「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―335

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 フジテレビ『小池都知事追跡番組』でのコメント顛末!

 

 9月6日(火)午前11時頃突然フジテレビから電話があった。日本一新の会事務局経由の出演依頼で、私の連絡先が不明だったとのこと。マスメディアからのお呼びは何年ぶりか。ここ5年くらいは「危険な直言」をするので体制側のブラックリストに掲載

されていると聞いてはいたが、連絡先まで抹消されるとは〝世捨て人〟となった証拠なのだろう。

 

 要件は「小池都知事の政治能力や、国会でのエピソードをコメントして貰えないか」、翌7日の午後の放映なので6日中に録画したいとのこと。丁度東京での用向きが午後にあったので、久しぶりにお台場のフジテレビに出かけ、約1時間ほど質問に答えてコメントしてきた。翌7日放映の報道バラエティー番組「直撃 LIVE グッディ」は端から関心がなく観る気はなかった。ところが、担当ディレクターからお礼の電話があった。「お陰さまで盛り上がった。これからもよろしく!」と、何のことだか理解できなかった。

 

 それが理解できたのは、翌8日の朝。5人の友人から立て続けの電話で「元気そうで何よりだ」までは良かったが、3人が「相変わらず誤解される発言で小沢さんが気の毒だ。気をつけてくれ」との苦言だった。「何のことだ」と問うと、自由党時代の話で、「小沢一郎ぐらいの政治家になると多くの女性が面倒を見たがり、競争になっていた。その中で群を抜いて小池女史が頑張るので、他の女性から嫌われていた」と発言したとのこと。

 その部分を、フジテレビの〝お局さま〟こと、安藤優子女史がわざわざ採り上げ「平野さんの証言で小沢さんの面倒を見たい女性議員はたくさんいたって、そういう世界なんですか」と、田崎時事通信特別解説委員に話を振ったところ、田崎氏は「面倒を見たいという言葉が誤解を与えがちだけど、女性議員は誰かに尽くすのはいいんですが、今度は女性同士のケンカが始まるんですね。私が一番っという。その中で小池さんは一番目立って活躍もされた。でも、他の女性議員からは恨まれたという形だったのです。当時は・・」と解説してくれたようだ。

 

 2人の友人は「面白かったよ。築地の移転などの固い話より、女性権力者が出来上がる裏話を知る必要があるよ。平野の話が誤解を与えがちというが、誤解されてもいいよ。80歳になったんだから。この話がないとつまらん番組だった。それにしても田崎といい、安藤といい、わざわざ採り上げるなんて、彼らと何かあったのか」と詰めてくる。

「田崎氏は30年前の衆議院事務局時代に衆議院議運委員会の担当の頃、毎日のように取材に来ていた。小沢番が長く、小沢取り巻きの一人だった。政治改革を巡って、小沢VS梶山の争いが起こったとき、梶山側につき小沢批判の著書などを出版したり小沢の足を引っ張ったりしていた。梶山の晩年は『小沢改革』を理解し、竹下・野中と対決した。今の田崎氏は自民党守旧派側で解説する御用評論家として、『官邸のスポークスマン』を任じテレビ報道を劣化させている代表者の一人として活躍しているが、その昔、私に世話になったとの思いが多少は残っていて、彼の善意で誤解を解いてくれたんだろう。

 

 安藤女史は今でも私のことを憎んでいると思う。陸山会事件がクライマックスの時期に、安藤女史の番組に呼ばれて容疑者扱いを受けた。彼女が『小沢逮捕確実』とまで発言するのでその番組か、他のメディアかは忘れたが、『安藤は欲求不満があるんじゃないか?』と口を滑らせたことがある。怒った安藤から強い抗議を受けたよ。安藤は都知事になりたがっていたとの情報もあり、小池知事とは微妙なスタンスをもっている」。そんな昔話をして、友人からの立て続けの電話を終えた。


 ところで、私は久しぶりのフジテレビの録画で〝つまらん話〟だけをしたわけではない。徳川家康の江戸幕府体制は「戦争をしない―憲法9条」、「天皇を非政治化する―憲法1条」の先行形態といわれている。家康は苦労した武将であったが、「狸親父」といわれる謀略家でもあった。「狸」を「立派な政治家」に変えたのは側室の「お万の方」で、法華・妙見信仰による「生命の尊厳と人間の平等」を命がけで家康に教えた歴史がある。小池知事だけでなく日本の政治家は「お万の方」の思想を学ぶべきだ、との話は放映されなかった。日本人は自分たちの歴史から、真実のデモクラシーの理念を知るべきと思う。

 

〇 私の「共産党物語」 20

(非自民八党派連立政権と共産党)

 

 平成4年(1992年)7月26日、第16回参議院通常選挙で、私は高知地方区で当選できた。得票数は15万余票で、すべての地方区で最少得票だった。人口の自然減が始まっていた高知県ではあったが、私の得票数はあまりにも少なく斯界の話題となった。理由は現職の科学技術長官・谷川寛三参議院議員を、高齢などを理由に自民党本部が強引に引退させて、私を推薦したことに原因があった。

 そのため、自民党高知県連では事実上の保守分裂選挙となる。谷川国務大臣系の無所属候補が出馬し私に入った自民票は5万票程度であった。残りの10万余票はどんな票だったのかというと、公明・創価学会関係約3万票、宗教関係では立正佼成会・生長の家・真光・神道系、選挙活動を行わない天理教・キリスト教・仏教関係などが不思議なくらいに支援を申し入れてくれたことが有り難かった。

 驚いたのは、社会党の解放同盟が「お前には世話になっていないが、大正時代から父親(寛・開業医)に仲間が世話になった」と組織的に支援してくれた。民社党は県連レベルで非公式に応援態勢をつくってくれた。前号で述べた共産党の動きはなんとも読めないが、選挙が終わった後、親族・知人・友人などの共産党支援者から「平野と書いたぞ」と喜んでくれた。状況から見ると、前号の北岡共産党候補の私への話が本当だった可能性が高い。

 

 第16回参議院通常選挙の結果は、自民党が68名を当選させるという好成績であった。しかし、与野党逆転できるものではなかった。社会党は前回の半分にも及ばない24名の惨敗であった。理由は、直前のPKO法案に対する参議院での過激な物理的抵抗にあった。公明と民社は、社会党と距離を置く姿勢で議席を伸ばした。共産党は足踏み状態であった。話題となったのは、細川元熊本県知事が結成した「日本新党」が比例区で四名を当選させ、新しい政治の流れをつくった。

 無所属で当選した私は、手続からいえば自民・公明の推薦ということだが事実上は各党から票を頂いたわけだ。マスコミは「政界再編要員」と冷やかした。自民党に入党することについては公明党との調整もあり時間を置くことになる。投票日の翌日、小沢一郎氏から直ちに上京しろとの指示。話は「社会党の若手から、このままでは社会党は壊滅する。離党とか、新しいグループをつくると相談に来ている。政界再編のシミュレーションをつくって欲しい」とのこと。

 情報を集め、手順などの作業を進めている平成4年8月中旬、金丸信自民党副総裁の「佐川急便事件」が発覚する。社会党分裂の手伝いどころではなく自民党竹下派(経世会)の分裂となる。経世会から離れた羽田・小沢グループは、「改革フォーラム」を結成する。この時に私は自民党入党を申請するが梶山幹事長が政治改革の真犯人として「入党届」を机の引き出しに入れ放置する。翌5年3月28日、私は無所属で自民党高知県連会長に就任した為、3月1日に参議院自民党会派の所属を認めるという笑い話がある。

 それからの政局の動きは政治改革を巡り、宮沢内閣不信任案の可決、衆議院解散総選挙となる。8月6日には8党派による「非自民細川連立政権」が成立する。自民党政権が破綻したのは昭和30年に自民党が結成されて初めてであった。(これらの経過については、拙著『平成政治20年史』(幻冬新書)に整理しておいたので、参考にされたい)

 非自民連立細川政権に参加したのは社会党・公明党・日本新党・民社党・新党さきがけ・社会民主連合・民主改革連合の8党派であった。野党は自由民主党と共産党という政党構成となった。この非自民連立細川政権樹立の政策協定の調整役であった私は、この政権はまったくのガラス細工で、一ヶ年継続できるかどうか、不安感を残していた。

 永久政権の夢に破れた自民党は初めての挫折に混乱していたが、いかなる手段を使っても政権を取り戻すと謀略を展開するようになる。もうひとつの野党、共産党の対応が注目された。細川非自民連立政権の成立直後の共産党幹部の人たちの発言には驚いた。

「細川非自民連立政権は、自民党政権より質が悪い」という主旨の見解である。確かに問題の多い細川連立政権ではあったが、わが国の政治史で画期的なものという発想が何故にできないのか。政権交代という議会民主政治の根本を理解しないようでは、共産党のこれまでの議会政党化の後退となるときわめて深刻に思った。

(続く)

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