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「日本一新運動」の原点―363

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              日本一新の会事務局

 

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            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇森友学園問題にみる日本人の感性の劣化!

 

 3月23日(木)、森友学園問題で参議院と衆議院において、籠池理事長に対する証人喚問が行われた。籠池氏が記者団などに「安倍首相から100万円の寄付をもらった」などの暴露発言に、頭にきた自民党が「総理を侮辱した」という前代未聞の理由で行われたものだ。

 籠池証人は偽証罪とか詐欺罪と脅されたものの、それ以上の材料の切符を持ち、次々と情報を出して、日本中を「籠池劇場」にした。自民党は「藪をつついて蛇を出した」どころか、「森友問題の幕引きを狙いながら、幕を引けなく」してしまった。否問題を隠すべき幕を焼いてしまったといえる。これらの報道は世界中に拡散し、日本の恥部を安倍首相夫妻と自民党がさらけ出したといえる。

 

 与野党国会議員の籠池尋問、政党幹部の発言、学識有識者らの新聞・テレビなどでの見解を3月26日まで可能な限り検証した。森友学園問題の本質を何人が指摘するかを知りたかったからだ。しかし残念ながら、私の期待は裏切られた。その代表例は蓮舫民進党代表で「問題の本質は行政改革だ」と公言したことだ。確かに9億円以上の国有地を8億円以上も値引きさせた理由や財務省・国交省の官僚が安倍首相の意向を忖度したか否かも大事な問題だ。大いに追求すべきである。

 問題はそれだけで終わらせてはならない。私は3月19日(日)に国会議事堂正面前の「森友学園の権力犯罪を真相究明しよう」との市民集会で、教育勅語の教育で「天皇陛下バンザイ」と叫んで戦死した日本兵士が100万人を超えたと叫んだ。その『悪霊』を、新設する小学校に蘇生させようとする学校法人に安倍首相夫妻が共鳴・協力することは、憲法9条を葬った流れを勢いづけるものと、何故、政治家や有識者は指摘しないのか。昭和天皇の、「人間宣言」や「憲法の平和原理」は今や日本人の感性から忘れられたようだ。諸外国の善良な市民が最もおそれているのはこの問題だと私は確信している。

 議会政治の先進国の市民たちが、もうひとつ日本の議会政治に心配していることがある。「森友学園」問題の安倍首相や稲田防衛大臣はじめ、官僚たちの発言がほとんど〝ウソ〟であることだ。先進国の議会では「虚言」を絶対に許さない。「記憶にない」との発言は絶対に存在しない。

 キリスト教会が近世になって、「心を律する教会」と「政治を律する教会」に分離する。そして後者が現在の議会となる歴史を持っている。こうして「政治の教会」で嘘をつくことは「神に嘘をつく」という倫理観が厳然として生きているのだ。議会が教会の建物そのものであり、議会の開会式で、議員は聖書に手を置き宣誓する。日本では、嘘をつく才能のある政治家や官僚が出世するという不思議な議会政治を続けている。森友問題はそのことを世界に暴露したといえる。

 

〇千葉県知事選挙の反省


 3月26日(日)の行われた「千葉県知事選挙」は、森田健作現知事が圧勝した。彼岸が過ぎて気温が10度を切る冷たい雨の条件とは言え、投票率が31%とひどい知事選挙だった。国政政党が名を出して支援したのは、共産党と自由党が応援した「角谷信一候補(無)」だけであった。自民党は名を出さず、民進党は自主投票ということで「森田候補」と「松崎候補」に割れ、ごく一部が「角谷候補」を応援した。社民は連合の影響を受けて「森田候補」を支援したとの情報だ。

 森田圧勝の原因は、国政4野党が先の新潟知事選挙のように候補者選びから、きちんと協力をすれば知事選を盛り上げることができたし、森田圧勝どころか野党側の勝利も可能だった。これからの国政選挙を控え、反省の多い選挙であった。

 私は四野党の統一候補を期待したが不調で、共産党と一緒に自由党千葉県連顧問として「角谷候補」を応援した。23日のJR千葉駅頭の応援演説の前に佐倉市の「麻賀多神社」に必勝の祈願をした。ご祭神は〝稚産霊神〟(わかむすびのみこと)で、幼児・子供・若者を健全に育てることを御神徳とする神社だ。角谷候補は高校の社会科の先生が職歴である。「おみくじ」を引いたところ〝大吉〟だった。

「長い苦しみから、明るい見通しがつく」との御託宣で、演説では「知事選は皆さんの努力次第だ。衆議院選挙で4野党の協力次第で政権交代が成功する」と、反省と勉強になった。

 

 

〇 日本人と『憲法九条』 9

(植木雅俊氏による「法華経」の新解釈)

 

 元創価学会幹部の友人から教えてもらった植木雅俊氏の著書は『思想としての法華経』(岩波書店)『仏教、本当の教え』(中公新書)『ほんとうの法華経』(植木氏と橋爪大三郎氏との対談・ちくま新書)の3冊であった。私の家系は「浄土宗」だが、真言宗の四国八十八カ所〝金剛福寺〟が近くで、御詠歌を子守歌として育った。そんなことで「般若心経」には興味を持っていたが、「法華経」には縁も興味もなかった。

 物理学を専門とする植木氏の書物を読んで真っ先に感じたのは、現在の創価学会が支援する公明党の政治活動とはまったく逆の思想ではないか。創価学会のいう「法華経」とは異質のものではないか、ということであった。本を紹介してくれた友人にそう伝えると、「まったく新しい発想で、日蓮聖人自身の考えにも無いものがあり、原始仏教の理念が生き生きとして記述された法華経の革命的解釈ですよ」とのことであった。 

 仏教にも法華経にも素人の私が、3冊の書物を読んで偉そうなことをいえる立場ではない。しかし、植木氏の学説に驚異的刺激を受けたので、3冊の要点を整理しておきたい。

 

1)日本への法華経の伝来は、五世紀の初めにサンスクリット語を中国人の鳩末羅什(くまらじゅう)が漢訳したものが始まりといわれている。それを日本人が読み、仏教の各宗派の大部分が最高の経典としてきた。わが国で最初の「法華経」注釈書は、聖徳太子の「法華経義疏(ぎしょ)」(615年)といわれている。これについては次号でふれる。

 

2)1837年に、この世には存在しないと思われていたサンスクリット語の法典が、ネパールで見つかり、その中に「法華経」があった。その原本を徹底的に読み解き、鳩摩羅什の漢訳と照合して、植木氏が日本語訳としたのが2008年であった。それにより、法華経は日本でほんとうの姿を現したといえる。それまでのわが国の法華経は、誤訳や宗派のドグマの中で、真の姿は見えにくかったといえる。

 

3)法華経は信仰としてではなく、思想として読むことで新しい価値観を発見できるというのが植木氏の意見である。法華経が成立したのは紀元前300年代、ガンダーラを含む西北インドと推定されている。この時期、この地域にはギリシャ人・パフヴァ人・サカ人などが共存していた。異なる宗教、異なる文化を持つ異なる民族が対立という文明的試練を超え、相融和して暮らしていた。そうした精神風土の中で法華経の止揚・総合の論理が醸成されたとのこと。

 法華経は、いろいろな教団でバラバラに説かれていたブッダを「釈尊」に一本化し「原始仏教に還れ」という主張である。原始仏教教典で釈尊は「私は人間であり、皆さんの善き友である」と語っている。ところが小乗仏教では「釈尊は人間ではない。ブッダである」と神格化し差別化している。これに対して「大乗仏教」は「成仏をあらゆる人に開放する」という仏教本来の平等思想を本旨としている。こうした小乗と大乗の思想の対立を克服して、普遍的な平等思想を打ち出したことが法華経の思想的課題である。

 

4)法華経と旧約聖書との比較だが、仏教では人間が目的であるのに対し、キリスト教では人間が神のもとに手段化されている。旧約聖書では「共同体の維持ができなくなるので、人は殺してはいけない」という。これは自分たちの共同体を守るためなら、他の共同体を解体させてもよいことになる。とすれば「人を殺してはならない」ということは絶対的な原理ではない。法華経の場合、「人を殺してはならない」ということは絶対的な原理である。

 

 以上、植木氏の3冊の書物から私が印象にのこってところを書き出した。これだけで法華経を理解したとはとても言えることではない。私は80才を過ぎるまで、「法華経」にこのような人類普遍の思想があることを知らなかった。まことに恥ずかしいことである。

 植木氏は著書の中で、この法華経の思想は日本文化の底流に流れていると論じている。(『思想としての法華経』38~40頁) その思想の影響を受けた日本人として、聖徳太子・最澄大師・徳一・日蓮・道元・西行法師・松尾芭蕉・近松門左衛門・本阿弥光悦らの言動を挙げている。なる程と思える。日本の歴史の中で法華経の影響を受けた人々は、数えることができない。その中で、法華経の「生命を大切にする」思想を感じ取った人が何人いたのか。私は、お万の方の法華信仰に原始仏教の原典を見つけた思いを持った。

                 

(続く)

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