「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―382

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 時局妙観 (8月3日の安倍内閣改造などに思うこと)  

 

 安倍首相が内閣改造直後に行った記者会見の異常さに驚かされた。「おわび」と称して冒頭の8秒間頭を下げた。衆議院事務局勤務33年、加えて参議院議員としての12年を、合わせておよそ半世紀、永田町に巣くってきたが初見のできごとだった。

 何に謝罪するための8秒間か、本来は記者団が追及すべきこと。安倍首相本人は、強引な答弁態度や不十分な説明に、総理らしからぬ議場での〝ヤジ〟など、自身の〝驕り〟を反省してのことと説明しているが二重人格者特有の言い訳だ。国会で虚勢を張って嘘をついたことを言い換えているにすぎない。

 戦後間もなく長谷川一夫主演で「小判鮫」という映画があった。主題歌の出だしに子どもながら関心を持ち、憶えている。

 

    「流す涙が お芝居ならば

             何の苦労もあるまいに・・・・・・・・」

 

 要するに、安倍首相の猿芝居にすぎないのだ。その役者が新閣僚だ。個々の閣僚について論評するつもりはないが、これまでにない異常な構成なので、後世のために指摘しておく。

 

(改造内閣は「子宮外胎児内閣」だ!)


 突然に意味不明のことを言いだしてお許しを。簡単に解説しておきたい。スイスの生物学者・アドルフ・ポルトマンに『人間はどこまで動物か』という著書がある。そこには「人間は生理的に早産である。本来の胎児期を子宮外に出るために、特別の保護や教育が必要だ・・」という趣旨のことが書かれている。

 安倍首相を含め、新内閣の20名を検証してみると、まず過半数の11名が二世か三世か、それに準ずる人物で構成されている。自民党四役をみると3人が二世議員だ。これだけ政治家の世襲が多数を占めた政権は、現憲法下で初めてである。この傾向は自民党の政権が続くかぎり拡大すると思う。私の知るところでは福田康夫・小沢一郎両氏ぐらいが、二世議員とはいえ自立心と社会的正義を理解しているぐらいだ。他は全部とはいわないが、自立性・判断力・調整力・人生観・歴史観等々について、幼児ならまだしも、胎児期の国会議員ばかりだ。故に「子宮外胎児内閣」と命名した。

 ほとんどが、先祖の社会的・経済的遺産が背景にあり、これが一見、公平に見える選挙を正常に機能させなくするなど、日本の政治文化の欠陥を代表しているといえる。この輩で構成する内閣を、安倍首相は「仕事人内閣」というのだから、開いた口がふさがらない。

 

(「改憲姿勢の修正」を評価する有識者と野党の間抜けさ)


 安倍首相が記者会見で国民に低姿勢ぶりを見せたポイントは、「九条改憲にスケジュールありきではない。党主導で進める」として改憲姿勢を修正したことである。いずれのメディアもトップで報道、野党も評価した。改造で支持率がほんの少し戻る原因になった。このまやかしを有識者や野党が見抜けないようではどうしようもない。

 安倍首相が憲法記念日に「九条に三項を設け、自衛隊を規定する」と、日本会議と読売新聞を背景に、猿芝居の政治効果について検証がなされていない。憲法論からみて安倍構想は実現できない。絶対という形容詞を付けてもよい。憲法の論理からも不可能な思いつきだ。如何に憲法を知らないかの確証となる恥ずかしい構想である。しかし、憲法論理として愚劣な言動が、政治的には重大な影響を与えていることに、気がついている人は何人いるだろうか。ひと言でいえば、安倍首相の「九条三項論」の馬鹿騒ぎで、平成26年の「九条解釈改憲」が、国民の関心から忘れ去られたことだ。

 大事なことは安倍首相にとっては「九条改正」は終わっているのだ。九条三項を設けようがどうしようが、理屈をつけて自衛隊を海外派遣できるし、「戦闘」という文字を隠しておけば、何でもできるのが日本国の現実だ。今回の改造劇で最大の関心は南スーダンのPKO日報問題だ。稲田防衛大臣が退陣して謝罪もせず、笑顔で心境を「空です」と言い残した映像を見るに、「色即是空」の般若心経を思い出した。官邸という「色」(隠蔽の元凶)を護ったことを語ったものだ。閉会中審査に出席しないとなればその証明となろう。

 もうひとつ重大な問題は、保守本流の「宏池会」が消滅したことだ。創設者・池田勇人・前尾繁三郎から直接の薫陶をうけた私からすれば、岸信介の世襲に取り込まれ「戦時体制」の仕事人になることは看過できない。泉下で二人は嘆いている。

 


〇 国会つれづれ  11 (「人事の佐藤」が政界支配のノウハウ)

 

 昭和40年春、佐藤内閣の最重要法案「赤字国債特例法案」は、園田副議長の知恵で年内成立を強行させず、民社党を説得して衆議院を年内に通過させ、翌年の1月に参院で審議成立させることで社会党も審議に参加して強行採決を避けることができた。国会正常化はかろうじて守られたわけだ。驚いたのは、園田副議長が民社党との交渉経過を、佐藤首相に電話で報告していたことについて、佐藤首相は竹下官房副長官を使って、私に「総理の命令」として確認をとることである。

 暮れの御用納めの日、副議長室に訪れた竹下官房副長官に「こんなことは困る」と苦情を言うと、「佐藤首相は平野君の氏素性を全部知っているよ。ご自分が世話になった吉田元首相や林副総理の関係者で、面倒掛けたそうではないか。身内のように思っていて、副長官の僕より信頼しているよ」とのこと。これは抵抗しても駄目だ、運命だと思うことにした。

 

(「議会制度協議会」の発足)


 大晦日になって大騒ぎとなったのは、年明けの昭和41年1月4日に、山口・園田正副議長が伊勢神宮を参拝し、記者会見をするとのこと。これまでにない画期的な国会正常化の構想を準備せよ、との指示が園田副議長から出たからだ。正月休みも返上で、知野事務次長を中心にまとめたのは、衆議院議長の元に『議会制度協議会』を設置するという構想であった。

 趣旨は「国民の信頼を失った国会の信頼を回復するため、国会運営の責任者である各党の議院運営委員会理事が、党派を離れて国民に信頼される国会として生まれ変わる改革を、正副議長の元で協議しようというものであった。国民はこの記者会見を歓迎し、抜本的な国会改革が国民的話題となった。この「議会制度協議会」は協議項目などを整理し3月9日に発足する。それは現在も存続し51年目となる。

 協議会の発足から私が参加しており事務局での私の仕事の8割は「議会制度協議会」であった。特に目立った成果は「沖縄復帰に伴う国政参加法」、前尾議長時代の「少数意見尊重の運営」や「議長権威の向上」等で実績を挙げた。事務局幹部の反対を説得して改革したのは「常会の1月召集の国会法改正」などであった。この協議会の評価は発足時の意図がほとんど生かされず自社55年体制で対立する問題の「棚上げ機関」であった。現在ではまったく機能していない。それが国会劣化の原因のひとつだ。

 

(「建国記念日法」を成立させた園田副議長)


「議会制度協議会」の発足で得意になった園田副議長に佐藤首相が出した宿題が厳しかった。自民党内のタカ派を掌握するため、「紀元節の復活」と批判された建国記念日を、「国民の祝日法改正案」で成立させて欲しいということ。昭和30年代から自民党内タカ派の悲願であった「紀元節」(神武天皇建国記念日の2月11日)を国民の祝日にする議員立法は、毎国会自民党有志から提出されていたが、野党の猛反対で審査未了となっていた。

 これを受けた園田副議長、頭かかえて「なんとか知恵がないか」と、知野事務次長と私に問題を持ち込む。「打開できそうな先例を調べましょう」と、まずは調査を始めた。たまたま園田副議長が地方行政委員長時代に、野党が反対する「災害対策基本法」を成立させた時の方法が参考になると気がついた。野党が反対する「自衛隊出動の緊急事態条項」を削除して成立させ、その条項については次の国会までに協議し、野党の意見を入れて追加改正させた事例があった。

 園田副議長に「災害対策基本法のことを憶えていますか。これの応用で社会党を説得できませんか」と報告した。「あの時は苦労したよ。しかし基本法に野党は協力的だったのでできたんだよ。よし、池田内閣時代に親交を深めた社会党の横路元国対委員長を説得してみる」となった。それから連夜、隅田川沿いの高級料亭『稲垣』に横路元国対委員長と石橋政嗣国対委員長を招いて説得した。「建国記念日」の項を国会で定めず、審議会で決めることで一致したが、その修正に社会党は賛成できないとなり、園田副議長は困ってしまう。そこで出た知恵が、原案を強行採決して、議長が与野党を調停する形で社会党も応じることになる。法案が成立すると審議会の会長に菅原通斉という粋人を起用して、国民的反対も少なく、現在の「建国記念日」が法制化できた。園田副議長は、佐藤首相からの信頼を深めていく。となると園田副議長は秘書の私を信頼し、いろいろな難題を持ち込んできた。

 

(河野一郎死去後の後始末に扱き使われた話!)


 昭和40年7月8日、園田直の親分・河野一郎が急死する。派閥の春秋会は分裂、河野家の後始末を弟の河野謙三参議院副議長と園田副議長が対応することになる。重大な問題が発覚、園田副議長から後始末の事務を勤めてくれと懇願される。 詳しい話は次号から・・・・。          

(続く

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