説得してこい」となる。

 東中議運理事を議員会館事務室に訪ねたところ、「弔詞奉呈について聞きたかった。党内には憲法違反という意見すらあり、また共産党は少数なので弔詞起草で意見を述べる機会がなく、本会議で反対すべきだとの厳しい意見もあって困っている」

「憲法違反であるという理屈は、象徴天皇制を規定した現憲法に抵触する。共産党の歴史と事情からいって、賛成できる弔詞草案をつくることは現実として不可能だ。弔詞議決の際、共産党は棄権することが最も適切と思う。反対をすれば99%の国民の弔意に水をかけることになりますよ」

 東中議運理事は直ちに共産党内を説得して、午後2時から開かれた議運理事会で、「憲法上、弔詞奉呈を行うのは不適切であり、9日の衆議院本会議に出席しない」と表明した。同日午後2時半過ぎ、元号が『平成』と発表された。翌8日の日曜日は雨がシトシト一日中降る。全国民が喪に服すということでテレビ・ラジオは一斉に天皇報道で終始。

 9日(月)午前10時、本会議の準備をしているととんでもない情報が飛び込んできた。宮内庁や崩御関係を所管する内閣委員会理事会で、共産党からオブザーバーとして出席している柴田睦夫委員が、「共産党は本会議に出席する」と発言し大騒ぎとなる。

鉄砲の弾は事務総長からだけではなく、各党から私に飛んでくる。これは大変と共産党控え室に出向き、寺前国対委員長に「どうなっているのか」と掛け合うと「出席するつもりはない」とのこと。念のために、内閣委員会担当者から柴田議員に確認すると「欠席」とのこと。単純な〝連絡不十分〟が原因であった。

 

 この「弔詞奉呈本会議で、もうひとつトラブルがあった。本会議直前の自民党代議士会で、吹田幌議員らが「弔詞奉呈の冒頭、黙祷すべし」と発言し、党議の提案となった。緊急議運理事懇で糸山自民理事が要求、野党が反対し本会議が遅れることになる。自民党も強硬姿勢を変えない。仕方なく私が糸山自民理事の耳元で「神様になった天皇に黙祷とは失礼ですよ。拝礼となると一礼二拍手なんてことになる。これは宗教行事となり、それこそ憲法違反となりますよ」と囁くと、糸山理事は大声で「なんで早くそれを言ってくれないのか。恥をかかずに済んだのに」と怒り出す。

野党は大笑いで無事に本会議を開会することができた。当時の自民党国会議員の常識レベルを云々するつもりはないが、共産党の対応は議会政治体制内政党として、国民に理解を深める一齣となった。                      

(続く)

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