「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

◎「日本一新運動」の原点―379

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 時局妙観 (「加計学園問題」の本質―裏の裏)


 7月10日(月)の衆参両院で行われた閉会中審査で「加計学園問題」の基本的本質は明らかにされなかった。前川前文科事務次官が「官邸の関与は明らかに推測される」と断言、菅官房長官も萩生田官房副長官も明確な反論はできなかった。国民の「加計ありきの疑念」は消えず、安倍政権に赤信号がともった。「加計学園問題」は「安倍官邸が健全であるべき行政を曲げたこと」を中心に、国会やマスコミが追求したものである。

 これも重要な問題ではあるが、これだけではない。その奥の奥、裏の裏にある重大問題が採り上げられていない。野党もマスコミもこんなことでは駄目だ。内部告発の文書をめぐって「メール」が事実かどうかに終始する追求では事の本質は見えない。安倍政権の金看板である『国家戦略特区』の正体は何か。日本国の存立に関わる問題であることを理解すべきだ。

 

1)「今治市」という土地柄

 

 私は昭和40年代から今治市の人々と親しくなった。園田直衆議院副議長秘書時代、天光光夫人の故郷が今治で、江戸時代からの商人と造船の歴史を聞かされていた。昭和45年の台風10号で壊滅的被害を受け、県庁や市当局のミスで「激甚災害指定」を受けることができず災害対策委員会の仕事をしていた私は、今治市を選挙区とする与野党の議員の相談を受けて、智恵を出したりしていた。

 昭和60年代には、議院運営委員長に今治出身の越智伊平議員が就任しなかなかに変わった人物でさまざまな相談に乗り、死去するまで「今治を頼む」と言われてきた。朝日新聞の敏腕記者で、東京本社顧問で退社した池内文雄氏は「池内タオル」の長男で、いろんな人たちとも親交があった。参議院議員引退後、時事通信の「内外情勢調査会」の講師に何回か呼ばれ、造船などの経営者から今治や瀬戸内海の振興について意見を聞いてきた。

 今治は、伝統的に県庁とか市役所に依存しない商人や、タオルなど手工業も盛んで政治家や役人と距離を置く文化が続いていた。戦後の経済発展に取り残され、話題の「加計学園獣医学部」建設地は、昭和47年の「日本列島改造論」時代から活用が取り沙汰されていたが、県も市も住民も、構想力と政治力に欠けて、そのままになっていた。

 

2)国会参考人・加戸前愛媛県知事の罪と罰

 

 7月10日の国会閉会中審査会に、自民と公明の要求で参議院に参考人として出頭した加戸前県知事の説明は「愛媛は初めから加計ありきだ。15年前から四国の鳥インフルエンザ対策などのため、今治や四国各県のため待望のもの。本宮県議会議員の友人が加計学園理事長で、どの大学も応じてくれない状況で今治を選んでくれた。官邸に加計問題で不正はない。当然の措置だ」とのこと。これはテレビ視聴者に一定の理解を得た。

 私に言わせれば「よく言えたものだ」。加戸氏といえば平成元年にリクルート事件に関与した責任をとって文部省官房長を引責辞任した件の札付き官僚で、省内の右翼化教育の推進者だった。その後、愛媛県知事となったが、教科書検定では日本会議の立場だった人物だ。加計学園理事長・本宮愛媛県会議員・加戸前愛媛県知事・菅今治市長の四人の思想信条を因数分解して出てくるのは「日本会議の幹部会員」である。今治市の加計学園問題は、裏に「日本会議ありき」であることが見えるであろう。

 

3)「国会戦略特区」は「満州国建設」と同根・同質 

 

「国家戦略で規制の岩盤をドリルで穴を開ける」という安倍首相の熱弁に野党もマスコミ論調も「それは間違っていない」と肯定している。国家戦略特区で造られた大学とか学部が日本中に増えていくことは「日本会議」の思想が増殖するという裏がある。

 安倍首相が敬愛する祖父・岸信介の「満州国建設」を検証すれば、その実体がわかるだろう。 岸信介は昭和14年、満州健国を終えて帰国する際「満州国は私の描いた作品だ」と記者団に語っている。満州国の政策は、日本国内ではできない岩盤にドリルで穴をあけるようなものであった。中国を侵略するため日中戦争を拡大し、アヘンによる資金工作で関東軍を強化した。これらを満州国の制度と政策として実行した。私利私欲や犯罪、不道徳なことを『制度・政策』として行うのだから、それに関係する政治家・官僚などが犯罪者となることは絶対にあり得ない。

 敗戦後、戦犯・岸信介がCIAに協力して米国に従属して首相の地位を得て、賠償問題で数々の疑惑を持たれたが、「政治資金は浄化してから受けている」と嘯いたことは広く知られている。

「国家戦略特区」では、学校法人などが国や自治体から常識外れの補助金を受けても犯罪にならないことになっている。安倍首相がアベノミクスの第三の矢として、この実体を見渡すに「お友だちのお金持ちに特権を与え、さらなる金持ちとなり、日本会議的思想を普及させ戦前のような戦時体制をつくる」、こういう意図が私には見える。

 これらは安倍首相本人が考え出した構想ではない。長州官僚が明治時代に創造した権力私物化のノウハウを、岸信介のDNAを持つ安倍晋三の名において、質の悪い政治家や官僚が実行しているのである。

 

4)今治市の発展はいかにあるべきか

 

 昨年暮れ、四野党選挙協力を四国で具体化するように小沢自由党代表から話があり四国の振興や開発について「今治市」を中心に政策構想を作成することになった。本年1月23日、今治市で四国各地から20名の仲間が集って勉強会を開いた。私の構想は、太平洋と瀬戸内海という海洋に囲まれた四国は今治の造船やタオルなど世界に誇る技術を活かすことだ。

 造船技術などを海洋環境改善に役立たせること。自然エネルギーとしての潮流発電の適地でもある。瀬戸内海の環境を改善して安全な養殖設備技術の開発などで、四国全体を活性化する拠点とすべきというものだった。そのための研究所の設置や大学の誘致などを話し合った。その時加計学園の獣医学部設置の話を知った。参加した市民たちもうわさ程度の認識で、情報は閉じられていた。その時思ったのは、国家戦略特区政策が地政を無視し、「天命の法則」に逆らっていると。仮に加計学園の思いが実現しても安倍政権は長くはないだろう。空海・弘法大師が許さないだろう。

 四国は活断層の上に原発がある。大惨事が起こらないように祈るのみだ。

 

○「国会つれづれ」 8

         (「日韓国会」後の国会正常化を園田直副議長に任せた佐藤首相)

 

 憲法を冒涜した自民党の暴挙は自社55年体制で当事者間で馴れ合いだったが、国民は許さなかった。憲法学者などの追求が流れをつくった。衆議院本会議運営の責任者、船田中議長と田中伊佐治副議長が辞職しないと野党は国会審議に応じないとなる。

 佐藤栄作首相は考えに考え、池田政権時代に自民党国対委員長として社会党と話し合い、国会を定着させた河野派の園田直氏を起用した。議長には同じ河野派の長老・山口喜久一郎氏とした。河野一郎はこの年(昭和40年7月8日)死去していた。この正副議長人事は河野派の抗争を激化させていったが、佐藤首相にとっては国会の信頼を回復させないと政権を継続できない土壇場の判断だった。

 園田直氏の副議長起用で困ったのは、衆議院事務局であった。園田氏の政治能力には高い評価があるものの、女性問題ではマスコミに追いかけられ、今話題になっている豊田議員とは性質の違う問題をもっていた。事務局からの秘書をどうするか、事務局は悩んだ。当時、国務大臣と同格の副議長秘書には、次期管理職の40代前後のスタッフが起用されていた。

 事務局の人事体制は他の行政官庁と違い、整備が遅れていた。

前任の副議長秘書から国会運営を補佐できる35歳の人材を起用、それでも若すぎるとの批判があった。そこに30歳になったばかりの私を起用しようということになる。昭和36年に衆議院参事として7等級に任官し翌年6等級を飛び超えて5等級係長に昇進し、翌々年の昭和39年に議院運営委員会係長になり、本格的に国会運営の実務を学べると思っていた矢先である。事務局で、公務員として出世するつもりはなかったが、議会政治や自由民権論の専門家になるつもりだった。

 第51回国会が昭和40年12月20日に召集され、衆議院正副議長が交代する。即時に衆議院副議長秘書という辞令をもらう。その日、園田副議長からの用事は一件だけ。「明日、午前6時にこのメモにある千駄ヶ谷のマンションに来るように」とのこと。

 翌21日の早朝指示された渋谷区千駄ヶ谷のマンションの部屋のベルを押すとドアを開けたのはネグリジェ姿の女優・万里昌代だった。「失礼しました。部屋を間違えました」と詫びると、「こういう

ことだから、委細よろしく」と万里昌代の後から顔を出したのが、園田副議長だった。続く話に腰を抜かした。「佐藤首相の指示で、これから大磯の吉田元首相に、山口議長と一緒に挨拶に行く」と・・・・・・。 

                (続く)

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