「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―372

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 時局妙観

 

 仙台市に講演旅行中、珍しく小沢自由党代表とセットでマスコミに取り上げられた。衆議院法務委員会での「テロ等準備罪法案」の馴れ合い強行採決の直後で、5月23日付の『日刊ゲンダイ』が「小沢一郎に権力闘争のイロハを聞いたらどうだ。共謀罪採決バカ丸出しで泣き言野党」を特集した。それを解説したのが私のコメントだ。地方で販売されていない夕刊紙であり、参議院審議の監視のため要点を紹介しておく。

 

(見出し1 もっと暴れて政権批判の機運を盛り上げろ!)

 

 政権に徹底抗戦し、国民を振り向かせるための戦術は衆議院事務局に33年勤め、国会運営を熟知する元参議院議員平野貞夫氏が詳しい。本人に聞いてみた。

「民進党をはじめ今の野党議員は〝頭デッカチ〟の優等生ばかり。国会審議を法定のような〝かしこまった席〟と勘違いしていますが国会は知力と胆力を争う場です。議事法規も戦時国際法に近い。いわば〝何でもアリ〟の世界です。

 例えば国会法は侮辱発言を禁じています。安倍首相の「読売新聞を熟読して」の答弁だって、質問した議員が「侮辱された」と思えば即座に議長に処分を申し立てればいい。森友学園疑惑でも「政府が関連資料を出さない」と泣き言を言う前に「出すまで審議に応じない」と国会を止めたらいい。今の野党には審議拒否へのアレルギーがあるようですが、そこまでしないと国民は振り向いてくれません。国会で野党が大暴れしてこそ、政権批判の機運が初めて盛り上がるのです。

 

(見出し2 民主主義破壊を「共謀」するテロリスト政権)

 

 安倍政権下での共謀罪について前出の平野貞夫氏はこう言った。「共謀罪は戦争国家づくりの総仕上げ。戦時体制の構築には、特定秘密保護法や安保法制など〝ハードウエア〟だけでは足りない。国家の意思に抵抗し、賛同しない国民を恫喝して拘束する〝ソフトウエア〟は必要なのです。

 戦争国家の完成が目前に迫り、今本当に「共謀」しているのは誰か。最近の首相の言動は、国民と憲法と民主主義に対するテロ行為です。野党が政権批判をためらう理由はない。

 戦前には浜田国松代議士のように懲罰覚悟の「腹切り問答」で、軍の横暴を批判する腹の据わった政治家がいました。今の野党からも議員を除名される覚悟で安倍政権批判を猛展開する〝21世紀の浜田国松〟が現れて欲しい。 

 これらの警鐘にもかかわらず5月23日、衆議院は本会議で、「組織犯罪処罰法改正案」(テロ等準備罪法=共謀罪法)を民進党と共産党は出席して、記名投票ですんなり修正可決して参議院に送付した。民進党と共産党は、衆議院の審議で「平成の治安維持法」といわれるこの法案を「内心の自由を侵害する」とか「監視国家とする」と繰り返していた。どうしてその先のこと「戦争国家の総仕上げ」と追求しないのか。一部の報道では「民進党は、同日午後6時からの安倍首相の派閥である〝清和会〟の政治資金パーティーを〝忖度〟した」とのこと。

 一昨年の国会前、安保法制反対の10万人デモに参加した国民は泣いていることを民進党と共産党は知っているのか。4野党の選挙協力は「安保法制廃止」の一点に絞って安倍政権を打倒しようとすることを忘れたのか。

 5月24日の『河北新報』は、共謀罪法案衆議院通過を特集し、22日に「佐高信政治塾」の「政府批判の市民恫喝」―仙台平野貞夫氏講演―とする見出しで要点を報道し、その中で「教育勅語にも触れ、天皇を神に祭り上げ、国民を戦争の駆り立てた」などを紹介してくれた。教育勅語が「国民の思想と良心の自由を侵害した元凶だ!」という私の主張を、初めて報道してくれたことに感謝する。

 治安維持法の共謀罪は、教育勅語から発信している。テロ対策と称して「内心の自由」を侵害する共謀罪法案に対して、民進・共産党だけでなく憲法学者もほとんどの有識者も共謀罪が「教育勅語」の天皇現人神から出たことを理解していない。ここに問題がある。 

 

 

〇 国会つれづれ  4

 

 共謀罪法案の衆議院での強行採決騒ぎで2回休んだ「国会つれづれ」に戻りたい。「共謀罪法案」の審議は、野党側の追求姿勢が不鮮明で「風呂の中の屁」(失礼!)の感じがする。

 半世紀ほど前の昭和40年代前後の国会審議がどんな状況であったか紹介しておこう。

 

(池田勇人政権にもあった強行採決!)

 

 池田内閣は、岸信介内閣の強権政治を反省して「寛容と忍耐」の政治を行ったことで知られている。自民党国対委員長の園田直、社会党国対委員長の横路節雄の両氏が、徹底的に話し合いの国会運営を行ったので強行採決などなかったと思われているが、そうでもなかった。どうしても与野党で話し合いがつかない法案では強行採決を行ったがその後始末に政府与党は懸命に対応していた。

 

(石炭合理化対策関連法案のケース)

 

 昭和30年代の後半、世界中がエネルギー革命の激流期に入る。わが国の戦後復興は石炭がエネルギーの主流であった。技術開発が進み「エネルギー革命」として「石油」に変わっていく。膨大な石炭関係の社会的・経済的な資源や設備など、整理合理化しなければならなくなる。

 石炭関係企業の整理だけではない。主に石炭産業で地域振興を図ってきた北海道・常磐・北九州地方では死活問題である。何よりも炭鉱で働く労働者や家族など関係者は数百万人を超え、明治以来の日本経済を支えてきた。この「エネルギー革命」を成功させなければ池田内閣の「所得倍増政策」の実現は不可能であった。

昭和36年9月、第39回臨時国会に「石炭対策特別委員会」を設置して、石炭合理化対策の諸法案を審議していくことになる。同時に「オリンピック東京大会準備促進特別委員会」も設置され、私はこの二つの特別委員会の運営事務の末席担当者となる。

 この時期、政局は〝ポスト池田〟に佐藤栄作通産大臣と河野一郎建設大臣が競争関係にあった。佐藤通産大臣が石炭合理化問題を、河野建設大臣が東京オリンピック準備の責任者であり、両者の競争が池田政権や国会の活性化に役立っていた。(この2人の政治家とのとんでもない裏話は後述。)

 石炭対策特別委員会の事務局担当は商工委員会担当者3名が行うことになり、私が調査課で国会運営の調査をやりながら、オリンピックの特別委員会と兼務で滅茶苦茶な人事だった。商工委員会と石炭対策特別委員会が同時に開会されることがしばしばあった。有田喜一特別委員長が理事会で理由を説明して、私ひとりで運営事務をやったこともたびたびあった。

 そんな時、福岡県選出で「炭労」といわれる最強労組の法規部長を歴任した多賀真稔議員が手取り足取りで教えてくれた。予定外の質問で答弁できる政府側がいない場合、慌てる私に佐藤通産大臣が笑いながら対応を教えてくれた。炭鉱労働者の首切りを目的とする「石炭合理化臨時措置法改正案」では、労組の抵抗が激しく強行採決となる。しかし、先の衆議院法務委員会のような不誠実な政府側の答弁はなかった。与野党の真剣な審議が深夜まで続いた。国会周辺を炭労労組のデモが取り巻く中、佐藤通産大臣は特別委員会で、「離職者の生活は必ず守る。石炭から石油への時代変化に犠牲となる人間と地域を、私は必ず護る」と発言したことを記憶している。

 それでも与野党の話し合いは決裂し強行採決となる。私は当時の民社党控室に「有田委員長から、これから採決の議事を行いますので出席いただきたい」と連絡に行くと、対応してくれたのは長老の伊藤卯四郎議員で尋常高等小学校を出て炭坑夫として苦労を重ね、戦前は日本労働組合総同盟九州連合会会長を勤めあげた叩き上げの政治家であった。

「強行採決の通告に事務局が来るとは呆れたもんだ。政府の責任者を寄こせ。このままの採決には応じられんので出席はできん。生活の場を失う人間の気持ちを伝えたい」とのこと。直ちに佐藤通産大臣の代理で政務次官(現在の副大臣)が伊藤議員と会談した。「人間を大事にするのが政治だ。佐藤大臣に伝えろ」となった。佐藤通産大臣の回答を了とした伊藤議員は、採決に応じてくれた。しかし、社会党が採決に納得せず委員会は社会党の物理的抵抗の強行採決となった。その後の石炭対策特別委員会は、伊藤議員が佐藤大臣に伝えた「人間の大切さ」が話題となり「産炭地域振興臨時措置法」などの人間と地域を大事にする政策が実現していくことになる。               

(続く)

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