「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について議論する広場」

「日本一新運動」の原点―53

日本一新の会・代表 平野 貞夫

 

     大震災の非常事態と政治の異常事態は終わっていない!

 

 3月11日(金)の東日本大震災発生から49日が過ぎ、被災各地で法要が行われている。数万人の人々の生命を失い、仮設住宅の建設が業界の圧力で著しく遅れ、10数万人の人たちが避難所での生活を続けている。また、復旧の見通しどころか、生きていく見通しがつかない人々の数も数10万人に及んでいる。避難所では病身のお年寄りが次々と死亡している。

 一方、福島第一原発の人災は、政府の情報隠蔽により世界中の不安は増大するばかりだ。菅首相は28日(木)の衆議院本会議で「原発事故検証委員会」を設置することを明らかにした。これは菅政権の事故対応の問題の実態、初動対応の失敗など、菅首相の判断ミスを隠蔽しようとするとんでもない謀略であることを国民は知るべきだ。

 原発事故発生時点に現場にいた東電関係者の情報によれば、菅政権の「レベル7」の発表の唐突さに対して、「4号機の千数百本の燃料露出による水蒸気爆発などの可能性を先取りした、レベル7の発表と思います」ということである。原発事故現場のその後の状況をみるに、この情報が確かである可能性が高まっている。

 29日(金)には、小佐古敏荘内閣官房参与(東京大大学院教授)が記者会見し、福島第1原発事故への政府の取り組みに関し、「その場限りの対応で事態の収束を遅らせた」と激しく批判して辞任するなど、菅政権は責任回避のため情報操作を行っているといえる。

 これだけではない。原発人災に伴う避難区域・警戒区域などに対する政府の方針の混乱、被災者に対する救援や補償などが住民中心に行われていなくて、相当の不満が出ている状況だ。それに福島第1原発風評被害は、福島県や周辺地域の農業・漁業だけでなく、日本中の経済に大きな影響を与えている。しかも、風評被害の根源は、菅首相や政権内部からの不用意で軽率な発言にある。

 私の言いたいことは、大震災や原発事故の非常事態は続いているにもかかわらず、菅首相の常識を破る暴言が国会でも続いている。それを与野党の国会議員が、反論できないどころか押し切られている現状がなんとしても異常である。この政治の異常事態を改善しなければ、真の国民のための震災対策はできない。

 

(菅首相の狙いは大震災対策より増税にあり)

 

 大震災が発生しなければ、菅氏の首相としての地位は3月一杯で終わっていたのだ。在日韓国人の違法献金問題があったからだ。この問題はこれからも責任が追及されることになる。真っ当な政治家なら「応急な対策を終えれば辞めるので、新しい救国政権で対応されたい」という、大局的な判断をするはずである。

 菅首相には、この大震災が国難的非常事態という認識がないどころか、原発事故を、政界では自分が最大の知識の持ち主と過信し、初動対応を誤って人災としてしまった。そして大震災すべての対応に、不必要な組織を積み上げるという、非常時にやってはならないことを行い、震災対策を致命的に遅らせた。それでも日時が経つにつれ、復旧・復興費が巨額になることを見込んで、消費税や復興税など、増税を財源とすることを公言するに至っている。それどころか「災害復興をなしとげ、税と社会保障の一体的改革に見通しをつける」と、国会答弁で開き直っている。

 多くの国会議員が、この菅首相の狂言的暴言に、まともに反論できないのは何たることだろう。菅首相も駄目だが、国会もそれ以上に劣化した日本政治の異常さを露呈している。小沢一郎氏が身命をなげうって「こういう劣化した政治を変えなければ、この時代に生きた政治家として恥ずかしい。このままでは末代批判される」という決意を語っても、これを理解する国会議員は多数とならない。小沢氏の発言は、地位や権勢欲を投げうった心境である。

 国難といわれる大震災の復旧も見通しが立たず、まして復興構想も思いつきのものしか政府が持たない段階で、財源に増税、しかも消費税の大増税を行い、復興に見通しがつけば社会保障のため恒久的なものにする、というのが菅首相のねらいだ。こんな発想で大震災対策が出来るはずがない。まして、有史初の原発人災を抱えて、財源を増税とする震災対策なら政治は要らない。

 国難の大震災への対応にもっとも必要なことは全国民の協力である。菅首相が自身の延命に大震災を利用とする限り、その地位に存在してはならない。このことを与野党の国会議員は肝に銘ずるべきだ。まずは各界の有識者の智恵を出し合って、増税でない財源の捻出を考えるべきである。国の埋蔵金、民間の埋蔵金や当面財政に影響を与えない調整金、建設国債など、五十兆円ぐらいの財源が捻出できないはずはない。

 4月28日(金)、三宅雪子衆議院議員から電話があり、私がかねてから「メルマガ・日本一新」などで主張してきた「民間の埋蔵金」、すなわち金融機関に眠る「休眠口座」の活用について質問があった。

 私の構想を支援してくれている中北徹東洋大学経済学部教授と、エコノミストの浪川氏を紹介しておいた。ようやく政治家が取り上げるようになった。制度上どのような整備が必要か、どれだけの財源となるか、英国の例が参考となる。

 

(社会保障の整備と税制改革)

 

 社会保障の整備は確かに必要だし、税制改革もこのままでは立ち行かなくなる。しかし、消費税を社会保障目的税にするという時代ではなくなっていることを知るべきだ。菅政権が目論んでいる8%にアップしても5年もたないだろう。消費税制度を導入した時の先人たちの苦労を学ぶべきだ。私は当時、衆議院事務局で政治の裏方にいた。先人の政治家たちがどんな苦労をしたか。『消費税の攻防』(千倉書房)で、私の秘蔵日記を公開する準備をしている。

 平成20年代の変化した情報資本主義社会では、税で社会保障を賄うという政策は行き詰まっている。社会保障で安心・安定の生活のため、分担金という発想で国民的合意を得る努力をするべきだ。日本の「税」は、お上から召し上げられるという文化で成り立っている。

 「絆」も「共生」も互いに助け合うという共助思想をもとにしている。誰がどういう条件で分担していけばよいのか。新しい社会の在り方の基本として議論すべきであり、決して権力欲を満足させるためのものであってはならない。

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