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「日本一新運動」の原点―349

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            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇「憲法改正―国民投票のルールの改善を考える会」に出席して

 

 12月12日(月)、参議院会館会議室で開かれた会合で井上達夫(東大大学院教授)・田島康彦(上智大教授)・堀茂樹(慶應大教授)・南部義典(元慶應大講師)の学者や、弁護士、ジャーナリストなど専門家が顔を見せていた。小沢一郎さんにも案内があったが、自由党県連大会の日程があり、私に代理出席して欲しいとのことで顔を出した。

「憲法改正国民投票法」の制定は、私が平成11年4月6日の参議院決算委員会で、野中官房長官と宮沢大蔵大臣、そして大森内閣法制局長官に対して、「憲法96条の改正手続―国民投票制度など―が整備されていない。これは憲法体系の欠陥であり整備すべきだ」と問題提起したことに始まる。

 当時は小渕自民・小沢自由の連立政権で自由党は与党であった。野中・宮沢両大臣は自民党の護憲派で、「必ずそれに併せて9条問題が出てくる」として慎重論であった。私の問題提起は話題となり、小沢自由党党首から「あまり年寄りを苛めないで欲しい」と注意されたことを憶えている。

 本来なら憲法制定と同時に整備されていなければならない「憲法改正手続き制度」が、なぜ半世紀以上も整備されず放置されているのか。この問題は国民に憲法制定権があるという、民主主義国家の根本となるシステムが、日本国家に存在していないとして、平成11年8月、自由党は『日本国憲法改正国民投票法案要綱』を決定した。これを契機に各党間の協議がはじまり、平成19年5月に8年間の歳月を要したが、『日本国憲法の改正手続に関する法律』として成立した。

 

(憲法改正国民投票法の問題点)

 

 会合では安倍政権による「改憲発議」が近づくと思われる政局で、制定から間もなく10年となる「憲法改正国民投票法」には「ルールの穴」といえる問題点がある、として専門家の南部義典氏から説明があった。

 

1)第109条に、国民投票運動のため金銭の使途に対する直接的、間接的な規制として組織的多数人買収罰を設けている。内容は「利害誘導罪」や「買収目的交付罪」である。組織性の要件、被買収者の多数性の要件など、構成要件の不明確性の問題や刑罰としての実効性に問題がある。

 

2)第105条に、投票期日14日前から投票日までの、国民運動CMの規制を設けている。国民投票運動CMは、国会発議後、投票期日15日前までは許されるものであり、資金力の多寡によって、賛成・反対の勧誘CMの放送量に偏りが生ずる。さらに、脱法的運用の弊害が懸念されるので規制の改革を行う必要がある。

 

3)組織的多数人買収罰や国民運動CM規制以外であっても、金銭の支出により、投票人の意志決定が歪められる恐れが否定できない。そこで、国民投票運動の費用の制限、透明性の確保に関して、一般的な規制を設けるべきである。

 

 南部氏は議論の叩き台として、次の制度改革案を提案した。

 

1)国民投票運動の費用制限等に関する制度

イ、何人も、国民投票運動のために、百万円を超える支出を行おうとする場合には、法律で定めるところにより、中央選挙管理会にその旨、登録しなければならないものとすること。また、登録を怠った場合等に対する、必要な罰則規定を置くこととする。

 

ロ、イの登録をした運動者は、国民投票期日の後、法律で定めるところにより、中央選挙管理会に対して収支等の報告をしなければならないものとすること。また、虚偽の報告を行った場合等に対する、必要な罰則規定を置くこと。

 

ハ、国民投票運動のための支出の上限を設けるべきであり、何人も、国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日までの間においては、国民投票運動のために、1億円を超える支出をしてはならないものとすること、を提案した。

(他に法律で定めるべき事項は省略)

 

2)国民投票運動CM規制の制度

 国民投票第105条は、次条(106条)の国民投票広報協議会及び政党等による放送を除いて、国民投票の期日前14日に当たる日から投票の期日までの間、広告放送を禁止している。これを国会が発議した日から投票の期日15日前まで禁止すべきで、そのための法改正が必要である。

 南部氏の説明は技術論が中心であったが、出席者からの意見や質問が出された。注目されたのは英国の国民投票制度を参考にすべしとの意見で、特定の条件で国民投票運動を行う組織が国(選管)から資金を受け取れる制度の導入論があった。

 

(会合での私の発言)

 会合の後半に、桜井充民進党参議院議員が顔を見せた。憲法改正国民投票法の立案に関わった関係で、その後の整備についても市民団体からの相談に応じているようだ。桜井氏の意見は、憲法改正だけではなく重要国政事項についても国民投票制度をつくるべきとの自論を述べていた。桜井参議院議員の活動を激励するようにとの司会者からの要望を受けて、私は次の要旨の挨拶をした。

 実は憲法改正国民投票法を健全なルールに改善しようとの専門家による会合があることを私は知りませんでした。11月の初めに、小沢一郎さんに呼ばれて当会の資料を見せられ、「この会合は大事であり、次回の12月12日は、僕は自由党県連発足で地方に行く予定なので代理で出席して欲しい」といわれて参加しました。まず小沢さんの伝言を申し上げておきます。

 

「国民投票運動の費用の制限等健全化の問題はきわめて重要なことです。自由な運動とともに費用の制限をどう適切に行うかを制度化することは、専門家の研究を踏まえねばなりません。国民的に納得できる素案の提唱を期待しています。なお、憲法改正国民投票法案の立法化については、平成11年当時の自由党が提起したことに始まります。私が党首で平野さんが憲法欠陥論として主張したのが発端と記憶しています。誤解も残っているようなので、本人が説明すると思います」以上です。

 

 これからの話は、私の意見で小沢さんの意見ではありません。よく間違えられますので宜しくお願いします。私は衆議院事務局で仕事をしていた関係で、国会関係で憲法は実定法が多く両院関係の規定に大きな問題があり、早い機会に整備すべきだという意見でした。今から20年前、新憲法制定50年時代は「論憲」といわれ、与野党ともまじめに憲法について議論をしていました。私が自民党所属の頃、雑誌『世界』で、朝日新聞の国正編集委員と対談したこともありました。この20年の間に日本の憲法環境がきわめて悪化したことに驚いています。現在の「自民党憲法改正案」は、怪文書といえます。

 憲法改正国民投票法の制定について、当時の小沢自由党党首は消極的で、私としばしば議論となりました。その時「中曽根さんのように右翼と言われるぞ」とまで注意を受けたこともあります。

2人の議論が一致したのは、間接民主主義に問題が生じ、直接民主主義で補完すべき時代の変化が早く厳しくなったこと、そして技術的に可能になったことを背景に、『重大な国政問題』について国民投票を行う制度が必要となった、これを憲法改正国民投票法の中に入れることでした。

 私が平成16年7月に引退し、この問題から離れていましたが、小沢さんが平成18年4月に民主党代表になって関わるようになりました。平成19年に自公民で立法化することになり、小沢さんの主張を入れることに失敗しました。

 小沢民主党代表を説得するため『日本国憲法の改正手続に関する法律』の附則第12条に「憲法改正の対象となりうる問題についての国民投票制度に関し、検討して必要な措置を講ずるものとする」を規定しましたが、10年間を過ぎて何の検討も行われていません。この制度がつくられていたなら「集団的自衛権の行使容認」もなかったと思います。是非、この問題も実現していただきたい。

 最後に、解散の時期にかかわらず、狂気の自公政権は維新の会を抱き込み、現行憲法改正国民投票法で憲法改正を来年にも実行する可能性があります。運動費用が無制限のうちにということですので、野党の国会議員に、早急にこの会合の趣旨を理解させるべきです。                     

(了)

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