「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―390

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

 

〇 時局妙観

 

 9月28日(木)正午、衆議院は大島議長が本会議を開会直後、あらゆる審議を行わず解散となった。この解散は伝えられたとおりの「冒頭解散」で、憲法第53条に規定されている「何れかの総議員の4分の1以上の要求」による、臨時国会の開会権という『少数者の権利』を抹殺して行われたものだ。

 そもそも議会制で多数決原理が許されているのは、文明とデモクラシーの発展の中で確立した、『少数者の権利』を条件として存立するからだ。解散権の行使もこの条件の制約を受ける。「少数者の臨時国会召集権」の抹殺や破壊などは「人類の普遍的原理」を冒涜することで、許されることではない。勿論、憲法53条に違反するものであるが、憲法政治の根本問題として私は9月以来メルマガや集会などで警告してきたが、理解してくれる人は少なかった。

 

(議会民主政治の原点が

「少数者の権利」の保護にあることを知らない有識者たち)

 

 衆議院冒頭解散の翌朝の在京6社の社説を検証すると、日本マスコミが議会民主政治について、如何に無知で基本問題を理解していないか分かる。

 まず、どんな論調であったか、要点をまとめておこう。

 

○朝日新聞 「政党政治の危機」という小見出しで、憲法53条の野党の要求による臨時国会が3ヶ月余遅れ、議論なしの解散に対して「憲法を踏みにじり、主権者である国民に背を向ける行為だ」と批判している。

 

○毎日新聞 社説のタイトルが「安倍一強の是非を問う」ということで解散の憲法上の問題に触れず、与野党の問題点を現実政治の立場から論じている。企画もので「7条解散に厳しい目」との見出しで憲法第7条の運用について問題を提起している。第53条の「少数者の権利」の抹殺については気がついていない。

 

○読売新聞 冒頭解散の憲法問題に一切触れず、安倍政権の継続を祈る気持ちが溢れている。サブタイトルに「政治不信を招く民進の『希望』合流」と書き、民進の事実上の合流を厳しく批判している。

 

○日経新聞 冒頭解散についての政治論としての批判も行っていない。民進党の事実上の希望の党合流問題中心の論調で政権交代を目指すなら憲法、安保、財政再建、社会保障などの重要政策について具体案を示す責任があると論じている。

 

○産経新聞 冒頭解散を憲政史上の異例の事態と論じながら、それより民進党が希望の党に流れ込み政権の受け皿となることについて、北朝鮮危機などを中心に対応できるのか、と厳しく批判している。

 

○東京新聞 冒頭解散の大義がないこと、野党の憲法に基づく臨時国会召集要求を無視し、まったく審議を行わなかったことについて、安倍内閣に厳しく抗議している。「安倍政治」に審判を下す機会として野党の結束に期待している。しかし、野党―少数者の権利という議会民主政治の原点から冒頭解散を論じていない。

 

 以上が6紙の社説の要点だ。朝日・毎日・東京の三紙は、冒頭解散の政治論からの不当性を論じている。日経が政権交代を目指す野党に政策の面で建設的批判を行っている。読売・産経が安倍独裁政治の案内役を見事に果たしている。

 これらを総括すると、6社とも議会政治の根本原理を理解していないことに驚いた。例えば、憲法53条が日本国会の「少数者の権利」の発祥規定であることを知らないということだ。

さて、その原因は何か、これを検証する必要があると考えていたところ、10月2日(月)の朝日新聞(朝刊)に憲法学者の杉田敦法大教授と長谷部恭男早大教授の対談が掲載されていた。憲法学者のレ

ベルを知る好機だ。

 杉田教授は「今回の解散に正当性があるかどうか」と疑問を投げ、「審議せず冒頭解散それ自体が争点」と、問題の中核を突いているが、その論拠は述べていない。長谷部教授は、憲法53条が制定されたときの金森憲法担当大臣の意見を紹介し、「国会常設制は現実的でないので、一定数の国会議員の要求があれば召集しなければならないことにした」と述べ、「召集要求を無視する内閣が出てくることを想定していなかった」と、憲法53条制定経過から安倍内閣を批判していた。

 長谷部教授の53条制定経過紹介は大事なことだが、金森大臣の言葉だけだと、「国会常設制の代替えで、議員の臨時国会召集要求の制度ができた」となり、単なる立法過程の権利として情報である。金森大臣の立法真意は「少数者の権利」としての制度設計にあったわけで、制度の根本思想について憲法学としての歴史的、哲学的考察に欠けている。両教授の対談を読むと、私が機会ある度に紹介したイェリネク法学博士の『少数者の権利』についての120年前の講演を、もしかして、忘れたのか、あるいは知らないのか、と疑いたくなる。  

 

(TBS「風を読む」で出た注目すべき話)


 衆議院冒頭解散の翌日、植草氏が主宰する「オールジャパン平和と共生」の集会で挨拶した後、デモクラ・タイムスのネットテレビの録画撮りで「冒頭解散は国会を抹殺した」と論じた後、午後8時半からTBSのサンデーモーニングの「風を読む」でコメントの要望があり、録画撮りを行った。

 街々の人々が、今回の冒頭解散でいろいろ矛盾点を感じているので、専門家としてそれに応えて欲しいということ。私への問題は3点で、①冒頭解散の異常さについて、②小池都知事の総選挙出馬について、③総選挙後、どんな問題があるか、であった。私のコメントは、

文明・民主制の発展は、議会制に「少数者の権利」を確立させているからだ。日本ではその基本が憲法53条の少数者に国会を召集し、活動させる要求権である。それを抹殺した安倍首相は、人類の普遍的原理を破壊したといえる。1933年ナチス・ヒットラーの国会放火事件と同質と思う。

小池知事が政権交代を目指す政党の代表となった。知事と二足のワラジを履くことは無責任だ。知事を辞めるとなると都民から批判を受けよう。しかし、後継知事候補に指名する人物の見識や、人格を都民が理解すれば、小池代表の政治理念がわかり、展望が開ける。

総選挙の結果、可能性として自民票は過半数を割るかすれすれとなろう。さまざまな変化があると思うが、来年3月に日銀黒田総裁の任期が切れる。安倍首相の退陣となれば、自公政権でも黒田総裁の続投はなくなる。そうすれば「アベノミクス」は終わりとなる。経済や生活に大きな変化が出る。

 私は「風を読む」で①を使用することを強く要請した。しかし、使用したのは②だけだった。TBSの「サンデーモーニング」も、安倍首相に遠慮したのか①は使えなかったようだ。

私は放映を見てがっかりしていたところ、コメンテーターとして出演していた松原耕二氏(ジャーナリスト・元TBSニューヨーク支局長)の発言を聞いて驚いた。「このような冒頭解散は、フランスなら許されないことですよ」と。私は「これだ。この感性だ!」と思わず手を合わせた。フランスなら、、民衆が暴動を起こすような問題なのだ。新聞論調や憲法学者にない感性を持つジャーナリストがひとりいたことに、日本に一灯を見つけた思いである。

 

(野党各党は安倍政権打倒を最優先すべし)


「民進党」と「希望の党」の事実上の合流が不調となり、民進党は合流派・立憲民主党・無所属の三つに分かれる選挙となった。国民の多くが期待した「四野党協力」による政権交代に濃い霧がかかっている。原因に小池「希望の党」代表の姿勢にあるとか、前原民進党代表の稚拙さにあるなど、厳しい意見がある。確かにそのような面もあるが、要はそれを超えて安倍自公政権を交代させることが重要である。

 きわめて困難な問題を抱えているが、野党各党は相互に敵対するような言動を慎み、安倍自公政権打倒のためさまざまな知恵を出すべきだ。何故、主義主張を超えて安倍政権を交代させなければならないのか。それは安倍首相が人類の普遍的原理であり、文明や民主制発展の原点である「少数者の権利」を抹殺し、日本の議会政治を死滅させた政治家であるからだ。

 私がこうも極論する最大の理由は、「北朝鮮危機」は安倍政権では乗り切れないと推察するからだ。米国政府の混乱状況は歴史を見ても戦争への道へのコースを歩み始めた。安倍政権が続けば人類最悪の混乱への道を、トランプ大統領と共に歩むことは眼に見えている。文明・民主制の原点である「少数者の権利」を理解できない人物を政権の座から降ろすことが、日本人の人類に対する責任であると思う。

(国会つれづれは休みました)

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